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妊婦の風疹を予防!赤ちゃんに与える影響と予防接種の必要性

2016/02/03

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現在、妊娠中の女性の風しん感染が問題視されています。

風しんのイメージとしては「三日ばしか」と呼び子どもに多い感染症で重症化する危険も少なく、普段の生活ではあまり注目することは無い人も少なくないと思います。

しかし、妊娠中の女性が風しんに感染すると、赤ちゃんに「先天性風しん症候群(CRS)」という症状を発症してしまう可能性がある事が分かりました。

日本では国を挙げて先天性風しん症候群の予防に乗り出しています。

これから妊娠を考えているパパママにも、そして子どもを持つすべての家庭に知っておいてほしい「先天性風しん症候群」と予防法についてまとめました。

実際あまり「知らない」風しんとは?どんな症状があるのかをチェック

あまりなじみのない風しんの特徴をまとめてみました。

主な風しんの症状一覧

風しんの特徴 詳細説明
病原体 風しんウイルス
潜伏期間 2~3週間
主な症状 発疹・体のだるさ・リンパ節の腫れ・発熱など
感染経路 飛沫感染・接触感染
治療 特効薬はない。対処療法のみ

風しんは風しんウイルスによって発症する病気です。2~3週間の潜伏期間のあとで、体のだるさや耳の後ろや、首のリンパ節が腫れるなどの症状が出ます。

感染しても症状が出ない人が15~30%程いる。こういったデータもあり必ずしも発症するわけではないそうです。

感染しても特効薬はなく、発熱や関節炎などのつらい症状を抑える対処療法しかありません。

たいていの場合は軽く済むのですが、まれに急性脳炎などを引き起こすこともあります。関節炎は大人が感染したときに出やすいようです。

はしかと症状が似ているので自己判断はしないで下さい

発疹が出るなど症状が「はしか」に似ているのですが、症状が軽めで3日でおさまるため古くは「三日ばしか」と呼ばれていました。似ているだけで全く違う病気とされています。

妊婦さんの風しん感染が危険な時期と、先天性風しん症候群の症状

あまり重い症状は出ない風しんですが、妊婦さんが感染した時に赤ちゃんに大きな影響をもたらします。それが先天性風しん症候群です。

妊娠初期の20週までが先天性風しん症候群の感染に要注意です

妊婦さんが風しんに感染した時に起きる「先天性風しん症候群」とはどんな病気なのでしょうか。

また、感染すると影響が出やすい妊娠週数についてチェックしてみましょう。

妊婦さんが風しんに顕性感染した時期 発生した先天性風しん症候群の割合
妊娠1ヶ月(妊娠0~3週) 50%以上
妊娠2ヶ月(妊娠4~7週) 35%
妊娠3ヶ月(妊娠8~11週) 18%
妊娠4ヶ月(妊娠12~15週) 約8%

妊娠1ヶ月(第3週まで)から妊娠2ヶ月(妊娠7週まで)は、ママが服用した薬などの影響も大きく出る時期です。

「絶対過敏期」とも呼ばれており、体の主な器官が分化する非常に大切な時期なのです。

このころに風しんに感染することで先天性風しん症候群が起きる確率も高まります。

またこのデータははっきりとした発疹などの症状があった「顕性感染(けんせいかんせん)」の母親を元になります。

風しんの症状が発症していないだけの、不顕性感染(ふけんせいかんせん)の母親も先天性風しん症候群が起きる可能性があると言われています。

先天性風しん症候群の赤ちゃんの主な症状は心疾患・難聴・白内障の3つ

主な風しんの症状

※画像元:厚生労働省- 風しん・先天性風しん症候群とは?ページより

先天性風しん症候群には、三大症状と呼ばれている主な症状があります。

  • 先天性心疾患
  • 難聴
  • 白内障

このなかでも先天性心疾患白内障は、妊娠初期3ヶ月以内のママが感染した時に発生する症状です。

しかし難聴はそれ以降にママが感染したときも発生する可能性が高いため、注意が必要となります。

先天性風しん症候群で起きる難聴は高度難聴であることが多いそうです。またこれらのほかにもさまざまな症状が出る可能性があります。

先天性風しん症候群のさまざまな症状

  • 網膜症
  • 肝脾腫
  • 血小板減少
  • 糖尿病
  • 発育遅滞
  • 精神発達遅滞
  • 小眼球

先天性風しん症候群そのものは、風しんウイルスが原因となっているため、治療方法が無いのが現状です。

その為、それぞれの赤ちゃんに出た症状に対して対処療法を行っていくことになります。

先天性心疾患の場合は軽いものであれば成長とともに軽快していくケースもあるとされています。

子供の成長を待ち、手術で対応するケースもああります

また今後の生活に支障をきたす白内障などは、出生後成長を待って手術を行います。

白内障も同様で、手術が可能な年齢になったところで白内障手術を行います。しかし遠近調節が難しいなどの後遺症が残るようです。

難聴は人工内耳やその他原因に合った手術で対応するようです。

先天性風しん症候群を防ぐために受けてほしい、抗体検査&予防接種

赤ちゃんの先天性風しん症候群を防ぐために、ママやパパ、そして周囲の人々ができることがあります。不安を解消するためにも抗体検査や予防接種を受けましょう。

自治体の助成制度も!風しん感染を防ぐために抗体検査を受けよう

ここで注意したいのが、抗体検査は自己負担で、予防接種だけは助成されている地方自治体もあります。※その逆もあります。

しかし多くの自治体が妊娠を望む女性に向けた無料の抗体検査を行っているようですので下記のURLからお住まいの自治体の情報を確認してみてください。

ちなみに、抗体検査は内科や小児科、婦人科など(要確認)検査を受けつ事が出来ます。費用は5000円~10000円ほど掛かるのが一般的のようです。

まずはパパとママが抗体検査を受けることが先天性風しん症候群を防ぐための第一歩です。妊娠中のママはもちろんこれから妊娠を考えているママ、そしてパパも積極的に受けましょう。

岡山県の場合・・
岡山県・岡山市・倉敷市では、妊娠を希望する女性と、その配偶者・パートナー・同居する家族に対して風しんの無料抗体検査を行っています。

過去に風しんに感染していても、抗体が低くなっている可能性もあり、自分は大丈夫と思い込んでしまうのが一番危険です。

妊娠を考えている人は、パートナーにもこの話をして一緒に風しんについて向き合うようにしてください。

家族で一度抗体検査を受け、抗体価が低い場合は予防接種を受けましょう。

どの予防接種でも同じですが、免疫がつかない場合もあります。

最大の予防方法はワクチン接種!妊娠前にパパ&ママで予防接種を

上記の抗体検査と同じで、予防接種も地方自治体の保健所などで助成されている場合もあるので、まずは調べてみましょう。
※上記と同じページに飛びます。

ちなみに風しんの予防接種を自己負担すると1回約5000円~6000円程の病院が多かったです。

千葉県市川市の場合・・・
MRワクチン接種の場合5000円、風しんのみのワクチン接種の場合3000円が助成されます。平成28年3月末までの情報です。

妊娠中と知らずに風しんの予防接種をしてしまったらどうなる?

自治体や保健所、病院などでは風しんの予防接種は生ワクチンのため、妊娠中に受けることは出来ないとされています。

妊娠後のワクチンは受けれない警告画像

しかし予防接種を受けてからすぐに妊娠が発覚した場合も、現在赤ちゃんへの深刻な影響は出ていません。基本的に心配はいらないようです。

ただし妊娠中の安全性が確立しているわけではないので、できるだけ生理中や生理終了後すぐなど妊娠の可能性がない時期に受けると安心です。

また接種後2ヶ月間は避妊するように促されています。

妊娠していることに気づかずにワクチンを接種してしまった方から先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれたという報告はこれまでにありませんが、理論的なリスクを考えて、妊娠していない時にワクチンを接種した場合、その後2カ月間の避妊をお願いしています。

産後は授乳中でもワクチン接種を受けても母乳に影響は無い

一人目の妊娠中に風しん抗体価が低いことに気付いた場合は、次の妊娠を安心して迎えるためにも早めに予防接種を受けましょう。

また、抗体検査の結果が出るまでは、3日~7日ほど時間が掛かりますので、急ぎの場合には抗体検査を受けずに予防接種を受けても問題ないとされています。

※ママの妊娠がわかった時に、パパの職場で流行しつつあるなど

すでに抗体がある人が予防接種を受けても副作用・副反応は無く、抗体を強化する効果になる為、心配はいりません。

風しん抗体価がHI法で16倍以下の方が対象ですが、それ以上の方が接種を受けても差し支えはありません。(中略)
母乳中にわずかにワクチンの成分が検出されることがありますが、それによる赤ちゃんへの影響はありません。

予防接種を受けてから免疫ができるまでは、1ヶ月~2ヶ月はかかります。

ママが予防接種を受けた場合は2ヶ月間妊娠をひかえますが、パパが予防接種を受けた場合は免疫ができるまでうつされないように継続して注意が必要です。

予防接種を忘れて妊娠した場合の対処方法

妊娠中に風しんの抗体価が低いと分かった場合は、妊娠初期の間は特に人混みに出かけることを避け、風しん感染を防ぎましょう。

  • 手洗い
  • うがい
  • マスク

そして家族が予防接種を受けることが一番の予防です。

最近の流行と、家族、周囲の人、妊娠中のママが感染した時の対処

実際に最近ではどれくらい風しんが流行しているのか、どんな世代の人に多いのかを知ることで感染を予防することに役立ちます。

また実際にパパやママが感染してしまったとき、どう対処すればよいかをチェックしておきましょう。

近年は2013年に大流行…流行のポイントと流行情報チェック

先天性風しん症候群は世界の風しんが流行している地域では多くみられる赤ちゃんの病気で、重大な問題とされています。日本でもパパ世代に流行しているため油断は禁物です。

風しんが大流行した2013年を例にとると、2012年秋から2013年春までの7ヶ月間に全国で先天性風しん症候群と診断された赤ちゃんが10人にのぼったそうです。

また2012年10月から2014年10月までに、先天性風しん症候群と診断された赤ちゃんは全国で45人います。風しんが流行すれば先天性風しん症候群のリスクが高まります。

風しんは1977年から1995年まで中学生の女の子だけがワクチン接種の対象になっていました。

その後さまざまな変遷を経て、2006年にMR(麻疹・風しん混合)ワクチンが定期接種となりました。

とくに注意が必要な世代についてまとめてみました。

昭和54年4月1日より前に生まれた男性
子どものころに風しんが定期接種ではなかったため、予防接種を受けている人が少ない。
昭和54年4月2日~平成7年4月1日までに生まれた男女
接種率が低い世代。この年代に向けた接種の機会がもうけられていたが、情報が不足していたため接種する人が少なかった。

この年代にあたる人は予防接種をまったく受けていない可能性もあります。

母子手帳に予防接種の記録があるので、お母さんにお願いしてチェックしてみましょう。

2007年に10代から20代の若い世代に風しんが流行し、最近では2013年に大きな流行がありました。

現在の子どもたちは1歳から定期接種を受けるようになったため、抗体を持っている子が多くあまり流行は見られません。

感染者の9割は大人といわれており、さらに40代までの男性に特に多いそうです。

予防接種が女性だけに限られていた世代のパパたちは風しんの抗体を持っていないことも少なくありません。

流行している年代を見ても明らかです。ママとお腹の赤ちゃんを守るためにも、しっかりと予防することが大切です。

また風しんは治療を受け持った医師が保健所に届け出る義務がある病気です。東京都などは、これらの情報をもとに風しんの流行情報をウェブで公開しています。

東京都感染症情報センター:風しんの流行状況

お住まいの地域での流行が気になった場合は、チェックしてみましょう。

またこうしてデータ化されることで、視覚的にも風しんの脅威を感じることができます。

「変だな、風しんかもしれない」

と感じる症状があったら病院へ行きましょう。

妊娠中のママの家族、周囲の人が感染した場合…産婦人科に相談!

風しんが感染しやすいのは発疹があらわれる前後1週間といわれています。

また熱が下がるとウイルスは途端に減っていき、感染力も消えていきます。

幼稚園や保育園も、発疹が消えて医師が感染の危険はないと判断するまで出席停止になります。発症したら発疹が消えるまでが感染の危険が高い期間と考えましょう。

また発疹や発熱がない不顕性感染も多いため、本人さえ風しんに感染していることに気付けないこともあります。

そこで周囲の人の感染状況をしっかり把握しておくことが大切なのです。

特に感染の可能性が高い30代前後のパパは、職場や近場で流行していないか気を付けておくとよいですね。

ママが妊娠中という家庭で家族が感染してしまった場合は、すぐにかかりつけの産婦人科に相談しましょう。その場合は待合室にいるほかの妊婦さんへの感染を防ぐためにも、いきなり病院に行くことはおすすめできません。

事前に電話で「家族が風しんに感染しました」と伝え、診察の時間や受け方などを訊いてから診察を受けてください。また産婦人科に行く際は、風しんに感染している子どもを連れて行かないよう注意してくださいね。

家族が感染してしまった場合は、感染している本人を含めしばらくは妊婦さんに近づくことはやめましょう。

幼稚園・保育園や職場で「風しんに感染している」ということをきちんと伝え、妊婦さんへの感染を防ぐ必要があります。

ママが風しんに感染していることがわかった場合は母子感染の検査

ママが風しんに感染したことがわかった場合、羊水などを調べることで赤ちゃんが風しんに感染しているかどうかがわかります。

ママから赤ちゃんへ母子感染する確率は、3分の1とされています。

また風しんに感染したすべての赤ちゃんに先天性風しん症候群が出るわけではなく、感染した赤ちゃんの3分の1とされています。

ママが妊娠中に風しん感染した場合、赤ちゃんに先天性風しん症候群が出る確率はだいたい1割です。

胎児が感染したか否かは、胎盤絨毛、臍帯血や羊水などの胎児由来組織中に風しんウイルス遺伝子を検出することで診断できる。母親が発疹を生じても胎児まで感染が及ぶのは約1/3であり、またその感染胎児の約1/3 がCRS となる。

さらに必ず重い障害が出るわけではありません。障害の度合いはいつ風しんに感染したかによっても異なります。

不安はひとりで抱え込まず、パパと主治医にしっかり確認していきましょう。

まずは主治医と相談しながらお腹の赤ちゃんの成長を見守りましょう。

出生後に赤ちゃんに対する治療も行われます。心配しすぎずに赤ちゃんが無事生まれてくることを待ちましょう。

風しんと先天性風しん症候群の危険を知って、積極的に予防しよう

現在厚生労働省では2015年に放送されたTBSの人気ドラマ『コウノドリ』とタイアップし、風しんを予防し赤ちゃんを先天性風しん症候群から守るための企画を行っています。

厚生労働省『コウノドリ』タイアップ風しん予防企画ページ

風しんは抗体検査を受ければ自分に感染の危険があるかすぐにわかります。また予防接種を受けることで、簡単に予防することができる病気です。

でも先天性風しん症候群の危険を知らなければ赤ちゃんを守ることができません。

まずは風しんの危険を知ることが、先天性風しん症候群を防ぐための第一歩です。

小さな命を守り大きな未来を守ってあげるためにも、パパとママが率先して風しん予防をおこないましょう。

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