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不妊治療の現実を知ろう!費用や助成金、治療期間について

2015/11/11

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赤ちゃんが欲しいと思っても、なかなか妊娠しない…それが不妊です。以前は、できにくい状態が2年続いたら不妊症と言われていましたが、現在は1年続いたら不妊治療をスタートするべきとされています。

とはいえ、不妊治療にはお金や時間がかかるといった不安が大きいですよね。でも、現在は不妊症に悩むカップルをサポートするシステムもありますし、保険適応の検査や治療も実はいろいろあるのです。

夫婦で妊活に取り組むためには、まずパパとママの体のコンディションを正確に知る必要があります。検査や不妊治療の疑問をスッキリ解消して、不妊治療に取り組みましょう。

助成金もあり!不妊に取り組むためいまずは自分に合った病院選びを

不妊治療には時間も費用もかかるといわれています。知らなければ損をしてしまう助成金制度と、より安心して通えるライフスタイルに合った病院選びのポイントを考えてみましょう。

【不妊治療の助成金】治療を始める前に必ずチェックして!

不妊治療にはお金と時間がかかります。そこで、日本では不妊治療のための助成金も設けられています。詳しくは、厚生労働省の公式サイトに該当ページがあります。

厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業の概要」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/funin-chiryou.html

支援の対象になる治療法
特定不妊治療、つまり体外受精・顕微授精
助成金給付
1年度あたり2回、1回15万円まで。通算5年支給される
助成の対象者
特定不妊治療以外の治療法では妊娠の見込みがないと医師に診断された法律上の夫婦で、夫婦合算の所得限度額730万円以下の男女。自治体によって年齢制限も

この対象者や対象治療法については、厚生労働省が提示しているもので、詳細は各都道府県・市によってかなり変わります。対象年齢が設けられ、年齢もさまざまです。必ず各都道府県・市の専門窓口か、公式サイトで確認してくださいね。

この事業は、各都道府県や指定都市・中核市が中心となって行っています。それぞれの窓口公式サイトへは、厚生労働省のサイトからリンクできます。

厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業 指定医療機関一覧」

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047346.html

各都道府県や市では指定医療機関を設けており、どの病院でも助成金が受けられるわけではありません。知らないと損をしてしまうので、まずは助成金について、お住まいの地域で該当する病院をチェックしてみましょう。

通い続けられるところを探す!安心できる病院選びのポイント

不妊治療の病院選びには、いろいろなポイントがあります。

助成金対象クリニック
都道府県や市から、助成金の対象クリニックに指定されている病院です。
不妊専門クリニック
通常の産婦人科でも受け付けていますが、不妊専門クリニックは不妊治療に特化しています。
講習会や勉強会を開催しているクリニック
不妊専門クリニックや、不妊治療に力を入れている産婦人科では、不妊に関する講習会を開いているところもあります。事前に病院選びの予備知識を得るためにも参加してみましょう。
通いやすいクリニック
不妊治療は長丁場になることも多く、本格的に検査や治療が始まると、何度も通わなければならないことも少なくありません。職場や家から通いやすい場所でなければ、長続きしないこともあるでしょう。夫婦で通い切れる場所を選ぶことも重要です。

不妊治療は多くのカップルが受けていることもあり、注目が高まっています。少子化対策のために行政も力をいれているので、自治体でセミナーを開いているところもあります。

こうしたセミナーやクリニックの講習会に参加すると、同じ悩みを抱えるパパママとの出会いがあります。実際に不妊治療をスタートしているカップルも多いので、病院選びの口コミもたくさん聞くことができますよ。

不妊治療を始める前に…夫婦それぞれの検査について知ろう!

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不妊治療をスタートするにあたって、パパとママはそれぞれ検査を受ける必要があります。どんな検査があるのか調べてみました。

月経周期に合わせて徹底的にチェック!女性の検査の種類

女性は、月経周期に合わせてたくさんの検査が行われます。男性と比べて検査する量が多いのですが、だからといって女性の方に不妊の原因があるというわけではありません。

不妊の原因は、男性、女性それぞれが半々といわれています。また、原因がはっきりわからないこともあり、ストレスが解消されただけでふっと妊娠するカップルもいます。思いつめず、気長に構えて赤ちゃんとのご縁を楽しみに待ちましょう。

しっかり検査を受けることで、体の内部に不妊の原因があったときにすぐ対処することができます。加齢は不妊の大変大きな原因のひとつなので、少しでも年齢が若いうちに妊娠しやすい体調へと整えておきましょう。

不妊治療をスタートする前にしておきたいことがあります。基礎体温の測定です。基礎体温を測定すると、体温の推移によって、ママの体がどんな状態なのかを詳しく調べることができます。

基礎体温は測りはじめて3か月程度のデータがあると良いとされています。そこで、そろそろ不妊治療を始めようかなと思ったら、まず基礎体温を記録し始めましょう。基礎体温表は、診察ごとに病院に持参します。

病院によっては初診時に持参する必要はない、と言われるケースもあります。でも、不妊治療には欠かせないデータのひとつなので、あらかじめチェックしておくことをオススメします。診察時に持参すると、その後の検査の計画も立てやすくなるでしょう。

女性の不妊治療の検査は、初診時に行われる検査と、その後月経周期に合わせて行う検査とがあります。初診時~に行われる検査の例を挙げます。

子宮頸がん検査
子宮頸がんがないか、細胞を採取するなど基本的な検査を行います
超音波検査
子宮内膜や卵巣など、お腹の中の健康をチェックします
子宮卵管造影検査
卵管につまりがあると妊娠しにくくなるため、卵管に異常がないかをチェックします。造影検査後は卵管のとおりが良くなるため、妊娠しやすくなるという説もあります
膣分泌物細菌培養検査
おりものの状態の検査です。カンジダなど病気が潜んでいないかチェックします。
血液検査
肝炎やエイズ・クラミジアなど、感染症の有無をチェックします
ホルモン検査
女性の月経や妊娠は、さまざまなホルモンの働きによって支えられています。こうしたホルモンの状態を血液・尿検査でチェックします。一度にすべて調べるわけではなく、基礎体温の高温期・低温期それぞれで分泌されるホルモンを随時検査します。
アンチミュラー管ホルモン検査(AMH)
卵巣から分泌されるホルモンを調べることで、卵巣年齢や卵巣の能力を予測します。卵子があとどれくらい排出されるかを調べる血液検査です。
抗精子抗体検査
精子に対する抗体がどれくらいあるかを調べます。抗体があると、精子の動きをとめてしまうため妊娠しにくくなります。

病院によって、項目は違ってきます。初診ではママの体の健康をチェックされます。すべての検査を初診時に行うわけではなく、2回目以降に行われる検査もあります。数回にわけて検査を行い、ママの体に不妊の原因が潜んでいないかを調べます。

これらの検査のうち、より専門的なものを不妊治療が進んだ段階でプラスしていくという病院もあります。たとえば流産を繰り返す場合などは、夫婦間の染色体異常を調べる染色体検査も行われます。

通院がスタートすると、月経周期に合わせて変化するママの体の調子を詳しく調べていきます。特に妊娠のタイミングである排卵期には、いろいろな検査を行います。次に排卵期に合わせて行われる検査の例を挙げます。

子宮頸管粘液検査
子宮頸管に分泌される粘液をチェックします。排卵日が近付くと、精子の動きを助けるために分泌される粘液で、妊娠しやすい状態になっているかを調べます。
フーナーテスト
性交渉後、子宮頸管粘液にいる精子の状態を調べます。パパの精子とママの子宮頸管粘液の相性や、粘液の分泌の状態、パパの精子の動きなどを知ることができます。
ホルモン検査
月経中の検査をはじめ、細かく血液検査・尿検査を行うことで、次の排卵がいつごろかを把握することができます。
超音波検査
卵胞の大きさをチェックし、排卵日の詳細な予測を行います。

女性の検査にかかる費用…保険適応検査と保険適応外検査

検査には保険適応のもの、保険適応外のものがあります。病院によって検査項目や金額が異なるのですが、初診時にかかるお金は初診料も含めて5千円程度から3万円程度と開きがあります。

超音波検査のように、目的や方法によって保険適応だったり保険適応外になったりする検査もあります。たとえば染色体検査は、保険適応でも1万円前後と高額です。

保険適応の検査

  • 子宮がん検査
  • 超音波検査(一部)
  • ホルモン検査
  • 染色体検査
  • 子宮頸管粘液検査
  • フーナーテスト

保険適応の検査は、多くが数百円から千円前後となっています。しかし、染色体検査やホルモン検査の一部には、数千円から1万円程度かかるものもあります。

保険適応外の検査

  • 超音波検査(一部)
  • 卵管造影検査
  • 感染症血液検査
  • アンチミュラー管ホルモン検査
  • 抗精子抗体検査

保険適応外の検査は、病院によって金額が大きく変わります。病院によっては料金を一覧で公開しているところもあるので、金額的な不安が大きい場合は、情報を公開しているクリニックを選ぶと安心です。

不妊治療にはこのようにたくさんの検査が必要になります。また、排卵日の特定など、短い周期で何度も高額な超音波検査を受けなければいけないこともあり、月々の支払いも数千円、ときには1万円を超すことも珍しくありません。

不妊3大検査の総額は約26,000円、不妊治療を受ける場合の一ヶ月当たりの支払額は最低でも6,000円が必要となります。

不妊3大検査とは、このクリニックの場合ホルモン検査と卵管検査、精子検査のことです。

女性の検査にかかる時間…検査だけで数か月かかることもある

月経周期に合わせて何度も来院し、検査を行います。絶好のタイミングが休診日、ということもあるので、1ヶ月内ですべての検査が終わるとは限らず、2~3か月かかることもあります。

排卵日周辺は、短いスパンで何度も通院することもあります。また、検査によっては結果が出るまで日数を要するものもあります。治療がスタートしても、タイミングが合わなければ翌月のチャンスを待つことになり、その分通院は長引きます。

仕事をしながら通院する働くママにとっては、平日の来院が難しいこともあるでしょう。その場合はより長い時間がかかり、検査だけで半年経過することもあります。そのため、通いやすいクリニックを選ぶことも、大切なポイントになるのです。

不妊治療に関わる検査で通院する場合に必要なもの&服装

不妊に関する検査で病院に通う場合は、経腟超音波検査なども行います。いつ行ってもすぐに検査できるよう、着脱が簡単な服装、スカート&ソックスなどの服装がおススメです。

通院に必要なもの

  • 健康保険証(月が替わるごとに確認)・診察券
  • お金・クレジットカード等(病院によって使用可能)
  • 基礎体温表
  • おりものシート・ナプキン

多くのクリニックで用意されてはいますが、経腟検査などの後はおりものシートや薄手のナプキンを持参すると安心です。

お金は、通常なら3万円程度用意していけば安心でしょう。病院によって高額な検査が重なることもあるので、次回の診察でどんな検査を行うのか、いくらくらいかかる予定かをあらかじめ前回の診察時にたずねておくとよいですね。

準備が必要な検査や、タイミングが必要な検査、尿検査などのように事前に意識しておきたい検査もあります。わからないことは遠慮せず、どんどん主治医や看護師さんに質問しましょう。

精液検査でさまざまな不妊原因がわかる!男性の検査と費用

パパの検査は、基本的な血液検査で病気の有無をチェックするほかは、精液検査が中心となります。基本の血液検査は自費負担です。精液検査は保険適応で、検査自体は数百円程度で済みます。そこに初診料など診察料が加算されます。

精液検査は、男性不妊検査の基本です。精液の中に存在する精子の数や、運動機能などを調べます。現在は男性に不妊の原因がある場合、かなり高い確率で治療できるようになったと言われています。

病院で精液をパパ自身の手で採取し、その後検査を行います。パパにとっては不安が大きいかもしれませんが、万一異常が発見されたのであれば、早期に治療を行うことで妊娠の可能性がぐんと高くなります。

不妊治療の種類と、それぞれにかかる費用&時間について

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不妊に関わるパパ・ママそれぞれの検査が一通り終わったら、いよいよ不妊治療がスタートします。不妊治療の現状について調べてみました。

4つの主な不妊治療…検査結果を考慮して最善の方法を選ぶ

不妊に関する検査が進むと、パパ・ママそれぞれの体や卵子・精子の状態がわかってきます。卵管につまりがあったり子宮内膜症など病気が潜んでいた場合は、その治療が行われます。さらに不妊治療がスタートします。

不妊治療には、現在大きくわけて4つの方法があります。

  • タイミング法・排卵誘発
  • 人工授精
  • 体外受精
  • 顕微授精

それぞれかかる費用も大きく異なります。検査でわかったパパ・ママ双方のコンディションをみながら、医師と相談しつつよりよい方法を選びましょう。

【タイミング法・排卵誘発】手ごろな料金ですぐトライできる

タイミング法は、排卵のタイミングに合わせて性交渉をもつことで、妊娠の精度を高める治療です。家庭でも基礎体温表をつけていればある程度トライできますが、病院でははるかに高い精度のタイミングを検査によってチェックします。

また、排卵誘発剤を使って排卵をうながす治療も行います。排卵がないことが分かった場合などに適応されるので、やはり事前の詳細な検査が必要になります。排卵の状態を基礎体温・検査で知るためにも、事前に1~2か月ほど準備期間が必要になります。

不妊治療のなかでもタイミング法はそんなに高額なものではありません。タイミング法に必要な検査には保険適応のものも多く、排卵誘発剤も保険適応のものがあります。医師と相談しながら、妊娠にトライしてみましょう。

【人工授精】2万円前後からトライできる、妊娠へのお手伝い

人工授精をはじめとする不妊治療は、自費負担になります。人工授精とは男性の精液を女性の子宮内に人工的に注入し、妊娠を助ける治療です。

人工、とありますが、実は自然な妊娠のちょっとした手助け、といった治療になります。高額とされる自費不妊治療のなかでも比較的お金がかからず、病院によっても異なりますが、1回2万円程度です。

妊娠するまでの期間は、人によって異なります。クリニックでは、ママの妊娠可能な時間を予測する検査も行われるので、先生と相談しながら妊娠を待ちましょう。

現在、都道府県や市によっても期間やママの対象年齢が異なりますが、助成金は基本的に5年間支給されます。その中で少しでも精度を上げることができるよう、検査・治療ともにできるだけ早くスタートしましょう。

【体外受精】現在では一般的な方法に!多くの赤ちゃんが誕生

体外受精は、一度体外に出した精子と卵子を受精させ、ふたたびママの子宮へ戻す治療です。高度な治療の一種ですが、一般的になってきました。まず人工授精を行い、結果が出なかった場合体外受精に移行することが多いようです。

精子に不妊の原因があると判明した場合や、卵管がふさがっていて排卵自体行われていない場合など、昔は治療が難しかった不妊症でも、体外受精によって妊娠できる可能性がぐっと高まりました。

体外受精は、だいたい30万円前後の費用が必要になります。病院によって、また行う治療の内容によっても大きく左右し、15万円~70万円という差があるとも言われています。詳細な検査と医師の説明をしっかり受けましょう。

【顕微授精】最新の技術で、難しいパパ・ママ双方の不妊症も克服

現在、最新の技術を駆使して行われている体外受精の一種です。実は体外受精の場合、卵子と精子は精子自身の力で受精させています。しかし、その能力がない場合、体外受精でも妊娠が難しいことがあります。

そこで、卵子の中に人工的に精子を送り込むことで、受精の手助けをしてあげるという治療です。パパの精子の運動が難しい場合や、ママの体に抗精子抗体があり、精子を受け入れられない場合などでも、この方法で妊娠に至ることもあるのです。

顕微授精は、体外受精にくらべてすこし高額になります。病院によっても異なりますが、やはり30万円前後と考えておくとよいでしょう。

不妊治療の現状を知って、できるだけ早めに検査をスタート!

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不妊治療と呼ばれるのは、受精に関わる治療が中心ですが、その他にも検査段階でパパ・ママそれぞれに病気や異常が発見されれば、それに対する治療もおこなわれます。

不妊の検査は保険が使えることも多いのですが、なるべく費用を抑えるためにも夫に協力してもらって夫婦で検査する方法が最もお勧めです。男性の検査は手軽に色々とわかることに加え、男性が原因の不妊が半分というのが理由です。

夫婦でよく話し合い、お金のことや検査や治療についても事前に確認しておきましょう。不妊治療をスタートすると、いつゴールに達するかわからないので精神的にも金銭的にも辛いと思います。夫婦仲がぎくしゃくすることもあるでしょう。

疲れたら「ちょっと休憩」という息抜きを考えてもいいと思います。あまり根詰めずに過ごすことをお勧めします。

検査・パパ・ママそれぞれの治療にも時間がかかるので、不妊治療は年単位で取り組む大事業になることも少なくありません。時間的・費用的な負担を減らすためにも、日頃から基本的な体調をしっかり整えておきたいですね。

そして加齢は、男女ともに大きな不妊原因です。迷っているうちに、時間はどんどん経過してしまいます。助成金の制限年齢がある自治体もあるので、できるだけ早めにスタートしましょう。

助成金の存在は、大きなサポートになります。自治体によっては説明不足のところも少なくないので、まずは不妊治療に関するセミナーなどに参加して、情報や知識をゲットするとよいでしょう。

つい先日も、卵子と精子が受精する際に必要不可欠な精子の運動に関する物質が特定されるなど、不妊に関する研究は女性サイド、男性サイドともに日々進化を続けています。

不妊の原因がわからないという人、今の技術では難しいと判断された人でも、日進月歩の医学技術躍進によって、近い将来希望が持てるようになるかもしれません。また、行政も社会も確実に理解・協力を深めています。

「不妊の原因が自分にあったらどうしよう」「お金がかかりそうで怖い」…そんな不安もあるでしょう。でも、まずは知ることから未来は拓けます。可能性を強化するために、不妊治療をスタートしてみませんか。

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