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妊婦は便秘薬を飲んでいい?母体や胎児への影響と薬以外の便秘解消法

2016/08/18

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元々便秘体質だった人はもちろんですが、便秘とは無縁だった人までが便秘になってしまうのが妊娠中です。

繊維質のものやヨーグルト・バナナを食べてもまったく出ない!本当に苦しいですよね。

妊娠中便秘に悩み、医師に相談したら便秘薬を処方されたけれども、気づけば毎日飲んでいる…。

いくら医師から処方された薬とは言え「毎日飲んでも良いのかな?」「お腹の子に影響ないかな?」など心配になりますよね!

そこで、妊娠中に服用する便秘薬は、母体や胎児に影響を及ぼすのか・影響があるとすればどのようなことが考えられるのかを解説いたします。

なぜ妊娠中は便秘になりやすい!?原因を知ろう!

そもそも何故妊娠をすると便秘になりやすくなってしまうのでしょうか。その原因としては、主に下記の3点が考えられています。

  • プロゲステロンという女性ホルモンの影響
  • 子宮が大きくなり、腸が圧迫される為
  • 悪阻によって食生活が偏ってしまう為

1点ずつ説明していきましょう。

プロゲステロンの作用で腸の動きや環境が変わる

妊娠をすると黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンが多く分泌されます。プロゲステロンは、赤ちゃんが子宮に留まりやすいように環境を整えてくれるホルモンです。

子宮内膜を厚くし、赤ちゃんが居やすいようにする為に子宮の収縮を抑えてくれます。

子宮収縮を抑えるには子宮付近の筋肉の動きを弱める必要があり、そこにうまく働きかけをしてくれているのがプロゲステロンなのです。

子宮付近の筋肉の動きを弱めることは、腸の動きを弱めることにもつながってしまい、便秘という症状を引き起こしてしまうのです。

また、プロゲステロンはお腹の赤ちゃんに栄養をたくさん届けようとする為、体内に水分を蓄積させようとします。

その働きに腸内の水分量が追いつかず、便が水分不足となり硬くなってしまうことも便秘の原因と考えられています。

大きくなった子宮が腸を圧迫し便の通りも血流も悪くなる

妊娠すると当然子宮は大きくなってきます。大きくなった子宮は近くに位置する消化器官に影響を与えます。

腸も子宮が大きくなった分、圧迫されてしまい便が通りにくくなります。圧迫されている腸の血流は悪くなりますので、動きも鈍くなってしまうのです。

悪阻による栄養の偏りや水分不足も原因の1つ

妊娠により、ホルモンバランスが乱れると悪阻という症状が表れます。

つわり症状の出方は人によって様々ですが、食の好みが妊娠前と大幅に変化することも多い為、栄養に偏りが見られます。

吐きづわりの場合は水すら受け付けられず、脱水症状を引き起こしてしまうこともあります。

悪阻により栄養不足・水分不足になってしまうと便通も悪くなってしまうのです。

まずは薬に頼らず便秘改善にトライ!

妊娠中はあまり薬に頼りたくないという考えから、「便秘に良い」とされる様々な食べ物摂取を心掛けた人もいらっしゃるのではないでしょうか。

それでも出ないとなると、本当に辛いですよね。

「もう食物療法は十分!」と思っている方もいると思いますが、薬に頼る前に今一度食生活の見直しをしてみましょう。

食物繊維には2種類ある!便秘改善にはそのバランスが大事

「便秘に効くもの」と言ってすぐ思いつくのは「繊維質」です。「食物繊維=野菜」と思いますよね。

実は、食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があるのです。

2つの食物繊維の違いを表でみてみましょう。

食物繊維の種類 特徴 主な食材
水溶性食物繊維 水に溶ける食物繊維で、腸に届くと腸の粘膜を保護し、善玉菌をつくる。整腸作用がある。 エシャロット・ゆりね・オクラ・ごぼう・納豆・アボカド・レモン・梅干し・なめたけ等
不溶性食物繊維 水に溶けない食物繊維で、腸内で水分を吸収し、腸を刺激する。腸の蠕動運動をさかんにさせる。 ゆでた豆(いんげん・あずき・えんどうなど)納豆・おから・しそ・よもぎ・こしあん・味噌・グリーンピース等

水溶性と不溶性の両面の性質を持っている食材もあります。ならば、それだけを食べていれば良いのかと思われますが、そうではありません。

便秘改善の為には、不溶性と水溶性のバランスが大事なのです。

不溶性食物繊維の方を多めに摂取すると効果があります。水溶性食物繊維の倍ほど不溶性食物繊維を摂取すると良いでしょう。

不溶性食物繊維は、よく噛みごたえのあるものが多くあります。エリンギや大根・アーモンドなども不溶性食物繊維に入ります。

よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、便秘改善と共に妊娠中の急な体重増加を防いでくれるでしょう。

また、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維には、「水分を要する」という共通点があります。ですから、食物摂取だけでなく必ず水分も一緒にとるようにしましょう。

腸内の善玉菌を増やす乳酸菌やオリゴ糖も摂取!

腸内環境を整えるには、腸内の善玉菌を増やす必要があります。善玉菌を増やす代表的な成分は、乳酸菌とオリゴ糖です。

乳酸菌は、発酵食品に多く含まれています。代表的なところではやはりヨーグルトでしょう。

ただ、ヨーグルトも種類が豊富ですし、自分の身体と乳酸菌との相性もありますので、1~2週間食べ続けても効果が見られないヨーグルトは種類を変えた方が良いでしょう。

におい悪阻でない方にいは、納豆を食べて乳酸菌摂取することもおすすめです。1日1パック~2パックで便秘改善に十分な乳酸菌が摂取できます。

オリゴ糖は、善玉菌を増やすというより、善玉菌を活発にさせてくれます。善玉菌の大好物がオリゴ糖なので、オリゴ糖を取り入れた善玉菌が活発になり、腸内環境が良くなるのです。

乳酸菌は熱に弱い面があるのですが、オリゴ糖は熱にも強く、料理に気兼ねなく使えます。

胃や小腸に留まることなく、大腸にまでしっかり届くという点では、胃酸に弱い乳酸菌より優れているかもしれません。

薬を服用する前に、食物繊維・乳酸菌・オリゴ糖を上手く組み合わせた食事を心掛け、便秘解消を目指してみましょう。

食事の改善は体調をみてトライ!試してほしい食事のメニュー

妊娠中は、つわりなどの不調を感じやすい時期でもありますので、ご自分の体調が便秘以外で比較的良い時に試してみてください。

便秘解消におすすめのメニューを挙げます。

  • ヒジキの炊き込みご飯 (おでんの素を使えばヒジキと人参、油揚げでコクが出ます)
  • 根菜たっぷり豚汁 (お好きな根菜と蒟蒻、豆腐をたっぷり入れて一品で大満足)
  • バナナきな粉ヨーグルト (潰したバナナにきな粉を混ぜ、無糖ヨーグルトを加える)

これらは、とても簡単にできるので台所に立つ時間も手間も短縮できますので、妊娠中に何度もリピートできますよ。

ヨーグルトに関してはお肌にも嬉しい食材ですので食べ続ける食材としてはぴったりです。

おすすめ!プルーンまるごともっちりパン

バターや油脂を使わず、便秘に効果があるとされるプルーンを代わりに使用します。プルーンピューレを作る手間も省きました。

手間がかかる一次発酵まではホームベーカリーを使用してください。

材料を準備し、発酵が終わったらあとは楽しく形成してオーブンで焼き上げるだけで、とても簡単に美味しい焼きたてパンが味わえます。

「プルーンまるごと!もっちりパン」

  • 強力粉…300g
  • 水…180cc
  • きび砂糖…6g
  • 塩…3g
  • 種なしプルーン…90gぐらい
  • ドライイースト…6g

 

  1. 上記の材料を、お手持ちのホームベーカリーの説明書に従ってパンケースに投入し、一次発酵まで終わらせます。
  2. できあがったら、お好きな形に形成をし、190度に予熱したオーブンで12分焼きます。

見た目は全粒粉パンのように茶色く、プルーンの果肉が見え隠れしています。

もっちりとしていてそのままでももちろん美味しいですが、とろけるチーズをのせてトースターで焼くと絶品!カルシウムも一緒に摂れます。

チーズの塩分を気にされる場合は、一緒にグレープフルーツジュースを飲むのがおすすめです。塩分を排出する働きがありますし、便秘解消の効果も期待できます。

その際に注意したいのが、表記の違いです。同じ100%でも、「濃縮還元」は加糖しておりますので、「ストレート果汁」100%の物を選ぶようにしましょう。

妊婦さんに適した運動で腸を動かす!

妊娠中、激しい運動はいけませんが、全く動かないと腸に刺激がなくなり、便秘を悪化させてしまいます。程よく動いて腸に刺激を与えてみましょう。

陣痛に耐えたり、出産時のいきみには体力が必要です。また産後の赤ちゃん育児が待っています。軽い運動で体力や筋力をつけておくことが大切です。

特にお腹や腰周りを鍛えることは便秘改善につながります。腸の働きが活性化し便を排出する力が強くなるためです。

軽いウォーキングから始めよう

手っ取り早いのはウォーキングです。

まずは、自宅の周辺を軽くウォーキング することから始めてみましょう。しっかりと腕を振り、かかとから地面に足をつけてしっかり踏みしめてリズムよく歩きましょう。

また、顔はまっすぐ前を向き、背筋を伸ばし呼吸を整えましょう。始めは短時間から、慣れてきたら距離を伸ばしましょう。

マタニティ向けの運動もおすすめ

マタニティビクスやスイミング、ヨガなど妊婦さん向けの運動 もあるので参加してみるのもよいでしょう。

マタニティ向けの運動は、妊婦さんでも無理なく体を動かすために、特別なプログラムを組んでいます。母体や赤ちゃんへの影響もほぼなく、安心して参加できます。

マタニティヨガは激しい運動ではありませんが、普段使わない筋を伸ばすことができ、穏やかに内臓を刺激します。

ヨガの呼吸法で体内の酸素量が増え、血流も良くなるので、腸の動きもよくなります。

便秘解消のみならず全身の筋力が鍛えられ、スタミナもつくため出産に向けての体作りに最適。更にリフレッシュ、ストレス解消にもなるのでよい気分転換にもなります。

お腹や腰回りをマッサージしよう

先述しましたが、お腹や腰周りを刺激し腸の働きをよくすることが便秘解消につながります。

よって、腸の動きを促すマッサージを提案します。マッサージは簡単で、自宅でも手軽にできるのでおすすめです。

運動する元気がない日や、運動だけで便秘が解消できていない…という時などに試してみましょう。

お腹周りのマッサージの仕方
  1. おへその下あたりに両手を当てて、おへそ回りに円を描くように両手を動かして押す。
  2. あまり強く押しすぎないように注意し、優しくゆっくりと10回程度行。
腰周りのマッサージの仕方
  1. 左右の腰に両手を置いて、それぞれの手で上下にゆっくりと動かして押す。
  2. 血液を押しがなすような感じてマッサージしていくと血の巡りはよくなって、腰周りがポカポカと暖かくなってくる。

血流を促すことで、腸も徐々に動くようになり便秘解消につながります。

運動とマッサージでの注意点

運動やマッサージをする上で大事なこと、それは妊婦である身に負担がかからないよう無理にない範囲内で行うことです。

切迫流産などの場合は絶対に控えましょう。

便意が起こる時間帯は個人個人で異なりますが、朝が比較的便意が起こり易いとされているため、運動やマッサージは効果を発揮しやすい”朝の時間帯” に行うことをおすすめします。

面倒だとついさぼってしまうと、腸の運動も滞りがちになります…。短時間でよいのでできる限り毎日続けるようにしましょう。

生活スタイルの見直し

生活スタイルをちょっと見直すだけでも、便秘が解消されるかも!ぜひ試してみてください。

規則正しい生活

生活リズムをできるだけ毎日変えず(起床・就寝時間や食事時間、散歩の時間、お風呂タイムなど)毎日同じ位の時間で生活していくことが大切です。

毎日の生活のリズムを整えると排便のタイミングも徐々に安定してきます。 体内リズムを壊さないように規則正しく生活していくようにしましょう。

そして、毎日の規則正しい生活リズムを付けるときに、ぜひ「起き抜けにコップ1杯の白湯を飲む」を追加してみて!便秘予防につながります。

トイレタイムを作る

便意を少しでも感じたら我慢せず、タイミングを逃さないようにトイレに行きましょう。

ただし便意がなくなったら無理にいきまないでください。痔の原因なってしまいます…。

トイレの温水洗浄便座のビデでおしりを刺激して便意を促すという方もいらっしゃるようですが、ビデの刺激で便意を促すと癖になりやすく、また温水洗浄便座でないと排便できなくなってしまう場合もあるのでおすすめできません。

同じ姿勢を取り続けない&背筋を伸ばす

デスクワークで1日中座ったままなど、長時間同じ姿勢を取り続ける妊婦さんもいるでしょう。

同じ姿勢のままだと血流が悪くなり、腸もうまく動かず便秘になる原因となります。

また、妊娠初期のつわりで気分が悪くて前かがみがちだったり、逆に、妊娠中期から後期にかけてお腹が大きくなってきて、お腹を突き出し背中を沿った状態の姿勢を続けてしまうのもよくありません。

できるだけ背筋をまっすぐに伸ばし、生活する ことで腹筋や背筋などが鍛えられ、便を押し出す力も備わり便秘解消へとつながります。

市販の便秘薬が家にあっても飲む前に医師に相談を!

何日も出ていなくて苦しい…。そんな時、妊娠前から常備している便秘薬があれば飲んでしまいたくなるものです。

しかし、そこはやはりお医者様に相談した上で服用しましょう。自己判断で飲むことは避けたいところです。

なぜならば、便秘薬の成分には妊娠中服用するのに適さないものが含まれているものもあるからなのです。

添付の説明書には妊婦さんの使用を控えるよう書いてある薬もあります。注意が必要です。

自己判断は危険!妊娠中に「禁忌」とされている成分

妊娠中、便秘を改善するのに使いたい便秘薬ですが、センナや大黄の成分は妊娠中「禁忌」とされています。

センナや大黄は摂取すると子宮収縮させてしまうことがあり、早産や流産を引き起こす可能性があるからです。

センナも大黄も植物であり、漢方薬として処方されていることが多いのです。

しかし、自宅にある市販の便秘薬が漢方ではないからと言って安易に服用するのはおすすめできません。

市販の薬は「植物性便秘薬だから安心」ということで売られている錠剤タイプのものもあります。

そして、一見素人では判断ができないのですが、センナや大黄のように子宮収縮作用のある成分を含む便秘薬も多く市販されているのです。

市販薬を服用する前には必ず病院に行って確認をしてください。

できれば、その市販薬の箱を持っていき「いざという時(処方された薬が手元になくなった時など)は、これを飲んでもよいですか?」と聞いておきましょう。

便秘薬の服用は、避けた方が良い時期があります

自己判断で便秘薬を服用しない方が良い理由は、成分だけの問題ではありません。妊娠の時期にもよります。

どんなに安全な成分の便秘薬でもできるだけ服用をさけたほうが良い時期があります。

妊娠4週~7週の妊娠初期と呼ばれる時期が特にそうです。

この時期は、殆どの人が「自分が妊娠した」ことに気づく時期でもあります。悪阻に悩まされる時期でもあります。

なぜ、4週~7週において、薬の服用を避けた方がいいかと言うと、この時期は胎児の重要な器官が形成される時期なのです。

脳、内臓、骨、手足・目・中枢神経などの主要器官がこの時期に形成されていくデリケートな時期なのです。よって、ママの腸に刺激を与えると子宮にも振動が伝わって流産する危険性も…

また、母体と赤ちゃんをつなぐ胎盤から薬の成分が赤ちゃんへと伝わり、発育に悪影響を与える可能性もあるため、妊娠中は便秘薬は使用を控えましょう。

心配な方は8週目以降、11週目くらいまでは服用を避けましょう。胎児の重要部分は形成されていますが、この時期も手足の細かな部分などの形成がされる時期なのです。

ただし、いくら服用を避けたいからと言っても我慢は禁物です。

便秘によって痔になるなどの症状が現れた場合は、無理せずかかりつけの産婦人科を受診しましょう。

浣腸について
おしりだけを刺激する浣腸なら大丈夫?と考える妊婦さんもいるかもしれませんが、数回使い続けるうちに癖になってしまい、浣腸なしでは排便できなくなったり、浣腸が効かなくなる場合もあります。

どうしても出ない時は病院へ

先述した食事改善、運動やマッサージなど便秘によいとされる方法を試したけれど、どうしてもお通じがない…腹痛やお腹の張りで体調も悪くなってきてしまった…。

そんな時はかかりつけの産院で主治医に相談が必須です。症状によっては、妊婦さんでも服用できる便を柔らかくする薬や、効き目が緩やかな漢方薬などの便秘薬が処方してもらえます。

薬を使うことに抵抗があったり、便秘くらいで受診して相談するのはちょっと恥ずかしい…と思い便秘を我慢し過ぎると、便秘が癖になり悪化してしまう可能性があります。

排便しにくくなったり、排便の度にいきみすぎて痔になる危険も。

時には医師に処方された便秘薬に頼って、一度溜まった便を排出して腸内をきれいにすることも大事です。

便秘に悩んでいる妊婦さんは沢山います。産院には妊婦さん用の便秘薬もあるので、恥ずかしいと思わず気軽に相談してみましょう。

妊娠中によく処方される便秘薬と影響

妊娠中に処方される便秘薬ですが、まずは、酸化マグネシウム・漢方薬・水に何滴か混ぜて飲む液体タイプの薬を出されている人が殆どのようです。

それでも効かない場合、医師が判断した錠剤を処方されます。

皆様が心配な点は、やはりそれぞれの薬の強さや影響だと思います。各便秘薬の効能や影響を詳しくみていきましょう。

酸化マグネシウム

主成分がマグネシウムの薬は、便秘に悩む妊婦さんに、まず出される初歩的なお薬です。マグミット錠又はマグラックス錠という名称のお薬です。

効果

便の水分を調整し、硬い便をやわらかくしてくれます。多めの水と一緒に服用するとより効果が高まります。

影響

癖になりにくく、穏やかな効き目なので、他の便秘薬と併用して処方されることもあります。

妊娠中のみの服用なら特に副作用はありませんが、長期間大量に服用を続けていると塩類を含んだ薬であるため腎臓を悪くすることがあります。

血中のマグネシウム濃度が高くなると、高マグネシウム血症と言って、不整脈や血圧低下・筋力低下などの症状が出ることもありますので、容量や使用期間には注意が必要です。

液体の便秘薬

液体の便秘薬にラキソベロン液というものがあり、それを出されている妊婦さんが多いようです。

副作用が少なく安全性が高い点で妊婦さんに多く処方されています。ラキソベロンは、錠剤タイプもありますが、水と一緒に服用するという点から液体タイプを処方される方が多いです。

効果
大腸に刺激を与えることで、便通を促してくれます。
影響

他の大腸に刺激を与える同タイプの下剤と比較すると作用が穏やかで安心です。

しかし、長期間服用を続けると癖になってしまい、自力で便通を促すことができなくなってしまいますので、その点は注意が必要です。

妊娠中に限った服用でしたら問題はありません。

漢方

医師の判断で、漢方を処方される場合もあります。

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、小建中湯(しょけんちゅうとう)などを処方されている人が多いようです。

効能
桂枝加芍薬湯・小建中湯は便秘にも下痢にも効き目のある整腸剤のようなものです。
影響

虚弱体質の人にも処方される薬であり、重篤な副作用はめったにないのですが、副作用としては、体重増加・浮腫み・手足のしびれなどがあるようです。

頑固な便秘に悩む方には、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)が服用されることもあります。ですが、その名の通りダイオウを使った薬で基本的に妊娠中は禁忌とされています。

しかし、他の薬を試しても便秘の改善が見られない妊婦さんには、医師が時期的な点も含め判断し、最少量を処方します。

医師の指示通り服用していれば問題はありません。ただし、服用すると倦怠感や浮腫み・腹痛・吐き気など副作用が見られることがあります。

便秘の改善云々ではなく、副作用の症状が表れたら、医師に相談し他の薬に変えてもらいましょう。

その他、大腸刺激系便秘薬

マグネシウム系便秘薬、ラキソベロンを試しても効果が見られない人には、アローゼンやプルセニドという薬を出される人がいます。

アローゼンは顆粒タイプの薬でプルセニドは錠剤です。

効果
大腸を刺激します。効果は下剤の中でも強めです。
影響

アローゼンもプルセニドも主成分がセンナです。センナが入っていますので、基本的に妊婦禁忌の薬です。

しかし、妊娠周期や妊婦さんの状況から判断して医師が最少量を処方することがあります。

医師の指示通りに服用していればまず問題はありませんが、腹痛や下痢を起こした場合は、使用を中断し、医師に相談しましょう。

長期間服用することで、便意を自力で感じにくくなることがありますので、妊娠中の服用と考え、長期間服用・乱用は避けましょう。

子宮が収縮!?便秘薬を毎日服用することで考えられる影響

妊娠中は便秘になって悩み、それを改善するための便秘薬を処方されても服用するべきか悩み…本当に「どうすればいいの?」と思いますよね。

なぜ、これほどまで多くの妊婦さんが便秘薬を服用することをためらうのかと言うと、やはり便秘薬を毎日服用することで考えられる影響があるからなのです。

便秘薬は、子宮収縮を引き起こすことがあります。子宮収縮は陣痛時に見られ、安定期に入っていない状況で子宮収縮になると早産・流産の可能性が高まってしまうのです。

腹部の痛みや「張り」も子宮収縮によるものがあります。「痛いな」「張っているな」と感じたら、無理せず休みましょう。

便秘症の妊婦さんは、お腹の痛みや張りを「便秘によるもの」と勘違いしてしまって、子宮収縮に気づかないことがあります。

便秘薬を服用してから、服用前には感じなかった痛みや張りを感じ出したら、医師に相談しましょう。

便秘薬による子宮収縮が起こっているのかもしれません。

なんだか脅しのような内容になってしまいましたが、便秘薬を処方することによる早産や流産は、医師から言われた容量・服用回数を守っていればまず起こりません。

実際に病院の点数制を用いて、便秘薬の影響を解説!

いくら「医師の指示通りであれば、服用していても母体や胎児に影響がない」と言われても医学的な根拠がないと不安になりますよね。

東京にある虎ノ門病院では、妊娠中に服用する薬の危険度を点数化しています。この点数化は長年の研究・動物実験・症例報告に基づいてされているものであり、多くの医療機関が参考にしているものです。

総合点数制では、点数が高ければ高いほど胎児に影響があると考えられています。

服用していた時期による危険点数×薬自体の危険点数=胎児への影響

このような算出方法で危険度を出します。

服用していた時期の危険点数は下記の通りです。

時期 危険点数
妊娠27日まで 0点(無影響)
妊娠28日~50日まで 5点(薬物の影響を受けやすい時期)
妊娠51日~84日 3点
妊娠85日~112日 2点
妊娠113日~出産 1点

次に、薬の危険点数ですが、処方される便秘薬の中でも強いプルセニドは危険点数が1点です。

服用時期の危険点数と薬の危険点数を掛け合わせて出た点数が総合危険点数となります。

総合点数 影響
0-6 胎児への影響はまったくなし
7-11 動物実験レベルで奇形報告があるものの、人では奇形の可能性はまずないと考えられている。
12-19 胎児への影響は数パーセントだが考えられる。
20-25 胎児が奇形となる可能性がある。

例えば、妊娠35日目にプルセニドを服用したとします。

服用時期危険度5点×薬剤危険度1点=6点

上記の計算により、総合危険度は6点で、胎児への影響は全くないと考えられるのです。

愛知県名古屋日天白区にある松田内科医クリニックでも、虎ノ門病院の総合点数制を参考にされており、妊婦さんにプルセニドを継続して処方したことがあるようです。

聖子さん(仮名,32才)は,元来元気な女性です. 今回がはじめての妊娠で,現在16週です. 日頃から便通が遠く,便秘薬が欠かせませんが,胎児への影響を考え妊娠中は薬はのまずにすまそうと,水分を多く取ったり,食物繊維の豊富なキノコ,海草,豆類をとり,がんばってきました. しかし,この10日間便通がなく,薬物療法の可否について相談に来院されました. 弛緩性便秘症と診断がついたため,プルセニド2錠を処方しました. 翌日には排便があり,その後は,産婦人科の先生とも相談し,妊娠に差し支えない程度の運動(妊婦スイミング)と食事療法とあわせプルセニドを継続して服用してもらうことにしました.
危険度総合点数は服用時期危険度点数(3点=妊娠16週)と薬剤危険度点数(1点=プルセニド)をかけあわせて3点であり,危険度は薬を飲まなかった場合とかわりなく,安心して治療を続けてよいと考えられました. その後は,2日に1度は排便があり,あかちゃんも順調な経過です.

実は、薬を全く服用したことのない妊婦さんから先天性異常のお子さんが生まれる確率も数%あります。

日本医薬品情報学術大会での資料にも下記のように記されています。

日本母性保護産婦人科医会の統計によれば、薬剤を服用していない健常な妊婦であっても、およそ1%の出生児に何らかの外表奇形が生じたことが報告されている。その後にわかる内臓の奇形なども含めると、少なくとも出生児の2~3%に何らかの先天的異常が生じると考えられる。

お腹の赤ちゃんのことを想い、薬に対して神経質になることも「母性」と言えますが、そこばかりに神経を使い妊娠期間をストレスフルに過ごす必要もありません。

ママのストレスの方が赤ちゃんに悪い影響を及ぼすこともあります。

万が一、医師に処方された通りに薬を服用したにも関わらず、先天的な異常を持つ子が産まれたとしても、それはママの責任ではないのです。

総合点数制による薬物の危険性ですが、便秘薬(プルセニド)が1点に対し、アルコールは4点になります。

薬だけでなく、妊婦さんが口にするものや口にする時期の影響を考えて、マタニティライフを送る必要性があるのです。

便秘が胎児にもたらす影響は、出産時の腸内環境にあります

これまでは「便秘薬」が及ぼす影響について述べてきましたが、ここでは「便秘」という症状自体が胎児や母体にもたらす影響を記載していきます。

薬に抵抗がある方は、服用せずに他の対策で便秘を改善しようとしても問題はないのですが、分娩の際には影響があるかもしれません。その為、陣痛時に下剤を処方する産院もあります。

赤ちゃんは出産の際、産道を通ってお腹から出てきます。

守られていた子宮から赤ちゃんが初めて出る時が出産であり、その際産道で赤ちゃんは口から菌を取り入れてしまうのです。

産道の環境は、ママの腸内環境ととても類似しています。便秘によって最近が増えてしまった産道を通る赤ちゃんは、直にその細菌を摂取してしまいます。

そして、出産時に取り入れた細菌がそのまま胎児の腸内に入り、赤ちゃんの腸内環境を作ってしまうのです。

「赤ちゃんの為に薬に頼りたくない」という気持ちはママとして当然ですが、妊娠後期にさしかかったら、腸内環境を整える為にも薬に頼る方が赤ちゃんの為には良いかもしれません。

薬を飲まず我慢するよりも、薬を飲んで出した方が良いことも!

薬を服用するということは、自然の力ではなく外部からの異物による刺激ですので抵抗を感じる人がいることも納得です。

薬に頼らず便秘を解消できたらベストなのですが、妊娠中はホルモンバランスが不安定な「特別な時期」でもあります。

薬を服用する時期や薬の強さによって、影響を考えなくてはならないこともありますが、医師の処方通りに服用していれば問題はありません。

便秘が理由で動けない日が続く、痔になってしまう、イライラしてしまうなどの方が胎児に悪影響を与えることがあります。

処方された薬を飲むか否かは、最終的に「自分が決めること」ではありますが、ストレスフルなマタニティ生活を送ることはおすすめできません。

また、出産が近い周期に入っても便秘が続くようでしたら、産道の環境を整える為にも我慢せずに医師に処方された便秘薬を服用する方が良いでしょう。

便秘の原因にはストレスも関係しているため、便秘に効くからと気が乗らない方法を試すことはストレスを招き逆効果です。

情緒不安定になりやすいのも妊娠中の特徴ですので、くれぐれも体調や気分と相談して無理のないようにして下さい。

自分の心の声を大切にして、少しでも便秘を解消できますように!そして、胎児とのかけがえのない妊娠生活を共に過ごしていきましょう。

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