妊娠中も仕事を続ける場合の制度は?赤ちゃんと妊婦を守る制度を紹介

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2017/06/07

制度に守られている働いている妊婦さん

仕事を持つ女性が妊娠をしたいと考える場合に、職場で自分がどんな扱いになるのかは気になりますよね。

仕事も大事ですが、いざ妊娠した場合にはやはり、自分自身の体とお腹の中の赤ちゃんのことを第一に考えていかなければいけません。

そのために作られた、妊娠中の女性と赤ちゃんを守るための制度を紹介します。

妊娠中は体の安全が大事…妊婦が安心して過ごせるように考えられた制度

妊娠しても仕事を続けたい場合は、妊娠中に仕事をしても安全なのかを考える必要があります。

妊娠した場合は仕事優先ではなく、ご自分の体と赤ちゃんの命のことを、まず第一に考えるようにしましょう。

妊娠した女性と赤ちゃんを守るために、法律でで定められた制度について紹介します。

【働きながら妊娠・出産する女性を守るための法律】

  • 妊産婦健診のための時間の確保(法第12条)
  • 妊娠中又は出産後の症状等に対応するための措置(法第13条)
  1. 【母性健康管理指導事項連絡カード】医療機関と職場を結ぶ役割
  2. 【通院休暇】妊婦健診の時間を勤務時間内に確保
  3. 【通勤ストレスの軽減】交通混雑時のストレスは危険を伴う場合も
  4. 【働き方の変更】医師から指導があった場合は負担のない働き方
  5. 【産前産後の休業や手当】出産と産後のママと子供を守るための補償

この5つについて見ていきましょう。

【母性健康管理指導事項連絡カード】医療機関と職場を結ぶ役割

医療機関と職場を結ぶ役割を持つのが、母性健康管理指導事項連絡カードです。妊婦の状態によって、医師が指導した内容を会社に伝えることが出来ます。

切迫早産や悪阻、流産の危険、その他の体調不良で自宅療養や通勤時間短縮などを、会社に申し出るときに使用できるカードで、母健連絡カードと言われています。

ひどいつわりで出勤が出来ない場合も、医師に相談し母健連絡カードを使用することで、職場に休業の措置をとってもらうことができます。(有給・無給は会社の制度による。)

長期療養になる場合は通常、診断書の提出を求められますが、このカードは診断書の役割も兼ねているので、通常は別途診断書を取る必要はありません。

【通院休暇】妊婦健診の時間を勤務時間内に確保

赤ちゃんとママの健康状態を確認する妊婦健診を受けるために、会社を休む場合は「通院休暇」を申請することができます。(男女雇用機会均等法第12条による)

妊娠23週まで 4週に1回
妊娠24週~35週 2週に1回
妊娠36週~出産 1週に1回

会社により有給か無給かは異なりますが、有給休暇を取るように強制することはできません。但し、自分で有給休暇を取るのはOKです。

ボーナスや査定に響くような「欠勤扱い」にすることは、禁止されています。赤ちゃんと妊婦を守るための検診なので必ず受けるようにしましょう。

ちなみに、通院に使ったタクシー代は医療費控除の対象になるので、領収書をとっておいてくださいね。

【通勤ストレスの軽減】交通混雑時のストレスは危険を伴う場合も

妊娠初期はお腹が目立たない割に悪阻などのトラブルも多く、混雑時の通勤で体調を崩すことも考えられます。妊娠中期、後期もやはり混雑時の通勤は大変です。

医師から混雑時の通勤が難しいと診断された場合は、交通混雑時を避けて出勤させてもらうように申し出ることが出来ます。(男女雇用機会均等法第13条による)

  • 勤務時間を30分から60分短縮してもらう
  • フレックス制度の利用、終業、始業時間に30分から60分の時間差を設ける

上記のような緩和措置が考えられますが、職場から自宅までの距離や通勤方法、混雑具合はそれぞれ異なるため、緩和措置の方法も会社側と話し合って決める必要があります。

職場での特別扱いが気にする方もいるかもしれませんね。でも、医師から指導された場合は、赤ちゃんの命を優先する措置ですので申請するようにしましょう。

フレックスタイムを採用していない会社でも使用することができますが、時間差出勤・退社を設けてもらうなど、会社側と話をして調整してもらいましょう。

【働き方の変更】医師から指導があった場合は負担のない働き方

妊娠中は今まで通り働きたくても体調によっては、働き方を考えなくてはいけない場合も出てきます。

妊婦の軽易業務転換
激務や立ちっぱなしの仕事など、妊娠中の負担になると考えれる場合は申請すれば、軽易な仕事に変更してもらうことが出来ます。(労働基準法第65条第3項による)
休憩に関する措置
医師から指導があった場合は、妊婦が休憩を申し出れば、休憩時間の延長や回数の増加、休養などの措置をとってもらうことが出来ます。(男女雇用機会均等法第13条による)

必要な措置方法は個人差があるので、職場の上司などに相談して、適切な措置をとってもらうようにしましょう。

その他にも下記のように、妊婦と赤ちゃんを守るための取り決めがあります。

  • 妊産婦等の危険有害業務の就業制限…有害な業務に就くことはできない(労働基準法第64条の3関係)
  • 妊産婦に対する変形労働時間の適用制限…請求すれば1日及び1週間の法定労働時間を超えて働く必要はない(労働基準法第66条第1項による)
  • 妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限…請求すれば時間外労働や、休日出勤、深夜の労働をする必要はない(労働基準法第66条第2項、第3項による)
有害な業務とは
重いものを持つ作業・腹部を圧迫する作業・有害ガスを発散する場所での業務など

自分が働けない分、他の人に負担が掛かってしまうので、権利ばかりを主張するのは…と考えてしまいがちですが、妊娠中の優先順位はママと赤ちゃんを守ることです。

相談に乗ってくれる会社や周りの人への感謝の気持ちは忘れずに、安全な妊娠生活を送ることが大切です。

【産前産後の休業や手当】出産と産後のママと子供を守るための補償

産前産後は申請すれば、下記のように休業することができます。(労働基準法第65条第1項、第2項および育児・介護休業法第5条~第9条による)

職場でのトラブルを避けるために、最低でも安定期に入ったら出産予定日を職場に連絡しておくことが大切です。

産前休業 出産予定日の6週間前
産後休業 出産の翌日から8週間は原則として就業することができません
(但し、本人が請求し医師が認めた場合は6週間でもOK)
育児休業 1歳に満たない子供を養育する場合に申請する期間取得することが出来ます
(一定の範囲の期間雇用者も対象※)

※一定の範囲の期間雇用者…同一の事業主に継続して雇用された期間が1年以上あり、子供が1歳6か月になる日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでない場合

また、出産休業・育児休業中は出産手当金・育児休業給付金などの公的資金が支給されるので忘れないように申請しましょう。

出産一時金 子供一人につき42万円
出産手当金 出産手当金=日給×2/3×産休で休んだ日数
勤務先の健康保険に入っている場合に支給されます
育児休業給付金 180日以内…育休に入る時点の標準報酬月額の67%×育休月数
181日目以降…育休に入る時点の標準報酬月額の50%×育休月数
雇用保険に入っていて、育休に入る前の2年間のうち11日以上働いた月が12ヶ月以上ある場合は支給されます。

産前・産後に子供とママを守るための制度ですが、職場の人に相談し理解してもらうように、できる範囲で良いので努力する姿勢も必要です。

出産予定日や休業する日数をきちんと継げ、休む間の業務の引継ぎなど、職場への配慮をすることで復職後のトラブルを防ぐことが出来ます。

妊娠はキャリアに影響する?妊娠を理由に不利益な扱いを受けるのは違法

出産や産後・妊娠中にとってもらった措置などが、キャリアに影響するのではないかと考えてしまう方もいますよね。

  1. 妊娠・出産を理由にした不利益な扱いについて
  2. 不利益な扱いをされた場合に相談できる窓口を紹介

この2つについて見ていきましょう。

妊娠・出産を理由にした不利益な扱いについて

妊娠中にとってもらった措置や、妊娠・出産を理由に、不当な扱いを受けることは男女雇用機会均等法第9条により禁止されています。

妊娠中は検診や体調不良で休んだり、休憩を長く取ったり、軽度な作業に変更するなどの措置をとってもらうことがあります。

それを理由に解雇・減給・降格・昇進・昇格の人事考課において、不利益な評価などを受けることはできません。

休業自体は無給か有給かは職場によりますが、母性健康管理措置を受けたことにより、査定やボーナスに影響するような扱いを受けることは禁止されています。

解雇や減給、降格など不当な扱いを受けた場合は、妊娠・出産時にとってもらった措置以外の理由があるのか、確認をする必要があります。

不利益な扱いをされた場合に相談できる窓口を紹介

会社とのトラブルにならないためには、まずは自分の妊娠の状態と、どうしたいか、どのような措置を取ってほしいのかを明確に伝えることが大切です。

それでも、実際に不利益な扱いを受けたり、トラブルになってしまった場合には、まずは職場の労働組合などに相談してみましょう。

それでも解決しない場合は、各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に相談してみて下さい。マタニティーハラスメントなどについても匿名で相談できます。

厚生労働省のパンフレット「職場でつらい思い、していませんか?」にマタハラについて詳しい内容が載っていますので、一度目を通してみることをお勧めします。

妊娠・出産しやすくなる会社独自のユニークな制度

妊婦が法律で定められている制度を利用したいと思っていても、利用しにくい社風を持つ職場もありますよね。

そんな中でも下記のような独自の制度を推進している会社もあります。今、働いている職場でも独自の制度がないか確認してみましょう。

  • 産休・育児期間の給与補償…給与を100%会社が補償
  • 妊活の費用の負担…不妊治療費などを会社が一部負担してくれる
  • 妊活休暇…妊活時にクリニックに通う場合に特別休暇を何回かもらえる
  • フルサポート勤務制度…減給なしで妊娠~育児中に勤務形態を自分で選べる
  • つわり休暇の有給制度…一定日数以内のつわり休暇時も給料が払われる

上記以外にも独自の福利厚生を設けている会社もあります。また、法律で決まっていても社則として制定されていない制度は使用しにくいです。

自発的に妊娠・子育てをしやすい環境に調整してくれる、企業が増えてくると良いですね。

一番大事なのはママと赤ちゃんの健康…制度を使って安全な妊婦生活を!

妊婦を守るための制度はあっても、無理をしてしまう場合もあります。仕事をしているやはり周りの目は気になるものです。

妊娠・出産についての制度の理解が少ない職場では、制度を使用しにくい場合もありますが、使う人が増えれば、使用しやすい雰囲気になるということも考えられます。

妊活とは関係ないですが、私の上司(男)は仕事はできるが何かと割り切る人でした。突然、「来週から2週間産休・育休に入るのでよろしく!」と告げられました。

仕事の量は増え、残業も増えましたが、何故かすがすがしさを感じる出来事でした。

妊娠・出産は他の人に任せることはできませんが、仕事はその時だけ任せても良いのではないでしょうか?

仕事と妊娠の両立を考えるのならば、周りの人への配慮はもちろん必要ですが、赤ちゃんと自分の体を大事にし、安全な妊娠生活を送ることの方が大切です。
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