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読み聞かせを続けることでわが子の心の動きに気づくことができる

2014/05/03

子育てに読み聞かせを取り入れることをおススメする理由、それは親子であたたかい時間を共有することができる、子どもに確かな愛情を伝えることができる、というだけでなく「わが子の心の動きに気づくことができる」という親にとっての大きな利点があるからです。

小さな子どもは、自分の思いを正確に伝えることができません。そのため伝え方が、乱暴であったり、わがままを言うであったり、親から見れば『困った…』な方法であることは多々あります。あるいは何も言わない『いい子』を演じ、心の中に色々な葛藤を抱えていることもあります。

毎日のように絵本の読み聞かせをする中で、その子の選んでくる絵本に、その『困った』の原因や、表に出さない葛藤を探るヒントが隠されていることがあります。実例をひとつあげますと、とても手のかからないお利口な女の子の家に、赤ちゃんが生まれました。

その女の子はママの妊娠中から赤ちゃんの誕生を心待ちにし、生まれた赤ちゃんをとてもかわいがって、ママがいない間につねってみるとか、赤ちゃんを置いて自分を抱っこしてと言うなんてことは全くありませんでした。

それから1年以上たってある絵本に出会い、毎日毎日その絵本を「読んで!」と持ってくるので、ママは1ヵ月ほど毎日何度もその絵本を読みました。その絵本のタイトルは『あなたって ほんとに しあわせね!』(キャスリーン・アンホールト/作、星川菜津代/訳、童話館出版)。

ママはなぜその絵本ばかり読んでとせがむのか考えて、自分がじっくりその絵本を読んでみました。お話も絵もすみずみまでよく見てみました。そして分かったことがありました。主人公の女の子の、赤ちゃんが生まれる待ち遠しさの中で、だんだんママが自分だけのものでなくなることを実感し、いざ生まれるとみんなの視線が赤ちゃんにいってしまう寂しさ。

自分の思い通りにならないもどかしさの中、ママの助けになれる自分の発見。そして自分がいるから赤ちゃんは幸せなんだと感じることができた主人公。女の子はこの主人公に自分を重ねていたのです。ママは女の子に言いました。

「このお話、あなたとうちの赤ちゃんに似てるね。あの時、あなたもこの子とおんなじ気持ちだったんだね。うちの赤ちゃんもあなたみたいなお姉ちゃんがいるから幸せだよね」女の子はその言葉にこう返しました。「うちの赤ちゃんは、私のことが一番好きなんだよ」それからだんだんこの絵本の出番が減って、別の絵本を持ってくるようになりました。

この実例は非常に子どもの気持ちが分かりやすい例ですが、そうでなくても何度も続けて持ってくる本には、単に好きなだけでなく、必ずその子の心に同調しているところがあるはずです。日頃の様子とともに、絵本を通すことでも子どもはメッセージを送ってくれるから、絵本の読み聞かせはとっても役に立つ子育てツールなのです。どんどん活用していきましょう。

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