お腹も目立ってくる妊娠後期(8ヶ月以降)に注意したいこと

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妊娠後期に入りました。赤ちゃんを迎えるにあたり、こころも体も本格的に出産準備を始めるころです。

妊婦さんは出産という人生の中でも一大イベント対して、楽しみでもあり不安でもありますね。お産についての知識を頭に入れておくと、本番で気持ちが落ち着き安産に繋がります。

ここでは、妊娠後期に出来る出産準備と心構えを紹介します。新しい家族を迎えるため、残り3か月間快適なマタニティーライフが過ごせるよう心がけていきましょう。

妊娠8.9.10ヶ月の母体と胎児の体の変化

妊娠8ヶ月28~31週

  1. 胎児の身長: ~40cm
  2. 胎児の体重: ~1500g
  3. 胎児の発育:
  • 体の主な器官がほぼ完成する
  • 明暗が分かる
  • 少しずつ呼吸の練習をする事がある

母体の変化

  • 妊娠線が出現する
  • 乳首の周りや下腹部の黒ずみが強くなる

9ヶ月32~35週

  1. 胎児の身長: ~45cm
  2. 胎児の体重: ~2300g
  3. 胎児の発育:
  • 胎児が赤ちゃんらしい顔つきになる
  • 位置が落ち着く
  • 全身に皮下脂肪がつき、丸みを帯びたからだつきになる

母体の変化:

  • 心臓や胃が圧迫される
  • 下腹部やももの付け根の重みを感じる

10ヶ月36~39週

  1. 胎児の身長: ~50cm
  2. 胎児の体重: ~3000g
  3. 胎児の発育: 発育完成
  4. 母体の変化: 胎児が下がるため、おなかの膨らみが下がったように感じる

妊娠中の食生活のポイント

妊娠中の栄養バランスを考えた食事は、母体と胎児に直接影響するためとても大事です。1日で取りたい食品の目安、望ましい体重増加のため出来ること、そして食事量を見ていきましょう。

1日で取りたい食品の目安量

非妊娠時
1日1950~2000kcal
妊娠後期
1日+450kcal

非妊娠時から妊娠10ヶ月までの体重増加は、5~7kgが望ましいと言われています

赤ちゃん 3kg
胎盤 500g
羊水 500g
子宮、その他 1~2kg
総重量 5~6kg

上手に栄養をとる

妊娠中の望ましい体重増加は、お母さんと赤ちゃんの健康に大きく影響します。栄養バランスを考え、様々な種類の食品を上手にとりましょう。

  • 妊娠後期は後期づわりの影響で、胃もたれ、胃のむかつきなどが感じられることもあります。しかし、できるだけ1日3食食べるようにしましょう。
  • 主食、主菜、副菜を揃えるよう心がけましょう
  • 「煮る」「茹でる」「蒸す」「焼く」といった料理方法で、揚げ物など、油や脂肪分を抑えた食事を意識しましょう
  • 間食を極力控えましょう。糖分をとりすぎると産道に脂肪がつき、分娩に時間がかかることがあります
  • 甘い清涼飲料水には糖分が多く含まれています(500mlペットボトルに、3gスティックシュガー10~20本分の糖分が含まれています)
  • 散歩やマタニティービクスといった、適度な運動を心がけましょう

夕食のまとめ食べや間食は、栄養が偏りやすくまた、脂肪がつきやすい食べ方でもあります。

食事量について

塩分接種に関する注意
塩分量の多い食事を続けると、高血圧やむくみの原因となり妊娠高血圧症候群になる危険性が否定できません。赤ちゃんのためにも、出来るだけ減塩に努めていきましょう。

調味料(小さじ1杯当たり)の塩分量

  • 醤油(濃い口)・・・塩分0.9g
  • みそ・・・0.7g
  • 中濃ソース・・・塩分0.3g
  • めんつゆ(3倍濃縮)・・・0.5g
  • ポン酢しょうゆ・・・塩分0.4g

※塩分量は商品により変わります

塩分を控えるポイント

  • 新鮮な旬の素材を使う・・余計な調味料を使用せず素材の持ち味を活かすよう調理します。
  • 柑橘系の素材で料理にアクセント・・ゆずやレモン、すだちを使用すると香りの良さや酸味から塩気を減らすことができます。
  • だしを上手に利用・・顆粒だしやうま味成分を含むだしは塩分濃度が高い上、つい入れ過ぎてしまうこともあります。かつお節、昆布、シイタケなど天然ものの利用でコクを出すことが出来ます。
  • 風味が生きる食材をチョイス・・しそやしょうが、ごま、唐辛子、にんにくなど、風味や香りを生かす調理法は、薄味でも料理の味が引き締まります。
  • 調味料は表面にまんべんなく・・味の濃さは、舌が最も触れる表面の味に左右されます。煮物や焼き物は、最後に調味料をからめるようにして塩分過多を避けましょう。
  • 麺類のつゆは飲まない・・うどん、そば、ラーメンなどのつゆは多量の塩分を含むため、できるだけ飲まないようにしましょう。

鉄分は不足しがち!鉄分をしっかり摂取しましょう

妊娠中は鉄分が不足になりがちになり、貧血、めまい、立ちくらみと、お母さんと赤ちゃんにとって危険な状態となることがあります。貧血予防のため、鉄分接種を大いに心がけていきましょう。

1日にとりたい鉄分の目安

  • 妊娠初期8.5~9.0mg
  • 妊娠中期、後期21.0~21.5mg
例えば、産院でよく勧められる食品、牛レバー60gに対して鉄は2.4mg含まれています。ほうれん草70gに対して鉄は1.4g、牡蠣3ヶ50gに対して鉄は1.0g、干しひじき5gに対して鉄2.8gなど、鉄分を多く含む素材を取り入れていきましょう。

鉄分の多い食品 + 動物性たんぱく質 + ビタミンC = 貧血予防

ビタミンCは鉄分の吸収を良くする手助けをしてくれます。野菜や果物のチョイスも気にかけると、効率的に栄養バランスがとれるでしょう。

また、鉄製のフライパンや鍋の使用も効果的です。

カルシウムは積極的に取り入れましょう

カルシウムは日本人に不足しがちなミネラルです。妊娠中は体調の変化から、更に取りづらくなることもあるため、意識的に摂取するように心がけましょう。

産院で勧められるカルシウムを多く含む食品

  • 牛乳
  • プロセスチーズ
  • 木綿豆腐
  • ししゃも
  • しらす干し
  • 小松菜
  • チンゲン菜
  • 干しひじき
  • 切り干し大根等

カルシウムの吸収を妨げるリンに気をつけましょう。加工品などはリンを使用します。可能な限り添加物を多量に含む食品お弁当などは避け、自宅で調理したものを食べましょう。

外食の注意点

妊娠後期は妊婦さんによっては食欲が出てくることもあり、つい食べ過ぎてしまうこともあります。また、気分転換に外食に出掛ける事もあるでしょう。

ここで注意したいのが、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった、非常にハイリスクな病気です。食生活によっては、このような病気にかかる事も否定できません。

レストランやファストフードの食事は塩分や脂肪等が多いため、どういった食事をチョイスしていけば良いのでしょう。

・ファストフード
ハンバーガーを食べる時には、ジュースやシェイクは避け、牛乳、野菜サラダなどを加えましょう。サラダについているドレッシングには塩分が多く含まれています。量を調節して、塩分摂取過多に注意しましょう。
・パスタ
野菜、きのこが入ったものを頼みましょう。和風パスタがお勧めです。
・そば、うどん、ラーメン
汁には塩分が多く含まれています。全て飲むことは避けましょう。たん麺や五目うどんといった野菜が摂取できるメニューを選びましょう。
・中華料理
中華料理は油脂類を大変多く使用し、また味付けも濃いです。ハイカロリーになりがちな料理のため、ビュッフェやコースでいただくことはお勧めできません。一品ものでオーダーするようにしましょう。

デザートのエネルギーについて

口寂しくなるときに、思わず手を伸ばしてしまうのがお菓子やスイーツです。特に行動が制限される妊娠期の間、甘いものを口にしたくなることも多いと思います。

手軽に食べられるお菓子ですが、実はたった一切れ(50g)の羊羹でもそのエネルギーは146g、ごはん0.9杯分にもなるのです。

お菓子のエネルギーを頭に入れておくと、食べ過ぎを予防できます。

ショートケーキ 85g シュークリーム 70g ポテトチップス 100g プリン 150g どらやき 90g アイスクリーム 90g
271kcal 172kcal 555kcal 189kcal 256g 150g
ごはん1.7杯 ごはん1.0杯 ごはん3.5杯 ごはん1.2杯 ごはん1.6杯 ごはん0.9g

母乳育児のメリット

母乳育児は、お母さんと赤ちゃんに大きなメリットがあります。バランスの良い食事とケアで、出来るだけ母乳で育てていきましょう。

母乳育児の利点

  • 消化吸収が良く生理的に負担が少ないので、アレルギーになりにくい
  • 赤ちゃんが飲む努力をするため、骨、筋肉、神経の発達に役立つ
  • 新鮮で適温でいつでもどこでもあげられる
  • 外出時の荷物が少なくすむ
  • 赤ちゃんのその後の人生において肥満を予防し、健康に繋がる
  • 免疫物質を含むため、赤ちゃんが病気になりにくい
  • 授乳により赤ちゃんとのスキンシップがとれ、赤ちゃんの情緒が安定し豊かな人格がつくられる

母乳の出る仕組み

赤ちゃんがおっぱいを繰り返し吸うと、その刺激がお母さんお脳に働きかけ、母乳が作りだされます。

母乳をつくるホルモン、プロラクチンとオキシトシンは、赤ちゃんの吸う力や、泣き声によってお母さんの脳内で分泌命令がなされ、たくさんの母乳が生成されるという、とても神秘的な仕組みが成り立っています。

出産後、赤ちゃんへの授乳は3時間ごととなり、お母さんは短期集中型の睡眠サイクルを繰り返します。

産後で満身創痍にも関わらず、昼夜関係なくおっぱいをあげるサイクルは大変きついものですが、頻繁に赤ちゃんに吸ってもらうことで母乳の分泌が促されます。

出産後から3日目までが、特に母乳の生成が体内で目まぐるしく起こるため、最初が肝心というつもりで頑張りましょう。

母乳に対しての注意

産院によっては指導の一つとして、母乳に対して気をつけたいこと、という項目があります。赤ちゃんとお母さんのために、ぜひ実践してみましょう。

  • 乳首を石けんで洗わない。シャワーで流すだけで清潔が保てます。
  • ワイヤーの入っている下着は胸を締めつけやすく、母乳で張りがちなおっぱいにはあまり向きません。乳帯またはワイヤーの入っていないゆるめの下着が推奨されます。
  • 家にいる時は胸の締めつけをさけるため、下着を外して生活する。

会陰切開への対策

出産に対する不安はなかなか尽きないものです。その一つがお産の際の会陰切開ではないでしょうか。

陣痛や出産の痛みはマタニティー期では想像するのは難しいですが、妊娠後期である産前に出来る対策もあります。

母親学級で教えられる会陰マッサージ

マッサージを行う前に注意すること

  • 清潔な手で行います
  • お腹が張るときは中止しましょう
  • 会陰部分を温めてから行います(お風呂上りや湯たんぽなどの使用がお勧めです)
  1. 皮膚を上手に伸ばすため、オイルを使用します
  2. 会陰に沿うように、前から後ろへと少し強めの力でマッサージしていきます
  3. 会陰後方は特に裂けやすいため、後方部分を右から左、左から右へと円を描くよう押していきます

産後数日は、体力が回復しないなかでの育児に追われます。

会陰切開の痛みは満身創痍の体には辛いものがあるため、切開をなるべく避けるためマッサージをコツコツ続けていきましょう。

お産が近づいたしるしと入院する時期

出産間近になると、お母さんの体にいくつかのサインが見られます。この時期のことを勉強しておくと、いざその時が来ても割と冷静でいられるものです。

お産が近づいた時に現れる変化や、注意したい異常を確認していきましょう。

お産が近づいたしるし

  • 不規則な子宮収縮(回数と強さが増す)
  • 赤ちゃんが骨盤に入り込むため、胎動が感じにくくなる(胎動がなくなることは決してありません)
  • 赤ちゃんが下がることにより、胃が楽になる
  • 腰や足の付け根に痛みを感じることがある
  • 粘り気のあるおりものが増える
  • 血液の混ざったおりもの、おしるしが見られる(胎児を包む膜と子宮の内側の壁にずれが生じるため起こります)

入院時期はいつごろ?

規則的な子宮収縮=陣痛

  • 初産婦・・・10分間隔 もしくは1時間に6回以上の痛みを伴う収縮
  • 経産婦・・・15~20分間隔 もしくは1時間に4~5回以上の痛みを伴う収縮
破水
破水の場合は、即入院となります。羊水が流れ出ると赤ちゃんが感染する可能性があり、大変危険な状況になります。妊婦さんにより、多量の羊水が流れ出たり、あるいは少量であったりと個人差があります。しかし量に関わらず、必ず受診をしましょう。

※破水した場合、シャワーや入浴はできません

注意したい異常

以下の症状があるときは受診しましょう。

  • 出血が多い(生理の2日目3日目くらい)
  • 持続的なおなかの痛み
  • 半日以上胎動を感じない
妊娠後期に突入するとお母さんの体と、赤ちゃんが本番に向け準備を始めます。その中で、お母さんの感覚というのは非常に大切であり、何かおかしいと心に引っかかるものがあれば、迷わず受診しましょう。

赤ちゃんとのご対面はもうすぐ!胎動が感じられるのも今のうちです

妊娠8ヶ月までくると、赤ちゃん誕生も目前。

赤ちゃんはおなかの中ですくすく育ち、胎動が感じられるのもあとわずかの期間となりました。

出産に対する不安は少なからずありますが、お産の知識を身につけておくと、本番で自信が持てあらゆることが前向きに捉えられます。

今の準備期間を有効に使い、最後のマタニティーライフを楽しみましょう。

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