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誰にでも起こりうる「子宮頚管無力症」での出産や手術について

2015/07/03

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子宮頚管無力症は、妊娠中に誰でにも起こりうるトラブルの一つですが、意外と妊婦さんの間でもあまり知らないという人が多いものです。

早産や流産の要因ともなるので、できるだけ早く気づいて処置してもらうことが大事です。そこで、万一に備えて子宮頚管無力症の原因や症状、手術などについて紹介していくので頭に入れておきましょう。

妊婦さんは知っておいたほうがいい!「子宮頚管無力症」の原因と症状

赤ちゃんがいる子宮と、子宮の出口にあたる子宮口の間にある細長い部分を子宮頚管と言います。

妊娠中も通常だと4センチ位の長さに保たれて、しっかり閉じて細長い形を維持していますが、出産が近づくにつれ緩んできて開き、長さも短くなって、分娩時には赤ちゃんの通り道となります。

ところが妊娠12週頃から30週頃の妊娠中期以降、出産までまだ期間がある時に子宮頚管が緩み、短くなって子宮口が開いてしまう場合があります。子宮頚管に力がなくなり、緩むことから子宮頚管無力症と呼ばれます。

原因は様々…主には子宮頸部に何らかの問題があり起こる

子宮頚管無力症の原因としては色々ありますが、主に体質的に子宮頚管が短かったり変形している、子宮下部の子宮頸部が傷ついていたり、病気などで子宮頸部を手術した場合などに引き起こされやすいとされています。

ただ、原因がはっきりわからず初産では問題なかったのに、二人目以降のお産で突然子宮頚管無力症と診断されるケースもあります。

過去の経験や体質などにより、子宮頚管無力症になる可能性が高い条件があります。次の項目の中で、もし当てはまるものがあれば、十分注意する必要があります。

  • 元から体質として子宮頚管が短いもしくは子宮奇形である
  • 流産や中絶の経験があり、子宮掻爬の手術を受けている
  • 子宮頸がんなどの病気で子宮頸部を手術した経験がある
  • 過去の出産時に子宮頚管が短かくなりやすかった
  • 過去の出産時に子宮頚管に傷ができた

初期段階では気づきにくい…病状が進むと色々な症状が出てくる!治療法は

子宮頚管が緩み始めた段階では、特に自覚症状もないので気づきにくいものです。その後、子宮頚管が緩んで膣から細菌が入り込んで炎症を起こし、感染症にかかる場合もあります。

そうなると、おりものの量が急に増えたり、色が黄色っぽくなるといった場合もあります。人によっては、子宮口が開いて赤ちゃんが下がってくるため、下腹部に痛みを感じることもあります。

検査方法は「エコーによる診断」子宮頚管の長さで判断されます

子宮頚管の長さは、どうやって測るのでしょうか?検査は、膣から機器を入れて、モニターに中の様子を映し出して見る経膣超音波検査により、子宮頚管の長さを確認していくという流れです。

異常がなければ子宮頚管の長さは初期から妊娠36週目頃までは変化はなく、大体30ミリ位を保っています。

しかし、子宮頚管が緩んで妊娠中期で25ミリ以下になってしまうと早産のリスクがかなり高くなることがわかっています。

そのため、妊婦検診で子宮頚管の長さをチェックし、30ミリより短くなってきたら自宅安静を指示するなどして様子を見ます。

更に25ミリを下回るようだと子宮頚管縫縮手術を行い、程度が深刻ならそのまま入院安静となり経過を観察することになります。

知っておいて!治療法は手術です

子宮頚管無力症と診断されると、緩くなって開きかけた子宮頚管をテープもしくは糸で縫い留めてきゅっと縛り、赤ちゃんが出てこられなくする子宮頚管縫縮手術が行なわれるケースがほとんどです。

手術方法に、子宮に近い子宮頚管の上部を縫うシロッカー法と膣に近い子宮頚管の下部を縫うマクドナルド法の2つの方法があります。

シロッカー法はより子宮に近いところをしっかり閉じるので、赤ちゃんが出てこないようにしっかり子宮内にとどめておける高い効果が期待されます。しかし、抜糸しにくいといったデメリットもあります。

一方マクドナルド法は、手術の方法も簡単で万一陣痛が来てしまっても、すぐに抜糸して経膣分娩へと以降できるのが利点と言えます。

手術はいずれも背中から注射する脊髄麻酔で行われ、下半身だけ麻酔が効いている状態なので手術中は意識はあります。脊髄麻酔の場合、母体の全身をめぐる麻酔の量はごくわずかです。

胎盤を通して薬が赤ちゃんに行き渡ることもないため、麻酔といっても赤ちゃんへの影響もないため、心配しなくても大丈夫です。

手術したらしばらく安静にし、その日のうちに帰宅して普通の生活に戻れる場合がほとんですが、中にはしばらく入院して安静生活を送るという人もいます。

手術の翌日はまだ陰部に痛みがありますが、3日目前後からは痛みも引いて日常生活が送れるようになります。

手術をしても絶対安心というわけではないので、妊婦検診の度に縛った部分が緩んでないかをこまめにチェックしていきます。

そして、大体妊娠37週目前後で抜糸して、自然に赤ちゃんが降りてきて陣痛が来るのを待って通常分娩を迎えます。

胎児へのリスクも十分考えられます

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子宮頚管がどんどん緩んで、子宮口が開きかけると子宮内の赤ちゃんや羊水の重みに耐え切れなくなります。

すると、本来の分娩時期よりずっと早い段階で羊水が子宮口から漏れ出す破水が起きて、出産が始まってしまうことになります。

早産での出産となると、赤ちゃんが未熟児でまだ体の器官が十分に形成されていないため、脳や肺などに障害を抱えることになったり、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。

早期発見が大事

子宮頚管無力症は自覚症状がない人も多く、気づいたら子宮口が開いて早産になる状態だったというケースが多いのが現状です。

経産婦の場合前回の妊娠で子宮頚管無力症と診断されていれば、次のお産を前に子宮頚管縫縮手術を受ければ、早産を食い止めることも可能です。しかし、初産の場合は予防方法も特にないのが怖いところです。

できるだけ早く異常に気づき、治療を行うことが大事なので、そのためには定期的な妊婦検診は必ず受診するようにしましょう。

おりものの色やにおい、量などがいつもと違ったりお腹に痛みや違和感を感じる時などは、早めに病院を受診することをおすすめします。

万一子宮頚管無力症と診断されても、手術を受けて経過がよければ、正産期で自然な陣痛が起きるのを待って、通常通り経膣分娩での出産も可能となります。

心配や不安も多く、手術への恐怖心があるという妊婦さんもいるでしょう。しかし、赤ちゃんの命を守れるのは、ママとなるあなた自身だけです。

勇気を出して、無事に赤ちゃんが産まれるように、必要な処置は早めに受けられるようにしましょう。

みんなのコメント
  • 茶々🐶のママさん

    詳しい経過説明ありがとうございます。お嫁さんが只今、手術中。無事に終了するよう祈ってます。

  • とこさん

    初めての妊娠で、子宮頸管が短くなってるため早産の疑い と入院しました。今次の子を、とベビ待ちですが、気になったので検索。参考になりました。

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