子供の運動能力を読み解くスキャモンの発育曲線の発達パターンの見方 

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2017/05/21

人は生まれてから成人するまで、年齢に応じた体の器官の発達があります。誕生から幼児期は特に神経系の発育が一気に9割まで到達します。

スポーツ指導者などが目安にする成長グラフ「スキャモンの発育曲線」を読み解き、子供の運動能力を引き出せるよう役立てたいものですね。

体の各器官がどの様に発達するのか、0歳から成人までの発達パターンを示した「スキャモンの発育曲線」の見方についてお伝えします。

スキャモンの発育曲線は子どもの身体の成長の目安

「スキャモンの発育曲線」とは、アメリカの医学者であり人類学者でもあるスキャモンが1928年に発表したグラフです。

多くのスポーツ指導者、教育関係者たちが参考にしていることで有名です。子どもの成長には様々な器官の発達の順番があってその目安にもなります。

誕生から成人までの発育量を100%とした割合で、4つの系統に分けて発達の様子をグラフで描いています。

「スキャモンの発育曲線」

スキャモンの発育曲線0508-1

ご覧のように4本のラインが全く違う曲線を描いています。小学校へ上がるまでの6歳までに大きく発達するラインもありますね。

幼児期の子どもに運動、スポーツをさせる時の注意点など、成長過程を読み取るスキャモンのグラフの見方をお伝えします。

4つの系統の分類は器官別に分けられている

この4つの系統の名称は、一般的に「神経型」「リンパ型」「一般型」「生殖型」と呼ばれています。

中でも幼児期に注目される系統は「神経型」なんです。6歳までの4つの曲線を比べてもわかるように一気に大きな山を描いていますね。

幼児にとって発達の大きな系統から順に、どんな体の器官が発育しているのか説明していきます。

神経型の器官は6歳で9割まで発達してしまう

神経型の発達に関わる器官は「脳、脊髄、視覚器、頭径」です。驚くことにこれらの器官は6歳までに成人の9割程度も発育してしまいます。

そして12歳頃には、ほぼ100%となります。生まれてから12年間で神経系の発達が目覚しく、恐ろしいスピードで様々な神経回路が仕上っていくのです。

この神経回路が出来上がると、その後はなかなか消えることはありません。わかりやすく言いますと、自転車に一旦乗れるようになれば長いあいだ乗らなくてもいつでも乗ることができます。

例を挙げればこのようなことで、無意識でも覚えているというところでしょうか。子どもの時期には非常に重要な器官なのです。

具体的に「脳、脊髄、視覚器、頭径」の発達というのは、体を器用に動かすことであったり、リズム感であったり、運動能力に大きく関係します。

リンパ型は思春期に大きく成長する

12歳頃にひときわ大きな山を描いているのはリンパ型です。発達する器官は「胸腫、リンパ節、同質性リンパ組織」です。

免疫力を強める扁桃や、リンパ系の発達を示しています。思春期の頃に成人レベルを大きく超えて発育しますが、思春期を過ぎると大人レベルに落ち着きます。

外部から成長させようと働きかけられるものでもありませんが、睡眠や食事といった健康的な生活習慣が大切になってくるのではないでしょうか。

一般型は幼児期までと思春期に発達する

一般型というのは身長・体重など全体の器官を指します。「身長、体重、呼吸器、消化器、腎臓、心臓、脾臓、骨、筋、血液量」です。

グラフの波を見るとわかるように、誕生から幼児期まで成長著しく、途中緩やかになり、思春期の頃に再度成人まで右肩上がりに成長します。

発達する器官を見てみると、運動もさる事ながら食育にも気を使ってバランスの良い食事が必要に思われますね。

内臓器全般の発達に関わりますので、幼児期には好き嫌いを少しでも減らして、なんでも食べれる習慣をつけたいところです。

甘やかしすぎてお菓子やジュースなどの与え過ぎは気を付けないといけません。思春期には食べる量もかなり増えますので、料理をするママの役目は大切ですね。

生殖型は14歳位から急激に成長

生殖型はその名のとおり、男の子なら陰茎や睾丸、女の子なら卵巣や子宮などの生殖器系の成長のことをいいます。

あまり幼児期には発達しませんので気にすることもないかもしれませんが、青春期の頃に性ホルモンの分泌も活発になります。

女性ホルモンの影響で胸が膨らんだり、生理が始まったり、男の子も男性ホルモンの分泌で身体に変化が出て、背がグッと伸びて筋肉質になってきたりしますので戸惑うこともあるでしょう。親は子供のメンタル面にも気を配る必要があるかもしれませんね。

幼児期の神経型の発達を最大限に活かすことがポイント

注目すべきは、幼児期の6歳までに大人の9割も発達してしまう神経系統の発達です。脳の神経回路を最大限に発達させるには、偏りのない様々な種類の運動遊びが重要になってきます。

運動神経がいい子もそうでないと思われる子も、この時期にしっかり運動しておくことが将来の運動能力の基礎となります。

この大切な4歳から8歳頃の時期を「プレ・ゴールデンエイジ」と呼び、体を使って様々な動作を習得する事がその後の運動能力の発達に大きく役立ちます。

気を付けないといけないのは、この発達過程で選手を目指すような運動に偏ってしまうことです。

人気のサッカーばかり、野球ばかりといった偏りのあるトレーニングだけでは十分に神経系の発達を活かせません。

体の各器官を器用に動かせるようになり、またリズム感を養うのもこの時期です。幼児期に十分な運動をさせたあとの次の時期、9歳から12歳頃に専門的な技術、テクニックを覚えるような運動をすると良いようです。

スキャモンの発育曲線を参考に年齢の発達に見合った子育てを実践

子育てで様々な遊びや学習、習い事など何歳頃が適当か悩んでしまったら、このスキャモンのグラフの特徴を参考に考えてみてください。

スポーツをさせるにも内容によってはタイミングがマッチしていないと早すぎて身体に負荷がかかってしまったり、遅すぎだったりがあるようです。

身体の各器官に発達の順序があることを知っておくことはとても大切だと思います。多少個人差があることも気にしながら子どもの潜在する力をしっかり引き出してあげたいですね。

子どもの運動能力を大きく向上させる可能性がある幼児期、プレゴールデンエイジ。今時の子どもたちは室内で遊ぶことが多くなっている傾向です。子どもの運動機能の低下についても国を挙げて調査に乗り出しています。

小学校にあがる頃までに神経回路を刺激するような運動遊びを沢山させましょう。一番吸収しやすい時に必要なことを育児に取り入れていきましょう。

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