妊娠中や出産後によく起こる子宮脱…原因・症状・治療と予防法

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2016/09/17

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妊娠中や出産後にトイレに入ると、「おしも」に何か丸いものが当たる、何か出ている感じがするなどの不快感が起こることがあり、びっくりすることがあります。

そんなときには子宮脱になっているかも。

子宮脱は子宮が膣から出てきてしまう病気で、症状の軽いものをあわせると出産経験者の約半数がなるという、とてもあよくある病気です。

出産後になってしまっても慌てないように、そんな子宮脱の原因・症状や、治療や予防法についてご紹介します。

子宮脱とは、骨盤臓器脱(性器脱)のひとつです

子宮脱は、骨盤底筋群という筋肉がゆるんで、子宮が膣から出てきてしまう病気です。

子宮脱は出産後になりやすく、「出産後にトイレに入ると、何か股から丸いものが出ていて、手にあたる」「下腹部に何か異物感がある…」などの症状が合って気が付くことが多いです。

突然のことに驚く人もいるかと思います。

もしかして、子宮が出てきてしまったの?そんな不安な気持ちになるかもしれません。

しかし、「おしも」に何か異物感があるからと言って、それがすぐに子宮脱であるわけではありません。

子宮脱は、膣から臓器が出てくる「骨盤臓器脱(性器脱)」という病気のひとつで、出てくる臓器によって以下の病名になります。

  • 尿道脱
  • 膀胱脱
  • 子宮脱
  • 小腸脱
  • 直腸脱

何か手にあたるからと言って、それが子宮であるとは限りません。

また、出ている状態によっても、病名が変化します。

  • 子宮が下降しているけれども膣内に留まっている状態の時には、「子宮下垂」
  • 子宮が股の間にぶら下がった状態の時には、「完全子宮脱」

「完全子宮脱」になってしまった場合の症状は重く、手で押しただけでは元に戻りません。

子宮脱の原因は、骨盤底筋群が傷つくこと

どうして子宮が体から出てきてしまうなんてことが起こるのでしょうか?

女性の骨盤の底には、骨盤底筋群という筋肉がハンモック状に張られています。骨盤底筋群は体の内部の臓器を、普段はしっかりと支えています。

この骨盤底筋群には、大きく二つの役割があります。

  • 骨盤内にある臓器(膀胱・子宮・腸)が落ちないように支える。
  • 尿道や膣、直腸をしめて、尿や便が洩れないようにする

そのため、出産や加齢、肥満などによって骨盤底筋群が傷ついたり痛んだりすると、この役割の機能が低下してしまい、以下の症状が起こります。

  • 骨盤内臓器(膀胱・子宮・腸)が膣に落ちてくる
  • 尿や便が洩れる

つまり、骨盤底筋が傷ついたり痛むことで子宮脱がおこります。

そして子宮脱になると、このような排尿・排便障害も多く併発します。

出産直後になりやすい子宮脱は一時的な症状

子宮脱が起こる原因は大きく分けて二つあり、そのメカニズムも異なります。

出産後になる子宮脱について、詳しく説明します。

子宮脱が起こる原因は出産と加齢

骨盤底筋群が痛む原因は大きく分けて二つ。

  • 出産
  • 加齢

これだけです。

出産で骨盤底筋群が痛む仕組み

では、なぜ出産をすると骨盤底筋群が痛んでしまうのでしょうか。

出産で骨盤底筋群が痛む仕組みは、以下の通りです。

  1. 分娩時、赤ちゃんの頭が産道を長時間かけて通過
  2. 骨盤底筋が引き延ばされてダメージを受ける
  3. 筋肉は比較的早く回復しても筋肉中の神経が影響を受け、骨盤底筋の収縮が悪くなる
  4. 出産後、骨盤底筋がゆるむ

このように出産後の子宮脱は、胎児が産道を通過するときにまわりの組織が引き伸ばされて、緩んだためにおこります。

出産時に骨盤底筋群が痛む人の要因3つ

つまり、出産をしても全員が骨盤底筋が痛むわけではなく、出産時に骨盤底筋群が痛むのは、以下のようなことが起こった人です。

  • 経膣分娩をした人
  • 赤ちゃんの頭が産道を通るのに時間がかかった人
  • 骨盤底筋の収縮があまりよくなかった人

経膣分娩をするのもよくあることですし、赤ちゃんの頭が通るのに時間がかかるのも、自分の力ではどうしようもないことです。

つまり産後は誰もが起こりうる病気なのだということを念頭に置いておきましょう。

出産後の子宮脱は一時的なもの

しかし、出産後の子宮脱は一般的にはすぐに治るので問題ないとされます。

妊娠中引き延ばされた骨盤底筋はひっぱられ、傷つき、のびきっていますが、分娩が終わるとホルモンの影響が薄れていき、体は出産前の体に戻ろうとします。

その際、自然に骨盤底筋群も収縮し、元に戻ります。

人によって個人差はあると思いますが、数カ月の間には骨盤底筋群も回復し、子宮脱の症状もなくなるでしょう。

しかし半年から一年経っても治らない場合には、一度産婦人科で見てもらうようにしましょう。

加齢による子宮脱は手術が必要な病気

一方、加齢によって組織や靱帯が緩んでおこる子宮脱は、自然に治ることがありません。

出産後は筋肉の収縮による回復がありますが、加齢によるものはもどることがありません。その場合には、子宮、膀胱、直腸を押し上げて、膣の壁や靱帯などを縮める手術をします。

子宮脱の症状は、陰部の異物感

では具体的にはどのような症状が現れるでしょうか。

自分では「何か違和感がある」と思っても、それが子宮以外の臓器が出ている「性器脱」なのか、子宮脱なのかよくわからないという問題があります。

まずは性器脱の症状についてみていきます。性器脱の症状は、脱出した臓器によって異なります。

  • 軽度の場合はいずれも無症状
  • 膀胱脱・尿道脱…尿失禁や頻尿・排尿困難の症状
  • 直腸脱…便秘や排便困難の症状

性器脱のうち、「子宮脱」の場合によく訴えられる症状は以下の通りです。

  • 陰部に何か物があるような、挟まったような、異物感がある
  • 陰部が引っ張られているような感じがする
  • 陰部が重苦しいような感じ
  • 膣部や腹に何かが落ちてきているような、下垂感
  • 膣口に何か丸いものが触れる

私自身は出産後、排便時にお腹に力を入れた時、何か丸いものが触れました。押すとひっこみ、出てこなくなりますが、また排便時になると出てくるという症状がありました。

子宮脱の症状が進むと、膣壁が下着にすれて出血するなど、歩行も困難となります。

子宮脱の治療法は、器具の挿入と手術の二種類

では、出産後の子宮脱がずっと治らなかったり、高齢が原因で子宮脱になった場合には、どのような治療法があるでしょうか。

子宮脱などの性器脱の治療には、大きく分けて保存的治療と手術の2種類があります。

自己着脱の器具で臓器を支える

保存的療法では、ペッサリーと呼ばれる輪を膣の中に挿入し、下から臓器を支えて、子宮を元の位置に固定します。

ペッサリ―を使用する場合、入れっぱなしだと膣内が炎症を起こすことがあるため、自分で着脱して使用することが多いようです。

以下の症状が出る場合があるので注意が必要です。

  • おりものが増加して異臭がする
  • 膣粘膜が傷つき出血する
  • 腹圧性尿失禁がひどくなる場合がある

定期的な診察が必要となります。

また、手術までの一時的な利用としてのみ使用する病院もあります。

一度で悩みを解決できる、手術療法

手術療法は大きく分けて、2種類あります。

  • 子宮全摘出術…飛び出た子宮を切り取る手術。下垂感が気にならなくなり、排尿障害も改善できる。
  • メッシュ手術…緩んだ筋膜や靭帯の代わりに、メッシュ等の人工の素材を用いて補強する手術。子宮を温存することができる。

泌尿器科に診察してもらい、保険診療にて手術を行うことができます。

子宮全摘出術は入院期間が10日間ほどで、メッシュ手術は約7日間ほどで退院できます。

子宮脱になりやすい人の6タイプ

子宮脱になりやすい人は、骨盤底筋群がいたみやすいひとです。

いたみやすいタイプは6タイプありますので、特に気をつけるようにしてください。

出産後の子宮脱に気を付けたほうがいい3タイプ

経膣分娩をした人は、骨盤底筋群が痛んで一時的に子宮脱になりやすくなりますが、出産後に子宮脱になりやすいのは以下の人です。

  • 3人以上を産んでいる
  • 3500グラム以上の赤ちゃんを産んだ
  • 35歳以上で出産を経験した

3人以上を産んでいると、その分だけ何度も骨盤底筋群がいたむため、筋肉もゆるみやすくなっています。

大きい赤ちゃんを産んだ人も骨盤底筋も大きなダメージを受けることがあります。

35歳以上で出産をした人は、骨盤底筋群の収縮の戻りが遅くなりやすくなっています。

高齢や日常での子宮脱に気をつけたい3タイプ

以下のタイプの人は常日頃から骨盤底筋群に既に負担がかかっていたり、傷ついていたりすることが考えられるので、気をつけましょう。

  • 肥満体型
  • 便秘になることが多く、強くいきむことが多い
  • 重いものを持ち上げたり、腹圧に負荷のかかる仕事をしている

上記の6タイプに入っている場合の人は、骨盤底筋群を鍛えるなどして、特に日常から気をつけるようにしましょう。

子宮脱を予防するために、骨盤底筋群を鍛える方法

子宮脱にならないように気をつけた方がいいとは、いったい何に気をつければいいのだろう?どうすれば子宮脱を予防できるのだろう?

そんな疑問が沸くかと思います。

簡単な注意から、毎日できる筋肉を鍛える運動までご紹介します。

子宮脱にならないために、常日頃から気をつけておきたいこと

子宮脱を予防するには、以下の注意が必要です。

  • 高齢出産の場合には帝王切開にするなど、骨盤底筋群が堅くなっている場合、無理な出産をしないこと
  • 常日頃から便秘にならないように気を付け、重いものを持たないようにするなど、腹圧をかけない生活を心がける
  • 肥満体形にならないように運動をする

常日頃から骨盤底筋群に負担をかけないように心がけましょう。

子宮脱にならないためにトイレでできる簡単な予防法

もうひとつ。予防には、骨盤底筋群を鍛える運動が効果的です。

骨盤底筋群を鍛えるにはまずは簡単な物から、以下の方法で鍛えることができます。

  • おしっこをするときに、おしっこを途中で2、3回止めてみる。
  • 立ちながら、おしっこを止める要領で、膣をキュッとしめる。

上記ができるようになったら、以下に記載した「ケーゲル体操」にも挑戦してみましょう。

骨盤底筋群を鍛えるケーゲル体操(キーゲル体操)

子宮脱は、骨盤底筋群が傷んだりゆるんだりすることが原因なので、筋肉を鍛えることが予防になります。

骨盤底筋群を鍛える体操を「ケーゲル体操(キーゲル体操)」といい、出産に備えて膣と会陰部の筋肉を引き締めるための運動です。

産後の子宮回復も早まります。

【 ケーゲル体操のやり方 】

  1. 仰向けに寝て膝を立て、脚を30センチほど開き、足の裏をピッタリと床につける。
  2. 排便をする時のように力を込め、膣と肛門周りの筋肉を引き締める(8~10秒)。
  3. 力を抜いてリラックスする。

10~20回を1セットとして、一日に3セット行います。

妊娠中の人がやる場合は、5ヶ月までの妊婦さんに限られます。5か月以降の妊婦さんは、仰向けの体操は向きません。

しかし、すでに子宮が下垂してしまった場合は、筋肉を鍛えても戻りません。これはあくまで早期からの予防となります。

子宮脱の状態のままで次の妊娠をするのは危険

子宮脱の状態のままで次の妊娠をしてしまった場合、以下のことが考えられます。

  • 子宮脱が悪化する
  • 子宮脱に伴う感染症の危険が高まる

これは、子宮脱のまま妊娠すると子宮はどんどん下がり、下がった子宮による圧迫で膀胱尿道のトラブルが起こり、子宮口が緩みやすくなるためです。

軽度の場合でもおかしいなと思った時には放置せず、産婦人科を受診するようにしましょう。

子宮脱になってしまったら、早めに病院で相談しましょう

子宮脱は更年期以降の女性や出産直後の女性などに多い病気で、出産を経験した女性の約半数が、生涯のうちに何らかの骨盤臓器脱を生じるとされるほど多い疾患です。

私の経験談では、出産後に膣に異物感があり、触ると丸いものがあたり、押し込んでみると治りますが、排便をする時にまた出てくるなどの症状がありました。

産婦人科に行きましたが、押し込んだ後だと異常が発見できないと言うことで確認してもらうことができず、そうこうするうちに数日で症状がなくなりました。

肥満でも赤ちゃんが大きかったわけでも三人目でもなかったのですが、出産後にはよくあることのようです。

おかしいと感じたら、早めに病院を受診するようにしましょう。

みんなのコメント
  • かずさん

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