妊娠中の出生前診断を受けるか決める前に、まずは詳しく知ろう!

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2015/05/19

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特に35歳以上で出産を迎える場合、赤ちゃんに先天異常がないか不安なので、出生前診断を受けるか悩むという妊婦さんも増えています。

しかし、検査を受けるか決める前に、出生前診断についてきちんと理解しておくことが大切です。そこで、出生前診断の基礎知識などを紹介するので、受診するかしないかを決める時の参考にしてください。

年齢による先天異常の確率

お腹の赤ちゃんの脳や体に生まれつき障害があったり、奇形となる先天異常は、妊婦さんの年齢を重ねるごとに、発生確率も高まることがわかっています。

日本産婦人科学会の調査では、妊婦さんの年齢が25歳から30歳で1.8パーセント、35歳から40歳で2パーセント、40歳を超えると2.3パーセントの確率で先天異常が起こるとされています。

やはり年と共に女性の卵子も衰えるため、現実として高齢出産は、赤ちゃんへ少なからず影響を与えることが分かってきています。

出生前診断の種類

出生前診断は、お腹の赤ちゃんの体に先天的な異常があるかを、妊娠中の母体から血液や羊水などを採取して調べる検査のことです。 従来までの方法に加え、最近ではより精度の高い新しい診断方法が取り入れられるようになってきています。

母体血清マーカー検査

母体の血液を採取してホルモン量などの成分を調べ、赤ちゃんに染色体や遺伝子異常があるかどうかの確率を調べる検査です。

大体妊娠14週頃から18週目頃まで検査が実施できて、費用は3万円前後かかります。この検査には、血液中の3種類の成分について調べるトリプルマーカーテストと、4種類の成分を調べるクアトロンテストの2種類があります。

羊水検査

子宮内で赤ちゃんは羊水に包まれており、羊水中には赤ちゃんの細胞が含まれているため、羊水を採取して染色体や遺伝子に異常がないかを調べます。

検査はまず超音波で赤ちゃんの位置を確認して、お腹を消毒して布で覆い、細い針を20秒程度さして羊水を微量採取します。通常は1回ですが、羊水が採取しにくい場合は2、3回針を刺すこともあります。

再びエコーで赤ちゃんに異常がないかを確認して、検査後はしばらく安静にして様子をみます。病院によっては日帰りだったり、入院が必要な場合もあります。

ただ0.3パーセントとかなり低い確率ですが、流産のリスクもあります。検査の時期は妊娠16週から18週頃までで、検査料は約12万から15万円位かかります。

絨毛検査

絨毛というのは、赤ちゃんとお母さんをつなぐ胎盤を構成している組織です。子宮口から細い管を入れて絨毛を採取し、染色体に異常がないかを調べます。

妊娠9週から11週目位までに行い、費用は約15万円かかります。子宮に刺激を与えるので流産の可能性が少し高くなるため、まだ絨毛検査が受けられる施設は少ないようです。

胎児血採取検査

お腹の赤ちゃんの血液を採取して、染色体異常などを調べます。 超音波で胎児の状態を確認しながら、胎児のへその緒からごく微量の血液を採取します。

非常に高度な技術が必要となり、場合によっては胎児の命に危険を及ぼすこともあるので、羊水検査などで診断ができなかったり、他の方法では検査できない時に行われます。

検査で分かること

出生前診断では、主に染色体や遺伝子の異常がどのくらいの確率で起きているかがわかりますが、検査によって分かる先天異常は異なります。

通常染色体は2本で対をなしていますが、2本が1本に減ってしまったり、3本や4本に増えるなどの異常がおきることがあります。

出生前診断では数ある染色体異常のうち、染色体が3本になってしまう(トリソミー)異常について調べることができます。

21番目の染色体が3本になってしまう21トリソミーは、ダウン症候群としてよく知られています。

更に、18番目の染色体が3本になることで起こる重度の先天的な障害で、エドワード症候群とも呼ばれる18トリソミー、13番目の染色体が3本になることで起こる極めて重度の先天障害で、パトウ症候群と呼ばれる13トリソミーなどが挙げられます。

18トリソミーは、特に心臓に重大な障害が現れ、1歳までの生存率は極めて低いとされています。13トリソミーは、顔や心臓など体に多くの部位に奇形になったり障害が残り、生後半年以内での生存率も低いとされています。

他にも、性別に関係する性染色体の異常や、染色体の形態異常などがわかります。更に、遺伝子異常は遺伝的な疾患が現れる可能性がわかりますが、赤ちゃんの両親もしくは片方が既に遺伝的疾患を抱えている場合など、限られた条件で診断が行われています。

新出生前診断とは?

新出生前診断というのは、母体の血液中に含まれる微量の赤ちゃんの細胞の遺伝子情報より、先天異常がないかを調べる検査です。 正式名称の英名の頭文字をとって、NIPTと呼ばれることもあります。

あくまで先天異常の確率のみを調べる従来の母体血清マーカー検査とは異なり、ほぼ9割の高確率で先天異常の有無、特にダウン症か否かがわかるということで注目されています。

アメリカの検査会社が開発した特殊技術が用いられており、日本国内では2013年4月より実施されるようになりました。

検査でわかること

新出生前診断では、21トリソミーであるダウン症候群の他に、18トリソミーと13トリソミーの3つの染色体異常があるかを調べることができます。

同じ母体の血液を調べる母体血清マーカーよりも、精度の高い診断を行うことができます。

検査時期や費用

妊娠週数が進むと、母体に血液に含まれる赤ちゃんの細胞や遺伝子情報などの濃度がどんどん薄くなってしまいます。

そのため検査を受けられる時期は、妊娠10週目から遅くても18週目までとされており、結果が出るまでに2週間位はかかります。

費用は、病院によって異なりますが事前のカウンセリング料などを含めて、約20万円位はかかります。

母体血清マーカー検査の7倍近くもかかり、更に結果が陽性と出ると羊水検査などで詳しく調べることになるので、高額な検査料が必要となり経済的な負担も大きくなります。

新出生前診断の対象

新出生前診断は希望すれば誰でも検査が受けられるわけではなく、検査対象の条件が規定されているので注意しましょう。

  • 35歳以上の妊婦
    出産予定日の時に既に年齢が35歳以上の高齢出産になる妊婦さんだと、赤ちゃんが先天異常である確率が高まるため
  • 夫婦どちらかにでも染色体異常がある
    妊婦さんもしくは旦那さんに染色体異常があれば、赤ちゃんの染色体にも影響を及ぼしている確率が高まるため
  • 対象の先天性異常児の出産経験がある
    検査で分かる13トリソミーや18トリソミー、ダウン症の3つの先天異常のある子を過去に妊娠、出産した経験があれば、その子の弟妹も染色体異常である確率が高まるため

検査の注意点

全ての産婦人科で検査ができるというわけではなく、日本医学会からきちんと承認された、大学病院や総合病院など限られた専門性の高い病院でしか実施されていません。 検査を受けるため場合によっては、遠方の病院まで足を運ぶ必要があります。

更に、新出生前診断を受ければ、お腹の赤ちゃんに降りかかる全ての先天異常がわかるというわけではありません。 3つの染色体異常のみをかなり高い確率で発見できる優れた検査ではありますが、他の異常を見つけるには別の検査も必要となります。

そして、検査結果が陰性と出ても、100パーセント赤ちゃんが先天異常ではないという保証もないというのが難しいところです。検査結果が陽性の場合は、更に詳しく調べるために羊水検査を受けることになっています。

出生前診断のメリット

特に高齢出産など、染色体異常の発生確率が高まる条件に当てはまる妊婦さんにとって、検査で陰性となれば、産まれてくる赤ちゃんに対する心配が和らぎます。

逆に、万一検査が陽性の結果が出た場合、出産までに心の葛藤が続くというのは当然かもしれません。しかし、出産すると決心した場合、出産までにまだ時間があるので、障害を受け入れるための心の準備をする時間ができます。

また、検査で異常が見つかっても治療で少しはよくなる可能性あれば、早く治療をスタートさせることができます。

出生前診断のデメリット

検査結果が陽性であった場合、出産するか人工中絶するかの心の葛藤が産まれてしまいます。 悩んだ末に、結局今回は赤ちゃんを諦めると選択する妊婦さんもいるかもしれません。

そうなると、授かった命を障害があるという理由で人工的に排除してしまってもよいか、という倫理的な問題が生じます。

また検査を受けることで、たとえ確率が低くてももし陽性であれば、赤ちゃんと出会える喜びよりも障害があったらどうしようという、不安の気持ちが強くなってしまいます。そうなると出産まで妊婦さんの心の負担が大きくなります。

更に検査自体の問題として、羊水検査など検査の種類によっては、わずかですが流産のリスクもあるので絶対安全とは言えません。

そして検査を受けたからといって、全ての先天異常がわかるというわけではありません。検査をクリアして安心しきっていても、出産すると赤ちゃんに障害が見られることもあります。

どうするかは慎重に考えよう

出生前診断を受けるか否かは、あくまでも妊婦さん側の自由意思によります。出生前診断は、場合によって赤ちゃんの命に関係してくるため、実際のところ賛否両論があります。

ただ決めるのは個人の意思なので、どちらがよいとは一概には言えないものです。しかし場合によっては、陽性の結果が出てしまうこともあります。その時どうすべきなのか、心の準備はしておく必要があります。

また、子供の親は母親だけではないので、旦那さんともよく話し合うことが大事だと言えます。検査の仕組みやメリット、デメリットをよく理解した上で受けるかやめるか、後悔のないようにじっくり考えて慎重に決めるようにしましょう。

みんなのコメント
  • はっぴさん

    なるはど。。。。

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