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出産の流れや費用など知っておけば安心できる帝王切開の基礎知識

2015/04/24

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出産には色んな方法がありますが、経膣分娩のつもりでいたのに、母体と赤ちゃんのことを考えて帝王切開になるケースもあります。

帝王切開は手術として行われるので、怖いし不安だと思っている妊婦さんもいるでしょう。でもあらかじめ帝王切開でのお産の流れなどを知っておけば、少しは不安も和らぐはずです。

そこで帝王切開でのお産や術後の状態、費用などを説明していくので参考にしてみましょう。

帝王切開になるケース

経膣分娩を望んでいても、母体や胎児の命の安全性を考えて、帝王切開での出産になるケースがあります。主に予定帝王切開と緊急帝王切開の2つに分けられます。

予定帝王切開

母子の安全のために、あらかじめ手術予定日を決めて計画的に出産します。

前回の出産が帝王切開

帝王切開では、子宮を切り開いて赤ちゃんを取り出すので傷跡が残ります。傷はしっかりと縫合されるので心配は要りません。しかし、次回の妊娠で子宮が大きくなるにつれて、傷跡の部分も伸びていきます。

経膣分娩で子宮が激しく収縮すると、傷口が破れて子宮が破裂するリスクも高いため、次の出産でも帝王切開となることがケースがほとんどです。

多胎妊娠

双子以上の赤ちゃんがお腹にいる場合は、母体の状態により通常の出産予定日よりも早めに出産したほうがよい場合も多くなります。

また、分娩中に赤ちゃんがなかなか出てこなくて、難産となり母子への負担も大きくなるため、経膣分娩も可能ですが、あらかじめ安全な帝王切開での出産を行う病院がほとんどです。

前置胎盤

通常は子宮の側面に位置している胎盤が、子宮の出入り口付近にあるのが前置胎盤です。胎盤が赤ちゃんの通り道を邪魔しており、 赤ちゃんがなかなか外に出られなくて難産になります。

その間に、出血量も増えて母子の命の関わることもあるため、帝王切開となります。

逆子

赤ちゃんの頭が上を向いている逆子の場合、出産時足から出て最後に一番大きな頭の部分が産道を通ることになります。

そうなると、頭が出る際にへその緒が膣に挟まった状態になり、赤ちゃんが酸欠の状態になってしまうことがあるため、帝王切開となるケースが多くなります。

子宮筋腫がある

子宮内にコブのような筋腫ができている場合は、大きさや筋腫ができている位置によっては、赤ちゃんの通り道の邪魔となる場合もあります。

そうなると、経膣分娩では難産となるため帝王切開のほうが安全だと判断されることもあります。

胎児の頭と骨盤の大きさ

赤ちゃんの頭が大きかったり、ママの骨盤が小さいもしくは形が変形している場合は赤ちゃんが骨盤を通り抜けることができないため、帝王切開となります。

高齢での出産

30代後半以降の出産となると、生殖機能も衰えてくるため子宮の出入り口や膣の壁などが固くなってきます。

出産時、子宮口や膣が赤ちゃんが通れる大きさにまで伸びないと、難産になりやすいので帝王切開での出産になるケースが増えます。

緊急帝王切開

経膣分娩の予定であったけれど、妊娠中に母子にトラブルが起きて、急遽赤ちゃんを出産させなければならない事態になった時に行います。

胎盤早期剥離

胎盤は通常赤ちゃんが誕生した後で子宮から剥がれ落ちて外に出てきますが、赤ちゃんが誕生する前に子宮から剥がれ落ちてしまうことがあります。

胎盤が剥がれ落ちると、赤ちゃんに十分な酸素が行き届かなくなり、また剥がれた部位からの出血量も増えるので、母子ともに危険な状態になります。すぐに帝王切開で赤ちゃんを外に出して、止血する必要があります。

妊娠高血圧症候群

妊娠中に高血圧や尿蛋白などの症状が出ている場合は、経膣分娩で出産が長引いたり、出血が多いと母体の命に関わる場合もあります。

お産が進まない

通常陣痛は時間の経過と共に間隔が短くなったり、強くなってお産が進んでいきます。

しかし、長時間にわたり陣痛が弱い、また継続時間も短い、間隔が長いままだと妊婦さんが体力を使い果たしてしまいます。経膣分娩では体力が持たないと判断されると、帝王切開になる場合があります。

また、通常陣痛がくると、時間の経過と共に赤ちゃんが出てきやすいように子宮口が開いていきます。しかし、子宮口がなかなか開かないケースもあり、この場合も帝王切開になります。

胎児の命に関わる場合

分娩中に胎児に十分酸素が行き届かなくなって、酸欠状態になる場合があります。主に、へその緒が胎児の首に巻きついたり、胎盤の機能が低下することが原因となり、胎児機能不全と呼ばれます。

一刻も早く赤ちゃんを取り出す必要があるため、経膣分娩から帝王切開に切り替えることがあります。

また、出産時に赤ちゃんは狭い産道を頭を回転させながらすり抜けてきますが、うまく赤ちゃんが降りてこない回旋異常の場合も、赤ちゃんの命が危険だと判断されたら帝王切開になることもあります。

お産の流れ

帝王切開での出産は、出産予定日に合わせる形であらかじめ手術日を医師と相談して決めます。通常、前日から入院して色々な準備をします。

出産までの段取りや、産後のケアなどは病院によって若干異なることもありますが、大まかな部分は同じなので参考までに目を通しておきましょう。

前日

荷物を持って病院に向かいます。入院後は、入院時の注意点や手術の説明などがなされます。母体の血圧測定や尿検査などが行われ、赤ちゃんの心拍に異常がないか心拍モニターをつけてチェックします。

産後は数日入浴できないのでシャワーを浴びて体を綺麗にし、しっかりと食事をとっておきます。 明日の手術に備えて、午後9時以降くらいからは飲食ができないので気をつけましょう。

当日

当日は、朝から飲食はできません。血圧測定など母体の健康状態や、心拍モニターをつけて赤ちゃんの心拍などをチェックします。

陰部の毛を部分的に剃毛し、術後はしばらくはトイレに行けないので膀胱に管を入れて導尿します。手術着に着替えて、心電図など必要な装置をつけ、点滴を行います。

手術の流れ

帝王切開の手術は、通常40分前後、長くても1時間位で終わります。 まず手術室に入ったら、麻酔を行います。麻酔は通常、下半身のみが麻痺する部分麻酔が行われるので手術中は意識があります。

麻酔は背中から入れるので、横向きになり腰から麻酔薬が注射されます。麻酔は10分程度で効いてくるので、下半身の感覚がなくなれば手術が始まります。

下腹部を縦もしくは横に20センチ前後切り、中の子宮を切り開いて赤ちゃんが包まれている卵膜が破られ、赤ちゃんを取り出していきます。その後胎盤を出して、子宮内を綺麗にしたら子宮とお腹の皮膚を縫い合わせて終了です。

縫合には、最近では抜糸の要らない自然に溶ける糸が使われる場合が多く、 傷の上には回復を促す特殊なテープでカバーする形になります。

産後の状態

術後すぐはまだ麻酔が効いているので下半身のしびれたような感じが続き、感覚がありません。看護師や医師が心電図や術後の出血状態などをこまめにチェックします。

2時間程度で麻酔が切れて、下半身の感覚が少しずつ戻ってくると傷口が痛みだすことがあります。更に、産後の子宮収縮の後陣痛で、下腹部から腰のかけて痛みを感じます。痛みが強い時は、我慢しないで痛み止めを点滴に入れてもらいましょう。

病院によっては、自分で押せば痛み止めが入るような装置を点滴につけてもらえるところもあります。しばらくは安静にして、体をゆっくり休めましょう。

術後1日目は、まだ子宮収縮や傷の痛みがあり、悪露も多いので安静にしてすごします。2日目になり、血圧や出血量などに問題がなければ導尿を外してもらい、自分でゆっくりおきてトイレに歩いていってみます。

体調に異常がなければ、食事もおかゆから始まります。母乳育児を目指すなら、乳首のマッサージを行い、初乳を出して赤ちゃんに届けます。

術後3日以降で、母子同室となって赤ちゃんのお世話が始まる病院もあります。食事も通常の病院食になり、診察を受けて傷口の状態がよければシャワーができるようになります。

術後5日目位で沐浴指導などが行われ、診察で異常がなければ7日目位で退院となります。

傷の痛みや傷跡

硬膜外麻酔は、脊椎の硬膜外腔という部分に、腰椎麻酔は背骨間からくも膜下腔という部分に細い針で麻酔薬を入れます。背中にちくっとした痛みを感じる程度なので、強い痛みはありません。

術中は、お腹の皮膚が引っ張られるような感覚のある人もいますが、麻酔が効いているので痛みはありません。術後は、麻酔が切れると傷跡の当たりがズキンズキンと痛みますが、痛み止めでほぼ抑えることができます。

また後陣痛も、痛み止めが効いているうちはあまり痛みを感じません。個人差はありますが、術後数日で傷の痛みや後陣痛もだいぶ和らいできます。

ただ、やはり起き上がる際などお腹に力を入れると痛みを感じやすいので、動く際は無理な体勢を取らず、何かに捕まるなどして体を支えましょう。

傷跡はしばらく始めのうちは赤みを帯びていますが、次第に引いていき目立たなくなります。ただ、人によっては傷跡が盛り上がって残ってしまうこともあります。

かかる費用

費用は地域によって差がありますが、一般的に経膣分娩よりも高くなります。更に、帝王切開でも予定以外の緊急帝王切開や手術の時間帯が深夜もしくは祝祭日、年末年始にあたる場合、入院日数などによっても異なります。

また、総合病院か大学病院かなどの病院によっても異なってきます。手術代自体は大体23万円から25万円位が一般的で、全体の費用は40万円位から100万円前後とかなり大きな開きがあります。

そして帝王切開は経膣分娩と違って、健康保険の適用となるので、自己負担は全体の3割で済みます。ただ個室代や新生児保育料や検査料、出産介助料など一部の費用は保険適用外となります。

そうなると、早産などで入院期間が長期にわたれば、費用がかなり高額になります。しかし、自己負担額が一定の金額を超える場合は、医療費が支給される高額医療費制度が利用できます。

出産育児一時金も支給されるし、生命保険などに加入していて条件を満たせば保険金も支払われます。

出産はどのような方法であっても、妊婦さんにとっては不安であったり、怖いと思うのが正直な気持ちでしょう。帝王切開が決まっている場合はもちろん、そうでなくてもいつ帝王切開になるとも限らないので、心の準備をしておきましょう。

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