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妊娠後期によくあるトラブル「尿漏れ」!その原因や対策を知ろう

2015/03/28

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妊娠すると赤ちゃんの成長に伴い、体に様々な不調が出てきます。頻尿や尿漏れなど排泄機能にトラブルを抱えることもあり、何とかしたいと悩む妊婦さんも意外と多いものです。

そこで、妊娠中の尿漏れはどうして起こるのか、どのように対策したらよいかを紹介していきます。症状が少しでも和らぐように早速試してみましょう。

尿漏れのメカニズム

尿漏れというのは、一般的に自分でも気づかないうちに尿が自然に漏れ出して、下着が濡れてしまっている状態を言います。

尿漏れと聞くと、おもらしみたいですごく恥ずかしいと感じる妊婦さんも多いでしょうが、あるメーカーの調査では、妊娠中から産後にかけて、実に7割程度の妊婦さんが尿漏れを経験しているとの結果も出ています。

自分だけではなく、妊婦さんなら起こりうるトラブルの一つであるため、落ち込んだり特別恥だと感じる必要はありません。

大きくなった子宮が膀胱を圧迫

妊娠前は子宮の縦の長さが約7センチ、横の長さが約4センチ程です。しかし、妊娠後期までには縦が約40センチ、横が約24センチにまで大きくなり、子宮が妊娠前の約6倍の大きさにまで膨れます。

重さを比べてみても、妊娠前が約40グラムであったのが、妊娠後期には約1000グラムと妊娠前の約20倍にもなります。

こうして、子宮が大きく膨らみ重さを増していくため、周囲の臓器をぐいぐい押します。子宮の下にある膀胱も圧迫されるので、尿を溜めておくことができず 尿漏れを引き起こします。

ホルモンの影響

妊娠すると黄体ホルモンの分泌量が増えていきます。黄体ホルモンには、子宮内の血液を流れをスムーズにする作用があります。赤ちゃんの居心地がよくなるように、子宮内膜を柔らかくして、ふかふかのベットのような状態にするためです。

黄体ホルモンが増えると、きゅっと締まっていた膣や子宮が緩くなってしまいます。 更に膀胱の筋肉も影響を受けるため、尿が溜まっても入口をしっかり閉じておくことができなくなり、尿が自然に漏れ出てしまうこともあります。

骨盤底筋が緩む

子宮を支える骨盤の底には、骨盤底筋という筋肉や細胞組織が集まっている場所があります。妊娠後期になって子宮が重くなり、重力に任せて腰から下を圧迫してくると重さに耐え切れず、筋肉が緩んでしまうことがあります。

すると子宮の重みがダイレクトに膀胱にのしかかり、重さで尿が押し出されてしまうことがあります。

高齢になると骨盤底筋が自然と衰えてくるので、尿漏れしやすいと言われていますが、妊娠中でも特に急激に体重が増えた場合などは緩みやすいので要注意です。

骨盤底の傷

経産婦さんに多いですが、過去の出産でなかなか赤ちゃんが出てこないなど長時間に渡る難産などで、骨盤底に傷がついてしまっている場合もあります。

骨盤底の傷により排泄機能が関係する神経に障害が起きて、尿意をうまく感じることができなくなり、 尿漏れを起こす場合もあります。

尿漏れしやすいのは?

尿漏れしやすいタイミング

妊娠初期は、赤ちゃんを育てるために黄体ホルモンの分泌量も増えてきます。そしてつわりの際に、気分が悪くて嘔吐する度にお腹に力が入り、子宮が膀胱をより圧迫するので尿漏れしやすくなります。

更に、風邪や花粉症などで咳やくしゃみが出た際や、びっくりしたり大笑いしたり、しゃっくりの拍子に振動がお腹に響いて、尿が漏れてしまうという人もいます。

他には上の子を抱っこした時や荷物を持った時、立ち上がった時や歩き出した時、寝ていて寝返りをうった時や着替えなどで服を脱いだ時など、日常生活の何気ない瞬間に尿が出てしまう場合もあります。

ただ尿漏れしやすいタイミングは人によって異なるので、全ての妊婦さんに当てはまるというわけではありません。

尿漏れしやすい人

  • 元々トイレが近い人

    元々人より膀胱の容量が少なかったり、膀胱などを下から支える筋肉が弱いなどの理由で妊娠前から頻尿気味の場合、妊娠中は更に子宮が膀胱を圧迫するので尿漏れしやすくなると言えます。

  • 静脈瘤が目立つ人

    血液の流れが悪くなり、静脈の流れが滞りがちになると血管に血液が溜まり、コブのような静脈瘤が足の付け根や陰部などにできることがあります。

    この静脈瘤が多かったり、大きくて目立ちやすい人は血管の壁ももろく、骨盤を支える筋肉組織も弱いと言われているため、骨盤が下がりやすく尿漏れしやすいとされています。

  • 元から痩せていてお尻も小さい人

    痩せていて骨盤が小さな場合、大きくなった子宮が骨盤にのしかかるため重みに耐えられず下がりやすくなり、膀胱を強く圧迫することもあります。

  • 膣内が感染症にかかっている人

    カンジダ膣炎など膣内が感染症にかかっている場合は、膣内の炎症により尿が漏れやすくなります。妊娠中は血液検査などで感染症の有無を調べますが、ひどい場合は早産のリスクもあります。

  • いきむような排尿習慣がある人

    妊娠前から尿道やお腹に力を入れるように、いきんで排尿するような癖がついている人も膀胱に子宮からの圧迫の他に余計な負荷がかかるので、尿漏れの原因となります。

  • 骨盤底の構造により尿道口が緩みやすい人

    尿道が下に下がっているなど元々尿道口が緩みやすい構造をしている場合、尿漏れしやすくなります。

尿漏れが始まる時期や回数、量

尿漏れが始まるのは、早い人だとホルモンの分泌量が増えてくる妊娠初期からになります。最も多いのが、妊娠中期から臨月にかけてで、出産後も尿漏れが続くという人もいます。

尿漏れの頻度としては毎日起こるという人もいれば、週に3、4回という人もいます。

1日の回数としては多い人だと日に3、4回、量も個人差がありますが少し下着が濡れる程度という人から、多量に出てパットを当ててないと下着から服まで濡れてしまうという人もいます。

試してみよう!尿漏れ対策

尿漏れパットの使用

尿漏れ対策として、パンティーライナーやナプキンを当てておくという人もいるでしょう。ほんの少量の尿漏れなら対処できますが、パンティーライナーはおりもの専用なので薄いため、少量の尿しか吸収できません。

また、生理用ナプキンは、ドロッとした血液を吸収するために作られています。そのため、尿のようなさらっとした水分の吸収率に限度があります。

1回の尿漏れで思いがけず多く尿が出てしまうと、水分が染み出して下着を濡らしてしまい、すぐに交換しなければならなくなります。念のために使用するならいいですが、専用の尿漏れパットを使うようにしましょう。

尿漏れパットは吸収量や分厚さなどにより種類が豊富にあるので、自分の症状に合ったものが選べます。

最近では消臭、芳香作用のあるタイプもあり、気になる尿の臭いもシャットアウトできます。また水分が吸収しても大きく膨らまず、ベタつきもないので快適に過ごせます。

骨盤底筋を鍛えるトレーニング

骨盤を支える骨盤底筋をしっかり鍛えると、尿漏れの改善につながります。 妊娠中からでもできるので、尿漏れの症状がひどくならないうちにやってみましょう。

寝た姿勢でのトレーニング

①床に仰向けに寝て、足を開いてから両方の膝を曲げて立て、体の力を抜いてゆっくり息を吸い込みます。
②お尻を少し浮かせて、お尻の穴と陰部に少し力を入れて締めて15秒位そのままキープします。そして、力をゆっくり抜いて息を吐きながら、お尻を床にゆっくり下ろしていきましょう。

座ってのトレーニング

①今度は正座して床に座り、両手はお腹の前で伸ばして組みます。
②そこから、まず右に足を崩してお尻を右の床にゆっくりつけてから、戻します。その時両手は組んだ位置から動かさないようにして、バランスを取りましょう。
③左側も同じように行いましょう。

ボールを使ったトレーニング

①少し空気の抜けた状態のボールを用意し、膝の間で挟んでやや膝を曲げます。
②両手は腰に当てて、太ももに少しずつ力を入れて胸を張るようなイメージで腰を落とし、お尻を後ろに出します。
③それから、逆に背中を丸めてゆっくりお尻を前に戻していきます。

※トレーニングは各10回ずつくらい繰り返すと効果的です。体調の良い時を選んで、トイレに行って排尿を済ませてから、無理をしない範囲内で行います。途中でお腹が張ったり、気分が悪くなってしまったらやめましょう。

骨盤ベルトやコルセットの使用

妊婦さん専用の骨盤やコルセットを使うと、骨盤がしっかりカバーされるため骨盤底にかかる負担も少なくなります。 また、腰痛解消や早産予防にも効果的なのでおすすめです。

ただ、人によってはコルセットを使うと気分が悪くなることもあるので、かかりつけの医師に相談してみましょう。

日常生活で気をつけること

尿が漏れるということは、既に骨盤底に負担がかかっているため無理して動かないで、体を休めることも大切です。

長時間歩いたり立ったままでいるのも控え、ショッピングや散歩なども休憩を挟みながら無理しないようにしましょう。

ヒールの高い靴は骨盤に負担がかかる上に腰痛や転倒の原因にもなるので、歩いても疲れないようなクッション性や、安定感のあるぺたんこ靴を履くようにしましょう。

また、食欲が出てきてついご飯やお菓子などを食べすぎてしまうと、急激な体重増加で骨盤に負荷がかかりやすくなります。暴飲暴食を避けて、バランスのよい食事を心がけましょう。

更に、尿漏れが気になって漏れる前に頻繁にトイレにいく癖をつけてしまうと、尿意が感じにくくなります。できるだけ膀胱に尿がたまるのを待ってから、トイレにいくようにしましょう。

尿漏れと破水の違い

出産の兆候の一つとして、お腹の赤ちゃんを包む卵膜が破れて、中の羊水が流れ出る破水が起こることもあります。普段から尿漏れの症状がある場合、破水か尿漏れかわからないのでは?と心配になる妊婦さんもいるでしょう。

破水の場合は、そのままにしておくと赤ちゃんを守っていた羊水がなくなってしまい、膣内に細菌が入り感染症を起こすこともあります。

更に、すぐにお産が始まってしまうので、できるだけ早く産科を受診する必要があります。万一の場合に備えて、尿漏れと破水の違いも頭に入れておきましょう。

尿漏れと破水の違いで一番わかりやすいのが、漏れてきた液体のにおいです。 破水は、羊水の生臭いようなにおいがするのに対し、尿漏れはアンモニア臭がするので、まず確認しましょう。

更に、尿漏れの場合は漏れていることに気づいたら、自分の意志で尿道口に少し力を入れると尿を止めることができますが、破水の場合は一度流れ出すと止めることができません。

また、尿漏れの場合は笑ったり重たいものを持った時など、主にお腹に力がかかった時になりやすいですが、破水は何もないのにいきなり漏れ出す場合が多いようです。

出る量は、どちらも一気に大量に出ることもあれば、少しずつちょろちょろと出てくる場合もあるので、わかりにくいかもしれません。

ただ、においなどを確認しても自分でどちらかよくわからないという場合は、安易な自己判断は危険です。尿漏れであれば安心だし、万一破水の場合は一刻を争うことにもなるので迷ったらすぐにかかりつけの医師に相談しましょう。

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