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育児ができたら介護もできるという考えは?両者の違いと共通点

2016/11/21

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おむつ替え・食事の介助・散歩・昼寝・手遊び…この文字の羅列だけを見ると、子育てのことなのか介護のことなのか分かりません。

そうなのです。表面的にやっていることだけをピックアップすると、育児と介護はとても似ているように思えます。

実際はどうなのでしょうか?

育児と介護の内容に大差がないのであれば、子育て経験のあるママさんが介護に直面した際には、悩むことなくできるはずですが、「そんなことはありえない」というのは誰もが分かっていることです。

似ているようで違う育児と介護…。その共通点と違いはどのような点にあるのでしょうか。

そこで今回は、今育児に奮闘しているママさん世代が、近い将来身内の介護に直面した時の心構えと共に育児と介護の共通点・異なる点を解説していきます。

保育士と介護福祉士の資格を一本化!?両資格を徹底比較!

育児をしていて、ふと「子供に携わる仕事がしたい!」と思ったことはありませんか?

出産・育児を経験して我が子と触れ合っていくうちに、子供の可愛さや子育ての深さ・難しさを知ると、少なからず子供がいなかった時とは考えや物の見方が変わってくるものです。

芸能人の方で、よく出産を機に子供服やマタニティ服のデザインやプロデュースをされる方がいらっしゃいます。

そうした方々も、出産や育児に触れ「こういうものがあったら便利なのに!」「世のママさんや子供の役に少しでも立ちたい!」という、気持ちが芽生えたのだと思います。

私自身、思い通りにいかない育児に悩めば悩むほど「子供の発達ってなんだろう?」「子育てって何が正解?」「保育士さんが女神に見える…」と思い、保育・幼児教育・児童心理などに少し興味を抱きました。

資格取得までとはいかなくても、「子供の心理や発達について少し学んでみようかな」と思った矢先、「育児と介護は似ているの?」と思うニュースが目につきました。

高齢者・乳幼児・障害者向けの福祉サービス一本化というニュースです。

資格保有者の大半が反対!資格一本化について

2015年9月、厚生労働省は高齢者・乳幼児・障害者向けのサービスを一本化するという新たな福祉サービスプランを公表しました。

つまり、今までは高齢者には高齢者施設・こどもには幼稚園や保育園等・障害者には障害者向け施設など、対象者ごとに利用する施設も異なっていましたが、それを一本化させて「共生型施設」にするというプランです。

サービスの一本化は、施設だけにとどまりません。サービスを提供する側の資格も一本化しようと言うのです。

介護福祉士・保育士・准看護師等の資格を一本化し、介護福祉士が保育士の仕事を、保育士が介護福祉士の仕事をできるようにするのです。

一本化することで、介護福祉士や保育士の人の仕事の幅は広がります。

人手不足に悩む施設も、この制度によって人材をまかなえるのではないかという考えが当然背景にはあります。

しかし、どうなのでしょうか。本当に介護福祉士と保育士の仕事内容は、一本化を考えるほど似ているのでしょうか。

介護福祉士と保育士の資格を表で比較してみました。

資格 資格区分 基づく法律 主な仕事内容 主な勤務先
保育士 国家資格 児童福祉法 0歳から6歳までの就学前の子供の保育など
*幼稚園教諭は、幼稚園という「学校」に勤務する為、より教育的な指導を行う
保育所や児童福祉施設
介護福祉士 国家資格 社会福祉及び介護福祉法 主に、日常生活を行うことが困難な高齢者や障害者の身体介護や援助など 病院、介護老人保健福祉施設、特別養護老人ホーム、デイケアセンター等の社会福祉施設

実際比較してみると、「国家資格」という点以外、あまり似ていないことがわかります。

どちらもひと言で表すのなら「お世話」をしていることにはなりますが、その対象が子供であるか高齢者や障害者であるのかで、実際の業務内容は大きく変わります。

ちなみに障害児の保育は、保育士さんが行いますが介護福祉士の方がすることはできません。

逆に、障害をお持ちの高齢者の方をお世話するのは、保育士ではなく介護士の方が行っているケースが多い(介護は資格所有者でなくても勤務可能なので、「多い」という表現)のです。

対象が子供であるか高齢者であるかで、生かせる専門性が違ってくるので、資格一本化には時間を要すると思われます。

私もヘルパーの資格を持っていますが、育児をする上で「ヘルパーで勉強したことが役立った~!」ということは正直ありませんでした。

そもそも、介護系の勉強内容が育児に少しでも活かされるのであれば、「子供について学びたい!」なんていう気持ちは生じず、介護の延長上で育児・保育・幼児教育を考えることができたはずなのです。

実際、介護福祉士として勤務している方の約6割強の方が資格一本化には反対しているというデータもあります。

共生型施設ということは、今まで高齢者だけを介護していた人が、乳幼児や障害者のお世話も仕事として加わるということです。

逆に、乳幼児のみを相手にしていた保育士さんが高齢者や障害者の介護にあたる可能性もあります。

資格の一本化は、仕事を選択する時の幅は確かに広がるのですが、業務内容の幅までも広げてしまう恐れもあるのです。

資格一本化は保留状態!?相互間の資格取得方法に変化

保育と介護の福祉サービスを一本化する計画は、いろいろと問題が出てきそうで実現するのには時間がかかりそうです。

実際、2016年現在は一本化の話は進んでいません。

その代わり、保育士が介護福祉士の資格を、介護福祉士が保育士の資格を新たに取得する場合、新たな資格を1から学ぶ必要はなく、多少の科目や研修が免除されるという案が検討されています。

人手不足!保育と介護の現場が抱える問題

保育士や介護福祉士の資格を持っていながらも、資格に関係ない仕事に就いている人が、保育士では70万人弱、介護士では45万人程度もいると言われています。

それぞれ潜在保育士・潜在介護士と呼ばれています。

保育や介護の現場が人手不足に陥ってしまう理由には、「(資格を持っていても)働きたくない」と思わせてしまうことが大きくあると思います。

そう考えると、資格を一本化しようがしまいが「人材不足」の問題解決にはならないのでは!?と思えますよね。

仕事の就きやすさや資格の取りやすさを考えるより、待遇や職場環境の改善を優先的に考えないと現場の人手不足は解決に至らないでしょう。

保育や介護の仕事において離職率が高い理由は、主に下記2点です。(これは保育も介護も共通しています)

  • 職場の人間関係
  • 収入の少なさ

どちらも仕事上のことが理由なので、保育や介護の仕事に就いていない人には無関係に思えますが、実はこの理由こそ、育児や介護をしていて「疲れる」理由につながってくるのです。

「思い描いていた仕事と違った」「子供が嫌いになったから」「お年寄りが嫌になったから」

というような仕事内容に関わる理由が挙げられていない為、「保育や介護自体に問題はないのね!」と思いがちですよね。

しかし、職場の人間関係が悪くても収入が少なくても、「やりがいのある仕事」ならば離職率は高くならないはずなのです。

離職理由の裏には、それだけ保育や介護が心身共に負担のかかる仕事であるということが隠されています。

人は、頑張りを認めてくれる人や評価があってこそ、何かを続けられるのかもしれません。

高齢化社会の今、育児に手をやいている正にママさん世代は、いずれ介護をもする立場になる可能性は極めて高いと言えます。

しかし、これまでの資格一本化のところで述べてきたように、介護を育児の延長線上に考えていると、いざ介護する状況に面した時に、思っていたものと違い過ぎて苦しくなってしまいます。

「違い」を知ることが大事!育児と介護の比較

子育てと介護を「同じようなもの」と考えていると、いざ介護する側になった時辛い思いをしますが、ちゃんと違いさえ知っておけば、そう恐れるものでもありません。

育児と介護の違いを知っておくことで、どこかに「心構え」のようなものを備えておくようにしましょう。

育児と介護、最も異なる点は見通しが立てられるかどうか

育児と介護は、やっていることだけを考えるのなら似ているかもしれませんが、全くの別ものです。

育児と介護の決定的な違いは、見通しを立てることができるかどうかにあると思います。

育児は、子供の成長の節目を考えて、ある程度見通し立てて行うことができるのでモチベーションもあがります。

大変な仲にも成長が見られると、喜びを感じますよね。

しかし、高齢者の介護の場合、成長を感じることはありませんし、要介護にある人が要介護状態でなくなる可能性は低く、見通しが立ち辛いのです。

「この状態はいつまで続くのか」と介護する側にとって重い負担となってしまいます。

介護される家族が認知症の場合、同じ話を何度も聞かされたり、介護しているのに叱責されたり、時には暴れてしまったりすることも。

大好きな両親や家族なのに、「介護する日に終わりがきてほしい」と思ってしまうころもあるでしょう。

そうした状態が続くと、自分を責めてしまったり、鬱状態になってしまうこともあります。

育児も介護も、仕事とは違ってお金がもらえるわけでもありません。では、どうしたら育児や介護をする側の精神的負担はなくなるのでしょうか。

実は、育児も介護も「する側の負担を軽減するポイント」は同じなのです。

では、育児と介護の相違点を頭の片隅に置きつつ、双方の共通点も見ていきましょう!

一人で背負うものではない!それが育児と介護の共通点

育児と比較すると、介護には暗い印象しかないように思えますが、そうではありません。

育児も介護も一人で背負ってしまっては、苦しいものになります。そうならない為にも、相談窓口や専門施設、福祉サービスを利用することで負担を軽減することはできます。

「一人で背負わないこと、孤独を感じてやるものではないこと」それが育児と介護の両方に共通して言えることです。

「如何に抱え込まないか」「如何に自分が楽をするか」を考えることが大事になります。

この記事のタイトルにある「育児ができれば介護もできるという考え」について述べますと、正直それは「甘い」考えだと言わざるを得ません。

しかし、まず自分はどうしたいのか(仕事を続けたいなど)、自分の譲れない部分を第一に考え、その思いを軸にしてプランを立てていけば、育児も介護もこなしていくことは充分可能なのです。

  • 一人で背負わない(家族はもちろん第三者も頼ること)
  • 自分自身の生活を優先する(例えば、続けたい仕事を介護や育児を理由に辞めない)

この点をブレずに置いておくことが大事なのです。

決して他人事ではない!ダブルケアと介護離職について

「ダブルケア」という言葉を聞いたことはありませんか?

ダブルケアというのは、育児と介護の両方に直面することを意味します。

要するに、子育てをしながら身内の介護もする状況にあることを指します。

高齢化に伴い、日本ではこのダブルケアという状況に陥る方が年々増えてきているのです。

また、介護に負われて働く時間もなくなり、今就いている仕事をやむを得ず退職しなくてはならない「介護離職」をする方も増加傾向にあります。

突然やってくる可能性も!?ダブルケアという状況

介護というと、自分の親の介護だけを思い浮かべてしまいますが、既婚女性の方は実の両親だけに止まらず、義理の両親や兄弟も介護の対象範囲に入ることがあり、ダブルケアの可能性が高くなります。

実の両親ならば、まだ自分の気持ちもストレートに伝えやすいですが、義理の両親となると気を使ってしまいますよね。

介護する人・される人の関係性にもよりますが、介護は大人と大人の関係であることから子育てとは違った「気遣い」が生じてしまうのです。

介護を要する状況になるのは、何も「老い」ばかりではありません。事故や怪我で脚や手が不自由になることもあります。

明日、普段の生活に加えて介護をしなくてはいけない状況に陥る可能性も無きにしも非ずなのです。

育児の場合は、出産前ですと、妊娠中に育児グッズを揃えるなど10ケ月を通して準備することができます。産後も、健診・入園・入学…など、節目があるので、ある程度は準備できます。

それに対し、介護は当然ですが「介護されたくて自ら要介護の状態になる」人はいません。

介護は予測不可能な面もある為、ある日突然ダブルケアという状況に陥る可能性が高いのです。

辞めたくて辞める人はいない!介護離職という問題

先にも述べましたが、身内の介護に時間がとられ、今までのように働けなくなった為、やむを得ず退職を選択することを介護離職と言います。

介護離職をするのは圧倒的に男性より女性の方が多いのです。

家庭内の生計を考えると、一般的に収入の多い男性よりも収入の低い女性の方が仕事を辞めて介護に携わるケースが多いようです。

「家族のことを第一に考えれば仕方がない…」そう思われるかもしれませんが、なんだか納得いきませんよね。

家事も仕事と考えると、女性は365日休みなく働いていることになります。

我武者羅に頑張ってきた育児も、子供の就学・就職を機に少し自分の時間が持てると思った矢先の介護…。

そんな時、仕事を辞めて介護するのはまたしても自分なのか…。「私はなんの為に頑張っているのだろう」と思ってしまいますよね。

介護離職の1番の問題点は、退職者本人の意思(本心)とは異なった退職であるということなのです。

「職場が嫌になったからやめる」「やりたいことが見つかったからやめる」と言う具合に、自分の気持ち優先で退職するわけではないのです。

身内の介護という「そうせざるを得ない状況」が離職へと導いてしまっているのです。

しかし、行政もそうした介護離職という状況や介護する人の負担を減らすべく、様々な対策をとっています。

例えば、介護休業制度です。介護を理由とした時短勤務も認められているのです。

会社側は、社員から介護休業等の申請があった場合、「それを拒否したり不利益な扱いをしてはならない」と法律で定められています。

続いて、介護休業制度と育児休業制度について説明いたします。

後ろめたさは不要!育児休業制度と介護休業制度について

働きながら育児や介護をする場合、「仕事>育児・介護」や「仕事<育児・介護」という考えは持たない方が良いでしょう。

よっぽど今の仕事に不満がなければ、仕事は続けていきたいところです。

「家族の為に仕事を辞める」ということは、自分自身が100%納得して出した決断ではないということに加えて、家族にとっても「申し訳ない」という気持ちを抱かせてしまいます。

1番に考えるべきは、仕事でもなく家族のことでもなく、まずは「自分が自分らしくある為の生活」なのです。

その為にも利用できる制度は利用すべきです!

前述しましたが、育児休業制度や介護休業制度は利用基準を満たしているのであれば、是非利用してください。

職場に対する後ろめたさは不要です。

「休みをとっているのに、職場の人に買い物をしている姿をみられたらどうしよう…」などと思う必要もありません。

育児や介護の休業だからと言って、24時間育児や介護に従事することは不可能なのですから。

以下にて、平成29年1月1日に改正施行される育児・介護休業法について説明致します。

夫婦で取得すれば期間が延長!育児休業制度について

育児休業は、原則子供が1歳になる前日までに取得できる休みのことです。

申請するには、次の条件を満たしていることが必要です

  • 同じ事業主の下で1年以上勤務していること(日々雇用される者を除く)
  • 子供が1歳になっても勤務することが見込まれること
  • 期間雇用の場合は、子供が1歳6ケ月になるまでの間に、契約が更新されないことが明らかになっていないこと

上記の条件を満たした上で申請をすれば、育児休業は取得できます。更に、条件を満たすことで「育児休業給付金」を受け取ることができます。

育児休業中は、会社から給与を受け取ることはできませんが、加入している雇用保険から給付金が出るのです。

給付金は、休業に入る前6ケ月間の平均給与を元に算出されます。

  • 休業開始から180日目までは、平均給与×67%
  • 休業開始から181日目以降は、平均給与×50%

上記の額を受け取ることができます。

育児休業給付金を受け取ることができる条件は下記の通りです。

  • 雇用保険に加入していること
  • 育児休業前、1ヶ月に11日以上(週3日程度)勤務した月が12ケ月以上あること
  • 育児休業中、勤務先から月給の8割以上のお金をもらっていないこと
  • 育児休業期間中に勤務先で10日以上働いていないこと(1ヶ月に20日以上が育児休業の対象日であること*終了月に限っては、1日でも育児休業の対象日があれば良い)
  • 育児休業後に同一事業主の下で働く意思があること

育児休業も給付金も正社員だけでなく、パートもアルバイトも申請できます。

この申請をした者に対し、事業主が解雇を行うなど不利益な扱いをすることは法律で禁じられています!

育児休業の取得や給付金を受け取ることは、男女共に可能です。

「パパママ育休プラス」と言って、パパとママ2人共育児休業を取得すると、子供が1歳2か月になる前日まで休業期間を延ばすことができます。(パパかママどちらかの取得だと子どもが1歳になるまでが期間)

パパとママが同時期に休業しても、期間をズラして休業しても2か月延長できるのです。

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また、パパとママではが育児休業開始日に違いがあります。

  • パパの育児休業開始日→子供が誕生した日から
  • ママの育児休業開始日→出産休暇終了後(出産翌日~8週間の翌日から)

この休業開始日が異なることを利用することもできます。ママの産休中(出産翌日から8週間)の間にパパは育児休業を取得することで、2人が会社を休む状態になり、揃って産後の子育てに携わることができます。

父親が産後8週以内に育児休業を取得した場合、上限1年として再取得することも可能です。

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パパとママの収入に大差がない場合は、給付金支給額が給料×67%から50%に変わる時期(180日以降)に休業を交代することもできます。

ちなみに、育児休業は専業主婦の夫であっても取得可能です。

休業期間上限93日間を割取得も可能!介護休業制度について

介護にも育児と同じように休業制度があります。

期間は要介護とされる家族一人あたり93日間です。

平成29年1月1日施行の法改正で変わったところは主に以下の点です。

  • 従来の法律では、介護休業期間93日を1回限りで消化しなくてはならなかった。
    →3回まで分割して取得することが可能になった。
  • 時短勤務やフレックスタイムを利用する場合、休業日数の93日内としてカウントされていた。
    →93日とは「別カウント」で、短時間勤務・フレックスタイム等の選択的措置義務を取得可能となった。
  • 介護の対象者は、自分の両親・配偶者の両親・同居し扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫に限られていた。
    →上記に加えて、同居や扶養をしていない祖父母、兄弟姉妹、孫も対象となった。

いかがでしょうか。93日という日数を分割して取得できることで、介護の必要性に応じて柔軟に対応できるようになりますね。

例えば「家族の通院に付き添う期間だけ休業を利用する」など、本当に介護休業を要する日だけに休業日を充てることができるようになりました。

93日という期間とは別に時短勤務が利用できたり、対象となる家族の範囲が広がることも嬉しい改正点です。

介護休業を申請するには、下記が条件となります。

  • 雇用保険に加入していること
  • 同事業主の下で1年以上勤務していること(日々雇用を除く)
  • 期間雇用の場合は、介護休業期間93日後、6ケ月が経過するまでの間に、契約が更新されないことが明らかになっていないこと

以上が、介護休業申請の条件となります。休業期間中は介護休業給付金を受け取ることもできます。

給付金の額は休業に入る前の6ヶ月間の平均給与額に基づいて決定されます。

従来の法律では、給与×40%が給付金とされていましたが、法改正によって給与の67%が支給されることになりました!

介護休業を必要としている方には、とても嬉しい法改正ですが、職場のことを考えると「休業したい」とはなかなか言い出しにくいという人もいらっしゃいますよね。

しかし、ご安心ください。この法改正では、事業主側の対応までもが法律に記され義務化されています。

次節でその内容について説明いたします。

法改正でハラスメントの防止措置が義務に!育児・介護休業法

平成29年1月1日より、「改正男女雇用機会均等法及び改正育児・介護休業法」が施行されます。

従来の法律でも、事業主が妊娠・出産・育児・介護を理由に休みを取得する方に対し、解雇する行為は「不利益取扱い」として禁止されていました。

この法改正では、不利益取扱いに加えて、改正法ではハラスメントを防止する措置も事業主に義務付けています。

ハラスメントとは、嫌がらせ・苦しめること・悩ませることを意味します。

具体的には、「仕事やめて」という表現がなくても「いいよね~、簡単に休める人は~」「え?また休むんですか?」と、相手にとって「休みを取りづらい」と思わせ苦しめてしまう言動までが含まれます。 このような、行為は「ハラスメント」とされ、事業主側は防止する措置が義務づけられることになったのです。

育児や介護に伴い休業する上で、ハラスメントを受けた場合は、上司・労働組合・労働基準監督署など然るべきところに言いましょう。

休業する側に落ち度は一切ありません。休業申請の基準を満たしていれば、育児休業・介護休業は取得するべきなのです。

休みを取るとなると、どこかに後ろめたさを抱いてしまうものですが、考え方1つです。

あなただけではなく、職場の誰もが育児や介護による休みをとる可能性があります。家族の為の休みだけではなく、自身の傷病に伴い休業せざるを得ないこともあります。

要するに「お互い様」なのです。育児や介護による休業を取得することで、「前例」をもたらすことも、職場環境を向上させる為には大事なことなのです。

一人で頑張らない!如何に他人を頼るかが負担軽減のコツ!

育児と介護の共通点は、「一人で頑張らないこと」でもあると述べました。

両方とも誰にも頼らず、「私がなんとかしなければ」と抱え込んでしまうと、どんな人でも潰れてしまいます。

全てを一人で背負わないことが、賢く育児と介護に従事していくコツです。

では、実際に頼れる先にはどんなところがあるのでしょうか。

大事なのは人とのつながり!困った時の頼り先一覧

育児や介護をしていて「孤独」を感じることがあるとしたら、それは心が疲れているサインです。

旦那や兄弟姉妹がいて、相談相手はいるはずなのに孤独を感じてしまうことはありませんか?家族に相談して「こうした方がいいんじゃない?」と少し上から目線のアドバイスを聞いて、逆にイラっとすることも…。

相談したことを後悔し、誰にも頼りたくなくなりますよね。

そういう時は、第三者を頼ってみましょう!身内よりも第三者の方に救われることもあります。

「誰かに聞いてもらいたい」「辛いな…」そう思った時に頼れる先、知っておいて損はありません。育児や介護に疲れた時に頼れそうな相談窓口をまとめてみました。

育児が辛い時の相談先一覧

相談窓口名称 対象 連絡先
保健所や地域の子育て支援を行っている保育園 子育て中のママやパパなら誰でも利用可能 自治体の保健所又は子育て支援センター・保育園
森永乳業エンゼル110番 小学校入学前までの子供をもつママやパパなら誰でも利用可能で育児相談にのってくれる。
子育て中の方に限らず、妊娠中の方の相談にも対応してくれる。
0800-555-110
携帯からは:03-3798-8230
児童相談所全国共通ダイヤル 育児が辛く、子供にあたってしまう時、虐待しそうな時に利用してほしい窓口。
もちろん、匿名での相談も可能。24時間受付
電話番号:189

介護が辛い時の相談先一覧

相談窓口名称 対象 連絡先
地域の保健所・地域包括支援センターなど 介護に関する相談や介護予防についての相談も可能 各自治体の保健所や地域包括支援センター
認知症電話相談 認知症の方の介護に関する相談。愚痴でもOK 0120-294-456
月曜日~金曜日の午前10時から15時まで
公益社団法人 認知症の人と家族の会
認知症カフェ 電話ではないが、認知症を患っている当事者や家族が集うカフェで全国に600箇所ある。
気軽に利用できるカフェであり、介護にかかわっている他の家族とも話ができる場でもある。
地域包括支援センターに聞くと、近くの認知症カフェを教えてくれる。

「こんな小さな相談してよいのだろうか…」と相談内容に躊躇することなく、迷ったら相談してみましょう。

先日、私が電話子育て相談(地域の保健所)で相談した内容は「子供がお茶を飲んでくれません」というものでした。

そんなことを!?と思われるかもしれませんが、真剣に悩んでいました。

バカにされるかな~とも思ったのですが、相談窓口の方は親身になってくださり、アドバイスもくれました。

話の合間に笑うこともできましたし、切った後は妙にスッキリしていましたよ!

自分の為にも家族の為にも使う!各施設利用について

育児休業や介護休業を取得しても、いずれ復職する日がきます。

先程から何度も言っていますが、育児も介護も全てを一人で背負うことは不可能です。育児も介護も専門知識をもったスタッフのいる施設は、可能な限り利用したいところです。

下記に、高齢者向けデイサービスや学童・一時保育についてまとめておきました。

施設区分 利用基準 何をするか
デイサービス(高齢者向け)・通所介護とも言う 要支援1以上、要介護1以上の人が利用可能
*但し、要支援1・2の人は、2018年3月までに市町村が行う「介護予防・日常生活支援総合事業」の対象となり、介護保険サービスの対象外となる
事業所によってレクリエーションやサービスの内容は異なるが、一般的は歌・手芸・囲碁など多様なレクリエーションに加え、食事や入浴などもあり生活援助サービスを受けられる。
託児所 認可と認可外があり、事業所によって利用開始できる月齢は異なる。
施設によっては30分単位・1時間単位で利用できるところもあり、少しだけ預けたいという時に助かる。
乳幼児の保育を行う
ただし、保育園とは異なり必ずしも国家資格を有する保育士がいるとは限らないので、利用前に見学・確認すると良い。
学童保育 自治体の学童保育は親が働いていて、日中家に保護者がいないことが条件で、おおむね10歳未満の子の利用となるが、12歳まで利用できるところが増えてきている。
民間の学童では、親の就労などが条件となっておらず、年齢の利用制限もないが、利用負担額が公立に比べ高い。
自由に遊ぶ。
子ども達を見守る指導員が常駐している。
自治体が運営する学童では学習指導ができないが、民間の学童では学習指導を行ってくれるところが多い。
認可保育園での一時保育 保育園によって利用できる月齢は異なる。
一時保育なので、特に親の就労などは条件にならないが、1ヶ月近く前からの予約制をとっているところが多い。
保育士による保育

こうした施設を利用し、お子さんや要介護の家族と離れている時にご自身が何をするかですが、それは「自由」です。

ゆっくりお茶をしても良いですし、美容院に行ってもよいのです。

私が初めて一時預かり保育を利用したのは、息子が7ケ月の時でした。

どうしても髪を切りたくて、近所の保育園に1日預けたのですが、当日は「髪なんて伸ばし放題でもいいのに。自分を優先して子供を犠牲にして良いのかな、私はどこかで子供を邪魔だと思っているのかな」と後悔の念が押し寄せてきました。

結局子供と離れていても、考えるのは子供のことばかり。

お迎えの時間、急いで園に行くと…そこには、ママ以外の大人にチヤホヤされて上機嫌の息子がいました。

保育士さんから「こんなことしましたよ~」という話も聞け、第三者の目から見た子供を知ることができましたし、何よりその日は、帰ってからいつも以上に子供に優しく接することができました。

育児や介護をする上で、自分のリフレッシュを考えたり休みをとることは、誰かを犠牲にすることではありません。むしろ、自分も家族もプラスになると考えましょう!

家族を見捨てることではない!特養・老健等の利用

日帰りで利用するサービスだけではなく、長期的に利用する福祉サービスもあります。

特別養護老人ホーム
重度の要介護者が長期入所する場合、利用負担額が月に5万~13万程度(収入による)と少ないのがメリットだが、待期期間は長く、中には数年待つ人も。重度の要介護者が利用する為、殆どの利用者にとって余生を過ごす場(終身制)となる。
介護老人保健施設
65歳以上の要介護者が利用できる施設。自宅に戻れることを目的としてリハビリ等を行うので、3ケ月に一度入所継続するかどうかの検討が行われる。利用負担額は、高くても月に13万程度で比較的負担が少ない。

他にも介護付有料老人ホーム・グループホームなどがあり、施設によってサービスも様々です。

高級分譲マンションやホテルのようなところもありますが、利用負担額はその分高くなります。

住み慣れた家で家族を過ごさせたいと思うことは本当に素敵ですが、介護する側が心身共に疲れてしまっては、介護する場所がいくら良くても、介護される側にとっても辛いものになります。

住居型の施設を利用することで、介護する側が自責の念を感じる必要は全くないのです。

私の祖父は、健康で認知症も患っていませんでしたが、自転車から転倒して脚を骨折した為、そのまま入院生活となり、最期まで病院で過ごしました。

介護を要さない人であっても、突然の病や怪我で入院が必要となり、病院で長く過ごす人もいます。突然家族から離れて生活することが必要になるケースもあります。

住居型の介護施設利用を考えるということは、準備ができます。もちろん、毎日会いに行くことも可能です。

「私を育ててくれた親を施設に入れるなんて」という気持ちもあるかもしれませんが、昔と今では家族構成も異なるのです。大家族で近所の人までもが家族のような存在だった昔と今では環境が違いすぎます。

「自宅が良いから」「家族だから家族が見る」と思い込み、一人で背負うことが本当に良いことなのか、今一度考えてみましょう。

こういう問題は、一人で考えてもなかなか方向性が定まらないものなので、是非前節で紹介した相談窓口を利用してみてください。

経験以上に大事!育児や介護に対する心構え

育児と介護は似ているようで違います。

やっている内容は似ているのですが、相違点である「見通しが立たない」という点が深すぎるのです。

簡単に「介護の方が育児より大変」「育児の方が介護より大変」と、比較できるものでもありません。

例えば、「子どもを3人育ててきたんだから、介護の一人くらい大丈夫!」という考えを持っていると、介護が辛いものになるでしょう。

2人目の子供、3人目の子供の育児は、それまでの子育て経験が利いてきますが、介護においては育児経験とは別に考えた方が良いでしょう。

逆に、子育ての経験がない方でも介護をこなせている方はたくさんいらっしゃいます。要するに、経験の有無が問題ではないのです。

「自分一人で抱えない!」ということを念頭に、正しい情報を得ることや心構えを持つことが大事なのです。

そうすれば、育児も介護も必要以上に恐れるものではなくなります。大変なことを背負うこと、力を入れることは意外と誰にでもできてしまうものです。

これを機に「力を抜くにはどうすれば良いのか」ということに目を向けてみましょう。

みんなのコメント
  • みなみさん

    すばらしい!

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