パタニティハラスメントとは?夫が育休取得できない理由

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2016/07/30

仲良しの父子

妊娠や出産を理由に女性が退職などを迫られることは「マタニティハラスメント」としてよく知られています。

そして、男性が育児休業や育児休暇取得を利用しようとして嫌がらせを受けることを、「パタニティハラスメント」と呼び問題視されています。

「マタハラ」に似た「パタハラ」とはどのようなものか、男性の育休取得の困難な事例や現状をお伝えします。


パタニティハラスメントの実態!育児パパの被害について

妻の出産や育児に夫として協力できるよう、男性にも育児休業や休暇取得の権利があります。

ところが、実際に育児休暇制度や育児時短・フレックス勤務制度を利用し仕事に復帰したところ、処遇などで不利益を受けたりすることがあります。

  • 評価が最低ランクに下がり、減給になった
  • 希望もしていないのに転勤を求められた
  • 残業できないのなら昇格はないと責められる

これらが具体例です。さらに、同僚や上司からも嫌がらせと思われる事を言われたりします。

「子供を理由に休むやつは使えない」「お前の娘が熱を出すと社員が不幸になる」などの暴言です。

パタハラ経験者6割以上が子育て制度の利用を諦めた

パタハラを受けた時、どのような対応をとったか気になりますよね。

非常に残念なことですが、「誰にも相談せず、子育ての制度利用を諦めた」が6割以上なのです。

また、多くの男性が相談もできずにいます。「家族や友人に相談した」のは1割強、「公的機関への相談」も1割に達していません。

どこにも相談せず育休も取れず、有給休暇をを使ったりして我慢して諦めているのが実態のようです。

パタハラをされた経験がある 61 名に、パタハラを受けた際にどのような対応をしたか聞いたところ、「だれにも相談せず、子育てのための制度の利用をあきらめた」が 65.6%となり、パタハラをされた人の多くが制度の利用をあきらめていることがわかりました。

女性には「マタニティハラスメント」、男性には「パタニティ(父性)ハラスメント」。こんな社会でどうやって子育てしろというのでしょうか…。

パタハラの原因は会社や上司の古い考え方

なぜ正当な権利を行使するのにこれらの嫌がらせを受けることになるのでしょう?そこには会社の上司の育った社会背景が影響しています。

男性の育児参加の壁!育児は女性という古い慣習

夫が妻を助けるため家事・育児に積極的に取り組むため会社を休むという姿勢が、50代前後の上司に理解されにくいことが原因の一つでもあります。

夫の上司は、「男は仕事、女は家で専業主婦」という高度成長期にバリバリ働いていた世代の父親に育てられています。

ですから、「男が子供のために会社を長期間休むなんて有り得ない」という考え方が刷り込まれているわけです。

男は家長として外で働き、女は子供を産んで家庭を守るという「性別役割分担意識」が根強いことも一因です。

今の30代の男性が20年後上司となれば、少なくともこんなひどい「パタハラ」問題は存在しないのではないかと思います。

中には会社の経営状態が悪いため、育休なんかで休むのは考えられないというムードで、人員不足や理解不足、職場のフォロー体制の悪さなども原因となるでしょう。

知らないと損をする!育休規定は男性にもある

男性自身も育休について「女性が取るもの」と思い込み、勤め先の育休規定を全く知らないという人も少なくありません。

男女を問わず、従業員は事業主に申し出れば、子供の1歳の誕生日の前日まで1年間原則1回限り育休を取ることができます。

1年も休むのはちょっと…という場合は、夫婦で半年ずつ休みを取ることも可能です。会社が拒否することはできません。

育児休業制度(法第5条~第9条)
 労働者は、申し出ることにより、子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることができます(一定の範囲の期間雇用者も対象となります)。
 一定の場合、子が1歳6か月に達するまでの間、育児休業をすることができます。厚生労働省

しかし…嫌がらせが怖くて育休が取れない実態

子育て、家族のためとは言え、誰でも積み上げてきたキャリアを失いたくはありません。

しかし、育児休暇を申請すると、言葉や態度による嫌がらせが横行しているようです。

制度をきちんと利用できる会社もあるのでしょうが、そうでない会社ではどんな立場の人がどんな嫌がらせをするんでしょうか。

  • 会社で利用できるはずの子育て支援制度を許可しない
  • 子育ては妻、夫は働くものと差別的な発言をする
  • 上司が降格させるなど脅迫する
  • 休暇中何度も電話をしてくる

パタハラについても解消に向けた取り組みが必要です。厚生労働省の2014年調査によると、男性の育休取得率はたったの2.3%です。女性は86.6%ですから、それと比べると随分少ないことがわかりますよね。

しかも2.3%の内、公務員などが強制的に取らされている例もあり、本人の希望で取るの約は1%程度だそうです。

育児休業者割合
① 女性 平成 24 年 10 月1日から平成 25 年9月 30 日までの1年間に在職中に出産した女性 のうち、平成 26 年 10 月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしてい る者を含む。)の割合は 86.6%と前回調査(平成 25 年度 83.0%)より 3.6 ポイント 上昇した。 また、有期契約労働者の育児休業取得率は 75.5%で、前回調査(同 69.8%)より 5.7 ポイント上昇した。
② 男性 平成 24 年 10 月1日から平成 25 年9月 30 日までの1年間に配偶者が出産した男性 のうち、平成 26 年 10 月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしてい る者を含む。)の割合は 2.30%で、前回調査(同 2.03%)より 0.27 ポイント上昇し た。 また、男性の有期契約労働者の育児休業取得率は 2.13%で、前回調査(同 0.78%) より 1.35 ポイント上昇した。平成26年度雇用均等基本調査(概要全体版)

不当な降格から裁判沙汰まで!パタハラの事例

パタハラを受け、無力感を感じながら育児の時間をやりくりする父親。こんな社会ではいけないと専門家も警鐘を鳴らしています。

様々なパタハラの事例があるようです。

  • 保育園の送迎のため残業を断り続けていたら降格になった
  • 社内で初めて育児休暇をとったら上司から脅されるようになった
  • 看護師男性が育休を利用したら昇格試験さえ受けさせてもらえず裁判に

明らかな人権侵害の例であったり、裁判沙汰まで…いくつか紹介します。

保育園の送迎のため残業を断り続けていたら降格になった

共働きの夫婦で悩んだ末子供を一人出産しました。夫は早朝に出勤するフレックス勤務となり、4時に退社し子供の通う保育園に迎えに行きます。

妻の帰宅後3人一緒に夕食をとり家族団らん幸せに過ごせています。ところが会社ではフレックスタイムを利用するこの男性に対して「迷惑だ」という同僚もいます。

上司からも「夜まで会社に居るべきだ」など説教され、残業を断り続けていたら降格させられたという例もあります。

社内で初めて育児休暇をとったら上司から脅されるようになった

男性として社内で初めて育休を使ったところ、直属の上司に「お前の担当していた客は戻せないからな」「戻ってきてもお前とは一緒に仲良くやれない」と言われたそうです。

他にも「こんな女々しいやつだとは思わなかった」「もう戻ってくるな」とも言われました。

休暇中も1日に4,5回電話がかかってくることもあったそうです。

看護師男性が育休を利用したら昇格試験さえ受けさせてもらえず裁判に

ある看護師の男性が、3ヶ月の育児休暇を利用したところ、病院側から昇給が認められず、昇格試験さえ受けさせてもらえないという事案が裁判沙汰になりました。

気になる裁判結果は、二審で男性の勝訴でした。この男性に支払われた金額は少額でしたが、それでもパタハラが認められた意味のある判決でした。

理不尽なパタハラに合わないための対策法

育児休暇を言い出しやすいよう、日頃から会社の人達とコミュニケーションをとって、事前に子育てに関する考えを伝えておくことも効果があるかもしれません。

とてもじゃないけど言い出せるムードではないという場合や、既に嫌がらせを受けているといった場合、労働者のための全国ネットの相談窓口もあります。

パタハラの調査もしている実績がありますので明記しておきますね。

【なんでも労働相談ダイヤル】日本労働組合総連合会
フリーダイヤル:0120-154-052
(メール相談もあります)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/tel_soudan/index.html

仕事と子育てを両立させたいとパパは思っています!

日本労働組合総連合会の調べによると、63.9%もの多くの男性が仕事と子育てを両立させたいと考えています。

ですが実情は仕事優先で、年代が上がれば上がるほどその傾向にあります。実際の育休取得の日数は5日未満が最も多く66.7%です。

育休を取りたい理由についてですが、そこには妻を大切に思う愛と、子供への関心の高さがうかがえます。

  • 産後の妻の安静を確保したい
  • 妻だけで育児するのは大変だと思う
  • 子どもと向き合う時間が欲しい
  • 男性も育児を妻と一緒に行うのは当然と思う

最近のパパは「育児参加は当然」と考えているようです。「子育ては女性の仕事」と思い込んでいる古い考えの上司とのギャップを感じますね。

育児休業取得者も含む育児休業取得の希望があった・ある人(642名)に、育児休業を取った・取りたい と思う理由を聞いたところ、「産後の妻の安静を確保したい」59.0%が最も多く、次いで、「妻だけで育児するのは大 変だと思う」58.6%、「子どもと向きあう時間が欲しい」51.6%、「男性も育児を妻と一緒に行うのは当然と思う」45.6%が 続き、妻を思う気持ちや子どもと接したいとの気持ち、男性の育児参加は当然との思いが上位となりました。日本労働組合総連合会 パタニティ・ハラスメント (パタハラ)に関する調査

パパは子育てすることでこんなメリットを実感!

困難な状態の中でも育児休暇を取得し、ママを助け子供たちの世話をしたイクメンパパが仕事に復帰したとき何を感じたと思いますか?そこにはメリットがありました。

メリット

  • 子育てをすることで時間のマネジメントが上手くなった
  • 段取りを考えながら仕事ができるようになった

確かに子育て・家事は同時並行に、時間を逆算して段取りよく行動しないと間に合いませんよね。

次にデメリットだなと感じた部分についてです。

デメリット

  • 仕事に割く時間が思うようにいかない
  • 仕事と子育ての両立は難しいと感じている

しかし、このデメリットは働くママも同じ思いなんです。「苦労しているママの気持ちも理解できる」そんなメリットでもあると言えます。

パタハラ解消のため理解者を増やそう

職場風土が旧態然とした男性優位の業界で起きやすいパタハラですが、そもそも日本の企業は働き方が世界と比較しても過剰勤務です。

残業を減らし必要な時に休みを取れるような、仕事と家庭とのライフワークバランスが大切ですね。育児参加に時間を当てるには、企業の意識改革が必要です。

個人も黙っていては何も変わりません。パタハラ解消には同じ男性社員の理解とお互いの協力体制を少しずつ整えることです。

いざという時フォローし合える職場環境づくりと、夫婦で育児が当たり前の社会の風潮を作っていきたいですね。

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