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食に対する日本の哲学・文化を通じて食べ物の大切さを子供達に伝える

2014/05/01

東京農業大学名誉教授で発行学者として、食に関する本を多数出版されている小泉武夫先生によると、日本は年間約2,000万トンもの食料を捨てているそうです。国民1人あたり、年間150キログラムを超える量の食品を捨てていることになります。

2003年度の国連世界食糧計画日本事務所の報告によると、人が1日に必要な食物摂取量は約500グラム。しかしコンビニやスーパーだけで、毎日300万人以上の食事を捨てている事になるそうです。

国際連合食糧農業機関は、こうした食品のロスが起こる理由として、消費者の食料購買計画について言及しています。先進国では、食品の過剰購買が促されているといいます。教育機関などによって、消費者の行動を見直し、食料購買計画を考えるきっかけをつくることができるのではないかと提案しています

教育機関などによる食育も大切ですが、子供にとって一番の先生は、やはりお家でご飯を作っていらっしゃるご両親ではないでしょうか。家庭で食の大切さを教える事は、決して難しいことではありません。

「いただきます」に込められた思い

小泉先生によると「いただきます」の意味を教える事が、子供に食の大切さを伝える第一歩になるといいます。外国では、宗教の教えに基づき、食事の前に祈りをささげ、神に感謝することがあります。

しかし、日本人の「いただきます」は神への祈りではなく、命そのものへの感謝を表しています。肉や魚はもちろん、私達の食卓に上がる食べ物には命があります。私達は命を食べているのです。

「ごちそうさま」は誰に向けた言葉?

「いただきます」は食べ物の命に対する感謝。では「ごちそうさま」はどうでしょうか。小泉先生によると、そもそも「ごちそうさま」の「馳走」とは食べ物を表し、そして日本人はその食べ物に「ご」と「さま」をつけています。

この言葉から、日本人がどれほど食を大切にしていたのかが分かるそうです。この大切な食べ物を作ってくれた人、与えてくれた人。その人達への感謝を表す言葉が「ごちそうさま」なのです。

日常の食卓風景が最高の学び場

昔の人は何でも無駄なく食べようと努めていました。例えば「骨正月」。残った骨までしゃぶるという意味があるそうです。今でもこの行事をおこなっているところがあるといいます。

また、米粒を残さないというのは今でも良くいわれます。しかし昔は米粒をきれいにとったご飯茶わんに、お湯を注ぎ、沢庵でこすって、そのお湯まで飲んだそうです。こうした食べ物を大切にする食卓風景が、昔は日常的にみられました。

食品の過剰購買が促されており、食の安全性が問われる現代では、昔と同じように食べ物と向き合うのは難しいかもしれません。しかし、ご両親が食べ物を大切にする姿は、とてもいい食育となります。子供が食べ物の大切さを肌で感じることができるのです。

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