妊婦の湿布薬の選び方!妊娠中の禁忌成分や使用上の注意点

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2017/07/14

妊娠中なので湿布を使ってもいいのか悩んでいる妊婦さん

足首をひねったり、打撲などのときに、とりあえず湿布をしておこうという人は多くいます。家庭にも常備医薬として湿布があるというケースも非常に多くあります。

妊娠中の女性は普段に比べると体重が増え体のバランスを崩しやすく、転倒や足首の捻挫を経験する人が多いです。

さらに腰痛に悩むことも多いため、湿布を貼っておこうかなと思うことも多くあります。

ですが、湿布の中には妊娠中の女性には注意しなければならない成分が含まれている可能性があるため、安易に自己判断をして湿布は使わない方が良いとされています。

湿布も薬であるということをよく理解し、湿布がなぜ妊娠中の女性が安易に使ってはいけないのかを確認していきましょう。

湿布を使うことで考えられる胎児への影響とは

湿布は比較的身近なものなだけに、ただ痛みを取ってくれるものと考える人も多くいます。

ですが、湿布は経皮吸収といって皮膚に貼りつけ、その成分が皮膚を通じて身体の中に取り入れられるタイプのお薬になっています。

湿布の成分の中には、血行を良くすることで痛みや凝りの原因となる老廃物を排出しやすくしてくれるものや、痛みを感じる神経を軽く麻痺させて痛みを抑えるといった働きを持つものがあります。

さらに、痛みの元になる炎症を沈め、この炎症によって分泌される物質が血液に乗って体のさまざまな部分に運び出されないようにすることを抑えるために血管を収縮させる作用を持つものなどさまざまなものがあります。

お母さんの皮膚を通じてこれらの成分が吸収されると、成分は血液に乗って運ばれていき、おなかの中の赤ちゃんにもこの湿布の成分が伝わっていきます。

このとき、血管を収縮させて炎症時に起こる物質を運び出されないように働く成分が、胎児の動脈管という器官を収縮させ、胎児に血流障害が起こってしまう危険性があります。

さらに、胎児腎臓の働きを低下させてしまう成分も湿布の成分には含まれている場合があります。

簡単に使うことが出来る湿布ですが、このように湿布を使うことで胎児に大きな影響が出てしまう危険性もあります。

母体や胎児に影響がある可能性がある湿布に含まれている成分

湿布の中には痛みを和らげるタイプのものと、痛みの元になる物質を作らないようにするタイプのものがあります。母体や胎児にとって影響がある可能性があるのは、痛みのことになる物質を作らないようにするタイプの湿布です。

  • ロキソニンテープに含まれている「ロキソプロフェン」
  • ボルタレンテープに含まれている「ジクロフェナク」
  • モーラステープに含まれている「ケトプロフェン」
  • バンテリンに含まれている「インドメタシン」
  • フェイタスに含まれている「フェルビナク」

これらは非ステロイド抗炎症薬(NSAID)と呼ばれているもので、母体や胎児に影響がある成分となっています。中でもケトロプロフェンという成分は妊娠後期の女性には禁忌成分となっています。

その他の成分も妊娠中の女性は、妊娠後期においては広範囲に大量に使うことは避ける方が良い湿布の成分となっています。

NSAIDが妊婦さんにとって避けるべき成分である理由とは

NSAIDが妊婦さんにとって避けるべき成分である理由は、おなかの中の胎児に大きな影響を与えてしまう危険性があるためです。

  • 動脈管収縮
  • 動脈管開存症
  • 羊水過少症
  • 新生児肺高血圧症(胎児循環持続症)
  • 胎児腸穿孔

これらはNSAIDを妊婦さんの体内に吸収されたときに発症する危険性があるといわれている胎児の病気になります。具体的にどのような病気なのかを調べてみました。

動脈管収縮
胎児には大動脈と肺の血管をつなぐ動脈管という器官があります。胎児はお母さんのおなかの中では肺呼吸を行わないため、肺の機能はまだ働いていませんが、肺の代わりに体に酸素を送り届ける役割をしているのが動脈管です。

妊婦さんがNSAIDを体内に吸収すると、血液を通じて胎児に伝わりNSAIDが持つ血管を収縮する作用がこの動脈管に対して起こり、動脈管を収縮させてしまうという危険性が報告されています。

胎児動脈管収縮が起こると胎児は酸素を体に送ることが出来なくなりますので、最悪の場合にはお腹の中でなくなってしまうことがある危険性が高い症状です。

ケトプロフェンを成分として含む湿布を利用した妊婦さんで、このような症例がありました。

動脈管開存症
動脈管開存症は本来であれば胎児は出生後肺呼吸を始めることで、閉じていくはずの動脈管が何かしらの影響によって閉じずにその機能を残したまま存在する先天性異常の一つになります。

本来動脈管は出生後1カ月以内には閉じてその機能を失いますが、出生後も動脈管が開存し機能することで心臓に大きな負担をかけてしまう状態になります。本来であれは全身に流れるはずの血液が大動脈から肺動脈へと流れてしまうためです。

妊婦さんが体内にNSAIDの成分を吸収することで、血液を通じて赤ちゃんに送られ、動脈管収縮が起こることがあるという事は先ほど説明しました。

ところが、この動脈管収縮の状態で出生した赤ちゃんが、出生後に動脈管開存症を発症するという現象が起こる危険性があります。

インドメタシンという成分によってこのような症例が起こったという報告があります。

羊水過少症
羊水過少症はお腹の中で赤ちゃんを包んでいる卵膜の中にある羊水が、何かしらかの原因で通常の量よりも少なくなってしまう症状です。

NSAIDには腎臓の機能を低下させてしまうという副作用が報告されています。成人であれば湿布から吸収される量であれば大きな問題となりませんが、小児や胎児にとっては湿布から吸収される量も腎臓機能を低下させる心配があります。

実際に小児対してはNSAIDを含む湿布は禁忌とされています。小児よりもさらに小さな胎児にとっては、お母さんが吸収したNSAIDによって腎臓機能を低下させてしまう危険性が高くなります。

胎児が卵膜内の羊水を飲み、それを腎臓に送り腎臓の機能を高め、そしておしっことして排出して、それがまた羊水となるという循環を繰り返すことで羊水は徐々に量を増やしていきます。

胎児の腎臓の機能が低下すると排出するおしっこの量が減るので羊水過少症が起こります。

NSAIDを含むすべての湿布は、胎児の腎臓の機能を低下させる危険性があります。

新生児肺高血圧症
お腹の中の赤ちゃんは、肺で呼吸をしていません。酸素は肺で取り入れられて全身に送られるのではなく、肺動脈から大動脈へ直接酸素を運ぶ動脈管という器官を通じて全身に送られます。

そのため、肺血管床は高血圧状態になっていていますが、出生すると肺呼吸が始まるために肺胞が広がって肺血管床の血圧は急激に低下します。

ですが、出生後も肺血管床の高血圧状態が続いてしまう事があります。それが、新生児肺高血圧症という症状です。以前は胎児循環遺残や胎児循環持続症と呼ばれていた症状になります。

肺高血圧症になることで、酸素を十分に取り入れることが出来ず低酸素症になってしまいます。難治性の全身性低酸素血症の危険があります。

この症状が起こる原因はいくつかあります。新生児仮死状態での出生、胎便吸引症候群、低酸素症といったものですが、その中の一つにお母さんがNSAIDを吸収したことで胎児にその成分が送られ、動脈管収縮が起こることも挙げられています。

NSAIDを含むすべての湿布は、新生児として生まれた赤ちゃんの肺の機能を低下させる危険性があります。

胎児腸穿孔
NSAIDの副作用の一つに消化性潰瘍が起こる危険性があります。この消化性潰瘍により、突然消化管に穴が開いてしまう穿孔が表れてしまうことがあります。

お母さんの血液からNSAIDが胎児に伝わることで、胎児が消化性潰瘍を起こし、その結果胎児腸穿孔が起こる危険性があるという事になります。

胎児腸穿孔が起こると胎児の腸に溜まっていた胎便がその穴から漏れ出し、腹腔内に溜まり胎便性腹膜炎が起こる危険性があります。胎便性腹膜炎は手術が必要になる症状です。

NSAIDを含むすべての湿布は、消化管に障害を起こしてしまう危険性があります。

妊婦さんが使える湿布の種類

湿布が胎児にも影響を与えることがあるということが分かってくると、使用をすることが少し怖くなってきます。ですが、痛みがある場合にはどうしても湿布を使いたいところです。

妊婦さんが使っても大きな問題になりにくい具体的な商品名を紹介します。

  • サロンパス
  • のびのびサロンシップ
  • パテックスうすぴたシップ
  • 腰痛パテックス
  • ハリックス55EX冷感A
  • ハリックス55EN温感A

ご紹介した湿布は第三類医薬品に分類される湿布で、他の湿布に比べると効果がゆるやかですが、副作用の心配が少ない湿布となっています。ドラックストアなどでも気軽に購入できます。

妊娠中の女性が使ってはいけない、使用を控えるようにしてくださいという注意書きなどもありませんので、どうしても痛みが強く耐えられないという場合には応急手当として使用が可能です。

ですが、ドラックストアや薬局に薬剤師さんがいる場合には、念のため妊娠中でも使えますか?と一言聞いてみてくださいね。

NSAIDなどの成分が含まれている湿布や第二類医薬品や第一類医薬品、そして医療用医薬品などになりますので、妊娠中はこれらの湿布は使用を控えるようにしましょう。

使える湿布でも貼り過ぎや貼り方には注意が必要

使えると言われている湿布でも、はやり貼り過ぎや貼り方には注意が必要です。痛いからと言って必要以上に大量に貼ってしまうと、皮膚から微量の成分が体に吸収されてしまう可能性はゼロではありません。

また、妊娠中の女性は皮膚が通常の時に比べるとデリケートになっていることもあるので、湿布によってお肌がかぶれてしまう危険性もあります。

あくまでも使える湿布でも応急処置として、妊婦検診のときにかかりつけの産婦人科の先生に、痛みがあり湿布を使っているが大丈夫かということを相談しましょう。その時に使っている湿布のパッケージを持参することも忘れないでください。

湿布は痛みがある部分にだけ貼り、できれば短時間の使用にとどめるようにしましょう。痛みの部分によっては効率的な貼り方もありますので、医師に相談をしてみましょう。

湿布の代わりに使えるものとは

痛みを抑える方法は湿布以外にもいろいろあります。そこで、湿布以外に痛みを抑える方法を簡単に紹介します。

  • 温めることで血行を良くし痛み物質を排出しやすくする
  • 捻挫や腱鞘炎はアイシングと固定がおすすめ
  • 骨盤ベルトで骨盤を引き締めることで体のバランスを取る
  • コルセットで衰えた筋力をカバーする
  • 2㎝程度のローヒールも重心が後ろにする効果があり

妊娠中の湿布は成分を必ず確認+医師に相談で使用しよう!

湿布は手軽なものなだけに使用するのも気軽に使うことがありますが、湿布もお薬であるということをよく理解することが必要です。

転倒などによって打撲を負ってしまったり、ねん挫などで痛みを感じる場合には、妊婦さんでも使える湿布もありますので、かかりつけの医師に相談をして処方をしてもらったり、薬剤師さんに相談をして購入するようにしましょう。

▼妊娠中に転倒しやすい場所や理由についてはコチラも参考にしてみて!

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