同時接種OK!小児用肺炎球菌ワクチンの予防接種スケジュール

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2015/12/14

ここ数年で予防接種は大きく変革を遂げました。特に新たに加わった定期接種のうち、小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンは、あまりパパママに知られていないワクチンですね。

これまでに馴染みがなかった小児用肺炎球菌ワクチンですが、非常に怖い病気を予防してくれる役立つ予防接種です。特に免疫力や抵抗力の低い赤ちゃんにとっては、命の危険から守ってくれる接種のひとつです。

小児用肺炎球菌ワクチンが防いでくれる肺炎球菌感染症について、また他のワクチンと組み合わせて上手にスケジュールを立てる方法についてピックアップしてみました。

小児用肺炎球菌ワクチン予防接種と、スケジュールの立て方

小児用肺炎球菌ワクチンは、プレベナーとも呼ばれる予防接種です。最近になって新たに登場した予防接種のひとつで、さまざまな感染症から子どもを守ってくれます。

【プレベナー】小児用肺炎球菌ワクチンと、肺炎球菌感染症

小児用肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌という細菌による病気を防ぐワクチンです。

   

   

小児用肺炎球菌ワクチン 詳細説明
接種の種類
(定期/任意)
定期
ワクチンの種類 不活化ワクチン(接種後は中6日、1週間後から他の接種が可能)
同時接種について 同時接種可(四種混合ワクチン・ヒブワクチン・ロタウイルスワクチン・B型肝炎ワクチン)
接種推奨年齢 生後2ヶ月~
接種回数
  • 生後2ヶ月スタートの場合…4回接種
  • 生後7ヶ月スタートの場合…3回接種
  • 生後1歳~スタートの場合…2回接種
  • 生後2歳~5歳の場合…1回接種
間隔の説明 4回接種の場合(今後の基本間隔)

  • 1回目…生後2ヶ月
  • 2回目…1回目接種後4週間以上あけて
  • 3回目…2回目接種後4週間以上あけて
  • 4回目…3回目接種から60日以上あけて、生後12~15か月以内に

肺炎球菌は子どもの細菌感染症の2大原因のひとつとされ、ヒブ菌とともにいろいろな病気の原因となるため恐れられています。

肺炎球菌は、新生児をのぞく多くの子どもの体の中に普通にいる菌のひとつです。赤ちゃんは成長とともにいろいろなルートで肺炎球菌をもらうようになります。

肺炎球菌は非常に硬い殻を持っている菌で、人間の免疫が働きにくい構造をしています。特に幼い子どもほど抵抗力が低く、また高齢者も抵抗力が低くなると言われています。

普段から体の中やのどや鼻の奥などにいる菌ですが、急に炎症を起こすことがあります。風邪やインフルエンザなどがきっかけになることもありますし、暴れ出す原因がわからないこともあります。

体力が落ちている時は特に要注意です。

肺炎球菌は、実にさまざまな病気を引き起こします。病気の例を挙げますね。

  • 中耳炎
  • 肺炎
  • 菌血症
  • 細菌性髄膜炎

これらの病気は決して珍しいものではありません。これらの病気を防ぐために行われているのが、小児用肺炎球菌ワクチン接種です。

小児用肺炎球菌ワクチン開始は2ヶ月のお誕生日!4回接種が基本

小児用肺炎球菌ワクチンは、生後2ヶ月からスタートします。予防接種開始のスタートラインをきるワクチンのひとつです。

ただし初回の接種月齢によって接種回数が異なるので、注意が必要です。

髄膜炎など危険な病気から赤ちゃんを守るためには、生後2ヶ月に入ったらすぐの開始がおススメです。

特にママからもらう免疫が切れる生後6ヶ月以降に、発症リスクが高くなります。それまでに3回目まで終わらせておきたいですね。

【標準スケジュール】小児用肺炎球菌ワクチン4回接種

  • 1回目…生後2ヶ月に入ったらすぐ
  • 2回目…1回目から4週間以上あけて
  • 3回目…2回目から4週間以上あけて
  • 4回目…3回目から60日以上あけて、生後12~15か月以内に

小児用肺炎球菌ワクチンは不活化ワクチンです。不活化ワクチンは接種した後、1週間後(中6日)から他のワクチンが接種できます。小児用肺炎球菌ワクチン同士は4週間以上あける必要があります。

4回目だけタイミングが異なるので注意が必要です。3回目から60日以上あけて、1歳のお誕生日を過ぎてから生後15ヶ月までに4回目を受けましょう。

【生後7ヶ月~スタート】小児用肺炎球菌ワクチン3回接種

  • 1回目…生後7ヶ月
  • 2回目…1回目から4週間以上あけて
  • 3回目…2回目から60日以上あけて、生後12~15か月以内に

※3回目が1歳代の追加になります。こちらも忘れないように注意しましょう。

【1歳スタート】小児用肺炎球菌ワクチン2回接種

  • 回目…1歳に入ったら
  • 2回目…1回目から60日以上あけて

※1歳スタートの場合は、2回接種で終了します。

その他、2歳から5歳の間に接種する場合は1回のみになりますし、6歳以上の子どもは接種することができません。2013年から定期接種になったため、それ以前に生まれた子どもに接種する場合は参考にしてくださいね。

小児用肺炎球菌ワクチンは定期接種です。

該当するワクチン
定期接種 「予防接種法」で定められている予防接種。無料。
BCG・四種混合・MR・水疱瘡・ヒブ・小児用肺炎球菌ワクチンなど
任意接種 それ以外の予防接種。費用は自己負担。
インフルエンザ・ロタウイルス・おたふくかぜワクチンなど

小児用肺炎球菌ワクチンは無料で受けられますが、時期を過ぎると自己負担になってしまいます。注意しましょう。

病気などでタイミングを逃した場合は、自治体に申請すれば期限が延長できるケースもあります。

小児用肺炎球菌ワクチンは、2013年10月まで7価ワクチンが使用されていましたが、2013年11月から13価ワクチンに切り替わりました。13価とは13種類の肺炎球菌に効果があるという意味です。

2013年以前に7価ワクチンを受けている子も、実費になりますが13価ワクチンを受けることができます。新たに加わった6種類の肺炎球菌に対して効果を発揮します。気になる場合は主治医に相談してみましょう。

最大で5種類を同時接種できる!スムーズに予防接種を進めよう

最近になって定期接種が増えており、さらに任意接種も多くなっているため予防接種の同時接種が推奨されています。医師が認めたワクチン同士なら、同時接種しても安全性・効果に変化はありません。

1種類ずつ接種していると、間隔をあけなければいけないこともあってスケジュール通りに接種できなくなってしまいます。そこで、小児用肺炎球菌ワクチンも同時接種でスムーズに乗り切りましょう。

小児用肺炎球菌ワクチンと一緒に受けられるワクチンは4種類です。

  1. ヒブワクチン
  2. 四種混合ワクチン
  3. ロタウイルスワクチン
  4. B型肝炎ワクチン

小児用肺炎球菌ワクチンを含め、最大5種類を同時接種できます。

小児科医にも勧められる、同時接種スケジュールをご紹介します。小児用肺炎球菌ワクチンはスタートラインなので、受ける際にかかりつけ医に今後の接種スケジュールを作成してもらいましょう。

【同時接種スケジュールの例】

接種時期 接種ワクチン
生後
2ヶ月
小児用肺炎球菌1回目・ヒブ1回目・ロタ1回目・B型肝炎1回目
生後
3ヶ月
小児用肺炎球菌2回目・ヒブ2回目・ロタ2回目・B型肝炎2回目・
四種混合1回目
生後
4ヶ月
小児用肺炎球菌3回目・ヒブ3回目・ロタ(5価)3回目・四種混合2回目

1歳のお誕生日を迎えたら、まずはMR・水ぼうそう・おたふくかぜなどの生ワクチンを接種する必要があります。生ワクチンは接種した後4週間以上間隔をあける必要があるため、小児用肺炎球菌ワクチンなどは1歳1ヶ月以降にとなっています。

発熱や風邪などで、予防接種のタイミングがずれこむことはよくあることです。川崎病などにかかると半年から1年ほどずれ込むこともあります。

その場合は主治医に相談し、もう一度スケジュールを組み直してもらいましょう。

うっかり1歳からの予防接種スケジュールを忘れそうなママにおすすめのサービスです。スマホに登録しておくと、ハガキやメールでお知らせがきますよ。

ファイザー:予防接種リマインドサービス
http://www.haienkyukin.jp/remind/index.html

副反応・副作用…発熱や腫れがあっても、ほとんど数日で治まる

小児用肺炎球菌ワクチンの副反応・副作用の主なものは、接種した部分の腫れや発熱、発疹などです。だいたいは数日で自然と治まっていくもので、重篤な副反応・副作用はほとんど起こりません。

接種後はアナフィラキシーショックなどに素早く対応するためにも、30分間は病院内で静かに様子を見て過ごします。その日は疲れることは避けましょう。お風呂は入っても大丈夫です。接種した部分は清潔にたもち、こすらないようにしましょう。

38度程度の発熱は結構よく見られるものですが、1日前後で解熱することがほとんどです。万一発疹や発熱が続くときや、接種した部分の腫れが引かない場合は、主治医に相談しましょう。接種後1週間ほど様子を見て、いつも通りなら問題ありません。

肺炎球菌は非常に怖い病気をいくつも引き起こす細菌です。どこにでもいて、いつ発症するかわかりません。WHO(世界保健機関)でも接種を勧めています。

事前に確認!小児用肺炎球菌接種に必要なものと体調チェック

小児用肺炎球菌ワクチンをはじめとする予防接種に必要なものをまとめてみました。

  • 母子手帳
  • 健康保険証
  • 印鑑
  • 問診票(事前に貰っていた場合)

予防接種を受ける場合、母子手帳は必要不可欠です。接種したワクチンを全て記入してもらっておきましょう。

定期健診が終わる幼稚園入園以降はあまり使う機会もなくなっていきますが、それでもインフルエンザなどの予防接種では必要になります。

予防接種の記録を残すための貴重な資料となります。子どもが成長してから、自分が受けてきた予防接種を正確に把握するためにも、失くさないように充分注意して保管しましょう。

小児用肺炎球菌ワクチンは定期接種です。期間内に接種を終えればお金はかかりません。ただし、ロタウイルスなど実費の任意接種を同時接種する場合は、そちらに費用がかかるためその分のお金は用意しておきましょう。

小児用肺炎球菌ワクチンも、一般的な予防接種同様、明らかに体調が優れない子どもには接種できません。

  1. 37.5度以上の発熱がある
  2. 急性の重い疾患にかかっている
  3. 前回の小児用肺炎球菌ワクチンでアナフィラキシーショックを起こした

※ガンマグロブリンを投与されたことがある場合は、一定期間予防接種が受けられない場合がある。

必ず問診票にこういった例は記入をし、事前に主治医に確認しましょう。

子どもの肺炎球菌感染症…重症化しやすい4つの主な病気

肺炎球菌は、赤ちゃんや小さな子どもにも、高齢者にとっても恐ろしい病原菌です。万一発症してしまった場合、どのような症状を引き起こすのでしょうか。

小児用肺炎球菌が引き起こす4つの病気については先に紹介しました。

  1. 中耳炎
  2. 肺炎
  3. 菌血症
  4. 細菌性髄膜炎

小児用肺炎球菌が起こすこれらの病気は、他の原因で起きる症状よりも重症化しやすいという特徴があります。

中耳炎
風邪などをきっかけに中耳炎を起こすことがありますが、その原因に肺炎球菌がいることが多いのです。耐性菌が多く重症化しやすくなります。抗菌薬が効かないため、治りにくくなり、何度も繰り返すこともあります。
肺炎

その名のとおり肺炎の原因となっています。特に高齢者では肺炎の死亡率が非常に高いため、警戒されています。日本人の死因の第3位となっています。もちろん子どもでも肺炎を起こすことは少なくありません。

肺炎にはウイルス性のものと細菌性のものがあり、肺炎球菌による肺炎は細菌性で重症化しやすいと言われています。やはり耐性菌が多く、非常に重症になるケースもあります。

菌血症

菌血症は肺炎球菌が血液の中に入り込んで高熱が出る病気で、菌血症の80%は肺炎球菌によるものとされています。重症化すると髄膜炎に及ぶなど悪化することもある危険な病気で注意が必要です。

菌血症が進むと、肺炎球菌が髄膜に入り込んで炎症を起こします。髄膜とは脊髄や脳を包んでいる膜で、炎症を起こすと脳に膿がたまるなどの症状が出て、命に関わったり脳障害が残ったりします。

細菌性髄膜炎

細菌性髄膜炎の原因で、ヒブについで2番目に多いのが肺炎球菌です。しかもヒブ髄膜炎にくらべ死亡率・重度の後遺症率が高くなります。

細菌性髄膜炎の後遺症には、知能・発達障害、運動機能の障害、難聴などが挙げられます。また一見後遺症がないように見えても、中学生くらいになって軽い知能障害が発見されることもあります。

細菌性髄膜炎を発症した場合も、最初は軽い発熱があるくらいで普通の風邪と見分けがつきにくいという困った特徴があります。血液検査でも原因が分からず、発見も遅れがちになります。

劇的に症状が進むこともあり、きゅうにぐったりして意識を失ったりけいれんを起こすこともあります。抗菌薬が効かない耐性菌の場合、治療が大変難しく命に関わるケースもあります。

感染後の治療が難しく後遺症の危険もあるため、小児用肺炎球菌ワクチンが定期接種化されました。世界各国でもすでに接種が行われています。

接種できる時期が来たらできるだけ早くがおすすめ

赤ちゃんは、肺炎球菌に対する抵抗力がなく重症化する危険があります。また多くの人の体に普通にいる菌なので、いつどこでもらってくるか、何をきっかけに発症するかわかりません。

赤ちゃんの免疫が切れてくる6ヶ月くらいまでに、できるだけ初期の3回接種を済ませ、1歳のお誕生日を迎えたらスムーズに4回目が完了できるように、早めにスケジュールを立てましょう。

現在はより効果的な13価ワクチンが定期接種になっていますし、予防接種リマインドサービスなどママのお助けサービスもいろいろあります。上手に活用して、赤ちゃんの健康をしっかり守ってあげましょう。

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