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出産方法を選ぶ時の参考に!無痛分娩のメリットとデメリットとは

2015/02/20

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赤ちゃんには早く会いたいけど、陣痛や出産の痛みを考えると怖い、不安になるという妊婦さんもいますよね。最近では、痛みをあまり感じずに出産する無痛分娩という出産スタイルが注目されています。

そこで無痛分娩を希望したい、選択肢の一つに入れたいという妊婦さんに向けて無痛分娩について詳しく紹介していくので参考にしてみましょう。

無痛分娩ってどんな出産方法?

出産はどうして痛いのか

無痛分娩を考える上で、そもそも出産はどうして痛みを生じるのかを知っておきましょう。

陣痛が始まると赤ちゃんが外に出てくる道を作るために、子宮収縮が頻回になり子宮の出口付近が引っ張られて伸びるため、下腹部がキリキリと痛くなります。

更に、大きな赤ちゃんが細い産道を通って、外に出ようとする力が強まるため、膣から肛門の辺りにかけて、赤ちゃんの通り道が押し広げられて裂けるような強い痛みが走ります。そして大きな頭が出て、次に幅のある肩が出ると痛みは少し和らいできます。

出産時の痛みの感じ方は人によって違うとは言いますが、妊婦さんはみんな今までに体験したことのないような強い痛みを感じているようです。

無痛分娩とは

無痛分娩とは、陣痛が始まったら麻酔をかけて出産に伴う痛みの感覚を取り除いて赤ちゃんを誕生させる方法です。

無痛分娩は欧米の国々では普通の出産と考えられていて、取り扱う病院もたくさんあります。一方で日本ではまだあまり浸透しておらず、特殊な出産方法として捉える人が多いのも現状です。

というのも日本では古くから出産で産みの苦しみを味わってこそ、母性が育まれるという考え方がまだ残っているためだと考えられています。

しかし、最近は妊婦さん自身が希望する出産スタイルを選ぶという傾向が強く、無痛分娩を扱う病院も増えてきています。

きちんと知っておこう!無痛分娩のメリットとリスク

メリット

  • 痛みが軽減される
  • 無痛分娩の最大のメリットというと、やはり陣痛から出産後にかけての痛みが軽減されるということです。出産時の痛みは今までに感じたことのないような激痛だと聞かされると不安でたまらなくなったり、出産が怖いと感じ、気持ちが不安定になる妊婦さんもいます。しかし、無痛分娩を選べば出産への恐怖心も和らぎ、陣痛がきてもリラックスしてお産に臨めます。

  • リラックスして出産に臨める
  • 出産中は恐怖心から呼吸が荒くなってしまったり、膣や肛門付近に余計な力がかかって出産がうまく進まないこともあります。しかし、痛みを軽減することで無駄な力みがなくなるため、出産がスムーズに進むケースがほとんどです。

  • 会陰が伸びやすい
  • 普通分娩だと会陰に圧力がかかりすぎて裂けることもありますが、無痛分娩では会陰が上手く伸びるため、切開しなくても済むケースが多いとされています。

  • 体力の消耗が抑えられる
  • 痛みに耐えながら呼吸を整え、必死にいきんで出産する普通分娩は産後の体力の消耗が激しく、しばらく安静にして休むというのが一般的ですが、無痛分娩は疲労感も少ないため、産後の体の回復が早いのですぐに赤ちゃんのお世話ができます。

  • 帝王切開への切り替えがスムーズ
  • 出産の途中で帝王切開に切り替える必要が出てきても、すでに麻酔が体に入っているので時間をかけずにスムーズに手術に入ることができます。

  • 出産の予定がたてやすい
  • 無痛分娩では麻酔を使うので、出産時には麻酔医が必要となります。緊急を除き、麻酔医は昼間勤務する病院がほとんどなので出産の日にちを決めて、計画的に出産を行うことができます。あらかじめ出産日がわかるので、出産に向けて準備もしやすいと言えます。

リスク

  • 母体への影響として麻酔の副作用がある
  • 硬膜外麻酔を入れる背中の神経の近くには、足を動かす神経や排尿関係の神経があるので足の力が入りにくくなったり、足の感覚がなくなったり、尿を出す感覚が鈍り、排尿しにくくなることもあります。

    更に麻酔には血管を和らげて血圧を下げる作用もあるので、血圧が下がりすぎてしまう場合もあります。
    また、背中の皮膚がかゆくなったり、体が熱くなって発熱する場合もあります。

    稀なケースですが、麻酔が髄液に入ってしまうと上半身にまで麻痺が広がり、息苦しくなったり意識が遠のく、口の中がしびれるといった症状が出ることもあります。

  • 赤ちゃんへの影響はなし
  • 妊婦さんが一番気になるのが、赤ちゃんに何か影響があるのではないか?ということでしょう。

    硬膜外麻酔だと、使われる麻酔液の量も帝王切開で使われる量の大体3分の1ぐらいとかなり少なく、赤ちゃんに万一届いたとしても、ごく微量で健康には問題ない量だとされています。

    そのため、無痛分娩の麻酔が赤ちゃんに悪影響を与えるということは考えにくいと言えます。

デメリット

  • 行っている病院が少ない
  •  
    無痛分娩自体はまだ日本では一般的な出産方法ではなく、実際のところ行っている病院がまだ少ないのが現状です。自分が出産を希望する病院で行われているとも限らないので、病院選びが難しいのもデメリットの一つです。

  • 早産などの場合は普通分娩になることも
  • 更に、麻酔医の勤務の関係で事前に出産日を決めておく必要がある病院だと、体調が急変して早産となってしまった場合は麻酔医が間に合わなくて、無痛分娩にすることができず、結局自然分娩になってしまう可能性もあります。

選ぶ前にチェックしよう!無痛分娩が行える条件と費用

適している人

  • 痛みに弱く、出産への恐怖心が強い人
  • 血圧が高めな人 麻酔薬は血圧を下げる作用がある
  • 体力がなく、長時間の出産に耐えられるか不安な人
  • 心臓病などが病気を抱え、できるだけ体に負担をかけずに出産したい人
  • 緊張しやすく、パニックに陥りやすい人
  • 産後のサポートが望めない人

向かない場合

  • 血が固まりにくいなど血液の病気を抱えている人
  • かなり肥満体型な人や腰骨が曲がっている人
      (皮下脂肪が分厚いと麻酔のチューブが入りにくいため)
  • 帝王切開での出産経験がある人
  • 麻酔アレルギーがある人

費用

無痛分娩の費用は健康保険の適用外なので、自己負担となりますが、麻酔を使う分普通分娩の費用に加算されるため、少し高額になります。

平均的な費用としては、個人病院では1万から5万円前後、総合病院で3万から8万円前後、大学病院では5万から10万円前後 が相場となっています。

費用は病院によってかなり開きがありますが、入院日数や麻酔の種類や器具、スタッフの人数などが病院によって異なるからです。

また、途中で急遽帝王切開に変更になった場合は無痛分娩に関する費用がかからない病院もあるので、確認しておきましょう。

更に、無痛分娩の途中で赤ちゃんがなかなか出てこないため、吸引措置が取られると別に費用が加算される場合もあります。

無痛分娩に使われる局所麻酔

硬膜外麻酔

背中に針を入れてチューブを通し、脊髄を覆っている硬膜の外にあるとても細い硬膜という部位に麻酔を注入する方法で、妊婦さん自身の意識もあり、下半身のみの感覚を鈍らせるだけです。

無痛分娩でよく用いられる麻酔法 の一つで、麻酔の量を調整しながら産後まで少しずつ注入し続けるので、途中で麻酔が切れる心配もありません。

痛みの感覚だけを取り除き、子宮収縮などはそのままなので出産時のいきみも可能で、血液中に麻酔が入り込まないので赤ちゃんへのリスクもほぼありません。

会陰部神経麻酔

出産時に産道を通って赤ちゃんの大きな頭が狭い会陰を押し広げる際に感じる痛みを和らげるために、出産の途中で会陰に麻酔を注射する方法 です。

麻酔は会陰付近にのみ効いているので、赤ちゃんや母体への影響もほぼありません。 ただ、陣痛から赤ちゃんが出てくるまでの間の痛みを乗り切る必要があります。

脊椎麻酔

脊椎に麻酔を注入し、痛みを含めて全ての感覚を麻痺させる方法です。陣痛の痛みなどに苦しむことはなく、痛みも感じない反面、陣痛が弱くなったり赤ちゃんがなかなか出てこなくて吸引を行うといったケースもあります。

あらかじめ知っておくと安心!無痛分娩の流れ

入院してから

無痛分娩は、計画出産がほとんどなので出産日を決めて前日から入院するという病院もあります。

入院後は分娩監視装置をつけて、赤ちゃんの心拍を見たり、内診で子宮口の開き具合などを確認するなどして出産の進み具合をこまめにチェックしていきます。

そして、陣痛が始まる前に硬膜外麻酔の場合は麻酔を注入するための準備を行います。背中を丸めて座るか、横になり背中をキレイに消毒して針を刺しても痛みがないように、皮膚麻酔を塗ります。

そして専用の針を硬膜外にまで差し込み、針の中に麻酔液を注入するためのカテーテルという細いチューブを入れてから針を抜きます。

陣痛が来たら

陣痛が始まり子宮口も5センチ程度まで開いてきて、痛みが強くなってきたら、子宮口が更に開くまで様子を見ながら麻酔液を少しずつ入れていき、痛みを軽減させます。

ただ陣痛を全く感じない位まで麻酔を効かせてしまうと、お産がどの程度進んでいるか自分でも感覚がないのでわからず却ってお産が進みにくくなることがあるからです。

通常の陣痛よりもはるかに痛みは軽く、少し下腹部がジンジンする程度のなので食事をしたり家族と会話をする余裕も生まれます。

いよいよ出産

陣痛の痛みを逃しながら時間が経つと、子宮口が全開になっていよいよお産がスタートします。タイミングを図りながら数回いきむと、赤ちゃんが産道を通ってくるので頭が見え始めます。狭い会陰が引き伸ばされかなり激しい痛みが生じるので、ここで会陰部麻酔を行います。

麻酔をすれば筋肉がほぐれるので、会陰も伸びやすくなり赤ちゃんの頭や肩がスムーズに抜けてでてくるという感覚はあります。

また、万一会陰が裂けてしまいそうな場合はあらかじめ切開しますが、麻酔がかかっているので痛みはありません。

産後は

赤ちゃんが無事に産まれ、胎盤も出てきて産後の処置が済んでもまだ麻酔が効いているので、下半身の感覚は鈍いままです。麻酔用のカテーテルも抜かれます。

下半身の感覚は通常産後から2、3時間で戻るとされています。麻酔が抜けてくると、徐々に腰周りや会陰に痛みを感じる場合もあります。

また人によっては、麻酔の影響で頭痛がしばらく続くことはありますが、体力の回復が早いので赤ちゃんのお世話も早くからできるようになります。

無痛分娩を選ぶ前にもう一度確認!

無痛分娩での出産を選ぶ上で、確認しておきたいことをまとめてみたので最後にもう一度チェックしておきましょう。

  • 無痛分娩に向かない条件に当てはまらないか
  • 無痛分娩のメリットだけではなく、リスクも理解しているか
  • 自己負担で必要な費用を支払えるか
  • 入院から分娩の流れが理解できたか

チェック項目を確認しながら、自分で納得のいく出産スタイルを選びましょう。

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