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インフルエンザの予防接種、「実は効果がない」の真相は?

2014/12/29

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冬といえばインフルエンザの季節。寒くなってくると「インフルエンザの注射うつ?」とママ友さんの間で話題になるものです。しかし最近になって「インフルエンザのワクチンは効かない」とする意見が出てきているのをご存知でしょうか?

昔と違い任意接種になったインフルエンザ。家族で打てば注射代も決して安いものではありませんから効果がないのであれば接種を控えたい方もいると思います。

さてインフルエンザワクチンに効き目はあるのか、予防接種は打った方がいいのか打たない方がいいのか調べてみました。

インフルエンザワクチン、打つ?打たない?

物議を醸しているインフルエンザワクチン、一体どういうメカニズムでインフルエンザに効くと言われているのでしょうか。

そもそもワクチンって?

そもそもワクチンとは、免疫を作りたいウイルスを弱らせ、体に入れても強く感染しないようにしたもののことを言います。

ウイルスや病原体はそれぞれ違う形をしており、私たちの体は病気にかかることでその形を覚え、その病気にかからなくなります。

ですがまだ小さいお子さんや体が弱い方、お年寄りなど免疫を作る力が低下している方々は病気にかかると免疫を作るどころか重症化して危険な状態になってしまうことも少なくありません。

そこで登場するのがワクチンです。本来ならば病気にかからなければ作られない免疫を、該当のウイルスから作った「抗体」というものを注射することで「ちょっと感染した」状態になって免疫を作ることができるのです。これがワクチンが病気に効くメカニズムです。

インフルエンザワクチンは毎年変わる

しかし風邪はひいてもひいてもかかってしまうように、同じウイルスでも形が変わってしまう病気もあります。インフルエンザもそんなウイルスのひとつでさらにA型やB型など毎年流行する形が違います。

ですから毎年国立感染研究所というところで前年の流行やWHOなど世界の動向、流行を見極めて3種類の抗体を決定し、7月ごろにはもうワクチンの製造が始まっているのです。

実際に接種するのは10月以降で流行はさらに後なのにもう夏頃にはワクチンを作り始めているとは考えてみれば納得ですがやはり早いですね。

ワクチンは打たない方がいい!?

このように世界規模で専門家が作っているワクチン。親御さんが子供だった頃は学校などで当たり前のように注射をしていたものですがなぜ今になって効かないと言われるようになったのでしょうか。

ネットなどで情報を検索してみるとどうやら「インフルエンザワクチンを打ってもかかること」「ワクチンが劇薬であること」「インフルエンザはただの風邪なのだから大騒ぎすることはない」などの主張を専門家が著書にまとめたことが発端となっているようです。

インフルエンザワクチンを打たない方がいい理由については

  • インフルエンザは風邪の一種なのでワクチンを打つことはない
  • 毎年型が変わっているからワクチンで予防できるわけがない。現に毎年流行っている。
  • 血液中に抗体を作るため喉や鼻からの感染は防げない
  • 重症化を防ぐというのは嘘。ワクチンにインフルエンザ脳症や肺炎を防ぐ効果はない。

というのが大まかな理由。
さらに

  • 薬事法上の劇薬である
  • 体内でいつ活性化するかわからない
  • ワクチンに含まれる物質にアレルギー反応が起こるかもしれない

と効能よりも副作用の方が怖いとする理由もありました。

インフルエンザワクチン、その真相は!?

このようにインフルエンザワクチンは「とにかく効かない、ただ危険なだけの薬であると専門家はみんな言っている」とまことしやかに囁かれています。インフルエンザのワクチンの是非、本当のところはどうなのでしょうか?

データ不足で比較ができない

この両方の意見を比べてみると打った方がいい、もしくは打たない方ががいいとする意見のどちらにも「きちんと比較したデータがない」ということが言えます。

「インフルエンザワクチンを打っても流行が収まらないということはワクチンが効いていない」という意見については当然ながらワクチンを打たなかった場合と比較したものがありません。

「ただの風邪である」「重傷化を防ぐというのも嘘」ということについては、インフルエンザを一般的な風邪と比較した場合に全身症状が出やすいことを考えれば風邪とひとくくりにまとめるのはちょっと暴論ではないかと思います。

またこれについても比較したデータを見るとそれぞれ主張も数字も違うので答えを出すにはちょっと足りない印象を受けました。またこの主張に続く「脳症や肺炎を防ぐ効果はない」との言い分にはちぐはぐな印象を受けます。

脳症や肺炎は全身症状が出た場合に重症化すると併発する言うなれば「インフルエンザをこじらせた結果、弱りやすいところがダメージを受けた」ということ。ですから「インフルエンザワクチンはインフルエンザに効くもの」なので「脳症や肺炎に効く」ものでは当然ないわけです。

「劇薬である」というのは「劇薬だから必ずしも危険である」というわけではありません。劇薬でも優秀な薬はありますし命が救われた方もいるでしょう。

ワクチンといえども薬ですから誰にでも思ったような効果が出るということはありませんし、アレルギーのある方ならアレルギー反応が出ることもあるでしょう。

もちろん薬ですから「インフルエンザのワクチンは危ないよ」と危惧する意見ももっともですが、これはインフルエンザのワクチンだけでなくほとんどの薬に言えること。

血圧の薬だって「あれ?効かなかった?じゃあこっちの薬に変えてみようか」「この薬は効くんだけど副作用で頻尿になるから」ということがあるのです。

このようにインフルエンザワクチンの効能・危険性について言えることはまとめると「何でもむやみやたらに体に入れない方がいい」というごく普通の「お薬を飲む時に気をつけること」とあまり変わらないことのようです。

予防接種は「打ちたかったら打つ」が正解

「ということは打っても打たなくても変わらないってこと?」と思われた親御さん、まさしくその通りで実際にインフルエンザの予防接種は言うほど危険なものでもない代わりにそれほど重要なものでもないのです。

そもそもワクチンは先述の通り感染すると体力などの面で重症化する危険がある人のために作られたもの。ですから持病があるお子さんや風邪への抵抗力が落ちているお年寄りなど「インフルエンザにかかると心配だから予防接種をしておきたいな」という方だけがすればいいのです。

風邪でお医者に行くのも寝込むのも自由ならインフルエンザの予防接種を打つのも打たないのもまた自由なのです。とはいえ体に関わることですからその危険性、安全性については充分納得した上で接種をした方がいいですね。

秋の風物詩とも言える「インフルエンザワクチンどうするトーク」。みんなの話を聞くと「うちも打とうかしら」と思うかもしれませんがその効能やリスク、お子さんの健康状態も考えて決めるといいですね。

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