いい生活リズムを身につけると幼児の脳はもっとイキイキする

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2015/06/22

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できれば、幼児期に基本的な生活習慣を身につけてあげたいもの。「睡眠」「食事」「運動」どれも、子どものすこやかな成長には欠かせないものですよね。

幼児期の生活習慣の崩れは、思春期にまで影響します。子どもが大きくなってから後悔しても、もう手遅れ。家族が少しずつ工夫したり、子供の生活習慣に配慮してあげられれば、悪循環はとめることができます。

子どもの脳は、使い方次第でどんどんイキイキします。ぜひ、良い生活リズムを、身につけてあげましょう。

生活習慣の乱れ・危険な悪循環

私の住む県では、幼児から中学生までを対象に、生活習慣や食生活などについて親子でチェックする取り組みがあります。

表紙には、「早寝・早起き・朝ごはん」「運動」「休養」「栄養」などの文字が、大きく書かれています。

入園・入学(小学校・中学校共に)するときも、説明会で「何よりも、生活習慣をしっかり身につけてください。」と言われました。特に「早寝・早起き・朝ごはん」についてのお話が多かったと思います。

小学校の給食だよりの裏面にも、「早寝・早起き・朝ごはん」の大切さや「朝ごはんの効果」などについて、よく書かれています。

子どもの生活習慣について、教育者が深刻な思いを抱いているように感じられます。

悪循環はぐるぐるまわる

では、生活リズムの崩れによる悪循環について考えてみましょう。

夜更かしする。
  ↓
睡眠時間が短い。
  ↓
朝起きられなくて寝坊する。
  ↓
時間がなくて朝ごはんが食べられない。または、食欲がなくて食べられない。
  ↓
午前中だるい。特に午前中の早い時間がつらい。
  ↓
体を動かす量が減る
  ↓
疲れていないので夜更かしする。

「早寝・早起き・朝ごはん」が、なぜこんなに重大にとらえられているか、少しわかったような気がしますね。

心身に悪影響を与える悪循環

こうして見ると生活習慣は、「あるひとつのこと」だけが問題なのではありません。「あるひとつのこと」が崩れると、そこからドミノのようにどんどん崩れていってしまうのですね。

もともとヒトは、昼型の生活に適した生き物なのですが、その習慣は生後、環境の影響を受けながら「昼間、起きていること」を身につけていくものなのです。

夜型の子どもたち

子どもたちが夜寝る時間について調査した結果を調べてみました。文部科学省の「~子どもの生活リズム向上ハンドブック~」の「第1章 子どもの生活と現状」に詳しい表が載っています。

子どもの基本的生活習慣の乱れを示すデータ等は以下のとおりであり、個々の家庭や子どもの問題として見過ごすことなく、社会全体の問題として、早急に取り組まなければならない課題であると認識することが必要です。

「①睡眠に関して」昭和55年・平成2年・平成12年の3回分の調査結果が示された表です。この表を見ると、夜10時以降に寝る子どもの割合は、昭和55年度から平成12年度までの20年の間に、2~4倍に増えているようです。

10時以降に寝る子どもの割合

  • 1歳6ヶ月児・昭和55年度⇒25% 平成12年度⇒55% 2.2倍に増加
  • 2歳児・昭和55年度⇒29% 平成12年度⇒59% 約2倍に増加
  • 3歳児・昭和55年度⇒22% 平成12年度⇒52% 約2.3倍に増加
  • 4歳児・昭和55年度⇒13% 平成12年度⇒39% 約3倍に増加
  • 5歳児・昭和55年度⇒10% 平成12年度⇒40% 4倍に増加

ちょっと古い調査結果ではありますが、平成12年度より今の子ども達が早寝をしているとは、あまり思えません。

子どもたちの小学校でも、就寝時間のアンケートや良い睡眠の大切さなどの授業が行われます。そのアンケートの結果などからも、夜型の子どもが増えているような印象があります。

学校からは、「1時間目、ほとんど頭が起きていない子どもが大変増えている。」と言われます。登校途中の子どもを見かけても、ぼけーっとして、あくびをしながら歩いている子がたくさんいます。
                                        

夜ふかしは、誰の影響?

国際的にみても、乳幼児が夜10時以降に寝る割合は日本がダントツに高いようです。 

  • フランス:16%
  • ドイツ:16%
  • イギリス:25%
  • スウェーデン:27%
  • 日本:46.8%

大人の生活習慣の見直しが必要

夜ふかしなのは、赤ちゃんだけではありません。私達、大人も夜ふかししています。日本人の寝る時間はどんどん遅くなり、睡眠時間は減る一方。

大人の生活が変わったから、子どもの生活も変わってしまったのでしょう。テレビやゲーム、インターネットなどが、私たちの生活にとても深く影響していますよね。幼い子どもたちだけでなく、中・高校生の睡眠不足も大きな問題になっています。

大人自身が、「生活リズムの大切さ」や「睡眠の重要性」を軽く考えるようになっていることが大きな原因のひとつなのは、間違いないと思います。

大人が子どもに、「早く寝なさい。」と口を酸っぱくして言っていた時代というのは、ずいぶん昔のことなのかもしれません。

子どもの夜ふかしとメディア

幼児を対象とした調査結果でも「夜9時以降、テレビを大人と見ること。」が、夜ふかしの要因だったそうです。そんなに遅い時間に、幼児が見なきゃいけない番組なんてあるのでしょうか?

日本小児科医会の「子どもとメディア対策委員会」では、現代の子どもとメディアの問題が提起されています。小児科で、こんなポスターを見たことはありませんか?

「見直しましょうメディア漬け」/「スマホに子守をさせないで」

  • 2歳までテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
  • 授乳中・食事中のテレビ・ビデオの視聴はやめましょう。
  • すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます。
  • 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パソコンを置かないようにしましょう。
  • 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールを作りましょう。
メディア漬けの予防は乳幼児から!

  • テレビを早めに消して、早寝早起きしてみましょう。
  • ゲームをやめて、直接親子でふれあいましょう。

子どもの心と体の基礎を作る時期に、直接人と関わることはとても大切なことなのです。メディアに引きずられてだらだらした生活をしていないか、大人も見直すことが必要ですね。

スマホに子守をさせないで

「スマホに子守をさせないで」というポスターでは、これらのことが問題であると伝えています。

  • むずかる赤ちゃんに子育てアプリの画面で答えること。(赤ちゃんの成長をゆがめる可能性あり)
  • 親がスマホに夢中で、子どもの興味や関心を無視していること。
  • 親子でメディア機器に長時間接触しているため、親子の直接の会話や遊びの時間が奪われていること

「子どもとメディア対策委員会」が2004年に提起した【「子どもとメディア」の問題に対する提言】には、次のように述べられています。

乳児期からのメディア漬けの生活では、外遊びの機会を奪い、人とのかかわり体験の不足を招きます。

実際、運動不足、睡眠不足そしてコミュニケーション能力の低下などを生じさせ、その結果、心身の発達の遅れや歪みが生じた事例が臨床の場から報告されています。

このようなメディアの弊害は、ごく一部の影響を受けやすい個々の子どもの問題としてではなく、メディアが子ども全体に及ぼす影響の甚大さの警鐘と私たちはとらえています。

特に象徴機能が未熟な 2 歳以下の子どもや、発達に問題のある子どものテレビ画面への早期接触や長時間化は、親子が顔をあわせ一緒に遊ぶ時間を奪い、言葉や心の発達を妨げます。

悪循環がもたらす、怖い影響

さきに、生活習慣の乱れによる悪循環についてお話しましたが、この悪循環のはじまりは寝不足であることが多いと思います。

「寝不足だったり睡眠のリズムが不規則だったりすると、朝食を食べない、朝だるいので活動量が少なくなるため疲れない、夜眠くなくなる」というように、寝不足から始まる悪循環が与える影響はとてもたくさん考えられます。

例えば「朝、時間に余裕がないから排便できない。」「排便を我慢して便秘になる。」「あわてているので忘れ物が多い。」なども、生活リズムの乱れによるものでしょう。

生活のリズムが乱れるだけではなく、自律神経もうまく働かなくなり情緒の安定や成長にも大きな影響が出ます。

自律神経の乱れで出る症状

子どもの自律神経が乱れると、こんな様子が見られます。

  • 集中力がない。
  • 日中、無気力でぼーっとしている。
  • イライラしている。
  • 無表情になる。
  • すぐカッとなって怒る。
  • 体温が低い(36℃未満)。または体温が高い(37℃以上)。
  • 頭やおなかが痛いという。
  • 便秘や下痢が続く。
  • 肥満になりやすい。
  • 攻撃的になる。
  • 熟睡できず、次の日になっても疲れが取れない。

など。

また、年齢が低い時にみられる「イライラ」や「攻撃性」は、年齢があがるとうつ傾向になるという調査もあります。

生活リズムの乱れが原因で、思春期に昼夜逆転の生活が当たり前になったり、不登校や摂食障害などの引き金になってからでは、取り戻すのが大変です。

ぜひ、幼いうちにしっかりした生活習慣を身につけてあげてくださいね。

生活習慣の乱れの治しかた

一度ついてしまった生活習慣を一気に治そうと思っても、なかなかうまくいきません。まずは何よりも、大人が生活習慣についてよく知ることがとても大切だと思います。

子どもの生活習慣を整えたいと思ったら、とりあえず次の中からできそうなことを探してみましょう。

  • 早起き(7時まで)する。
  • 朝ごはんを食べる。
  • 体を動かして遊ぶ。
  • 夜、9時までに寝る。
  • 子どもが幼いうち(未就学児)は、昼寝をさせる。(ただし、部屋は真っ暗にせず、3時までに起こす。)
  • イベントや旅行などで寝るのが遅くなってしまっても、なるべく決まった時刻に起こす。

ひとつでいいので、なにかできそうなものからはじめてみてください。親子で体を動かして遊んだり、体操したりするのも気軽にできるかもしれませんね。一日、10分以上は体を動かせるように配慮してあげてくださいね。

一緒に遊ぶといっても、わざわざ遠くの大きい公園に行かなくてもいいのです。同じ景色を見たり、風を感じたりしながら一緒に近所を散歩するだけで、子どもは十分楽しんでくれます。

親も、一人で散歩しているだけでは見つけられないような意外な発見がたくさんできて、おもしろいですよ。

一番手っ取り早い「早起き」

実は、意外かもしれませんが一番の近道は「早起き」なんです。例えば、30分早く寝たからって30分早く起きるのは難しい。でも、30分早起きすると、確実に夜早く眠たくなります。なぜでしょう?

30分早起きすると、余裕を持って朝ご飯を食べられます。時間があるので、排便も済ませられるかもしれません。朝から、元気に活動できますね。

お昼ご飯を食べたら、また活発に動けます。たくさん遊んだら、ヒートアップした頭を休めるために少しお昼寝。夕ご飯を食べてお腹がいっぱいになったら、心地よい疲れと共に自動的に眠たくなります。

子どもが小さいうち、忙しい朝はちょっとでも長く寝ていて欲しい、というお母さんの気持ちもわかります。私もそうでしたから。

でも、後々のことまで考えると、早起きの習慣をつけたほうが絶対に子どものためだし、お母さんも結果的に楽ですよ。

明日から、早起き開始です!

早起きさせても寝付けない?

両親とも帰りが遅いと、子どもの寝る時間もどうしても遅くなりがちです。遅く寝る習慣がついてしまっていると、早く寝かせようと思ってもなかなかすんなりいきません。

そんなときは、日中、体を動かすといいですよ。しっかり体を動かして遊ぶと、幼児は夕方には眠くなるものです。足元を見ていると、もつれてくるのですぐわかります。小学校低学年でも、よく遊んだ日は8時頃にはあくびまじりですから。

外で体を動かして遊ぶことは、体に適度な疲れを与えるだけでなく自律神経の働きも鍛えてくれるんですよ。

脳のために大切な良質な眠り

レム睡眠とノンレム睡眠、みなさん聞いたことがありますよね?睡眠中、私たちの脳は、レム睡眠とノンレム睡眠を5~6回交互に繰り返しています。

レム睡眠は浅い眠り、ノンレム睡眠は深い眠りです。

体験を定着させるレム睡眠

浅い眠りのレム睡眠時、私たちは学習したことや経験を脳に定着させています。

高校の時の化学の先生が、「8時間以内の反復学習と睡眠で、記憶が定着する。」と教えてくれました。「寝ないで勉強したって、何も覚えられないぞ。ほどほどの時間に寝て、早起きして復習しなさい。」とも。

寝ている間も私たちの脳は、学んだことを復習してくれているのですね。寝不足でノンレム睡眠が少なければ、せっかく学んだこともその場限りの知識になってしまうのです。

昔から「一夜漬け」と言いますが、確かにテストが終わったら、覚えたはずのことが散り散りに飛んでいってしまったような覚えはありませんか?

成長と回復のノンレム睡眠

もうひとつのレム睡眠は、比較的深い眠りです。ぐっすり眠っている間に、成長ホルモンが分泌されたり免疫力を高めたりしてくれています。

「美人になりたかったら、早く寝るといい。」というのもよく言われますが、それは、ここからきているのですね。

寝る直前までテレビを見たりゲームをしていたり、電気をつけて明るいまま寝たりすると、頭が睡眠モードになってくれません。眠れても、寝ているあいだも注意がそっちにいってしまう。良質な睡眠がとれなくなってしまいます。

質のいい睡眠確保の邪魔になるようなものは、できるだけ遠ざけてあげてくださいね。質のいい眠りは、脳も体も大きく成長させてくれますよ。

「早く寝て早く起きる」という生活リズムは、要はこの、レム睡眠とノンレム睡眠、2種類の睡眠をしっかり取りましょう、ということです。どちらも、大切な眠りですから。

親が知ることの大切さ

実は、私は、小学生の頃からものすごい夜型の夜ふかし人間でした。夜起きているのがかっこいいと思っていたような覚えがあるほどで、寝るのが遅ければ遅いほど、楽しい時間が増えるような気がしていました。

そんな私でしたから、当然、自分の子どもを早く寝かせよう、なんて意識はありませんでした。夫にうるさく言われてはいたのですが、自分で必要性を感じていないのでそんなに一生懸命できない。

よそのお母さんの「子どもは、8時に寝かせてます。」なんて言葉を聞くと、へぇ、変わってるな。と密かに思っていたのでした。

知ることでかわることができる

それが一変したのは、園で開催された「母親のための講座」を聞いた時からです。生活習慣がどんなに大切か、詳しい資料と熱心な口調で教えていただき、まさに目が覚めました。

講座後の質問で、あるお母さんがこう発言しました。「早く寝かせたいとは思っていますが、夫の帰りが遅いので、ついつい…。夫が子どもの顔を見たがるんです。」

すると講師の先生は、ぴしりとこう返されました。「今日の講座で、どんなに早寝早起きが大切かお分かりになったでしょう?それを、旦那さんに説明してあげてください。子どもをできるだけ早く寝かせるのは、母親であるあなたの義務です。」

「お父さんの顔を、夜遅くに毎日見ることよりも、早く寝ることのほうが子どもにとってはずっと大切なことですよ。」と。

頭ごなしに子どもを早く寝かせるようにと言われても、必要性が今ひとつ考えられず、なかなか実行にうつせませんよね。私もそうでした。

こうして生活習慣の大切さを詳しく知ることで、少しずつでも改善できるはずです。少しずつ、ひとつずつ、できることからでいいんです。ぜひ実行してみてください。

生活習慣でこどもはかわる

そして、ここが大切なんですが、子どものかわっていく様子をよく見守ってみてください。いい生活習慣を持っている子どもは、元気でいきいきしますから。朝、登園時からわかりますよ。

それはもう、本当です。小学生なのに頭痛持ちで便秘やめまいがひどかった、夜ふかし小学生の私が保証します。夜ふかしに、いいことなんてありません。自律神経が、うまく働いていなかったのでしょうね。

幸い私は、生活習慣についての講座をうけたのが自分の子どもが3歳の時でしたから、子どもに夜ふかしにさせずにすみました。自分も夜だらだら起きているのをやめて、なるべく早く寝るようになりました。

学校の先生にも機会があればお願いしています。「早寝・早起き・朝ごはん、いい睡眠の大切さを、子どもたちに教えてやってください。何回でも教えてやってください。すり込んでやってください。」と。

子どもたちも、いずれ人の親になるでしょうから覚えていて欲しいのです。いい生活習慣は、どんなに大切なものなのかを。これを読んでくださったあなたも、子どもに伝えてやってください。

いい生活習慣を身に付けるのは、乳幼児期が肝心です。そして、それは、子どもは自分では身につけられません。周りの大人たちで、子どもにいい生活習慣を身につけさせてあげてくださいね。

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