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双子妊娠の基礎知識「卵性」「膜性」知っておきたい違いとリスク

2015/11/09

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お腹の赤ちゃんがある日急に双子だと判明すると、まずほとんどの妊婦さんはびっくりしますよね。2人も1度に赤ちゃんを授かって、嬉しさと先のことを考えての不安が交じりあった複雑な気持ちになります。

確単胎妊娠と違うところも多く、双胎妊娠には卵性や赤ちゃんを覆う膜の膜性によっていくつかのタイプに分けられます。

通常 女性の体は1人の赤ちゃんを育て、誕生させるようにできているため、そこに倍の2人がいるという状況は母体にも胎児にもかなり負担がかかるのは事実で、単胎妊娠の4倍程リスクが高まるとされています。

また、膜性によっては母子にかかるリスクの高さも異なるので、早めに膜性を調べて無事に出産を迎えるためにも、リスクに応じた処置が必要となります。

そのためにも、双胎妊娠ならではの卵性や膜性について知り、膜性診断を受けて自分がどのタイプに当てはまるか把握した上で、リスクもきちんと理解して心積もりをしておくことが大事です。

そこで、双胎妊娠における卵性や膜性とそのリスクについて説明するので、しっかり頭に入れておきましょう。

双子妊娠の場合、まず知りたいのは「卵性」

双子には「一卵性」と「二卵性」の2つの卵性があります。一般的に顔がそっくりだから一卵性、似ているけど瓜二つではないから二卵性などとよく言われるように、卵性はとても気になるところですよね。そこでまずは、2つの卵性の特徴や違いなどを説明します。

1卵生と2卵生の違いって?

1個の受精卵が分裂した「一卵性」

元々は卵子と精子各1個ずつがくっついて受精し、赤ちゃんの元となる受精卵が出来上がり、子宮に根をおろして妊娠が成立しますが、これは双子の妊娠でも同じことです。

一卵性は単胎妊娠と同じように子宮内に着床した1個の受精卵が、その後細胞分裂をくり返すうちに、たまたま完全に二つに分かれてしまった状態を言います。

勘違いされやすいですが、一つの卵子が二つになったり、二つの精子が卵子とくっついたというわけではありません。

元は一つの受精卵なので、生まれ持った遺伝子は全く同じです。だから、性別も血液型も一緒で顔もそっくりになることが多いです。ここが二卵性とは大きく異なる点です。

ただ、産まれた後は育っていく環境や感じ方で、性格や趣味、嗜好などは異なる場合がほとんどなので、外見はそっくりでも中身まで全く同じ人になるというわけではありません。

2個の受精卵が同時に受精した「二卵性」

通常は卵子と精子1個ずつが受精して子宮内に着床すれば、妊娠が成立します。しかし、たまたま偶然にも卵子2個と精子2子がそれぞれ同時期に受精して、受精卵が2個存在する状態で子宮にそのまま2個とも着床した状態が二卵性です。

2つの受精卵がそれぞれ細胞分裂を繰り返していくため、二人の赤ちゃんが子宮内で育ち、産まれてきます。

二卵性の場合は、赤ちゃんが育つ部屋が完全に二つに分かれているので、母体から栄養や酸素を吸収するための胎盤も二つあるので、ほぼ同じように成長しやすいと言えます。

受精卵自体が完全に別なので、同じように育ちたまたま同じ日に産まれた、言わば誕生日も年齢も全く同じ兄弟姉妹だと言えます。そのため、顔があまり似ていないこともあるし、血液型や性別が異なる場合もありえます。

赤ちゃんを包む膜の数によって3タイプに分かれる「膜性」

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一卵性や二卵性といった 卵性は、双子ママでなくても広く一般的に知られれていますが、双子を更に細かく分ける膜性についてはあまり知られていないですよね。

膜性によっては、母体 や胎児が抱えるリスクも異なってくるので、双胎妊娠中のプレママさんはしっかりと知っておくことをおすすめします。

お腹の赤ちゃんは、通常子宮の内側に絨毛膜と、その内側に羊膜という2つの膜に包まれています。この赤ちゃんを包む膜の数によって更に双子の種類が分けられます。

3つの主な膜性

  • 二絨毛膜二羊膜(にじゅうもうまくにようまく)
  • 一絨毛膜二羊膜(いちじゅうもうまくにようまく)
  • 一絨毛膜一羊膜(いちじゅうもうまくいちようまく)

二卵性と一卵性の4割にあたる「二絨毛膜二羊膜」

まず二卵性の場合は、元から受精卵が2個なので必然的に二絨毛膜二羊膜になります。赤ちゃんの部屋が完全にそれぞれ一人ずつに分かれます。

そのため、胎盤もそれぞれ1つずつできるので、胎盤から送られる栄養が偏ったり、へその緒が絡まるなどの心配もありません。

双子の赤ちゃんの図

一卵性の場合は、膜性が3タイプに分けられます。

受精後3日以内に受精卵が2つに分離してできるのが、二卵性と同じように絨毛膜と羊膜が一つずつある二絨毛膜二羊膜です。

二絨毛膜二羊膜の場合はDD双胎と呼ばれ、一卵性双生児の25パーセントにあたります。胎盤は絨毛膜にできるので、胎盤も通常はそれぞれの赤ちゃんに1つずつあります。

ただごくまれに、胎盤が一つになるケースがあります。まず、始めは2つあった 胎盤が妊娠週数が進むにつれて、くっついてしまう癒合胎盤の場合です。胎盤が途中で1つになってしまっても、内部の血管はきちんとそれぞれの赤ちゃんに栄養や酸素が届くようにしっかり分かれているので、栄養が偏る心配はほぼありません。

ただ、一卵性だと何らかの原因により、たまたま始めから胎盤が1つしか できない場合もあります。そうなると、始めから1つの胎盤を二人の赤ちゃんで共有することになります。

一卵性の半数にあたる「一絨毛膜二羊膜」もリスクが高い

次に、受精後4から7日以内に受精卵が2つに分離してできるのが、外側の絨毛膜は1つで内側の羊膜が2つある一絨毛膜二羊膜です。

一絨毛膜二羊膜について

一絨毛膜二羊膜の場合はMD双胎と呼ばれ、 一卵性双生児の75パーセントに当たります。絨毛膜は1つなので胎盤は一つしか作られないため、2人の赤ちゃんが胎盤を共有することになります。

胎盤は血液を通じて、母体からの栄養分や酸素などを赤ちゃんに送る、いわば赤ちゃんの生命維持装置のような役割を担います。

そのため胎盤やへその緒の血流が偏ると、一 方の赤ちゃんに栄養や酸素が不足して成長が遅れたり、一方の状態が悪化するともう一方の状態も悪くなるなど相互に影響を与え合い、最悪命にかかわる場合も あります。この状態は、双胎間輸血症候群(TTTS)と呼ばれています。

双胎間輸血症候群(TTTS)は、血流のバランスが崩れると一方に大量の血液が一気に流れこむので、胎児は水分を多量に吸収し、むくみがひどくなったり心臓に負担がかかり、心不全を起こす可能性が出てきます。

また、尿の量も増えるので、羊水過多の状態になります。逆に流れ込む血液が極端に減ってしまった方の胎児は、貧血や低血圧、発育不全の状態になり、尿の量が減るので羊水過小となります。

状態が悪くなると、片方の赤ちゃんがお腹の中で亡くなるバニシングツインが起こる場合もあります。そうなると、更にもう1人の赤ちゃんの状態が悪化することがあります。

生存している赤ちゃんに今度は一気に血液が流れ込む場合があり、高血圧や心不全といった状態になり、1人は出産を迎えることができても体や脳に 障害が出るリスクも否めません。

ただ、内側の羊膜はそれぞれの赤ちゃんをしっかり包んでいるので、赤ちゃんのへその緒がからまったり、体同士がぶつかり合うなどの心配はありません。

しかし双胎妊娠の中では2番目にリスクが高く、単胎妊娠の10倍ものリスクを抱えることになるので、やはりきちんと妊娠経過管理をしていく必要があります。

ハイリスクで妊娠中の母体管理が難しい「一絨毛膜一羊膜」

そして、受精後13日以 降に受精卵が2つに分離してできるのが、絨毛膜も羊膜も1つしかない一絨毛膜一羊膜です。

一絨毛膜一羊膜の場合は、MM双胎とも呼ばれ、一卵性双生児のわずか1パーセントにあたります。一つの胎盤を赤ちゃんが共有するため、成長に偏りが見られることがあります。

更に羊膜が一つなので、赤ちゃん同士を隔てる壁がないので、広い部屋の中で二人の赤ちゃんが自由に動き回っている状態になります。

一絨毛膜一羊膜について

双胎妊娠の中でも、最も経過観察や母体管理が注意深く行われるタイプの双子で、単胎妊娠の実に100倍ものリスクがあるとされています。

まず、赤ちゃん同士を隔てる壁がないので動きが活発になる頃に、お互いに頭がぶつかり合ったり、へその緒が絡まると栄養素や酸素が十分に行き届かなくなって、命に関わる場合もあります。

そしてMD双胎妊娠と同じように、1つの胎盤から2人の赤ちゃんが酸素や栄養素を摂取しています。

そのため胎盤やへその緒の血流バランスが崩れて、一方の赤ちゃんにしか十分に血液が流れない状態になり、2人の赤ちゃんの成長に影響を及ぼし命の危険が高まるTTTSに陥る可能性があります。

MM双胎は、へその緒が絡まる可能性と、双胎間輸血症候群(TTTS)の2つの大きなリスクを抱えることになるので双胎妊娠の中でも最もリスクが高く、無事に出産を迎えるためにもしっかりと妊娠経過管理をしていく必要があります。

MD、MM双胎に心配な双胎間輸血症候群(TTTS)について

MD双胎とMM双胎の場合、TTTSを発症する可能性があるので、当てはまる妊婦さんにとってはお腹の赤ちゃんが無事に育つかとても心配になりますよね。

TTTSは残念ながら予防法などもはっきり分かっていないので、未然に防ぐのは難しいかもしれません。しかし、いち早く治療を受ければ無事に出産することも十分可能です。そのために日常生活などで気をつけたいことや治療方法などについて説明します。

TTTSは早期発見、治療が大事!お腹の張りや胎動に注意して

TTTSはできるだけ早く発症に気づき、そして専門の病院で治療を受ければ、医療技術が数住んでいる現在では赤ちゃんの命も救われるケースが増えています。

妊娠中は体を動かしすぎたり、ストレスが溜まるとお腹が張って血流のバランスが乱れやすくなるので、TTTSを引き起こすリスクが高まります。自宅では無理をしないで、横になったり座ったりして安静を心がけましょう。

また、羊水過多の状態がひどいとお腹が張ってきたり、短期間で急激に体重が増えたり、以前よりも喉が渇くといった自覚症状を感じることがあります。

更に、妊娠中期以降で毎日感じていた胎動が全く感じられなくなる場合も危険なので、当てはまることがないか毎日体調をチェックしましょう。

少しでも異変があれば手遅れにならないようためらわず、直ぐに病院に連絡し、診察を受けましょう。

治療は母子への負担が少ない方法で、重症度や週数に応じて決める

TTTSの治療法としては、胎児が外の世界でも生きられる週数であれ、胎児を誕生させて新生児治療が行われます。まだ胎児が未熟な場合は羊水を除去したり、胎盤の血流を改善させるレーザー手術による手術が行われます。

手術といっても母体には局所麻酔が行われるし、胎児や母体に負担がかかりにくく安全性も確立されているので心配ありません。

また治療により胎児の状態が改善され無事に出産を迎えられたというケースも多数あり、実績も報告されているのでTTTSであったとしても希望が持てますよね。

ただTTTSと診断されても、羊水過多や過少の度合いや血流異常の程度などにより重症度が段階的にわけられており、全ての場合で直ちに手術や出産後の新生児治療が行なわれるというわけではありません。

軽度の場合は管理入院して経過を観察するという場合もあるので、あまり悲観的にならないようにして医師の指示に従いましょう。

双子がどのタイプかをエコーで調べる「膜性診断」

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双胎妊娠は膜性によって、抱えるリスクも異なるため、早い段階でお腹の子がどのタイプなのかを知っておくことはとても大切です。膜性を知るには、妊娠7週から12週前後までに膜性診断を受ける必要があります。

胎児が成長すると、絨毛膜や羊膜は見えにくくなり、場合によっては正しく診断できないこともあるので双子だとわかった時点で、できるだけ早めに診断を受けることが大事です。

膜性診断は、膣からプローブと呼ばれる細長い機器を挿入して、子宮内の映像を モニターでチェックする経膣超音波検査で行われます。受精卵が子宮内膜に着床すると、赤ちゃんを包む胎嚢という袋が作られます。

この胎嚢の数で絨毛膜の数も決まります。更に、胎嚢の中の胎児の間に膜ができているかを確認します。胎嚢が2個あって、それぞれに胎児と羊膜が見えれば二絨毛膜二羊膜ということになります。

また、胎嚢が1個で、中の胎児の間に膜ができていれば一絨毛膜二羊膜、膜がなければ一絨毛膜一羊膜ということです。そして卵性については、一絨毛膜二羊膜もしくは一絨毛膜一羊膜の場合は一卵性で間違いないと言えます。

ただ二絨毛膜二羊膜の場合は、一卵性でも二卵性でもありえます。受精卵が2個あったの か、途中で分離したのかは外からではわからないので判断が難しいところです。

しかし二羊膜の場合一卵性である確率はかなり低いので、ほとんどのケースで二卵性だと言えます。

※イメージ図

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双子の膜性を知ったら出産までしっかり我が子を守る生活を!

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一卵性や二卵性などは広く知られていますが、膜性までは双子を妊娠しないとなかなか知る機会がないものですよね。

双胎妊娠は単胎よりも体に負担が大きい上に、膜性によっては更にリスクが高まるという事実を知ることは怖いと考える人もいるでしょう。

でも、膜性診断を受けて我が子が置かれている状況をきちんと把握しておくことは、無事に出産を迎えるための第一歩だと言えるのではないでしょうか。

もしリスクがより高い膜性だと分かれば、不安ばかりが募ってし まいますが、リスクが高い一絨毛膜一羊膜の場合であっても、無事に出産を迎え、赤ちゃんも健康に育っているというケースもたくさんあります。

お腹の子供たちを最後に守れるのは、赤ちゃんと直接つながっている妊婦さん自身です。「赤ちゃんは自分が守る」「無事に産んでみせる」と気持ちを強くもって、くれぐれも無理をしないで、かかりつけ医の指示に従って生活するようにしましょう。

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