子供の「聞く力」ってなに?今すぐ親子で鍛える「聞く力」

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2015/05/06

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私たちは、「話す力」より「聞く力」をおろそかにしがちです。でも「聞く力」はコミュニケーションの大切な基礎。

そして、「聞く力」は育てないと身につかないのを知っていますか?「人の話を聞く」、ということは、ただ、黙って相手の話を聞き流すことではないからです。

「聞く力」って必要?

園の参観日。クラスに貼り出してある、「○○さんのいいところ」。先生が、ひとりひとりの子どものいいところを書き出したものです。

「朝の準備が、一人でできるようになったね」とか、「コマが上手に回せるようになったね。」とか、「お友達に順番を代わってあげられるようになったね。」など、微笑ましい言葉が並んでいます。

その中で「ん?」と思うものがありました。「人の話をしっかり聞けるチャンピオン!すごい!」…話を聞けるチャンピオンって、どういうこと?

先生の話を座っておとなしく聞くのは、幼い子どもには、そんなに大変なことなのかしら?などと思いませんか?

でも、実は、「人の話をしっかり聞ける」ということと、「先生の話をおとなしく座って聞いている」というのは、同じようで全然違う事なんだそうです。「聞く力」を身につけていないと、人の話をしっかり聞けるようには、ならないというのです。

「聞く力」が育つ、始まりは?

人は、どうやって「聞くこと」を身につけていくのでしょう?実は、これは子どもだけの問題ではありません。「聞くこと」はお母さんのお腹の中にいる、胎児の頃から始まっていることだからです。

胎内にいるときから「聞く」

生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんの声にとても敏感に反応しますよね。お母さんのお腹の中にいるときから、赤ちゃんはお母さんの声や話している言葉を、ちゃんと聞いているんです。

ところが、お父さんの話しかけにはあまり反応しません。女性の優しい声が好きなのではないかと、女性の看護師さんに優しく話しかけてもらっても、やはりほとんど反応しません。

お母さんの声なのか、ほかの人の声なのかをわかっているんです。お腹にいるあいだに、赤ちゃんは自分のお母さんを、しっかり識別しているんですね。

また、イタリアの研究者が、お母さんにフランス語やドイツ語の文章を覚えてもらって、その文章を赤ちゃんに話しかけてもらいましたが、赤ちゃんはほとんど反応しなかったそう。赤ちゃんは、声だけでなく言葉の調子やリズムもわかっているみたいです。

つまり、お母さんと子どもの関係は、妊娠中から始まっている、ということです。ですから、赤ちゃんの誕生を楽しみにして、幸福な気分でたくさん話しかけてあげてくださいね。

まだお腹にいる赤ちゃんによく歌ってあげた歌はありませんか?産後、その歌を子守唄にすると、赤ちゃんはとても安心してスヤスヤ眠るものです。

胎児の頃によく聞いた歌を聞くと、温かいお母さんのお腹のなかで守られていたことを思い出して、安心するんでしょうか。

胎内にいるときから、話し声や歌声を聞いて反応している私達。コミュニケーションの基礎「聞く」は、胎児の頃からもう始まっているのです。

赤ちゃんにも話しかけて!

「赤ちゃんは言葉がわからないのに、話しかけたって無駄でしょ?」いえいえ、先にお話したように、体内から、お母さんの言葉を聞いて、きっちりお母さんを識別できる赤ちゃんなのですから、たくさん話しかけてあげましょう。

周りの人が赤ちゃんに話しかけたり、笑いかけたりする。
⇒赤ちゃんも笑ったり、「あーうー」「えっえっ」など、声を出すなどの反応をする。
⇒それを受けて、周りの大人が、微笑んだり、うなずいたり、返事をしたりして反応する。

赤ちゃんはここで、話しかけられたり、聞いてもらったりするなかで「相手を受け止める」ということを学びます。

言葉がわからないからといって、赤ちゃんに話しかけないのはNG。赤ちゃんは話しかけられることから、聞く力を発達させていくのです。

人間関係の基礎を作る幼児期

さて、言葉がわからないながらも、話しかけられたり、反応を受け止められたりして、聞いたり聞いてもらったり、ということを覚えていく乳児期。

それから言葉の意味が少しずつ分かるようになって、いよいよコミュニケーションの本格的な基礎を学んでいくのが、幼児期です。

家庭環境から「聞く」

では、子ども達はどうやってコミュニケーションを学んでいくのでしょうか?

答えは「まね」です。子どもは、親や家族など、周りの人をまねます。「お姉ちゃん、お兄ちゃんのまねばっかりして!」と言われることもよくあるでしょう。最も身近な家庭環境から、コミュニケーションの仕方を模倣していくのです。

簡単にいうと、親が子どもの話を「聞く」人であれば、子どもは、「自分の話を聞いてもらう」ことで、「人の話を聞く」ということが理解できるようになるのです。

夫婦や家族が、お互いに話を聞く関係なら、子どもは話し方や聞き方をまねしながら、「お互いに話を聞く」ことを学んでいくことができるんですよ。

親が聞かない⇒子供も聞かない

でも、いくら子どもが一生懸命お話しても、自分の話を聞いてもらえなかったら。夫婦や家族がお互いの話をちゃんと聞かず、相手の話には上の空。適当なやりとりばかりしているとしたら。

子どもは、「人の話は聞かなくてもいいんだ。適当に聞き流していればいいんだな。」ということを学んでしまいます。

周りの大人が「話を聞かない人」だったら、子どもは「話を聞く」ことを学ぶ機会に出会えず、「聞いてもらえない人」イコール「人の話を聞けない人」になってしまうのです。

「話が聞けないぐらい、大したことではない」ですか?それではなぜ、前出の園の先生は「人の話をしっかり聞けるチャンピオン!すごい!」と大げさに感じられるほど、ほめたのでしょうね。

「聞く力」の真価

幼児期の子どもを見ていて、「聞く力」の本当の価値には、なかなか気づけないかもしれません。実際、小さな子どもというのは、自分の話を「聞いて聞いて!」ばかりで、なかなか人の話を上手に聞けないものですからね。

ましてや小学校に行ったとしても、「聞く力」は成績や運動神経みたいに、目に見えるようなことではないですから、どうしてもおろそかにされがちです。

ところが、「人の話を聞けない子」は、残念ながら「人への話し方も下手」になってしまいます。

「聞く力」が弱いイコール「?」

「人の話が聞けない子」は、なぜ「人への話し方も下手」になってしまうのか。それは、「人の話が聞けない」ということは、「相手が何を言おうとしているのか、何を伝えたいのか、読み取ることができない」ということだからです。

コミュニケーションは、相手との意志の疎通があってこそ、つながっていくもの。相手の気持ちをくみ取ることが苦手であれば、コミュニケーションは成立しませんよね。

「聞く」ということが、コミュニケーションの基本なのは、わかっていただけたでしょうか?将来的には、対人関係はもちろん、学力や集中力などにも大きく影響してくる、ということです。

聞いてもらいたい人ばかり

私たちの時代は情報があふれかえっています。大量にたれ流され続ける情報の中で、必要な情報か不必要な情報なのかもわからなくなってしまいがち。そして、たくさんの情報の中、なぜかみんな、とても忙しいですよね。

忙しい人ばかりで、人の話をゆっくり聞いているヒマなんて無い。それよりも、私の知ってる情報を聞いて聞いて!現代は、聞いてもらいたいのに聞いてもらえない人でいっぱいなのかもしれません。

「会話の時間」を意識して作る

「聞く力」が弱いコミュニケーションは、相手のことはおかまいなしの、一方的なものになってしまいます。自分の気持ちしか考えていないからです。

「聞いてほしいのに聞いてもらえない」から、カウンセリングを受ける人がたくさんいるし、「聞いてほしがる子どもの話も聞けない」のではないでしょうか?

本当は、夫など一番身近な相手に話を聞いてもらうのが一番いいのです。子どもが、一番信頼できるお母さんに話を聞いてもらいたいのと一緒です。

かつては、身近な人に聞いてもらった悩みを、聞き手のプロフェッショナルであるカウンセラーや、ネット上でしか相談できない人が、なんてたくさんいることでしょうか。

週に一回でも、月に一回でもいいのです。夫や子ども、家族や身近な人たちと、ゆっくり会話する時間を作ってみませんか。喜びや悲しみを分かち合えるような人間関係を、家庭の中に作りましょう。

例えば、テレビをつけないとか、LINEをしないとか、一緒に家の仕事をするなど、なんとか時間をつくるように工夫してみてください。

洗濯物を一緒にたたむのもいいですね。すわって子どもと同じ目線になって、手を動かしながらでも、ゆっくりお話できると思います。

この時に「なんなの?そのたたみ方!」と怒ったらダメですよ。お母さんをまねして、だんだん上手にたためるようになりますからね。

家族みんなでトランプのゲームをするもいいですね。本物のカードを使ってするトランプです。相手の表情を読み取ったり、上手な人にアドバイスされたり、いろんなコミュニケーションがあるはずです。

意識して「会話の時間」を作り、「聞く力」を育てていかないと、今の時代ますます「聞く力」が衰えていってしまうような気がします。

「聞く力」の低い大人ばかりの世の中になってしまったら、子どもも「聞く力」が低いまま大人になってしまう、というだけではありません。もっともっと大切な、子どもの生きていく力の「元」とも言える、大切な感情を持てなくなってしまうのです。

聞いてもらうことで育つ自尊心

話をちゃんと聞いてもらえない⇒自分は大切にされていない。子どもは、そんなふうに思ってしまいます。

大切にされているという実感

「自分のことを大好きでいてくれる人がいる。自分を何よりも大切に思ってくれる人がいる。」という実感。ありのままの自分を受け入れてもらう体験が無いと、自尊心や自己肯定感は育ちにくいのです。

ここのカギになる一つが、「話を聞いてもらった」という体験です。ちゃんと話を聞いてもらえることで、「自分が受け入れられている。理解され、尊重してもらっている。」と、子どもは感じることができるのです。

この心が育っていれば、子どもは自立することができます。悲しいことや辛いことがあった時も、へこたれずに自分の力で乗り越えていくことができますよ。

まず親が、聞く力を身につける

自分も子どもも聞く力を鍛えたいと思っても、忙しいし、子どもはしゃべってばかりでうるさいし、あんなの一から十まで聞いていられない。どうすればいいの?

忙しい中でも時間の確保を

子どもの話をちゃんと聞いてあげたいのは山々だけど、忙しくて聞いてあげられない。フル活動で夕飯の支度をしている時に話しかけられても、とても子どもの話を受け止められるような状況ではありませんよね。

そんなときは、無理に聞いているふりをしなくてもいいのです。むしろ、聞いているふりをしたり、いい加減に聞いたりするのなら、聞かない方がいい。

親もわかるでしょう?子どもが上の空で聞いているフリをしている時。あれと一緒で、子どもも「お母さん聞いてないな」ってわかりますから。そんなコミュニケーションを、親は子供に伝えてはいけないのです。

「今お母さん、ご飯の用意で手が離せないの。もう少しだけ待ってて。下ごしらえが終わったら、煮えるまでの間、お話聞こうか?それとも後でもいいんだったら、ご飯食べながらゆっくりお話してくれる?」

「手が離せないことぐらい、見てわかんないの?」そう言いたくなるのをぐっとこらえて、今聞けない理由を説明して、話を聞く時間を確保する約束をしてあげてください。もちろん、子供の様子がいつもと違って変な感じがするとか、緊急の話の時は別ですよ。

そして、ちゃんと約束は守ってくださいね。ここでも、子どもは「約束」ということを親から学ぶのですから。忘れそうで心配だったら、正直に「お母さん、忙しくて忘れちゃうかもしれないから、また声かけてね。」とお願いすればいいんです。

こんなふうに「聞けない状況の説明+聞く約束」をすると、子どもは安心するみたいです。人として尊重してもらっている、と思えるからでしょうか。絵本を読んだり、きょうだいで遊びに熱中したりして、気がすんでしまうことも。

ほかにも、例えば、仕事で集中しているときなどは「○○ちゃんの声聞くと、ホッとして気分転換できたな。」「お仕事終わったら、○○ちゃんのお話聞きたいから、また声かけてね。」など、「うるさいな!」ではなく、今までと逆の言葉を言ってみては?

子どもは、自分の「聞いてほしい」気持ちが受け入れられたと思えると、不安や心配な気持ちが減り、ゆっくり自然に自立していくことができますよ。

話は、先回りせずに聞く

さて、子どもの話を聞く時間を確保する気持ちの準備はできましたね!次は、「最後まで話をちゃんと聞けているか」です。例えば、子どもの話を先回りして、さえぎることはありませんか?

どうか、親の価値観や判断をいれずに、聞いてあげてくださいね。子どもの話は要領を得ないし、話が前後したり、ついつい話を先取りしてしまうお母さんも多いでしょう。

一度、自分が最後まで子どもの話をありのまま受け止めているか、振り返ってみてください。すぐ口をはさみたくなってしまう、という人は、これを試してみてくださいね。

  • まずは、子どもの話を「うん、うん。」とうなずいて聞く。
  • 「そっか。」「そうなんだ。」など、簡単なあいずちを打つ
  • 「○○して痛かったんだよ。」と子どもが言ったら「それは、痛かったね。」など、子どもの言葉をくり返す。
  • 悲しんだり落ち込んだりしているようなら、子どもの好きなおやつを一緒に食べたり、子どもの好きな遊びを一緒にしたり、子どもがしてほしいことを、一緒にする。

審判を下したり、答えを出したりしないでくださいね。子どもが、話せなくなりますから。

大切なのは、結論ではありません。親が知りたいことだけを聞き出すのではなく、子どもが話したいことを聞いてあげてください。できれば、さりげなく話を整理したり、助け舟を出したり、共感してあげられると、もっといいですね。

子どもは、聞いてもらえると思うことで、安心して落ち着いて考えを整理したり、自分の中の問題点に気づいて自分で答えを出したりできるようになります。

子どもの話は、子どもの体験であり、子どもの問題です。親がとりあげて、一方的に判断したり、答えを出したりしてはいけません。子どもの心に耳を傾けていないから、そうなるのです。

周りの大人の「聞く力」は?

あなたは、子どもの心まで耳を傾けていますか?

  • 夕食の用意など、忙しい時に限って話しかけてくる
  • とりとめのない話を長々とされて「何が言いたいわけ?」などと言ってしまう。
  • ネットやLINEに夢中でいつも生返事をしてしまう。
  • 子どもの機嫌にいちいちつきあって聞いていられない。
  • 「今忙しいんだから、後にしてよ!」と怒ってしまう。

誰でも、いくつか思い当たるようなことがあるかもしれませんね。だって子どもは、こっちが忙しい時に限って「ねぇ、ママ。」と話しかけてくるものですからね。しかも、こちらからすると、どうでもいいようなことばかり。

ママ友達と楽しく話している最中に割り込んできたり、家に持ち帰った仕事に没頭していたり、LINEが盛りあがっていたりするときに限って、うるさくまとわりついてくる。わざと邪魔しているとしか思えない!ですよね。

実は、その通りなんです。子どもは、お母さんが自分以外のことに夢中になっていると、不安で心配になりますから。

自分のことを忘れて、お母さんが遠くに行っちゃうような気がするのか、「私のこと、覚えてくれている?お母さん、私のことが大好きでいてくれてるの?」と確認してくるわけです。

そのときに、「今、○○してるんだから、静かにしてて!」とか、「うるさいな。」とかシャットアウトされてしまうと…。子どもは、「世界一大好きなお母さん」に遮断されてしまったのですから、とても深く傷つきます。

遮断されてしまった子ども

そして、子どもは「自分は、受け入れてもらっていないんだ。ここにいなくてもいいんだ。」と思うようになってしまいます。

そんな、大げさな…。と思いますか?

「聞いてもらえない」「話しても伝わらない」「受け入れてもらえない」と感じてきた子どもは、「わかり合う喜び」や、「伝えることで受け入れてもらう喜び」がわからないまま大きくなってしまうことが多いのです。

対人関係がうまくいかず、人を信頼できないため親友ももてません。思春期になると、不登校や摂食障害、ネットやゲームに依存してしまったりすることもあります。

「親に受け入れてもらえなかった。」という思いが、子供にどんなに深い傷を残すか。「聞く」ということは、コミュニケーションがどうだとか、将来の学力がどうなる、とか、それだけの話ではないのです。

聞いてあげたいけど聞けない

園の保護者会などで、周りのママとのおしゃべりに夢中で、先生の話を聞いていなかった…なんてことはありませんか?わざとうるさくしているわけではないですよね。ただ、人の話を聞くことに慣れていないのです。

話を聞けないお母さんたち

子どもの話をちゃんと聞こう、ほとんどのお母さんは、こう思っているはず。でも、最初は聞くつもりでいたのに、つい生返事になってしまったり、だんだん面倒になってきたり。子どもに悪いな、と思っても「聞く力」が少ないと、聞いてあげられないんです。

聞いてもらっていないのかも

「話が聞ける子」は「話を聞いてもらった子」。これは、子どもに限ったわけではありません。お母さんが子どもの話を聞けないとしたら、それは、お母さん自身も子どもの頃、自分の話を聞いてもらっていないのかもしれませんね。

きっと、心の中の悲しい思い出として、今でも「聞いてもらえなかった私」がいるはずです。親になったからといって、子どもに、自分が与えられなかったものを与えるのは、とても難しいことです。

そして、大人になった今、お母さん自身は、自分の話をちゃんと聞いてくれる人がいますか?

聞けない夫

私の夫は、私の話をほとんど聞きません。といっても、本当に困って相談したときや、大切な話には、親身になって答えてくれます。でも、その夫の答えと私の結論が噛み合わなかったら、私の意見を受け入れることは、99%無いと思います。

「お前の意見は聞いてない。」「お前一個人の気持ちだろう?今は、違う話だ。」こんなことを、何度言われたでしょうか。

実は、夫に聞いてみたことがあるんです。「小さい時、お父さんとお母さんは、あなたの話をよく聞いてくれた?」と。

聞いてもらえなかった子ども

答えは、「そんな覚えは、全然無いな。親父がすごく厳しくて怖い人だったし、両親とも働いていたし、弟も二人いるし、そんな時間は無かった。」でした。

そして、「この人たちは、子どもの俺より○○の方が大事なんだ、と、何回も思ったことがある。今でも、ひとつひとつ思い出せるよ。子どもの時って、ささいな事でも聞いて欲しいことってあるよなぁ。聞いてもらった覚えは、無いよ。」と言うのです。

夫は、たいへん我慢強く男らしい人ですが、その時は、小さな子どもにかえってしまったように見えました。

今でも心の中に、こんなにも子ども時代の悲しみを抱えているのかと思うと、胸が痛みました。両親への怒りや悲しみを聞きながら、子ども時代の夫を、私が助けに行きたいと思ったほどです。

だから私は、夫の話をたくさん聞きます。自分の意見をはさむことはごくたまにで、あいずちを打ちながら、ひたすら聞きます。夫の心の中にいる、「聞いてもらえなかった子ども」に寄り添います。

ひとつは、私は夫ととても仲良しなので、夫の傷を少しでも癒したい、とか、ストレス解消して気持ちよく仕事してほしい、ということがあります。

もうひとつは、かわいい私の子どもたちを、「聞いてもらえなかった子ども」にしたくないからです。子どもの時に与えられるべき愛情を、あとになって補うのは難しいことかもしれませんが、子どもに素直な愛情を持てる父親でいてほしい。

だから、夫の心の中の「怒っている子ども」や「傷ついている子ども」に寄り添っていこうと思っています。

聞いてくれる人

人の話を聞くばっかりで、ストレスがたまらないの?と思いますか?

大丈夫。私には、妹がいて、一緒にお昼ご飯を食べたりしながら、いっぱい話を聞いてもらっています。

愚痴も言うし、こんな話までしちゃって申し訳ない、と思うこともしばしば。一人で考えて鬱々としていたことが、しゃべっていると大笑いになったりして、話を聞いてくれて本当に助かっています。

そして、私の話の聞き役になってくれる妹には、しゃべりまくる妹の話を、ニコニコ聞いてくれる夫がいるのです。

人と人は、こうして、聞いたり聞いてもらったり、助けたり助けられたりしてつながっていきます。夫に「お前の意見なんか聞いてない!」と言われても、私の話をちゃんと聞いて受け止めてくれる人がいるから、大丈夫なんです。

夫や友達、きょうだいや近所の人など、お互いが自分のしたい話をしているだけではなく、ちゃんと聞いて受け止めてくれる人とのつながりがありますか?あなたが、まず、身近な相手を受け止めてみるのもいいかもしれませんね。

かけがえのない贈り物

可愛い子供たちのために、聞く力を鍛えて、ぜひ聞き上手なお母さんになってくださいね。聞き上手なお母さんになれたら、子どもの聞く力は、自然と育ってくれます。

子どもの話を聞くことは、子どもをまるごと受け入れることです。これは、親や周りの大人が子どもにプレゼントできる、生涯の宝物。

自分は、大切にされている、かけがえのない存在だという、実感をもてるようになる。そして、そんな気持ちを持っている子は、周りの人も、大切にできます。ひとりひとりが、かけがえのない存在だということを、知っているからです。

だから、人の話を聞くことができます。人を大切に思い、気持ちをくみ取ったり思いやったりできるようになります。

自分が話を聞いてもらい、大切にしてもらっていると思えるからこそ、人にも同じようにできるのです。自然な生活の中で、そういう温かいつながりを、自分から広げていけるといいですね。

みんなのコメント
  • ヤマモト キョウカさん

    文章を読んでとても勉強になりました。
    すべてが心に残って聞き上手なママになりたいです。
    実行したいです。
    最近四歳の子供が人がお話するとき違うことばかりして聞く耳が無くて大変悩みました。
    ありがとうございます❗

  • マイマイスマイリーさん

    長男がベラベラと人の話を遮って話すタイプ。先生のお話を聞くのも苦手で常に他のことを色々考えてる様子です。
    息子が話せば回りくどいから、私はせっかちで途中から聞かなかったり、うるさい、後でね、と遮ってました。
    もちろん、夫も話をするのが苦手。大家族だったし、幼い頃に話を聞いてもらってないのかな、と感じます。大したことない知識をさも誰も知らなかったような勢いで上から話します。子どもなら可愛いのですが。
    息子が夫婦のような性格にならないように頑張ります。

  • あきんぼさん

    まさに悩んでいた事の答えがたくさん綴ってありました。
    もうすぐ三年生になる長男が、幼い頃から人とのコミュニケーションが上手く取れない事に悩んでいました。
    一方的に話し続ける事が多く、肝心な事を聞きそびれます。
    同じ事を何度も何度も言わなければならない、人の話を理解する力が乏しい、勘違いした事を人に伝え、嘘をついたつもりはないのにそのような状況になってしまう…などです。
    私がきちんと気持ちに余裕を持って、向き合って話を聞かなければなりませんね。
    つい息子の話を指摘しがちになるので、そんな自分が嫌で向き合う事を避けてしまっていたのかもしれません。
    行き詰まった時、この文章を読んで励みにしたいと思います。

  • クマチグさん

    3歳の長男が、保育園でお話しが聞けないと、先生によく言われていて、どうしたら話しが聞ける子になるのか、考えていました。
    2人目が産まれて、バタバタしていたのもあり、ちゃんと私自身が子供の話しに向き合えてなかったのかもしれません。

  • クマチーさん

    3歳の長男が、保育園でお話しが聞けないと、先生によく言われていて、どうしたら話しが聞ける子になるのか、考えていました。
    2人目が産まれて、バタバタしていたのもあり、ちゃんと私自身が子供の話しに向き合えてなかったのかもしれません。

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