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モンテッソーリ教育とシュタイナー教育って!?違いはコレです

2015/04/23

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この記事の所要時間:約5分

最近の幼稚園ではモンテッソーリ、シュタイナー教育を掲げている園もあります。そもそもどんな教育方針なのか?違いは何なのか?

極めるには奥深い勉強が必要になりますが、ここでは創始者やそれぞれの幼児教育の考え方を簡潔に紹介しながら、自宅でも応用できる教育方法を提案します。

創設者と日本での歴史

モンテッソーリ教育

20世紀初頭、イタリア人マリア・モンテッソーリによって創設。ローマ大学初の女性医学生だった彼女は、医学から出発して障害児治療教育を経て幼児教育の世界にはいりました。

日本には1960年代に紹介され1970年前後から実践的な教育が行われています。

シュタイナー教育

20世紀初頭にドイツを初めとするヨーロッパで活動した哲学者、ルドルフ・シュタイナーによって提唱された教育学、その実践法。「人智学の創立者」とも言われています。

日本では戦前よりその考え方を学ぶ人々もいましたが、現在のようにこの教育に関する本が出版されたり広く認知されるようになったのは1970年代以降です。

幼児教育への考え方

モンテッソーリ教育

提唱者が医学者であるため、子供の行動が科学的、生理学的に研究されています。子供が何かに集中して活動することが重要とされ、大人は集中を促す教材と環境を整えることが大切とされています。

何かに集中するためには手を動かす作業が多くなり、そのためモンテッソーリ教育を採用している幼稚園では、教材は手を使って扱える物が多く用意されているはずです。

一斉保育の機会は少なく、個々の集中した活動が中心となります。

シュタイナー教育

提唱者が哲学者であるため、その考え方は概念的です。そのため宗教のひとつと捉えられることもあります。

自然と人間のつながりや季節の移り変わりの中に生命を感じることを大切にし、目に見えない子供の「思い」に寄り添うことが大人の役割、と考えられています。

幼い頃から読み書きを教えるなどの早期教育は想像力や感覚を養うことにブレーキをかける、という考えから消極的な立場です。

シュタイナー教育を採用する幼稚園では自然の中で遊ぶこと、季節のお祭りを大切にしているところが多くあるようです。ただし、シュタイナーが活躍したヨーロッパのお祭りを中心に行う幼稚園もあります。

家庭で実践出来る事

モンテッソーリ教育

「自分のことは自分でできる」環境を作ってあげるため子供サイズの道具を用意してあげたり、子供の手の届くところに道具を収納すると良いです。

おもちゃや生活用品、着替えなどを、いつも同じ場所に置けるようにしておくと、子供はその環境から順序だてて物事を考えられるようになり、また自分の身の回りのことを出来るようになっていきます。

また、洋服を畳んだりボタンをはめたり、手を洗ったり、その他生活の場面の色々なことを大人が子供の前でゆっくりやって見せることで、子供は学ぶことができます。

この時のスピードはかなりゆっくり。通常の10倍以上遅いスピードでやってあげる事が大事です。また、動作をしている時に口での説明は必要ありません。子供の集中力を意識してください。

シュタイナー教育

7歳前後までは絶対的に信頼できる人間との1対1の関係が必要という考え方から、家族との人間関係を大切にしましょう。

子供が安心して過ごせるために愛情のある家庭作りを目指しましょう。整理された部屋で過ごしているか、家族が揃って楽しく会話をしながら食事ができているか、親の気持ちは安定しているか。

遊ぶことを通して自然とふれあい、また創造的な自由遊びの時間や音楽・芸術的な時間をたっぷり取ってあげましょう。そしてそれらの事から感覚的に学んでいく子供の心に寄り添いましょう。

まとめ

ごく簡単に「モンテッソーリはお勉強系」「シュタイナーは元気いっぱい遊ぶ系」 と言われる事もあります。

でもそれぞれの教育概念を少し学んでみると、そう簡単に言い切れる物でないことはよく分かります。

両者に共通していることは、子供のことをしっかり見てあげること、考えてあげる事。それは、この2つの教育思想、方法に限った事ではないですね。

その子にとって、また自分がこれからもずっと子供と接して行く中で、どのような環境でどんな風に育てて行きたいか、また育って欲しいか。

ゆっくり考えて見るのもいいかもしれませんね。

みんなのコメント
  • ウチヤマチアキさん

    初めまして。米国のオレゴン州ポートランドのシュタイナー学校で日本語を教えているウチヤマチアキと申します。ほんわかと暖かい記事を読ませていただきました。どちらの教育についても、客観的に文章がまとめてあって、共感が持てました。ありがとうございます。

    補足になりますが、モンテッソーリとシュタイナー教育の大きな違いの根本は、モンテッソーリ教育は、子供の感情と意思を結びつける教育。つまり、子供が興味を持ったもの、子供が好きだと思うものを伸ばし、応援する教育です。シュタイナー教育は、子供の感情と意思を切り離す教育。つまり、子供の好きキライを問わず、子供の成長に必要なものを与えていく教育です。そのためモンテッソーリ教育では、子供が得意で、その子の心がときめいたものを選択させますが、シュタイナー教育では、得意不得意にかかわらず、どの子供も12年間音楽も体育も外国語も芸術もオイリュトミーも、数学も歴史も科学も言語も、全てを必修として学ばなければなりません。言い換えれば、モンテッソーリ教育は早くから「ある道に長けているスペシャリスト」を育て、シュタイナー教育では、逆に「どの道にも明るいマルチ人間」を育てる教育であるといえるでしょう。

    • オゼキ ナオミさん

      ウチヤマチアキ さま 
      初めまして。私は、愛知県名古屋市在住の臨床心理士です。以前は高校数学の教師もしていました。2年前に愛知総合HEARセンターを開設し、その中でオルタナティブスクールに取り組み、不登校、引きこもりの高校生を対象に“カウンセリング+Education”を行い始めました。そこで、モンテッソリーとシュタイナー教育がずっと気になっており、何とか今の日本の高校教育に取り入れられないものかと勉強しています。今回のウチヤマさまのコメントはとてもわかりやすく、其々の核心を知る一つの視点となりました。ありがとうございます。
      そこで、二点質問があります。
      ①二者の共通点は?「子どもを理解しようとしている事、それを教育の中にわかりやすく取り入れている事でしょうか?」
      ②両者を統合的に教育に取り入れる事は出来ないでしょうか?いいとこどりになり、本質を亡くしては意味がないと思えます。しかし、両者が必要に思えます。

      日本の子どもは、好奇心を持っても意識して行動できにくい環境にあるようです。また、ゆっくりと自然を感覚でとらえ表現する知恵や体験が与えられることが十分ではありません。教師も子どもも親も疲れていて、ゲームや動画に見入る事で自分を捉えて動けなくしています。まるで、それでいやせるかのように、逃避しているかのように・・・
      日本の子ども達にとり、何が必要と考えられますか?
      ウチヤマさんのその環境からの想いをお聞かせ下さると嬉しいです。
      突然、この様なメールで失礼します。どうぞ、宜しくお願い致します。

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