陣痛よりも痛い?産後血腫にご用心!原因や症状、処置や再発について

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2016/10/11

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臨月になり、お産が迫ってくると、やっぱり気になるのは「出産ってどれくらい痛いの?」あるいは「その痛みに耐えられるかな?」「耐えるだけなのかな?」ということですね。

人それぞれとはいうものの、心構えとしてどんなものがあるのか、あるいは、どんな風に対処できるのかを知っておきたいものです。

そこで、お産の痛みといえば、陣痛や会陰切開などが一般的ですが、それ以外にもマイナーながら非常に痛い、お産直後のトラブル「産後血種」をご存知ですか?

「陣痛よりも痛かった」「重症化してショック症状で救急搬送された」という声も…。意外に知られていない、産後血腫についてご紹介します。

陣痛よりも痛い!の声多数 体験者は語る…産後血腫ってどんなもの?

産後血腫なんて聞いたこともない、という人も多く、だからこそ知らずになってしまって大変な思いをするケースがあるようです。

非常にまれなケースで、気にしてもしょうがないでしょ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうとは言い切れない程度には、実は見聞きされるもののようです。

実はけっこういる…産後血腫になってしまった人たちの声

ネットでは、産後血腫を経験したという方のこんな声が聞こえてきます。

聞き慣れない言葉のわりに、けっこう体験者がいることが伺えますね。

私も経験者!産後の痛みと耐えて耐えて…痛み止めも効かず、絶叫

実は私も当たってしまった一人なんです。

お産自体は安産で、笑顔で個室に帰って3時間後…徐々に痛みが激しくなり、おかしいなと思い始めました。

助産師さんや付き添いの実母、巡回しにきた産科医に訴えるも、産後の痛みは仕方ないよねとたしなめられ、痛み止めをもらうのみ。

しかしその痛み止めも全く効かず、しかも切開した会陰や産道、子宮がある下腹部が痛むのではなく、なぜか切れてもいない肛門に酷い痛みを感じるのです。

痛み止めを重ねてもらうも痛みは酷くなる一方で、2時間ほど経った頃、私は痛みに声が止まらず、絶叫し続けるという事態に陥っていました。

切開縫合手術をしてもらうと、激痛はあっさり解決

ようやく再診してもらい、血腫に気づいた産科医の先生がすぐに処置室で切開してくれました。嘘のように痛みが消え、正気を取り戻したのを覚えています。

そのあとは全身麻酔で気を失い、小一時間ほどで目を覚ますと、縫合してドレーンという管を通す処置が全て終わっていました。

部屋に帰ってからは痛みも無く、いわば普通の産後を過ごしました。とはいえ、人生最大の激痛に苦しんだ3時間は、本当に地獄のようでした…。

血腫の原因は内出血。切開縫合手術が基本の処置

産後血腫について。

  • 外陰部にできる「外陰血腫」
  • 膣の中にできる「膣血腫(膣壁血腫)」

この二つに大別されます。

膣血腫のほうが痛みも激しく発見も処置も難しいのですが、これは血腫がそもそもどういうものなのかということに起因しています。

血腫がどのように起こるのか、またできてしまった時にはどうすれば良いのかを見ていきましょう。

内出血が膨らんで激痛を引き起こす!血腫ができる原因とその症状

血腫とは、一言でいえばお産の時に会陰部や産道にできる内出血です。症状としては、次のようなものが挙げられます。

  • 肛門が押されるような感覚
  • 排便感・排尿感
  • 会陰が酷く痛む
  • 肛門痛
  • ショック症状(まれに、痛みを感じる前にショック症状を起こすことも)

赤ちゃんが産道を通って出てくるときに、通常ではありえない大きな力であちこちが押され引き伸ばされ、時に耐えきれず切れたり破れたりします。

このとき、皮膚の下で血管が破れて出血し、そのまま外に流れ出ることができずに血だまりになって脹れてしまうのが血腫と呼ばれるものです。

ただの内出血と思いがちですが、内臓にできてしまうと、隣接している内臓各所を血だまりが圧迫してしまうので、強烈な痛みを引き起こすのです。

さらに症状としては、大きくなった血腫が隣接する直腸を圧迫するため、排便したくなったり肛門を押される感覚があったり、会陰などではなく肛門に激痛を覚えることもあります。

また、血腫が膨らみ続けるということは出血が続いている状態でもあるので、迅速に処置を行い止血する必要もあります。

非常にまれですが、血腫が急激に膨らんで形成された場合、痛みを感じるより先にショック症状を起こす場合があります。

ショック症状を起こしてしまったり、処置が遅れて出血が酷くなると、最悪の場合死に至るケースもあります。

お産の後も油断大敵。血腫はすぐには分からない上に、時間がたつと酷くなる

血腫には次のような特徴があります。

  • 安産といわれる自然分娩のときにこそ発生しやすい
  • ぱっと見てわからないので、見つけにくい
  • 時間が経つとともに症状が悪化する

血腫は、一見何事もなく安産で終わった自然分娩のときに発生することが多いです。お産後30分から数時間して強い痛みなどの症状が出てきます。

お産で色々なところが切れて出血をするのは何となく想像がつきますよね。お医者さんも出血があればそこはすぐに処置してくれます。

しかし、内出血は皮膚の下で出血が進むため、いわば膨らんで腫れあがってこないと外からはわかりません。

膣の中や奥のほうにできた場合はさらに発見が難しく、しかも時間がたつとどんどん膨らみ、内臓を圧迫して酷い痛みを引き起こすのです。

血腫の場合、時間とともに痛みが酷くなるのはこういうメカニズムのせいなのです。

その大変な激痛に加え、お医者さんでも見つけにくい上に見つけられないとどんどん悪化してしまう、というのが血腫の怖いところなんですね。

程度や出来たところによって処置も変わる血腫。基本は除去の手術で対応

血腫はいわばどこにでもできるもので、できた部位や大きさによって痛みも違えば処置も異なってきます。

比較的小さい血腫
鎮痛剤や圧迫処置で自然吸収を待ちます。
多くの血腫
麻酔後、血腫を切開して血を除去し、ドレーンという誘導管を通して血が溜まらないようにします。同時に、患部を圧迫して止血処置を行うこともあります。
膣の奥深くの血腫、お腹の中にまで肥大した血腫
開腹手術で止血を行います。大きな血管が損傷している場合が多いので、腹部の太い血管を縛る・血管内に詰め物をして止血をすることもあります。

ショック状態に陥るのは最後の最も酷い場合の血腫で、輸血などを含めた総合的な外科処置、医療処置ができる大きな病院に行くことが必要になります。

筆者は最も一般的な二番目のタイプで、術後はドレーンも挿入されました。わずかな違和感はありましたが痛みは無く、翌日にはもう出血が止まったということで除去されました。外すときはちょっと痛かったです。

処置をしてもらったけれど、なかなか内出血が止まらないことも

処置してもらってもなかなか血腫が根治しないケースもあります。内出血なので、一度切開して血を出しても、また内部に溜まってしまうのです。

そのため、切開処置後ドレーンを入れ一旦収束したのでドレーンを撤去したら再度血腫ができたため再度切開をして…という処置を繰り返すことも。

こればっかりは体のことなので仕方ないですが、経過を慎重に診て適切に処置してもらえるよう、術後も油断せず安静にして、異常があればすぐに知らせるようにしましょう。

血腫になる確率は高くはないけれど、誰にでも起こりえることなので注意が必要

確かな統計は出ていないようですが、一説によれば年間1割程度の方が発症するそうです。

筆者のお世話になった産院では「月に1人出るか出ないかで、筆者のように産後3時間も経過してから発見されたのは開業して初めて」と言われました。

体験談もすぐに見つかる程度には起こるもののようです。万が一に備えて、頭に入れておいて損はないですね。

できやすい人・できにくい人というものはない

血腫は、経膣の自然分娩で比較的安産と呼ばれるほどスムーズに進行した場合に起きやすい、ということ以外、発生しやすいしにくいということは言われていません。

生理痛の重い軽い、血圧の高低や、妊娠中毒症、筋腫持ちかどうかなどが血腫のできやすさに関係しているといわれていることはありません。

それだけに対策がしにくいのも確かですが、出産時に産道の損傷がどのようになるかが千差万別なのと同じく、発症後の処置が肝心になってきますね。

術後の経過は慎重に!気になる再発は確実ではないけれど、注意が必要

処置をしてしまえばひとまず問題無しとされることが多いようですが、切開している以上、傷は傷として残ります。

内臓の傷ということもあり、目に見えないことからもなかなか心配ですし、治しにくいのも確か。

術後はどのように過ごしていくべきか、再び内出血を起こしてしまわないために何ができるのかを見ていきましょう。

再発の恐怖…一度なってしまったら、次も発症してしまう?

一度血腫を経験してしまうと、次の妊娠・出産が恐くなるのも道理です。

血腫は、必ず再発する、あるいは一度発症した場合はなりやすい、とは言えず、ちゃんと回復すれば次の妊娠出産に問題はありません。

基本的には快復してしまえば大丈夫、ということのようですが、医師によっては2人目を帝王切開にするという判断をされる方も。血腫の大きさや出来た部位、処置や術後の経過など総合的な判断が必要となるでしょう。

ただし、こちらからお願いして血腫を避けるために予定帝王切開にしてもらえるかどうかは医師の判断となります。

必ず再発するということはない、しかし心配なのも事実。担当の医師としっかり相談していきたいですね。

血腫の術後、傷跡や痛みは人それぞれ

処置後・術後の傷跡や痛みも、血腫の大きさ・出来た部位や処置の違いによって人それぞれ、全く変わってきます。

基本的に傷跡は痛むもの。歩行に支障を来すほど痛みを感じ続けた、という人から、筆者のように処置後は全く痛みもなく過ごせたケースまで様々です。

産後はとにかく無理をしないようにと言われますが、痛みがある場合はさらに大事をとって安静にし、回復を優先させましょう。

もちろん再出血している可能性もありますので、痛みがある場合は早めに受診することも肝要です。さらに痛みが無くても経過は要観察です。

投薬や検診は無いけれど、出血や肉芽腫など予後も慎重に経過をみて

血腫のあとは、痛み以外に次のような症状がみられることがあります。

  • 不正出血
  • 何かが当たるような違和感
  • 傷跡が盛り上がって肉芽腫になっている

血腫が非常に酷く入院をするケースを除いて、通常は出産後の入院中に処置が完了してしまうので、お医者さんから再診に来るよう言われない限りそのまま退院しておしまいです。

痛み止めが処方されることがあるかもしれませんが、基本的には投薬治療などもないため、普通通りに赤ちゃんとの生活がスタートすることになります。

しかし、傷の治りは人それぞれですから、少しでも違和感や不安、異常が見られた場合は自分で産婦人科の予約をとって診てもらいましょう。

筆者の場合、産後の月経再開前に不正出血(異常出血)が見られたので、何かとい産婦人科を受診したのですが、診てもらったところやはり血腫の傷跡からの出血でした。

傷を塞ぐために周りの組織が盛り上がって、いわば肉が寄り集まって直していくのですが、それが”肉芽腫”と呼ばれる塊のようなものになっていて、少し擦れると出血する、といった具合だったようです。

清潔にすることと、下着なども含め傷口に何も当たらないようにできるだけ気をつけて、あとは普段通りに過ごし、産後3か月ほどで治りました。

産後の夫婦生活にも影響。根治を優先して

普段でも、膣内への刺激や陰部の殴打によって血腫が発症する場合があります。

一度血腫を発症した直後ならば、夫婦生活の刺激によって血腫が再発する可能性は高まります。

ですから、膣血腫の場合は特に、産後の夫婦生活は完治が確認できるまで控えたほうがよいでしょう。

血腫にならないために出来ること、血腫になったときに出来ること

そんなに痛いものだと知ってしまうと、できるかぎりなりたくないと思うのが人情ですよね。

しかし血腫は、基本的になりやすい人というものもなく、逆に言えば出産以外の原因がないため予防ができません。

どうしても避けたければ、”経膣分娩”でなければ発症はまずないので、予定帝王切開にするしかありません。

しかし発症する確率のほうが低い血腫のために、不必要な帝王切開出産をするのはリスクが高まるだけです。

  • お産が早く進みすぎないようにすることと、産道を柔らかくする努力はできる
  • 予防よりも発症した後の処置を迅速にできるように準備しておく

この二つがかろうじてできる事になります。

予防は確実にとはいかないものの、できることがないか?また、なってしまった時にできる限り苦痛を味わわずにすむために、何ができるのか?を見ていきましょう。

お産が早く進みすぎるとなりやすい!?産道が広がりきれないのが一因

急激にお産が進むと、少しずつ伸びて赤ちゃんを通そうとする産道の動きが追いつかず、内出血つまり血腫を起こしてしまう確率が高くなります。

安産といえば早くスポンと産むこと!と思われる方も多いようですが、産道が広がるために必要な時間を焦らないことは大切です。

出産時に助産師さんからいきみのがしの指導をされるのも、急にいきんで産道裂傷や会陰裂傷などの被害を起こさないためですよね。

お産は個人差が大きく、生まれてくる赤ちゃんの大きさなどによっても必要な広がりは違うので、早すぎるお産がどのくらいのものをいうのかはっきりとは言えません。

分娩所要時間は一般に初産で11~15時間、経産婦で6~8時間と言われています。

ですから、確実に予防することは難しそうですが、産道を柔らかくしておくための安産体操や会陰マッサージによって、予防を期待できます。

効果には個人差がありますが、安産のためにできることならやっておくことで一つ自信と安心が増えますね。

産後の痛みと看過せず、我慢しすぎず、しっかりと周りに訴えて

実は私は、事前に血腫になった方の体験談を読んでいて、そのおかげで「この痛みはおかしい、血腫じゃないか」と自分で気づくことができました。

にも関わらず、「産後は痛いものだ!」と言う実母に押されて我慢してしまったこと、助産師さんや医師の先生に訴えきれなかったことで、3時間も激痛に苦しむことになったのです。

また、助産師さんが陰部を触診してくれたりもしたのですが、外陰部にではなく、膣内に血腫ができていたのを見逃されてしまいました。

外陰血腫のほうが先にチェックされるようなので、膣血腫の場合もあることを念頭に置いて、自分の症状を伝え診てもらうようにしてください。

外科処置に強いかどうか…産婦人科医、病院選びも重要

逆に良かったことといえば、外科処置に強い先生だったので、小さな産院でしたがその場ですぐに処置してもらえたことです。

何が起こるかわからないお産、総合的にカバーしてくれる産院を選ぶことは、赤ちゃんとお母さんの二つの命を守るためにも重要な観点となります。

もちろん、個人院や助産院で産みたいという方もいらっしゃるでしょう。その場合は、きちんと大きな病院と提携してもらえているかを確認しておきましょう。

また、前にも書いたように時間とともに症状が悪化しますので、血腫が大きな場合は特に早く大きな病院に搬送してもらうことが必要になります。

血腫の症状が自覚できたときはなるべく早くそれを伝えて、早めの処置に繋げてもらうようにしましょう。

自分だけでなく血腫を家族にも知ってもらって、理解と協力を得よう!

血腫の主な特徴をまとめてみます。

  1. 膣の周りが我慢できないほど異常に痛い。
  2. 肛門が押される感覚がある。排便したくなる。
  3. 会陰ではなく肛門に痛みを覚える。
  4. 産後30分~数時間してから痛み出す。
  5. 痛みが時間の経過とともにどんどん酷くなっていく。

どの産後の痛みはチクチクする程度で、痛み止めが欲しくなるほど痛むことはまずありません。

少しでも変だな、苦しいなと思ったら、「産後の痛みに耐えられないなんて、母親として失格だ、はずかしい」などと遠慮せずに、しっかり相談してくださいね。

上記にもありますが、処置が遅れるとショック症状が出るなど大変なことにもなります。

前もって得た知識を周りの人にも伝えて、我慢することのないように、少しでも快適な産後を送ってくださいね!

みんなのコメント
  • さん

    生理痛がきたことがないので、ドキドキしていて少し怖いです

  • さん

    生理痛がきたことがないのでドキドキしていて少し怖いです

  • ぴろさん

    5日前膣血腫になりました。本当にトラウマレベルの痛さです。

  • ひろさん

    私も産後血腫になりました。初産だったので、産後もこんなに痛くて苦しいんだ…と思い、痛み止めをもらって耐えたんですが、薬も効かず結局出産から4時間後にようやく血腫が判明!!分娩室に戻され、抜糸して再度膣内を確認…血腫を掻き出される事に…この手術がまた痛くてしんどい。
    出産は産んだら終わる!!赤ちゃんを無事に産むんだ、と痛みに耐えれたんですが、血腫はただただ苦しくて辛かったです。
    産後1時間の安静中から始まった排便感からの、肛門付近の痛み…この記事を出産前に読んでいたら、もっと早くに気付けたのではと思います。

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