子供の心肺蘇生法の手順は大人と違う!覚えておけば焦らない

2016/01/24

親に守られている赤ちゃん
あまり考えたくはありませんが、生きている以上は子供に命の危険が迫ることが来ないとは言い切れません。もし子供の呼吸が止まってしまったら…

とっさにどのような行動を取るかが生死を分けるということもあります。

職場や自動車教習所などで救急救護の講習を受けたことがある方も多いことでしょう。また母親学級でも赤ちゃんの人形を使って心肺蘇生法の練習ができることもよくあります。

でも今、それを正確に覚えていますか?特に心臓マッサージはかなり強い力で行なうイメージですが、子供、特に赤ちゃんに対しては大人と同じ力ではダメなのでは?回数も同じでいいの?と不安になってしまうのではないでしょうか。

そこで今回はいざという時、我が子だけでなく事故や災害に遭遇した時など誰かの命を救えるかもしれない心肺蘇生法をご紹介しますので、しっかりと頭に入れておきましょう!

子供の呼吸がない!?まずは反応を確認して119番に通報

何らかの原因で子供の呼吸が止まっている!と思ったら、すばやく呼吸の有無、声掛けに反応するか確認した上で119番に通報します。周りに誰かいる場合には大きな声ですぐに119番するよう頼みましょう。

反応の確認ですが、1歳未満の場合には足の裏を刺激、1歳以上なら大人の場合と同じように声を掛けながら軽く肩を叩きます。呼吸の有無は胸やお腹が上下しているか
どうかで判断すると分かりやすいです。

心臓の動きに関しては素人には判断が難しいため、脈を取ったりする必要はありません。まず呼吸があるかどうかの確認だけで、呼吸がなければ心臓マッサージと人工呼吸を始めます。

もし一人だけで通報も応急処置も行う場合には、119番をダイヤルしたら電話は持たずに通話できる状態にして心肺蘇生を行ないましょう。非常に難しいことですがパニックにならずに動くことで子供の命を救える可能性が上がります。

手順を頭に入れよう!心臓マッサージ・人工呼吸の行い方

では具体的な心臓マッサージと人工呼吸のやり方を覚えていきましょう。

【心臓マッサージ】胸の1/3の深さ、1分間に100回の速さで!

呼吸がなければ心臓マッサージにうつります。圧迫する場所はだいたい「胸の中央」と覚えておけばいいですが、より正確に知っておくと安心です。

1歳未満の乳児と1歳以上の子供でやり方が異なりますので、しっかりと見ていきましょう。

1歳未満の赤ちゃんの場合

1歳未満心臓マッサージ

圧迫する場所は、乳首を結んだちょうど真ん中から指一本(1.5~2cm)下。図の青い〇で示している部分です。

ここを人差し指と中指の2本で真っ直ぐ下に押していきます。深さは赤ちゃんの胸が1/3へこむ程度で、およそ4cmくらいです。1分間に100~120回でしっかりとリズムを保って行います。

1分間に100回は目安でOKです。多少多かったり、少なかったりしても仕方ありません。

1歳以上の子供の場合

1歳以上心臓マッサージ

圧迫する場所は胸骨という胸のちょうど真ん中に縦にある骨の下の端から、指2本分(3~4cm)上に手のひらを置いたところです。

手のひらの根元あたりの広い範囲で押していくため、ほぼ場所が合っていれば大丈夫。しっかり胸骨を押していけるように左右にずれないことが大切です。

日頃から「この辺りかな?」とお子さんの体で確認しておくと、いざという時に慌てなくて済みますね。

こちらも深さは胸が1/3へこむ程度。体格によって異なりますが4~5cm程度です。子供を仰向けに寝かせて胸の暑さを測っておき、どのくらい押し込めばいいのか知っておくようにしましょう。

4~5cmというと結構強く圧迫する必要があります。実際に押している手がどのくらい沈みこめばいいのか、定規を使って感覚を何となくつかんでおきましょう。

【人工呼吸】気道を確保し1秒かけて息を吹き込む

心臓マッサージと併せて人工呼吸を行なえば、さらに効果が上がります。1歳未満と1歳以上で少し方法が違うためにしっかり覚えましょう。

まず、しっかり空気が通るように気道確保を行ないます。意識を失ってしまった場合には喉の筋肉が緩んでしまって、空気の通り道である気道が狭くなってしまうためです。

気道確保の方法

図のようにあごを持ち上げて、頭を後ろにそらせるようにすると咽喉が開き気道が確保されます。

この状態で人工呼吸をしていきますが、その間に元に戻ってしまうこともありますのでタオルなどを首の後ろに当てて、頭をそらした状態を保てるとよりいいですね。

1歳未満の赤ちゃんの場合

1歳未満人工呼吸
1歳未満の場合は「鼻と口をしっかり覆ってしまうように」というのが基本なのですがすっぽり覆ってしまえない場合には鼻から息を吹き込む方法もあります。

1秒かけて息を吹き込み、胸が膨らむことを確認しましょう。心臓マッサージ30回の後に人工呼吸2回を繰り返し、呼吸が戻るまで続けます。

1歳以上の子供の場合

1歳以上人工呼吸

1歳以上の場合は口と口をしっかりつけて行います。この時、確実に肺に空気を入れるために鼻をつまみましょう。

乳児と同じように心臓マッサージ30回の後に1秒かけて2回の人工呼吸を繰り返します。胸がしっかり膨らむように気道を確保したままで行なってください。

子供の場合には心臓マッサージにプラスしてこの人工呼吸を行なうことが効果的ということなので、しっかり覚えておきましょう。

昔と変わっている!?定期的に心肺蘇生法をチェックして

「昔講習を受けた時とはちょっと違う気がする…」という方もいらっしゃるかもしれません。私も自分の手元にあった救急救護の本と現在の心肺蘇生のガイドラインとは内容が異なっていました。

実はこのガイドラインは、より生存率を上げるために約5年ごとに見直されているんです。

以前は呼吸がなければ「まず気道を確保して人工呼吸」と言われていたんですが、先ほどご紹介したように「まず心臓マッサージ」に変わっています。

またAEDについても乳児には使用せず、小児用電極パッドは1歳以上8歳未満とされていたのが、AEDは乳児にも使用できて小児用電極パッドは6歳くらいまでと変わっています。

ご家庭でAEDを使うということはないにしても、いざという時の人命救助には役立つものですからAEDの使い方の講習を積極的に受けておくことをオススメします。

今後また変わっていく可能性がありますので、消防庁や医師会のサイトなどで定期的に新しいものに変わっていないかチェックし、改めて手順を確認しておくと安心ですね。

ただ「今までの方法は間違っている」ということではないので、いざという時には自分が覚えている方法を行なうことが大切。その場になってから「どうするのが正しいの?」と不安になることはありません。「まず行動すること」を心がけましょう。

年に一度は確認しよう!いざという時は落ち着いて行動を

いかがでしたか?ちゃんと講習を受けたという方も、いきなりその知識が必要となった時には「どうすればいいの!?」とパニックになってしまうかもしれません。

特に小さな赤ちゃんの場合はどのくらい力を入れて心臓マッサージをすればいいのかも分からず、落ち着いて行動出来ない可能性があります。

そうならないためにも少なくとも年に1回は防災の日などの時に、防災グッズと避難方法、心肺蘇生法をチェックしておくといいですね。

この知識が必要になることが無い方がもちろんいいのですが、家庭ではお風呂で溺れたり、乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険があったりと小さな子供が命を落としてしまうことも決して珍しくはありません。

「うちの子は大丈夫」と思わずに親として必ずこういった知識を持ち、パニックにならずに対処できるようにしておきたいですね!

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