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楽しいだけではない読み聞かせの効果!子供の脳に良い影響を与えます

2014/05/02

私の友人は週に1度、絵本の読み聞かせボランティアをやっています。図書館のキッズスペースで行っており、時間になると子供たちが集まってきます。絵本は子供たちの様子や年齢などを見てから選ぶそうです。友人は読み聞かせが本当に上手く、子供たちは食い入るように本を見つめていました。

彼女自身も楽しそうに本を読んでいます。まるで役者のように声やしぐさを変えていきます。絵本を通じて子供と大人が一緒に楽しむことができる。これだけでも絵本の読み聞かせを行う理由としては十分に魅力的です。しかし効果はこれだけではありません。

言葉から実物をイメージして感情に働きかける

図書館に集まっていた子供たちは、友人の読み聞かせに耳を傾けながら、それぞれにストーリーを想像していたことでしょう。子供たちの目の前にある絵は、動かずにじっとしていますが、子供たちの頭の中では動き出していたに違いありません。

例えば物語の中に美味しそうなクッキーが出てくれば、形や色だけでなく、バターの匂いやサクサクの食感まで思い浮かび、口の中によだれがたまります。それをお友達と一緒に食べたらと思うと、ますます幸せな気持ちになります。

海賊船が出てくれば、暗く不気味な船内の様子や、夜の暗い海に浮かぶ月、後ろから忍び寄ってくる海賊たちを想像し、ちょっぴり怖い思いをする時もあるでしょう。こうした言葉から実物をイメージし、感情を働かせる効果については、科学的にも立証されています。

読み聞かせの効果の有効性は立証されている

2010年に「『読み聞かせ実践』を科学する」というシンポジウムが開かれました。まず発達心理学の立場から、白百合女子大学の田島信元教授は実証データをもとに読み聞かせの働きについて、子供の社会・情動的、認知的発達において重要であるという報告をしました。
 
次に脳科学の立場から、東京医科歯科大学の秦羅雅登教授は脳機能イメージングの手法を使い、読み聞かせの際の読み手と聞き手の脳活動を計測し、脳への働きを調べました。その結果、読み聞かせは「情動」の中枢である大脳辺縁系に働きかけていることが分かりました。

最後に小児科学の立場から、福岡新水巻病院・周産期センターの白川嘉継センター長が興味深い症例を発表しました。同センターでは、障害により言葉の遅れがみられる子供達に対して、母親による「読み聞かせ」を積極的に行っていました。

その症例の1つとして報告したのが、在胎34週、2100グラムで出生した2歳の女の子について。初診時の彼女は発語の遅れ、表情の乏しさがあり、笑わない子どもだったそうです。しかし本の読み聞かせを継続して行った結果、3歳6か月時には言葉の遅れが改善しただけでなく、年齢以上に発達しました。4歳6か月に成長する頃には通院の必要性がなくなりました。

この症例から、母親の読み聞かせは子どもの言語能力を高めることができることが分かりました。また読み聞かせの影響は母親にも現れました。彼女の母親は気分の変調が減ったそうです。そしてそれにより、子どもの行動も安定しました。

読み聞かせを行う際のポイント

科学的に効果が立証されており、子供だけでなく親にも良い影響を与えてくれるのならば、さっそく実践していきたいですよね。しかし気をつけてもらいたいのは、読み聞かせを「義務」のように考えないこと。

シンポジウムで脳科学の立場から研究結果を発表された秦羅雅登教授によると、読み聞かせの時間や本の種類などは特に気にせず、親子ともにゆったりとした気持ちで行うことが大切だそうです。

また、読み聞かせの最中に子供が勝手にページをめくる、もしくは違う本に変えたとしても、気にせずに子供のペースに合わせてあげればよいということでした。なによりも大切なのは、親子で絵本の世界を楽しむことなのですね。

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