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おたふく風邪の予防接種の効果!難聴や脳膜炎など重症化を防ぐ

2016/02/04

予防接種を受ける子供

1歳のお誕生日から接種が勧められている予防接種のひとつに「おたふく風邪ワクチン」があります。おたふく風邪は流行性耳下腺炎、もしくはムンプスとも呼ばれている日本ではポピュラーな感染症のひとつです。

小さな子どもが感染する病気のひとつとしてよく知られていますが、実は非常に危険な合併症のリスクがあることは意外と知られていません。子どもの将来に大きな影響を与える合併症もあります。

不顕性感染といって症状が出ない感染の場合もあるため、知らないうちにきょうだいや幼稚園・保育園でもらってくることもあります。いつの間にか感染してしまうこともあるので早めの対応が必要です。

「おたふく風邪のワクチンは任意接種なので必要ないのでは」と思っているママも少なくないようですが、定期接種ではないからといって重要度が低いというわけではありません。

おたふく風邪の予防接種の受け方やおたふく風邪の重症化のリスクを知って、しっかり接種を受けましょう。


おたふく風邪(ムンプス)の予防接種は、重視されている任意接種です

おたふく風邪は古くから日本人になじみ深い病気のひとつです。子どもがかかる感染症としてポピュラーですが一方であまり知られていない危険が潜んでいます。

リスク回避のためにしっかり予防接種を受けましょう。

スタートは1歳のお誕生日を過ぎてから!2回接種です

おたふく風邪ワクチンは、任意接種です。

   

   

おたふく風邪ワクチンについて 詳細説明
接種の種類
(定期/任意)
任意
ワクチンの種類 生ワクチン(接種後4週間(中27日)で他のワクチン接種可能)
同時接種について 同時接種可【MR・水痘(水ぼうそう)】
接種推奨年齢 1歳のお誕生日から接種可能
接種回数 2回
間隔の説明
  • 1回目…1歳のお誕生日
  • 2回目…1回目から2~4年後

おたふく風邪ワクチンは任意接種なので、自治体からお知らせや問診票などが送られてきません。(送られてくるのは定期接種です!)

他の予防接種と一緒にスケジュールを組み、自身でスケジュール管理をして忘れずに接種しましょう。

おたふく風邪ワクチンの接種スタート時期と、スケジュール管理方法

おたふく風邪ワクチンは1歳のお誕生日を迎えてからなら受けることができます。接種回数は2回です。赤ちゃんは生まれて半年の間に一度予防接種ラッシュが到来します。しかしそのあとは少し期間があいてしまいます。

そして、1歳を迎えるとまた予防接種ラッシュがやってきます。1歳を過ぎるとママから生まれながらに受け継いできた免疫も切れ、ほかの子どもとの交流や人混みへのお出かけで、いろいろな病気をもらってくる機会もぐんと増えます。

早めに保育園や託児を利用する子は、特に風邪などをひく回数が増えるでしょう。
そのため1歳からの予防接種は体調不良でずれ込んでしまうことも少なくありません。

そこで1歳のお誕生日を迎えたら、おたふく風邪のワクチンは他の同時接種できるワクチン接種と共にスムーズにスケジュールをこなしていきましょう。

予防接種は何種類か同時に接種することができます。同時に接種しても効果に変化はありません。また副作用・副反応が重くなる危険もありません。むしろ病院に行く回数を減らすことができるため推奨されています。

おたふく風邪ワクチン同士の間隔は2~4年と長いので、2回目を忘れないように3歳のお誕生日を迎えたらすぐに受けるとよいでしょう。

おたふく風邪ワクチンと同時接種がおすすめのワクチン

  • 水痘(水ぼうそう)…定期接種・生ワクチン
  • MR(麻疹・風疹)…定期接種・生ワクチン

水ぼうそうワクチンとMRワクチンは、いずれも定期接種です。定期接種は自治体からのお知らせも来るので、これらと一緒におたふく風邪ワクチンを打たなければ!とおぼえておくと忘れずに同時接種出来ると思います。

1歳のお誕生日に同時接種したい予防接種3種はすべて「生ワクチン」です。生ワクチンは次に他のワクチンを接種するまで、4週間(中27日)間隔をあける必要があります。

1歳以降には、ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・4種混合ワクチンの4回目接種が待っています。これらはすべて定期接種で非常に大切なワクチンなので、1歳のお誕生日に上手にスタートを切り、スケジュールがずれこまないようにしたいですね。

1歳以降の予防接種ラッシュを忘れないように、ファイザー製薬の予防接種リマインドサービスを活用してみましょう。

スマートフォンでQRコードを読みこむだけで簡単に登録できて、1歳以降の予防接種をメールやハガキでお知らせしてくれる便利なサービスです。

ファイザー:予防接種リマインドサービス
http://www.haienkyukin.jp/remind/index.html

おたふく風邪の予防接種に準備しておきたいものと体調のチェック

おたふく風邪の予防接種を受けるとき、持っていくものを事前にチェックしておきましょう。

特に注意したいのが母子手帳です。母子手帳がないと予防接種を受けることができないので、必ず持参してくださいね。

おたふく風邪予防接種の持ち物一覧

  • 母子手帳
  • 健康保険証
  • 印鑑
  • 問診票(事前に貰っていた場合)
  • 費用(5000円~7000円・赤ちゃん1回分)
  • 助成に関する書類など(助成がある自治体の場合)

おたふく風邪の予防接種は任意接種なので費用が必要になります。自己負担のため病院によって金額が変動しますが、だいたい1回あたり5000円から7000円ほどになります。

自治体によっては助成金が出る場合もある!確認してみましょう

おたふく風邪の予防接種に助成制度がある自治体もあります。例を挙げますね。

東京都渋谷区

1歳~3歳までの幼児に対し、1回のみ全額助成されます。
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/fukushi/health/yobo/kodomo_ninni.html

石川県能美市

満1歳から就学前までの幼児に対し、1回のみ2000円助成されます。
http://www.city.nomi.ishikawa.jp/kenko/ninnni-yobousessyu_1.html

お住まいの自治体にも助成制度があるかもしれませんので、必ず接種前に醸成があるかの確認されることをおすすめします。

また助成制度がある場合でも、年齢制限が設けられていることが多いのでその点も必ず聞いておきましょう。

予防接種を受ける場合は事前に体調のチェックをしておく必要あり

問診票でも確認されますが、おうちを出る前に以下の不調・異変がないか確認しておきましょう。

  1. 37.5度以上の発熱がある
  2. 急性の重い疾患にかかっている
  3. ガンマグロブリン投与を受けた

ガンマグロブリンは血液製剤の一種で川崎病治療などに使用されます。ガンマグロブリンは生ワクチンの効き目をおさえてしまうという特徴があります。投与量によっても異なりますが、半年から1年は予防接種を受けることができませんので必ず医師の確認を仰ぎましょう。

副作用の髄膜炎発症リスクは、自然感染よりもはるかに低い!

予防接種には副作用・副反応の不安がつきものです。おたふく風邪ワクチンの副反応として多いのは接種から2~3週間後に出る耳下腺の腫れです。2~3%の子に出るとされていますが多くは自然とおさまります。

痛みが強い場合や高熱が出た場合は、予防接種を受けた病院を受診しましょう。その際2,3週間前におたふく風邪ワクチンを受けたことを必ず伝えてくださいね。

ごくまれですが、おたふく風邪ワクチンの副反応で無菌性髄膜炎を発症するケースが確認されています。2000人から2500人に1人の確率で発症するといわれています。

そう聞くと「やっぱり怖いかも…」と感じてしまうかもしれません。しかし自然におたふく風邪に感染した場合約50人~80人に1人の割合で髄膜炎で入院するという報告もあります。

予防接種を受けたほうがはるかに髄膜炎発症をおさえることができます。また難聴などの怖い合併症を考慮しても、副作用・副反応の危険より感染の危険の方が大きいといえるのではないでしょうか。

おたふくかぜワクチンの効果と安全性は諸外国での成績などより明白であるが、わが国では残念ながら現在も定期接種の対象になっていない(中略)。ワクチン接種に伴う無菌性髄膜炎の発症は自然感染よりはるかにリスクが低い。

副反応としての髄膜炎の発症の可能性は、予防接種後3週間前後といわれています。高熱や頭痛といった症状が出たら、おたふく風邪ワクチン接種を受けた病院にすぐ連絡し、診察を受けましょう。

おたふく風邪による髄膜炎などの副反応に不安がある場合は、遠慮せずに主治医に相談してみましょう。かかりつけの小児科医は、こうしたママの不安に寄り添い、しっかり疑問に答えてくれる医師を選ぶことが大切ですね。

おたふく風邪の一般的な症状と、注意が必要な重症化・合併症

おたふく風邪は定期接種ではないため今でも流行を繰り返しています。軽い病気とみられがちですが、実は深刻な重症化を起こす病気なのです。

「お多福人形」のようになる!おたふく風邪の主な症状

おたふく風邪はムンプスウイルスというウイルスに感染することで発症します。

潜伏期間は2週間から3週間と長めです。ほっぺがかなりふっくらと腫れあがり、お面や人形で知られる「お多福」のようになることから「おたふく風邪」と呼ばれています。

おたふく風邪の正式名称は「流行性耳下腺炎」といいます。耳下腺とは耳の下にある唾液腺で、ふだんは唾液を分泌する働きを担っています。

発症するとこの耳下腺が腫れてきます。片方しか腫れない場合もありますし、両方腫れる場合もあります。しこりのない腫れで最初は一方が腫れ、続いてもう一方も腫れてくることもあります。

発熱はある子とない子がいます。人によって重さはまちまちで、不顕性感染といって、症状が出ない感染の場合もあります。

ただし、耳下腺はおたふく風邪ではない病気でも腫れることがあります。医師はおたふく風邪かどうかの判断を地域の流行具合と耳下腺の腫れを見て行います。

血液検査をすればはっきりわかりますが、1週間以上結果を待たなければならないためあまり行われません。

難聴や髄膜炎・脳炎など、怖い重症化も防ぐ予防接種の必要性

おたふく風邪はいろいろな合併症を引き起こす病気です。気になる合併症の危険について知ることで、予防接種の重要性にも納得できますよ。

【難聴】一度発症したら治療は困難…防いであげたい重症化です

おたふく風邪の重症化のなかでも特に注目されているのが難聴です。

おたふく風邪には年間60万人もの人が感染しているといわれていますが、難聴は患者さんの約2000人に1人の割合で発症します。かなり高い確率といえるでしょう。

実際、私の身の回りにもおたふく風邪が原因で片耳の難聴を発症したという人がいます。しかも、おたふく風邪に由来する難聴は難治性で、聴覚細胞が死んでしまうため一生聞こえなくなってしまうそうです。

我が家の子どもたちは赤ちゃんのころに主治医から「県内でおたふく風邪由来の難聴が多くなってきているから予防接種を受けたほうが良いですよ」と勧められ、おたふく風邪ワクチンを接種しました。

【無菌性髄膜炎】ウイルスが原因…かなり高い確率の合併症です

おたふく風邪に感染した患者さんのうち、50人~80人に1人というかなり多くの人が無菌性髄膜炎を発症するといわれています。これもかなり高い確率といえます。

無菌性髄膜炎を発症すると激しい頭痛が起こります。首の後ろがこわばって、首が曲げづらいといった症状が特徴的です。吐き気や嘔吐といった症状も強い病気です。

髄膜炎はウイルスや細菌が髄膜(脳や脊髄を包んでいる膜)に感染して炎症が起きる病気です。一般的に細菌性の髄膜炎の方が、ウイルス性の髄膜炎よりも重症化しやすいようです。

おたふく風邪による髄膜炎はウイルス性髄膜炎ですが、難聴を合併することがあるので問題視されています。また脳炎を発症しているケースもあるため、急いで診察を受けましょう。

【脳炎】死亡例や障害・後遺症もある、非常に怖い合併症のひとつ

脳炎はおたふく風邪の合併症の中でも非常に重篤な合併症です。

おたふく風邪の患者さんのうち5000人に1人、年間30人ほどが脳炎を発症しているとされています。その場合死亡することもあり、てんかんや発達の障害が残ることもあります。

髄膜炎を起こしている子が併発することが多く脳そのものに炎症がおこります。頭痛や嘔吐に加えて意識障害や強いけいれんなどが起きた場合、脳炎の発症が疑われます。

年間30人という確率は脳炎の重大さを考えれば決して少ない数ではありません。おたふく風邪感染者が多いことを考えても予防は大切ですね。

【膵炎】すい臓が炎症を起こし、腹膜炎などのリスクもある病気

おたふく風邪ではお腹の痛みを訴える子もいます。非常に強い腹痛や吐き気・嘔吐などの症状が激しい場合は、まれですが膵(すい)炎を引き起こしているケースがあります。

膵炎は芸能人の間で発症する人が増え話題になりました。放置すると重症化し腹膜炎などを起こす危険もあります。

お腹の痛みが強い場合や吐き気がある場合はやはりすぐ診察を受けてくださいね。

【不妊】思春期以降の男性が感染で不妊の可能性も!女性も卵巣炎の発症の危険性が…

「男の子がおたふく風邪にかかると不妊になることがある」と聞いたことはありませんか。実は、思春期以降の男性がおたふく風邪に感染すると、睾丸炎や副睾丸炎などが発症するリスクが高まるのです。

患者さんのうち3割が発症するといわれており、重症化することで男性不妊の原因になることもあります。

しかし注意が必要なのは男性だけではありません。女性も成人の場合は7%くらいの確率で卵巣炎を発症するといわれています。卵巣はふたつあるのですが重症化すると片方の卵巣がダメージを受けることもあります。

予防接種を受けるのは1歳のお誕生日ですが、その影響は遠い未来まで及んでいます。子どもの可能性や未来を守ってあげるためにも、しっかり予防接種を受けておきたいですね。

おたふく風邪の気になる治療・おうちケアと予防接種以外の予防策

おたふく風邪は流行を繰り返す病気なので、予防接種が遅れると感染してしまうことも少なくありません。

予防接種が間に合わなかった場合の治療や、感染しないための予防策についてまとめてみました。

おたふく風邪に感染したら園は欠席!病院に行くタイミングと治療

子どもの耳の下が腫れているなと感じたら、すぐに病院へ行きましょう。おたふく風邪は「第2種学校感染症」に指定されている、感染中は出席停止になる病気のひとつです。

おたふく風邪と診断されたら必ず保育園・幼稚園はお休みさせましょう。

出席は耳の下の腫れが始まってから5日経過し、なおかつ体調がよくなっていることが条件になります。腫れが始まった日の翌日からカウントして6日目から出席OKとなります。

保育園・幼稚園によっては学校感染症にかかった場合、医師の出席許可書が必要になる場合もあります。通っている園にしっかり確認しておきましょう。

おたふく風邪には残念ながら特効薬がありません。感染したら対処療法で自然に治るときを待つしかありません。

発熱や痛みが強い場合は、解熱鎮痛剤が処方されます。必ず医師に処方されたものを服用してくださいね。

頭痛や吐き気がひどくなった場合は、髄膜炎や脳炎が発症している場合があります。いつもと違うと感じたら、夜中でもすぐに受診しましょう。救急に行く判断がつかない場合は小児救急電話相談を利用しましょう。

小児救急電話相談
電話番号:#8000
http://kodomo-qq.jp/?pname=n8000

この小児救急電話相談は、お住まいの都道府県の窓口に自動で転送されるようになっており当番の医師や看護師が相談に乗ってくれます。おうちの電話や携帯電話に登録しておくと安心ですよ。

おうちでできる症状がつらい時期のケアと、食欲がない時の食事

おたふく風邪は腫れの痛みがつらい病気ですので、耳の下の腫れがひどく痛む場合は冷やすと少し楽になります。

冷却シートを貼ったり、保冷材をタオルで包んで当ててあげるなど、腫れがおさまるまで冷やしてあげましょう。

痛みが強いと、食べ物をかんだり飲み込んだりすることがつらくなるケースもあります。

食欲がガックリ落ちるので、ヨーグルトやスープなどかまずに食べられるものを用意してあげましょう。

飲み込むこともつらい場合、小さな子どもは脱水の危険があります。おしっこの回数に注意し、極端に減ってきているようなら病院で点滴を受けなければならなくなる場合もあります。

痛みが強い期間は数日程度です。どうしてもその間には水分だけでしか過ごせない…という場合もあると思います。

そういった場合は、最も痛みが辛い時期はスポーツドリンクや野菜スープ・味噌汁のおつゆなど、刺激があまり強くない水分で栄養をしっかりと補給してあげましょう。

腫れが引いてきたらポタージュやヨーグルト、アイスクリームなどにもトライしてみます。固形物はおじややにゅうめんなどからスタートし、少しずつ体力を回復させていきましょう。本人が欲しがり、痛まなければ果物も大丈夫です。

家庭でできる予防策は手洗い・うがい!効果が高いのは予防接種です

おたふく風邪は飛沫感染・接触感染で広まります。流行すると潜伏期間が長いこともあり、いつの間にかうつってしまうことも少なくありません。

時期的な流行はあまりなくいつでも感染の危険があります。

おたふく風邪に感染しやすいのは幼児期から小学校低学年くらいまでの子どもです。保育園などでは接触が濃厚なので、予防はかなり難しいといえます。

手洗い・うがいが基本ですが、やはりもっとも効果的なのは予防接種です。

おたふく風邪予防接種は90%の効果を発揮します。1回接種では免疫がつきにくいこともあるため、確実に予防するために2回接種を行いましょう。

おたふく風邪と合併症から子どもを守る!予防接種は2回接種で

おたふく風邪はユニークな名前に似合わず、難治性の難聴や髄膜炎・脳炎、膵炎や男性不妊といった恐ろしい合併症を引き起こす可能性の高い病気です。

年間多くの人が感染し、しかも一度感染したら特効薬はありません。髄膜炎などを引き起こしても対処療法しかありません。

おたふく風邪にかからないためのもっとも有効な対策は、ワクチン予防接種なのです。

従来は1回接種が多かったのですが、より高い効果のために2回接種が必要です。2回目は数年先なので忘れがちですが、母子手帳に付箋紙を貼っておくなど工夫して忘れずに接種しましょう。

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