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実は赤ちゃんにとって危険だった!妊娠中の厳し過ぎる体重管理

2015/02/04

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みなさんは妊娠中に体重が増えすぎて検診の際に注意を受けたことはありませんか?もしくは、妊娠中に太りたくない!と必死に体重管理をしていませんか?きっと苦しい思いをして体重を増やさないように努力していることでしょう。

でも知っていましたか?妊娠中の厳し過ぎる体重管理には、実は赤ちゃんの将来を左右する重大なリスクがあったのです。

日本の体重管理は厳しい!?

苦しい妊娠中の体重管理。検診では「体重増加は7から8キロまで」と指導されている方も多いのではないでしょうか。

しかし、この数字、世界と比べてみるととても少ないことがわかります。アメリカでは妊娠中の体重は11キロから15キロ、ドイツでは15キロ、イギリスでも11.5キロから16キロ増加しても良いと言われているようです。

日本は世界から、「先進工業国の中ではもっとも妊婦の栄養状態が悪い国」と言われています。

厳しい体重管理の結果、低出生体重児が増えている!

低出生体重児とは、2500キロ以下で産まれくる小さな赤ちゃんのことを言います。1970年代では全体の5.5パーセントだった低出生体重児出生率が、2004年には9.4パーセントになっており、実に産まれてくる赤ちゃんの10人に1人が未熟児という状況です。

この状況を背景に、日本でも厳しい体重管理を問題視するようになってきました。厚生労働省では、2006年に、「妊産婦のための食生活指針」という指針を出しました。妊娠中にもっとしっかり食べ、栄養を摂りましょうという内容です。

妊娠中のダイエットが葉酸不足を招く

妊娠中にダイエットをして満足な食事をしないと、様々な栄養が足りなくなってしまいます。その中でも不足すると赤ちゃんに重大な影響を及ぼす栄養素が「葉酸」です。

葉酸は緑黄色野菜などに含まれているため、和食中心の日本では不足しないと考えられています。しかし、食生活が欧米化していることに加えて、体重を気にして満足な食事をしていない妊婦が多く、その結果妊婦の葉酸不足が問題となっているのです。

葉酸が不足すると、「二分脊椎症」という、脊椎がうまく発達しない先天性の障害がある子どもが産まれてくるリスクが高まります。この障害は、先進国の中では唯一、日本のみが増加傾向にあります。

小さく産まれると将来危険!

小さく産まれると成人病になりやすい

イギリスのサウザンプトン大学医学部教授のデイビッド・パーカーさんが提唱した、世界的に注目されている「成人病胎児期発症説」という説があります。成人病を引き起こす要因の70パーセントが胎児や新生児の頃の栄養不足にあるとする説です。

研究では、栄養状態の悪い母親から産まれた赤ちゃんのその後を追いかけ、健康状態を調べるという調査を行いました。

研究の結果、小さく産まれた赤ちゃんは、成人になってから心筋梗塞を発症したり、高血圧や心臓病、糖尿病などの成人病にかかるリスクが高いということが判明したのです。この説は現在では定説となりつつあります。

なぜ小さく産まれると成人病を発症しやすいのか?

妊娠中に母親の栄養状態がよくないと、栄養不足の状態でも生きていけるように、赤ちゃんは自分の細胞を殺してしまいます。この栄養不足の状態でも生きていける体質こそが成人病になりやすい体質です。

妊娠中に厳しく体重管理をしてしまうと、おなかの赤ちゃんに十分に栄養が届かず、赤ちゃんが栄養不足の状態で生きていける体質になってしまい、その結果、将来成人病を発症するリスクが高まってしまうのです。

「小さく産んで大きく育てる」はだめ!

専門家からも発せられてきた「小さく産んで大きく育てる」という言葉ですが、この言葉は大きな間違いであると言えます。

前述の「成人病胎児期発症説」を正しいとするならば、小さく産まれて栄養不足の状態の赤ちゃんが、生後たくさん栄養を与えられて大きく育ってしまっては、成人病のリスクが余計に高まってしまいますね。

赤ちゃんの将来のために、おなかにいるときからたくさん栄養を届け、適切な大きさにしてあげる必要があります。

実際増やしてもいい体重はどのくらい?

BMIを目安に、個人の体型に合わせて体重を増やしていくようにしましょう。

妊娠前に痩せていた女性(BMI18.5以下)では9から12キロ、普通の女性(BMI18.5から25)では7から12キロ、肥満の女性(BMI25以上)では体重によって個別に目標をつくって体重管理をすると良いとされています。

妊娠中は体重が増えて当然です。産後の体力を蓄えるためにも、適切な体重増加を目指しましょう。

妊娠中の体重の増え過ぎは帝王切開や難産につながる恐れがあり、もちろん良くありません。しかし、体重の増えなさ過ぎも赤ちゃんにとって危険なのです。赤ちゃんに栄養をたくさん送ってあげ、元気で健康な赤ちゃんを産みましょう!

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