妊婦さんが救急車を呼ぶ基準は?基本マナーと産院指示の確認を!

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2017/06/15

緊急事態で救急車に電話している妊婦さん

妊娠中、特に初産の妊婦さんは体の小さな変化やお腹の違和感にとても敏感になりますよね。

しかし、妊娠は病気ではありません。陣痛も赤ちゃんが生まれるための自然なサインです。

よって、基本的には通院や出産で産院に向かうために救急車を利用するのはNGとされています。しかし一方で、一刻を争う事態には救急車を呼んだ方が良いケースもあるようです。

今回は、妊婦さんのトラブルについての考え方と、救急車を呼んだほうがいいかどうかの判断法、覚えておきたい対処法について見ていきましょう。

救急車はNG…情報共有や陣痛タクシーの登録で安心!

「出産は病気ではない」「陣痛や破水は赤ちゃんが生まれてくるための自然な現象」と頭では分かっていても、自宅などでそれらが起こると冷静な方でも焦ってしまいそうですよね。

しかし、一度お産の兆候があると赤ちゃんはどんどん生まれてこようとします。

落ち着いて対処するために、情報収集や共有、必要な登録等を事前にしておきましょう。

「うちには車があるから車で向かえばいいや」と思われる方もいるかもしれませんが、妊婦さん自身で運転をされることは危険なので避けましょう!特に痛みや異常、出産の兆候がある時はなおさらです。

正常な出産の兆候等で救急車を呼ばなくても良いよう、産院までの“あし”についてしっかり考えておきましょう。

まずは旦那さんや身内の方に協力を頼んでおこう!

お産の兆候や急な体調異変は予期できない場合も多いですが、夜間や普段も頼めるときは、旦那さんや近隣の身内等、身近な方に産院まで連れて行ってもらえるよう頼んでおくと良いですね。

自家用車がある場合やすぐに迎えに来てもらえる場合に限りますが、いざという時に慌てず安全に産院まで向かえるよう、協力のお願いと共に以下をしておくと心強いです。

  • 産院の名前・場所等を確実に伝えておく
  • 協力者の電話にも、産院の電話番号を入れておいてもらう
  • カーナビに産院を登録しておく
  • 破水や出血での通院の可能性を考え、車にレジャーシートやペットシーツ、バスタオル等を備えておく
この方法は、タクシーを手配するよりも早くに産院に向かえる分、時間短縮の面でメリットがあります。

しかし、いざという時に協力者不在の場合や、身近な方も動揺してしまう場合もあるため、その他の方法と併せて考えておくとより安心です。

近隣のタクシーについて調べておこう!「陣痛タクシー」登録でなお安心!

緊急受診になった時に、交通手段に悩まず済むように、地域のタクシー会社や配車方法・連絡先について調べておきましょう。

日頃は徒歩や公共交通機関等で健診に通っている方も、緊急で受診をしたいということは「トラブル」が起こっているということになります。少しでも早く安全に病院に送ってもらう必要があります。

近年では妊婦さん専用の『陣痛タクシー』も定着して、登録している方も多いようです。

陣痛タクシーは、地域や会社によって若干サービスやニュアンスが異なりますが基本的には、以下のような特徴を持つタクシーです。

日本交通株式会社のサービス例

  • 陣痛タクシー専用ダイヤルがあり、24時間365日オペレーターが対応してくれる
  • 事前登録をしておくことで、妊婦さんの出産時や何かあった際に、スムーズな配車・病院まで安全に送り届けてくれる
  • 出産予定日・かかりつけの産院を登録しているので、スムーズに産院に向かってもらうことができ、痛み等で道案内ができない場合も付き添いなく一人で乗車できる
  • ドライバーが、妊婦さんを安全に送迎する方法や、万が一に備えての講習を受けている
  • シートを汚してしまってもクリーニング代を請求されない
  • 定期健診や受診にも利用できる

妊婦さんがお産の兆候やトラブルを感じた際にスムーズに産院に向かうためには、妊娠経過や体調が安定している間に、交通手段について情報収集・共有・登録等をしておくことが大切ですね。

救急車を呼ぶことを必要と判断されるケースもある!

基本的には気になる症状やお産の兆候が現れた際には、産院に連絡の上「タクシーや自家用車、公共の交通機関」で通院するのがマナーですが、妊婦さんが絶対に救急車を呼ぶのがNGという訳ではありません。

むしろ、救急車を呼ぶべき事例や呼んでよかった事例もあります。参考にしてみてください。

事故や意識障害等、一大事や様子がおかしい場合

『消防庁 救急車利用マニュアル』を参考にしましょう。正常な妊娠経過以外でおかしいと思う点を見つけたり一大事に陥った際は、迷わず救急車を呼んだ方が良いです。

妊婦さんは、外出時に意識を失ってしまったり等という万が一の事態に備え、自身が妊娠中であることを救急隊員や周りの方に伝える為に「母子手帳」や「マタニティマーク」を携帯しておきましょう。

マタニティマークだけだと、妊娠の経過や赤ちゃんのより正確な情報が分かりません。救急隊員の方の適切な対応のためにも、母子手帳の携帯はとても大切です。

自分で、もしくは身近な方が救急車を呼ぶ場合には、必ず妊婦であることと週数を電話口で伝えるようにしましょう。

赤ちゃんが生まれてしまったり、頭が出てきている場合

産院サイトには、万が一自宅で急な出産の兆候が現れた時の対処法が記載されています。

  • 自宅で急にお産が進んだ
  • 赤ちゃんの頭が出てきた

こういった場合は、産院に連絡をするより先に救急車を要請するよう説明されています。

緊急の場合には、ただちに救急車を呼ぶことが大切です。

産院に救急車を呼ぶよう指示された場合

また、痛みやトラブルが起こり産院に相談をした際、一刻を争うケースであったり救急受診が必要だと判断された場合には、救急車を呼ぶよう指示されることもあるようです。

かかりつけの産院に行ったものの、その産院では対応できない症状の場合、より高次の周産期医療センターに産院から搬送されるケースもあります。この場合は、救急車を呼ぶのは医療スタッフです。

基本的にはかかりつけの産院への連絡が第一ですが、そこのスタッフが救急車が必要だと判断をした場合には、落ち着いて指示に従うようにします。

過強陣痛・常位胎盤早期剥離…結果的に119番通報が命を救った例

妊娠や出産は十人十色、痛みの感じ方にも個人差があるため、『この場合には即救急車を!』という情報はあまり開示されていないように感じます。

しかし、妊婦さん本人や周りの方々が、「明らかにおかしい」と感じた際に救急車を呼ぶことをためらっていたら、大変な事態になってしまう可能性も大いにあります。

母子ともに命の危機にさらされていたかもしれない、という例を紹介します。

Bさんの自宅で起こった非常事態の例

筆者の知人Bさんは妊娠経過は直前の健診でも問題なく、予定日までまだ1ヶ月程度ありました。

  1. Bさんは、夜間に自宅で陣痛が来ました。
  2. 予定日より大分早いなと感じたものの、産院のマニュアルに従って陣痛の間隔をはかり、時が来たら産院に連絡を入れようと準備をしていました。
  3. 途中から「大分痛いな」と感じながらも、「陣痛は痛くて当然か」という思いで耐えていました。
  4. しかし、通常の陣痛ならもう波が引く頃になっても引かず、あまりにも苦しそうに何分も叫び続けているBさん
  5. 異常事態だと感じたBさんの母が、Bさんに呼びかけるも応答がなく、意識もだんだんと遠のいていくように感じました。
  6. Bさんの母が救急車を要請し、救急隊員の判断でBさんはかかりつけの個人産院ではなく、行ったことのない総合医療センターに搬送されました。
  7. .緊急帝王切開で母子ともに無事でしたが、常位胎盤早期剥離(ソウハク)とういう母子ともにとても危険な状態でした。
「あと少し対処が遅かったら…」という非常に緊迫した事態であったということを医師に明かされたそうです。

Bさんの場合、Bさん自身の中に「陣痛は痛くても耐えるものだ」「陣痛で救急車を呼んではいけない」という、妊婦としての心構えやマナー意識があったことがわかります。

しかし、そのまま過強陣痛(強すぎる痛みが長引く陣痛)となり、意識が朦朧としてしまいます。

もしBさんが一人きりの状況であったら…。本人も「母がいなかったら」と思うと怖くいと言っていました。

「明らかにおかしい」と思ったら救急車を視野に入れることも大切

基本的には妊娠や出産の経過による理由での救急車の要請はタブーです。

しかし上の例のように、妊婦さんに思いもよらないトラブルが起こり救急車を呼んだからこそ救われた命があるのも事実です。

「タクシーより早く病院に着きそうだから」「規則的な陣痛がつらいから」といった理由で救急車を呼ぶのは考え物です。

しかし上の例のように、ご自身や周りの方が「明らかにおかしい」と感じた場合には119番を視野に入れることも大切です。

基本は産院に連絡をして指示を仰ぐようにしますが、妊婦さんにも急に一刻を争う事態が訪れる可能性がある、ということも覚えておきましょう。

救急車は適正利用が原則!妊婦さんの相談先の基本は産院!連絡法を紹介!

日本の消防活動を統括する総務省消防庁は、救急車の適正利用を呼び掛けています。

よく、「タクシー代わり」や「早く診察してもらいから」等、身勝手な理由で救急車を呼び、本当に救急車が必要な人の元への到着が遅れてしまうといったことが問題となっていますよね。

妊婦さんの体調不良や陣痛による119番通報はこういった非常識が理由ではないと思います。

しかし妊娠は病気ではない為、緊急事態でない限りは救急車を呼ぶことは基本的にはタブーとされています。

救急車・救急隊員の数には限りがあります。正常な陣痛等で要請をしている間に、事故に遭って命の危険にさらされている人がいるかもしれません。

しかし、妊婦さん自身とお腹の赤ちゃんの体が大切なことはもちろんです。

では、妊婦さんに自己判断に迷うトラブルが起こった際にはどうするのが良いのでしょうか。

よほどの緊急時でない限り、まずは、かかりつけの産院へ連絡をするのが最優先です!ケース別に連絡のタイミングを見てみましょう。

自宅で「陣痛」が!落ち着いて時間を見ながら連絡を!

多くの産院では、母親学級や助産師さんからのマニュアルや指導で、自宅で陣痛が起こった場合に「陣痛の間隔が○分を切ったら病院に連絡を入れてください」と伝えています。

「陣痛かな?」と思う痛みを感じた場合には、落ち着いて時間や痛みについてのメモを取りながら、連絡すべきタイミングが来たら病院に連絡を入れましょう。

病院によって連絡のタイミングとする基準に多少の違いがあるかもしれません。参考までに筆者が出産した産院(産婦人科個人クリニック)では以下のようになっていました。

  • 初産婦は、定期的な子宮収縮(痛み)が10分おきになった時
  • 経産婦は、15分おきになった時
  • 健診時に出産・入院において指示があった場合は、その指示に従って連絡

今は、痛みを感じた時やおさまった時にボタンを押すだけで陣痛の間隔がわかったり、連絡をするべき間隔になったら産院の電話番号が表示されるといったスマホアプリもあります。

救急車同様、産院の電話回線やスタッフにも限りがあるため、「陣痛かも」と感じた段階ですぐに連絡を入れるのではなく、予め産院のルールを確認しておくとともに、落ち着いてメモやアプリを活用しながらタイミングを見てくださいね。

「破水」を感じたらすぐ連絡を!判断に迷う際は経過観察も

出産は、陣痛から始まるケースが多いようですが、まれに破水から始まることもあります。筆者自身は自宅での完全破水がお産の兆候となりました。その際の産院の指示も含め、紹介します。

破水は、赤ちゃんを包む卵膜が破れ、中の羊水が出てくる現象であり、お産の兆候のひとつです。破水をすると、感染のリスクが高まるため、基本的には入院すると出産を終えるまで病院から出ることはできません。

破水についてはこんな感じでした。

  • 生あたたかい水が流れ出る。
  • 尿とはちがう
  • トイレまで我慢できない
  • 自分の意思で止めることができない。

破水を感じたら、以下のような基準で産院に連絡をいれましょう。

  • あきらかな破水で大量の羊水が流れ出たらすぐに連絡
  • 破水かわからない場合は、ナプキンを30分あてて経過を見、その間にナプキンが濡れたらその旨を連絡
  • 大幅に予定日を下回る週数や、なにか異変をともなう破水を感じた際はすぐ連絡

なお、先述の通り、破水によって赤ちゃんは外界がつながるため、感染のリスクが高まってしまいます。

破水後は大量のおもらしのような生臭さ・不快感を感じる場合が多いと思いますが、シャワーやビデなどでの洗浄は避け、清潔なナプキンや大人用紙オムツをあてて連絡をし指示に従うようにします。
「破水をしたら一刻も早く病院に行かなければならないため、救急車を呼んだ方が良いのか」と悩む方も多いようです。

筆者は、『完全破水』ということでしたが、タクシーで来院するよう言われました。

ケースによるとは思いますが、これまでの経過や週数が安定し、産院まで適度な距離である場合には、「一分一秒を争う」事態ではないようです。まずは落ち着いて産院に連絡をしてください。

「出血」もお産や異常のサインかも?出血がある場合も基本はすぐ連絡を!

妊婦さんの気になる症状に、『出血』もあるかと思います。

出血は、お産の兆候の一つである、茶色やピンクのおりものが少量付着する程度『おしるし』のほかに、時期や場合によっては異常を発するサインである場合もあります。

日本産婦人科学会によると、流産の兆候として出血が見られる場合もあるようです。しかし、救急受診をしても対処法がなかったり、問題が無い出血である場合もあると説明されています。

出血が見られた場合も、すぐに救急車の要請や診察時間外の産院に向かうのではなく、まずは産院に電話連絡をし、指示を仰ぎましょう。

今すぐ(時間外でも)受診をするべきなのか、外来のある時間帯に受診をすれば良いのか、出産が近づいている場合には取るべき行動等を教えてもらうことができます。

産院の連絡先はしっかりチェック!連絡先が複数ある場合も!

「産院は24時間医師や助産師さんが常駐しているはずなのに、何度電話をかけても誰も出ない!」と産院への連絡時に慌てる妊婦さんもいるようです。

出産施設には、診察の予約や問い合わせのための電話番号の他に、そこにかかっている妊婦さんに伝えられる『夜間・休日専用ダイヤル』がある場合が多いです。

妊娠中に何か気になることや不調が起こった場合には、外来用の番号に電話をかけ問い合わせをするのがまず第一です。

夜間など外来時間外にトラブルが起こった場合、妊婦さん自身が焦り、さらに産院に連絡しても繋がらないという不安から正常な判断ができず、119番にかけてしまうというケースもあるようです。

受診した際に、緊急時の連絡先や取るべき対処法・行動について事前に聞いておくと共に、携帯電話や家の中のわかりやすい場所に産院の連絡先(時間内・外)を書き留めておきましょう。

落ち着いて行動するために…日頃から4つの心がけを大切に!

妊婦さんのトラブル時や出産が近づいた際に「どのような場合に救急車を呼ぶべきか」については、明確な基準は設けられていないようです。

しかし、妊婦さんの心がけや準備の有無で、困った時に落ち着いて行動できるか否かが変わる場合もあります。

妊婦さんは、極力救急車に頼らなくとも良いように日頃から以下の4つのことを心がけておきましょう。

1.定期健診・気になる症状は初期に受診、で不安を減らしておこう!

妊婦健診は、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を定期的に確認する、とても大切な健診です。

アドバイスや投薬でトラブルが落ち着く場合もありますし、妊婦さん自身が不安を打ち明けることから検査や経過観察が始まる場合もあります。
2.妊娠過程に興味を持ち、予習と準備をしておこう!

「妊娠し数ヶ月経つと胎動を感じる」「出産が近づくと陣痛が起こる」などの知識がまったくないと、胎動や陣痛そのものを「異常」だと思いパニックに陥ってしまいますよ。

小さなリスクまで調べすぎて、不安なマタニティライフを送る必要はありませんが、妊婦の心構えとして、妊娠初期~出産までの過程についてはある程度知っておいた方が安心にもつながります。

また、何かあった際に慌てず行動やSOSのサインを出せるよう、母子手帳と健康保険証をまとめておいたり、出産予定日が近づいてきた際は早めに入院に必要なものをまとめておく等、準備をしておくことも大切ですね。

3.身近な人には必要なことを伝えておこう!周りが慌てないことも大切!

妊婦さんご自身がさまざまな心構えをもつことはもちろん大切ですが、周りの人が焦って救急車を呼んでしまう、というケースもあります。

周りの人に「妊娠の事実」と「万が一の際にお願いしたいこと」を事前に知らせておくことで、周りの人も落ち着いて行動することができますね!

職場や周りになかなか妊娠の事実を打ち明けにくい場合もありますが、何か起こってしまってからでは遅いのも事実。お腹の赤ちゃんのためにも、必要な情報は共有しておくことをおすすめします!

悪阻でちょっと気分が悪いだけなのに、トイレから出てこないからと周りが焦って救急車を呼んでしまっても大変ですよね!
4.産院以外の地域医療も把握しておくことで、より安心に!
事前に産婦人科以外の地域の病院・医療施設や、困った際の相談先についても調べておくと安心です!

例えば、東京都等いくつかの都道府県では、「救急車を呼ぶべきなのか?」「今すぐに病院を受診した方が良い症状なのか?」といった疑問に答えてくれる専用ダイヤルがあります。(#7119 救急相談センター)

救急相談センターに相談をした結果、救急車が必要だとスタッフの方が判断をした場合、救急車が来てくれるというのも安心です!

出産予定の地域の医療について事前に調べておくことも、不要なトラブル回避や安心につながります!

妊婦さんは、日頃からこれらのことを心がけていざという時に焦らないようにしてくださいね。

安心できるマタニティライフ・出産のために

妊娠中は小さな事でも気になったり、陣痛は想像を超える痛みであることも多いです。

「何かあったら救急車を」という考え方は、たしかに気持ちが楽になる面もありますが、不適正な利用が問題視されている現代、「陣痛=救急車」という考え方はマナー違反です。

周りの方との連携や、スムーズな通院に繋がる情報収集や手続きをしっかりとしておくことが、より安心なマタニティライフ、そして出産につながるのではないでしょうか。

「万が一の事態には救急車を」ということを大前提とした上で、今できる事やトラブル時の対処法について、リストアップや身近な方との情報共有をしてみてくださいね。

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