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帝王切開の不安を解消!出産前に知っておくべき帝王切開の心得

2015/03/05

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出産スタイルは様々ですが、分娩にリスクがある場合は「帝王切開」という手術で赤ちゃんを産むことになります。

でも、帝王切開や手術と聞くと不安になってしまうママも多いのでは?そんな不安なママのために、帝王切開について詳しく解説します。

帝王切開の基礎知識

帝王切開での出産を選ぶ理由

基本的に帝王切開は「リスク」のあるお産の際に選択され、自然分娩では安全に赤ちゃんが出産できないと判断された場合に適用される手術です。

赤ちゃんやママに出産に耐えうるだけの体力がない場合や、骨盤・産道が狭く自然分娩が困難な場合、逆子・多胎などの難産が予測される場合、前置胎盤など妊娠期の異常など、帝王切開の適用条件は様々です。

また、自然分娩中に赤ちゃんやママの状態が悪くなった場合や何らかのアクシデントで予定日よりも早く出産しなければならなくなった場合には緊急帝王切開が行われます。

計画的に帝王切開する

予定帝王切開とは何か?

予定帝王切開では、まず医師と話し合って出産予定日を決めます。帝王切開での出産予定日は通常は37週以降(正規産)に設定されます。

予定帝王切開での出産予定日や手術を行う時間は、赤ちゃんの成長具合や医師・病院のスケジュール等によって決められます。予定帝王切開の場合は予定日が明確なため、入院や出産後の準備がしやすいですよね。

ただし、帝王切開の予定日が決定するのは妊娠後期に入ってからのことがほとんど。予定日を決めるタイミングは病院によって違いますが、赤ちゃんの成長具合を見ながら決定します。

予定帝王切開になるのはどんな時?

予定帝王切開は、自然分娩が難しいと判断した場合に行われます。
予定帝王切開の理由は多岐に及びますが、

  • 多胎
  • 逆子
  • 胎盤異常(前置胎盤)

などが適用理由の多くを占めてします。
その他にも

  • 子宮筋腫などの子宮疾患・子宮異常
  • 産道狭窄
  • 産道よりも赤ちゃんの頭が大きく産道を通過できない児頭不均等
  • へその緒が子宮の下部にある臍帯下垂
  • 重度の妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
  • などの場合に、予定帝王切開となります。

緊急処置として帝王切開になるケース

緊急帝王切開になるのはどんな時?

緊急帝王切開は、一刻も早く赤ちゃんを産まなければならない場合に選択されます。自然分娩の際のトラブルで緊急帝王切開になることも多いので、自然分娩の人も帝王切開についてはきちんと知っておくべきです。

赤ちゃんに異常がある時

自然分娩の際に赤ちゃんに異常が見られ、出産が困難と考えられる場合には緊急帝王切開に切り替えられます。

  • 回旋異常…産道を通る際に赤ちゃんの回旋(向きを変えて回る)に異常が生じるものです。回旋異常は軽度の場合は修復が可能なケースもあり、緊急帝王切開を行うか否かは医師が決定します。
  • 胎児機能不全…胎児の首にへその緒が巻き付くなど、胎児が低酸素状態になった、あるいはなる可能性が高いと見られる状態。心拍の低下などをモニターしながら状況を把握し、判断します。

母体に異常がある時

母体に異常がある場合、また母体が危険と判断される場合にも緊急適応切開は適用されます。

  • (常位)胎盤早期剥離…これは胎児に酸素を送る役割をしている胎盤が出産を終える前に剥がれてしまうもの。胎児は胎盤を通して酸素を得ているのですが、胎盤が早く剥がれると低酸素状態になり危険です。
    また、早期に胎盤が剥がれると出血量が増し、母体にも大きな負担がかかるため、早期胎盤剥離が認められる場合にはなるべく早い手術が求められます。
  • 臍帯下垂…これは破水後にへその緒(臍帯)が胎児よりも下に下がってしまい、出産の際産道と胎児の頭にへその緒が挟まれて酸素供給に問題が出やすい状態です。へその緒が完全に子宮外に出ることを臍帯脱出と言います。
  • 遷延分娩(せんえんぶんべん)…何らかの原因で分娩が長引く(遷延)状態です。陣痛促進剤の投与などで改善しない場合には緊急帝王切開となります。
  • 軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)…柔らかいはずの産道が硬く、伸びが悪い状態です。難産になりやすい状態で、産道で赤ちゃんが止まってしまうことがあり、この場合は緊急帝王切開となります。
  • 子宮内の感染症…子宮内で感染症が生じると母子ともに危険です。

帝王切開の手術とは?

帝王切開と麻酔

帝王切開は一般的には局所麻酔で行われます。そのため、手術時の様子は自覚できますし、もちろん赤ちゃんの産声も聞くことができます。

帝王切開の場合は、胃のあたりから下の部分を麻酔する脊椎麻酔もしくは硬膜外麻酔が用いられ、手は自由に動かすことができるので、赤ちゃんに触れることもできます。

帝王切開では出産時の喜びが半減してしまうのでは、なんて不安なママも多いようですが、意識ははっきりしているので安心してくださいね。

麻酔をするため、手術時には痛みはありません。ただし、術後に麻酔が切れるとやはり痛みは出てきます。帝王切開だから痛くないというわけではなく、自然分娩とはまた違った痛みがあります。

手術の傷

帝王切開では、お腹を切り開いて赤ちゃんを子宮から出します。

現在、帝王切開を行う場合には横切開が一般的。これは下腹部を横に向かって切り開くものです。横切開の場合は傷が下着の中に隠れることが多く、目立たないのがメリットです。

ただし、手術がしやすいのは縦切開です。縦切開はお腹を縦に切り開くので傷が隠しにくいですが、視野が良く、また緊急時などに手術範囲を拡大しやすいというメリットがありますので、ハイリスクなお産の場合には敢えて縦切開をすることもあります。

切開の方法は母体または胎児の状態によっても異なってきますので、医師と相談してみましょう。

手術の手順

帝王切開では皮膚・皮下脂肪・筋膜・腹膜を切開して子宮にたどり着きます。子宮の表面の漿膜(しょうまく)を剥がし、子宮筋層にメスをいれてやっと胎児が入っている卵膜に辿りつきます。

この卵膜をピンセットで破り、医師が手を突っ込んで赤ちゃんを取り出します。

医師の技量や母体・胎児の状況にもよりますが、一般的にはメスを入れてから赤ちゃんを取り出すまでは5分程度で終わってしまいます。そのため、帝王切開はあっという間なんです。

赤ちゃんを取り出したら、今度は胎盤を取り出します。帝王切開での分娩の場合、子宮を収縮させる陣痛がないため、自然分娩に因る出産よりも出血量が多くなります。

帝王切開でも胎盤を取り出すことで子宮収縮は促されますが、子宮収縮剤を使用することもあります。出血が多い場合には、外科的な処置を取ることも。出血量のコントロールが帝王切開では重要です。

胎盤の処置まで終わったら、子宮に残った卵膜などを掃除して子宮と切り開いた傷口を縫い合わせます。

術後は痛いの??

帝王切開の場合は、分娩時の陣痛はありませんが、後陣痛を強く感じる傾向にあります。

これは子宮が元に戻ろうとして収縮する際に感じる痛みです。帝王切開の場合は、この後陣痛は自然分娩よりも強く感じることが多いと言われています。

また、術後の傷の痛みもありますので、痛くないとは言えません。

ただ、自然分娩でも後陣痛はありますし、会陰切開などの傷が痛むと言う人も多いものです。出産はどんなスタイルであっても、何らかの痛みがあるものですので、帝王切開だから辛いというわけでもありません。

術後に積極的に歩けと言われるのはなぜ?

帝王切開の場合は動くと傷が痛むことが多いですが、産院等ではできるだけ早く積極的に動く(歩く)ように指導されます。これは、産後の悪露の排出を促すと共に、深刻な合併症を予防するためです。

術後に痛いからといって寝たままでいると、

  • 深部静脈血栓症
  • 無気肺
  • 悪露の排出不全による子宮感染症
  • 術後イレウス(腸閉塞)

などの合併症を起こす可能性があるので要注意。産後の回復を早めるために、帝王切開後は積極的に歩くようにしましょう。

帝王切開の疑問を解決!

帝王切開をすると自然分娩できない?

一度帝王切開をすると、それ以降には自然分娩を避けることがあります。

これは、実は子宮破裂のリスクが若干ですが高くなるためなんです。自然分娩の場合の子宮破裂の割合は0.1%程度ですが、帝王切開後の子宮破裂のリスクは0.6%ほど。

いずれにしても子宮破裂は稀な確率ですが、このリスクを考えて帝王切開経験者に対しては自然分娩を勧めない医師もいます。

ただ、その一方で子宮などの状態を確認し、きちんと管理出来れば自然分娩が可能と判断する医師もいます。

そのため、1人目を帝王切開、2人目は自然分娩というママもいますよね。この帝王切開後の自然分娩のリスクをどう判断するかは人によって違います。

医師や家族などと話し合って、納得できる産み方・病院・医師を選ぶことが大事です。

帝王切開は何回まで?

帝王切開での出産には回数的に限界があると言われています。

これは、手術をすることで、子宮を含む腹腔内に癒着が起こるためです。2回目以降の帝王切開では、この癒着も考慮しなければならず、通常は帝王切開の回数が増えるほど癒着の程度が増します。

こうしたことから、帝王切開は多くても4回までと言われています。

病院や医師の方針等によっても違うのですが、一般的に腹部・子宮の手術が安全にできるのは4回まで。子宮などの病気の手術をする可能性も考えて、病院では帝王切開は3回までとするところが多いのが現状です。

また、癒着の状況や子宮の状態などによっては2回が限界というケースもあり、公に回数が決まっているわけではありません。

ただ、回数を重ねるほどリスクは増しますので、帝王切開の場合には子供の数や出産回数は特にしっかり考えておきたいですね。

帝王切開の費用

帝王切開はやっぱり高い?

帝王切開の手術は自然分娩に比べると高額ですが、自然分娩とは違い健康保険の対象となりますので、手術費の負担は3割となります。だから、全額を自己負担する必要はありません。

ただし、保険適用となるのは帝王切開手術・手術に関する投薬・検査・処置・入院費のみ。食事・部屋代・分娩介助・新生児の保育料などは自然分娩と同じく自由診療費となり、保険の対象外となります。

また、帝王切開の場合は自然分娩に比べて入院期間が2~3日程度長くなりますので、入院にかかる費用はその分高くなります。

帝王切開はいくらかかる?

帝王切開はいくらかかるのか、実はこれは条件によって大きく変わってきます。

予定帝王切開なのか緊急帝王切開なのか、また医療保険の加入の有無などによって費用は大きく違ってきてしまうのです。

ただし、健康保険適用の帝王切開の手術代は22万1600円(正規産の場合)。これは国で定められており、この3割が自己負担となります。

この規定の手術費に、検査や処置、自己診療費用を加えると大体の費用が割り出せますよね。

一般的な産院で帝王切開で出産した場合の費用は50万円から75万円程度。ここから保険適用分を引くと、産院に支払うのは35~60万円程度で、自然分娩の平均と同程度~やや高い程度です。

ただし、産院は病院によって自己診療費の設定が大きく違います。セレブな病院だと入院期間が長い帝王切開はかなり高額になってしまうことも……。気になる場合には病院に相場を聞いてみるのが一番確実です。

保険に入る際の注意!

帝王切開は医療保険等の給付対象となることがあり、この給付対象の保険に加入している場合には給付金を受け取ることができます。

ただし、帝王切開が決まってからでは保険に加入することができません。医療保険には健康告知義務があり、ハイリスクな人は加入できないので、帝王切開になったから加入したいと思っても受け入れてもらえません。

また、切迫流産・早産、死産経験がある、子宮などに疾患・持病があるなど、給付対象がハイリスクと見られる場合には医療保険には加入できず、当然給付金も受け取れません。

そのため、民間の医療保険に加入する場合には、妊娠前に加入しておくことが大事です。

さらに、医療保険は適用対象が保険によって異なります。帝王切開または妊娠期の異常が給付対象となるか否かはきちんと確認してから保険に加入してくださいね。

帝王切開となると不安に思うところも多いですが、きちんとした知識があれば怖いことは何もありません。帝王切開でも自然分娩でも、自信を持って出産できるように準備はしっかりしておきましょう。

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