妊婦だけど温泉に行きたいけどいいの?母体・胎児への影響と注意点

コメント0
2017/06/06

温泉の画像

赤ちゃんが生まれる前にゆっくり温泉旅行を楽しみたい!でも、妊婦の温泉って大丈夫かな?と心配になる妊婦さんも少なくないはずです。

最近ではマタニティプランを設ける温泉宿も増え、妊婦さんが温泉旅行を楽しめるサービスが充実しています。

しかし、何も問題もなく妊婦さんが温泉に入れるといった保証はありません。

妊婦さんが、安全に温泉を楽しむために、入浴の際のNGな行為や気を付けなければならない事をまとめました。温泉旅行に行く際は、しっかりチェックしておく事をおすすめします。

妊婦の温泉浴自体は禁止事項ではない!

温泉宿によっては効能などが書いてある掲示板に、妊婦の入浴は禁忌としているところもあります。

なぜ禁忌事項になってしまったかと言うと「妊婦にとって温泉が危険」であるわけではなく、入浴施設側の責任回避のために禁忌に加えられたのではないかと言われています。

ですので「温泉は妊婦に悪影響」というイメージがある人もいると思いますが、温泉の成分が母体に悪影響を与える事は考えられず、その根拠もないとされています。

妊婦の温泉浴のプラスの効果

基本は妊婦さんでも、温泉によって体の不調を改善する様々な効果が期待できます。

【温泉浴の主な効果】

  • 筋肉疲労の緩和
  • 冷え性の緩和
  • 血行促進の効果
  • リラックス効果
  • 肩こり・腰痛の緩和
  • 睡眠障害の緩和
  • 自律神経を整える効果
  • 疲労回復
  • むくみの緩和
  • 皮膚炎の緩和
  • その他疾患の緩和

妊婦さんにが特に期待したいのは「リラックス効果」「むくみの緩和」「腰痛の緩和」です。

リラックス効果
妊娠するとホルモンバランスが急激に変化するため自律神経が乱れ、イライラや落ち込み、倦怠感や疲労も蓄積しやすい状態です。

温泉に入ってゆっくり体を温めると、副交感神経が優位になりリラックス効果を期待できます。

ただ、熱いお湯に入ったり温まりすぎるのは危険です。42℃以下のお湯で10分以内の入浴で済ませ、無理なく入浴しましょう。

むくみの緩和
妊娠中は脚がむくみやすい状態です。血液中の水分量が増す事と、ホルモンバランスの乱れが影響して体内に水分を溜め込みやすくなっています。

また、骨盤が圧迫される事で下半身の血流が悪化します。温泉で温まり血流の改善・新陳代謝を促進することでむくみにも効果的です。

こむら返り(足がつる症状)に悩む妊婦さんも、体を温めて優しくマッサージすることで、筋肉の負担を軽減し血流悪化を改善できるので、症状の緩和を期待できます。

腰痛の緩和
妊婦さんは腰を痛めやすくなっています。ホルモンバランスの変化により背骨や骨盤の靭帯がゆるむ事、重いお腹を支えるため腰に負担がかかる事などが原因で腰痛を引き起こします。

温泉浴で筋肉のこわばりを緩和させ、体を温めて血流を改善させる事で腰痛の緩和に繋がります。

妊婦の温泉浴のマイナス面

上記のように、妊婦さんの温泉浴は良い面もありますが悪い面もあります。

妊娠中はホルモンバランスの変化が影響して、普通の体よりも体調を崩しやすかったり急変したりする事も多い時期です。

妊娠中の入浴は温泉であれ自宅のお風呂であれ、気を付けなければならない事がいくつかあります。

  • 転倒による流産や子宮圧迫の可能性
  • のぼせ(めまい、吐き気、動悸、失神など)
  • 血圧の変動による脳貧血
  • 皮膚炎の発症
  • 感染症の可能性
  • 疲れによる体調の変化

このように、温泉浴には危険も多く孕んでいます。楽しい温泉旅行を台無しにしないためにも、無理のない入浴方法を知る事が重要です。

温泉に入る時に妊婦が注意すること

では具体的にはどのような点を気を付ければよいか、詳しくご紹介していきましょう。

42℃以上の湯船の入浴は避ける

温泉に限らず銭湯や自宅のお風呂でもそうですが、42℃以上の高温浴は避けましょう。

熱いお湯に浸かりすぎると妊婦に限らずとも、心拍や血圧が上昇します。そして、血液の粘度が増し血栓症を引き起こしやすくします。

高温のお湯は少し入っただけでも熱くなりますが、体の表面しか温まらず湯冷めを起こす可能性もあります。

だからといって、ぬるいお湯だと体を冷やす原因になるので、丁度良いのは40度前後のお湯に10分程度を目安にして入浴するのがおすすめです。

転倒しないようにする

お風呂は大変滑りやすくなっているので、妊婦さんは転倒しないように気をつけなければなりません。

温泉施設の床はツルツルとしたタイルや石貼りになっていたり、木製のすのこはお湯で濡れると滑りやすくなります。また、シャンプーや石鹸の泡が床に残っていてヌルヌルしていたり、湯気で段差が見えずにつまずく危険性もあります。

妊婦さんが転んで子宮に刺激を与えると破水や出血の原因に。特に、妊娠初期には流産、後期には早産の危険性が伴います。

できれば1人で入浴するのは避けたほうが安全です。夫婦で旅行する時は客室に貸切風呂が付いているプランにしたり、旦那だけでなく母親や女友達と一緒に旅行に行くと安心ですね。

のぼせに注意する

体が温まる事で血液が熱くなり、頭部に異常な熱感を帯びてしまう事をのぼせと言います。

体内では血管を収縮したり拡張させたりして体温調整を行っていますが、入浴によって血液が熱くなると血管が拡張したままになり、脳に送りこまれる血液量が多くなりすぎてのぼせの症状を引き起こします。

のぼせるとめまいや立ちくらみを併発するため、転倒の危険性が増します。症状が重いと失神してしまう可能性もあります。

【のぼせた時の主な症状】

  • 異常に熱を感じて動悸がする
  • 頭部に異常な熱感がありボーっとする
  • 頭がズンズンと強く脈を打ち頭痛がする
  • 立ちくらみ、めまいの併発
  • 吐き気の併発

妊婦さんはホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れることで、血液の流れに偏りがでてしまい、のぼせを引き起こす危険性を高くします。

また、血液が一気に心臓に送りこまれる事で負担が増し、動悸や息切れの症状も出やすくなります。

のぼせた時の対処法
のぼせてしまったら、熱くなった血液を冷やします。太い血管がある首の両サイドと脇の下を冷やすと効果的に血液を冷ます事ができます。また、水を張った桶に足いれて冷ますと良いとされています。

のぼせ予防として湯船に入る時は冷たいタオルを頭に置くと、体温の上昇を抑える効果があります。

脳貧血に注意する

脳貧血とは起立性低血圧とも言われ、入浴中に立ちくらみやめまいを起こす症状です。湯船に浸かって急に立ち上がった時にフラフラしてしまった経験はありませんか?

湯船に浸かっている時は、血流が良くなり全身に血液が廻っている状態ですが、急に立ち上がると、重力の影響で一気に下半身に血液が流れて頭部は血液が少なくなります。すると脳が酸素不足になり立ちくらみが起こります。
脳貧血の予防法
脳貧血を予防するには、湯船から出る時にゆっくり立ち上がる事です。まずは、いきなり立つのではなく、湯船の縁に腰を掛けましょう。落ち着いたらなるべく頭を低くしてゆっくり立ち上がります。

症状が重いと、失神・意識障害・けいれんなども引き起こします。

脳貧血になった時の対処法
湯船から出た時にめまいや立ちくらみが起きてしまったら、転倒を防ぐためにとりあえず何でもいいのでつかまります。

頭を低くしその場でしゃがんで落ち着くまで動かないようにします。症状が重ければ、枕を当てずに頭を低くし横になって安静にします。

脱水症状に注意する

妊婦さんはお風呂に入っている時以外でも、脱水症状になりやすい状態です。

妊娠すると体内に水分を蓄える作用が働く上に、新陳代謝が活発になるため汗をかきやすくなります。妊娠しているとやけに喉が渇くのは、水分を沢山必要とするためです。

入浴の際は水分補給に気をつけましょう。脱水症状の予防のために、入浴前に最低でもコップ1杯程度の水分を取るようにしましょう。

入浴時の水分補給の仕方
「入浴中にすごく喉が渇いてしまった」「のぼせて喉が渇いた」といった場合に水を飲む時は、急いで冷たい水を大量に飲む行為は避けます。

体内にいきなり冷たい水が流れ込むと内臓を急速に冷やし血圧が急変する可能性があります。水分補給をする時は常温かぬるめの水をゆっくり飲むようにしましょう。

また、真水よりもスポーツ飲料のほうが水分を吸収しやすいため効率的です。

水風呂・冷水シャワーは避ける

水風呂に浸かったり、冷たいシャワーを浴びると血圧を急変させます。激しい血圧の変化は心筋梗塞や脳貧血の原因になるだけでなく子宮の収縮運動にも影響がでます。

体が熱くてのぼせそうな時は、座って休憩したり冷やしたタイルを体に当てて落ち着かせましょう。

肌の刺激に注意する

温泉は肌荒れや皮膚炎を緩和させる効果もありますが、温泉成分が刺激になって肌荒れを起こす場合もあります。

妊婦は皮膚が敏感になっている時期です。ホルモンバランスの変化が影響して肌荒れを起こしやすくなっています。

もともと敏感肌である人・妊娠をきっかけに肌が弱くなった人は、温泉成分の影響で湯ただれ(皮膚炎)を起こす可能性があります。

皮膚が赤みを帯びかゆみが出たり、ヒリヒリと痛みを伴います。乾燥肌の人は泉質によっては症状を悪化させる事もあります。

【温泉浴による肌トラブルの主な症状】

  • 赤み
  • かゆみ
  • ただれ
  • 乾燥
  • ヒリヒリ痛む

また、妊娠後期になるとお腹の皮膚が引っ張られて薄くなり、刺激に弱くなっています。皮膚が割れる時にかゆみを伴う事もあります。

体が温まり温泉成分に触れるとかゆみが増し、症状が悪化する可能性も考えておきましょう。

温泉に入ったら体を洗い流さずに成分を体に残したほうがいいと言われていますが、妊婦さんは肌が敏感になっているのでシャワーで洗い流したほうがいい場合もあります。

入浴後はクリームやローションを使ってしっかり保湿をしましょう。

感染症の危険性について

日本温泉気候物理医学会認定温泉療法医の記事によると「温泉の入浴が原因で、膣や子宮内の感染を引き起こす事はない」という国内の学会報告があるようです。 ただし、共同浴場の脱衣所での菌の感染は積極的に予防する必要があるとされています。

温泉のお湯は安全であると考えられていますが、念のため衛生管理の行き届いた温泉施設を選びましょう。

「源泉かけ流し」の温泉施設はお湯が常に入れ替わっているので、循環式の温泉施設よりも安心できます。

そして特に気を配りたいのは、バスチェアや共有のタオル、脱衣所の衛生状態です。

人が触れる機会が多い箇所は菌が付着している可能性もあります。不特定多数が使用する設備には気を付けなければなりません。

さらに、妊婦さんは免疫力が低下している事もあるため感染しやすい体内環境です。病気の種類によっては胎児に影響を及ぼす事もあるようなので注意が必要です。

共同浴場で起こり得る主な感染症の種類
名称 概要 症状
ヘルペス(性器ヘルペス)  ウイルスの一種。感染している人の病変部から出ている分泌液に触れると感染する恐れがある。 陰部の痛み・水疱・発熱
レジオネラ菌 自然に生息するありふれた菌。公衆浴場での感染事例あり。約25℃~45℃の停滞した水で増殖する。 頭痛・食欲不振・高熱・吐き気・呼吸困難
毛ジラミ タオルなどに付着した毛じらみから感染する。 感染部の激しいかゆみ

ヘルペスは稀に胎児に脳障害を引き起こす可能性もあるようです。感染したら早期に治療を行う必要があります。

泉質の違いによる妊婦への影響について

基本的には温泉の成分は妊婦には影響を与えないとされています。

しかし温泉の性質によっては、肌への刺激が強かったり、ヌメリのあるお湯だと転倒しやすいため、成分の性質や特徴を事前にチェックしておくと安心でしょう。

温泉の性質はアルカリ性と酸性に分かれます。

アルカリ性が強いとお湯がトロンとしている事が多く、肌がヌルヌルするので滑りやすくなります。また、肌の皮脂を落とすので美肌効果がありますが、乾燥肌の人は症状を悪化させる事もあります。

酸性が強いと肌への刺激が強くピリピリと痛む事があります。湯ただれしやすいのも特徴です。「酸性泉」「硫黄泉」などが該当します。

では、泉質にはどのような種類があるのかをチェックしてみましょう。

泉質の特徴と効能8種

日本国内には主に8種類の泉質に分かれます。それぞれの泉質の特徴や効能・主な温泉名をご紹介します。

単純温泉
肌への刺激が少ない泉質で日本で最も多い。pH7.5以上だと「弱アルカリ性単純温泉」、pH8.5以上のものは「アルカリ性単純温泉」と言う。

■効能
冷え症・神経痛・筋肉痛・運動麻痺・うちみ・痔など
■温泉名
下呂温泉、湯布院温泉など
塩化物泉
食塩泉とも言う。日本で2番目に多い温泉。湯冷めしにくい泉質であり熱の湯とも呼ばれる。保温効果が高く血行促進にも効果的。塩分により肌がヒリヒリする事もある。

■効能
冷え症・切り傷・やけど・慢性皮膚病・月経不順など
■温泉名
熱海温泉、有馬温泉など
炭酸水素塩泉
美肌の湯とも呼ばれる。アルカリ分が皮脂を溶かすので美肌効果が高いとされるが乾燥もしやすい。

■効能
切り傷・やけど・慢性皮膚病・美肌など
■温泉名
川湯温泉・乳頭温泉郷など
硫酸塩泉
傷の湯、脳卒中の湯とも呼ばれる。血流を改善する効果があるとされている。皮脂を取り除くので美肌効果も期待できる。

■効能
動脈硬化・高血圧・切り傷・やけど・慢性皮膚病・美肌など
■温泉名
伊香保温泉、黒川温泉など
二酸化炭素泉
炭酸を多く含む泉質。炭酸泉とも言う。血行を良くし血圧を下げる効果がある。心臓の湯とも呼ばれる。

■効能
高血圧・動脈硬化・心筋梗塞・切り傷・やけど・神経痛など
■温泉名
五味温泉・長湯温泉など
含鉄温泉
鉄分を多く含む泉質。鉄の錆びたような香りがする。保温効果が高く冷え性に良いとされる。婦人の湯とも呼ばれ月経不順・貧血にも効果的。

■効能
生理不順・慢性婦人病・貧血・筋肉痛・冷え症など
■温泉名
加賀井温泉、長良川温泉など
硫黄泉
卵の腐敗臭に似た独特の香りは硫化水素の影響。殺菌効果、解毒効果が期待できるが、肌への刺激も強い。血管を拡張させる働きがある。

■効能
アトピー性皮膚炎・湿疹・皮膚病・高血圧・動脈硬化・神経痛など
■温泉名
日光湯元温泉 箱根温泉(大涌谷温泉)など
酸性泉
硫酸、塩酸などを多く含み殺菌力があるが肌への刺激が強い。強酸性の場合はピリピリする場合も。古い角質を取り除くので仕上げの湯とも呼ばれる。

■効能
ニキビ・湿疹・切り傷・水虫・胃腸炎・神経痛・打撲打ち身・痔など
■温泉名
草津温泉、玉川温泉など
放射能泉
ラジウム温泉とも言われる。放射能量はレントゲンよりも少ない量で人体に影響がない程度。万病の湯と称され様々な疾患に効果があるとされている。痛風の湯とも呼ばれ痛風に効く。

■効能
関節リウマチ・痛風・高血圧・動脈硬化・慢性皮膚病・慢性武人病など
■温泉名
三朝温泉 増富温泉など

温泉による胎児への影響について

お腹の皮膚は成分が浸透するのではないかと考えてしまう事もあると思いますが、皮膚から子宮内に成分が伝わる事はないとされています。

温泉が胎児に影響するとすれば「子宮収縮」です。

旅行の疲れや動き過ぎが原因でお腹が張りやすくなります。旅行は楽しいですがくれぐれも無理はせずに体調管理をしっかり行いましょう。

温泉旅行は無理のないプランで行こう

妊婦さんが温泉に行くなら家族だけで入れる貸切風呂が付いていたり、露天風呂付の客室もおすすめです。共同浴場でないため衛生的にも安心できますし、万が一のトラブルにもすぐに対応できます。

また、温泉旅行は夫婦2人で思い出作りに行くのもいいですが、両親も一緒に連れていくと入浴する際に1人で入らなくていいので安心できますね。

妊娠中は無理のないプランにする事をおすすめします。妊婦さんは体力を消耗しやすく動き過ぎたり疲労がたまると体に負担がかかります。

せっかくだから色々と観光したいな…と思う気持ちもありますが、普通の旅行プランよりも余裕を持った計画を立てて、安全にマタニティ旅行を楽しみましょう。

温泉で無理は禁物!妊婦である事は意識しよう

妊婦さんでもゆったりと温泉を楽しむ事ができます。

しかし妊婦である事は忘れずにゆっくり慎重に行動しましょう。

長風呂、水分補給、転倒には特に要注意です。良い思い出にするためにもNG行為はしっかりチェックし、安全なマタニティ温泉を楽しみましょう。

みんなのコメント
あなたの一言もどうぞ