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産後の母乳育児のために準備を!妊娠中にできる母乳ケアとは?

2015/02/26

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赤ちゃんを母乳で育てたいという妊婦さんも多いですが、母乳は産後すぐにたっぷり出るというわけではなく、中になかなか出なくて苦労したという先輩ママさんもいます。

産後母乳が少しでも出やすくなるためには、妊娠中にケアしたり、気をつけたほうがよいことがあります。そこで母乳育児について知りたいという妊婦さんに向けて、母乳の良さや母乳育児のメリット、母乳が出やすくなるための方法などを紹介していくので試してみましょう。

母乳について

成長に必要な栄養が豊富

母乳には、赤ちゃんの成長に欠かせない実に様々な栄養素が豊富に含まれています。 まず、アルブミンとガゼインというタンパク質が同じ割合で含有しています。

一方ミルクは固まりやすい性質のあるガゼインの方が多く含まれるので、胃の中で固まりやすく赤ちゃんの体内に吸収されにくいとされています。

次に、体を動かす力の源になる脂肪も豊富に含まれています。脂肪は母親の食事の内容によって含まれる量や種類なども異なるので、食べたものによって母乳の味にも変化が見られます。

また、糖類も牛乳の約2倍含まれるのでほんのり甘くて美味しいと感じられます。そして、ビタミンやミネラルなどもバランスよく含有しており、特に体内吸収率が低い鉄分も母乳には豊富に含まれている ので、貧血になりにくいとされています。

母乳の作られ方

母親の乳房内の乳腺という母乳が作られる部位には、細かな血管がたくさん通っています。この血管内を流れる血液には母体が摂取した様々な栄養素が溶け出しており、血管から染み出して母乳となり乳腺へと流れていきます。

血液の赤色は赤血球に含まれるヘモグロビンという色素のせいですが、母乳には赤血球は含有していないので赤色ではないのです。

また、血液には母親が摂取したアルコールやタバコに含まれるニコチンも溶け出しているため、飲酒喫煙をしていると有害物質は全て母乳を通じて、全て赤ちゃんに届くことになってしまう ので要注意です。

妊娠すると、黄体ホルモンなどの女性ホルモンの分泌量が増え、乳房が大きくなって母乳を作り出す準備が始まります。産後は、別のホルモンの分泌が始まり、赤ちゃんが母乳を吸い刺激を与えることで、更にどんどん母乳が作られるようになります。

母乳育児のメリット 赤ちゃん編

栄養面で優れている

母乳には赤ちゃんの発育に必要とされるタンパク質や糖質、ビタミンやミネラルなどの栄養素がバランスよく、豊富に含まれています。

ミルクよりも消化が良く赤ちゃんの体への吸収率もよいため、母乳を飲んでいるだけで健康的な体作りができます。

病気に打ち勝つ免疫がつく

産後始めて出た母乳は、初乳と呼ばれます。この初乳には、免疫グロブリンAという免疫物質が多量に含まれています。

産まれたばかりの赤ちゃんはまだ免疫力がないので、細菌やウイルスに感染しやすいですが、この免疫グロブリンAを初乳を通じて体内に取り込むことで、免疫力が高まり、細菌やウイルスなどの感染しにくくなります。

また母乳には、タンパク質の一種であるラクトフェリンという栄養分が含まれています。ラクトフェリンは、鉄分の吸収を高めるので、腸内の鉄分も体内へ取り込むことができるので大腸菌などの悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすため腸内環境を整える作用もあります。

更に、赤ちゃんが風邪をひいたときの原因となるウイルスを押さえ込む抗体も母乳には入っているため、母乳を飲めば風邪の症状が緩和されるということも分かっています。

そして、殺菌力のある白血球も含まれており、衛生面でも優れているので哺乳瓶のように消毒しなくても清潔です。

赤ちゃんの味覚を発達させる

母乳は赤ちゃんの成長に合わせて、味や栄養素の量や種類が少しずつ変化していきます。産後すぐの母乳は赤ちゃんの食欲を促すためにやや甘めの味になり、徐々に筋肉などを作るタンパク質の量が増えていきます。

更に、しばらく飲んでいると次第に脂肪分が増えて少し濃い味になり、赤ちゃんの舌とお腹が満足するようにできてています。母乳の微妙な味の変化を感じることで、赤ちゃんは味覚を発達させることができるのです。

離乳食がスムーズに始められる

おっぱいは乳首をただ吸うだけでは上手く出てきません。赤ちゃんは生まれながら備えている本能で、顎と舌を使って上手に乳首を噛んで挟み込み、母乳が出てくる乳頸部という部位を上手に刺激して母乳を出し飲んでいます。

正確に言うとおっぱいを吸っているというよりは、歯茎で挟みこむようにして噛みながら母乳を出し飲んでいるという感じになります。

逆にミルクを飲む際の哺乳瓶の乳首は、吸えば自動的に出てくるという作りになっているので母乳の乳首とはちょっと異なります。

母乳を飲んでいる時点で既に歯茎で噛むという練習がなされているため、離乳食が始まってもどのようにものを食べればよいかということが身についています。そのため、母乳から離乳食への移行もスムーズに行えると言えます。

母乳育児のメリット ママ編

母親と子のスキンシップになる

授乳は母親のみができる赤ちゃんのお世話の一つであり、授乳している間は赤ちゃんのぬくもりを感じることができます。

また、赤ちゃんにとっておっぱいは美味しいご馳走でもあるし、お母さんを感じることができるよりどころだと言えます。お母さんの腕に包まれながらぬくもりを感じ、おっぱいを吸うことで安心感を得ることができます。

お腹がすいていなくても、さみしい時や不安な時お母さんのおっぱいを吸うことで心が落ち着くということもあるため、母乳育児はよりよい親子のスキンシップになります。

授乳時に赤ちゃんの異変を感じることができる

おっぱいを吸うときに直接赤ちゃんの唇が乳首に触れるため、赤ちゃんの体温を直に感じることができます。

口先が熱いのは発熱のサインであり、実際に体温を測ると38℃を超えていたといったケースもあります。授乳するだけでも、赤ちゃんの体の異変をすぐに察知することができます。

ミルク代が節約できる

粉ミルクはメーカーや種類によって異なりますが、安いミルクでも1缶で1500円前後はかかります。成長と共にミルクを飲む量もぐんぐん増えていき、生後5ヶ月位では平均して1日1500ml前後は飲むので1ヶ月でミルクは8000円から9000円近くかかることになります。

1歳すぎまで飲むと考えても、ミルク代の総計は10万円近くかかる計算になります。そう考えると、かなり費用がかかっていることになります。

母乳はお母さんが食事をしっかり取らないとたっぷり出ないですが、バランスのよい食事を摂るためにかかる食費を考えてもミルク代ほどの出費にはならないですよね。コスト面を考えても、母乳育児の方が家計に優しいと言えます。

産後の母体回復に役立つ

母体は産後、妊娠中に大きく伸びた子宮が収縮を繰り返しながら元の大きさまで戻り、体を回復させていきます。

オキシトシンという子宮収縮を促すホルモンは、赤ちゃんが母乳を飲むために乳首を吸うという刺激により分泌量が多くなるという仕組みになっています。そのため、母乳をあげればあげるほど子宮収縮が進み、母体の回復も早くなるというわけです。

母体の体重増加を抑えることができる

妊娠中は赤ちゃんに栄養分を与えるために、食欲が増し妊娠前よりも体重は増加します。出産しても、脂肪を溜め込んでいるためすぐには体重は元には戻りません。

しかし、妊娠中に蓄積した脂肪は産後、母乳の成分へと変化します。体についた脂肪が母乳として消費されるため、授乳中はお腹が空いたと言ってたくさん食べても、体重は増えるどころか自然に減っていくのです。

母乳ケアその1 おっぱいのチェック

 

まず安定期に入った頃に、母乳育児にするかミルクにするかを決めましょう。仕事復帰や病気の関係でやむなくミルク育児にするという妊婦さんもいるでしょう。

母乳育児を推進し、母乳のよさや授乳の仕方などを教えてくれる産院もあるので、母乳にしようと考えているなら、できるだけ早く母乳育児にするという強い意思をもちましょう。

乳首の形をチェック

妊娠24週目を超えるころになったら、まず自分の乳首をチェックして、赤ちゃんが吸いやすい形や大きさかを確認しておくことも大切です。

赤ちゃんが吸いやすい乳首は・・・約1センチ位の長さがあって、お餅のような柔らかさがあること

乳首が小さいもしくは大きすぎたり、硬い場合は赤ちゃんが吸い付きにくいし、吸っても母乳が出にくいので嫌がります。乳首の先は通常丸みを帯びているのに、平ペったくなっている場合も赤ちゃんがくわえにくいでしょう。

また乳首の先は凹んで、内側に入り込んでいるいわゆる陥没乳首も、赤ちゃんが吸い付いても母乳が出にくいと言えます。

自分でチェックしてみて赤ちゃんがくわえにくい、母乳を出しにくい上記のような乳首の場合はかかりつけの産院で助産師さんに見てもらい、少し早い時期からゆっくりケアして行く必要があります。

母乳ケアその2 おっぱいマッサージをしよう

マッサージの時期

乳首の形や大きさが一般的であれば、おっぱいのお手入れはあまり早い時期から始める必要はなく、妊娠10ヶ月に入り出産に近づいた頃から でも充分間に合います。

産院によってはもう少し早く30週くらいからケアを勧められる場合もあります。ただ早くから始めると、子宮収縮を促してお腹が張りやすくなることもあるので気をつけましょう。

乳房のマッサージ

左右の乳房をそれぞれ左右の手で下から持ち上げ、胸を張って両腕の肘を後ろへ引っ張るようなイメージで乳房を上に持ち上げるようにします。

更に、右の乳房の上部分に右手、下部分に左手を乳房を包むようなイメージで置いて時計回りに左右の手を動かしてマッサージします。左の乳房も同じように行いましょう。1回のマッサージは大体10回前後、ゆっくり行いましょう。

乳首のマッサージ

中指と人差し指、親指で乳首の根元付近を優しくつかみ、もう一方の手で下から乳房をしっかり持ちます。乳首の根元を3本の指で優しく押して刺激し、少しずつ位置をずらしながら更に押していきます。

更に、3本の指を前後に動かしてこするようなイメージで縦方向に少しずつ位置をずらしながら、圧迫しましょう。

今度は、3本の指を横方向に動かして、乳首の根元を少しねじるような感じで圧迫し、また位置をずらして全体をまんべんなく行いましょう。1回の圧迫が10秒前後、全体で1分位かけましょう。

マッサージのタイミング

特にマッサージをする時間やタイミングなどは決まっていませんが、1日のうちで時間があって自分がリラックスできる時に行うのが望ましいでしょう。

入浴前に乳房にマッサージオイルやボディクリームを塗って、乳首を少し柔らかくしてから行い、終わったら入浴してオイルを落とすという流れもよいでしょう。

また、お風呂に入って体を温め、血行が良くなったころにお風呂の中で行ってもよいし、入浴後少し休憩してから始めるのもよいタイミングだと言えます。

マッサージの注意点

おっぱいマッサージをすると、子宮収縮しやすいので切迫早産などのリスクを抱えている妊婦さんはやめましょう。マッサージを始める前は、念のため検診で医師に相談してからにしましょう。

マッサージ途中でお腹が張ってきたり、気分が悪くなったらすぐに中止して休みましょう。胎動が激しかったり、出血があるなどいつもと違うなと感じた時も無理してマッサージを続けないで、休んでからかかりつけの医師の診察を受けましょう。

母乳ケアその3 食事や下着などにも気をつけよう

栄養バランスのよい食事を

母乳が出やすい体を作るためには毎日の食事も大切になります。妊娠するとお母さんの摂取した食事に含まれる栄養分は、優先的に赤ちゃんに届けられます。

母体が必要となる栄養素の量や種類も増えるため、栄養バランスのとれた食事をとることが大切になります。

ヘルシーで栄養豊富な赤身の肉や魚をメインにし、野菜や海藻類、大豆製品などを副菜に組み合わせ薄味の和食を中心とした食事がおすすめです。

また、母乳は血液から作られるため、血液中の赤血球の成分となる鉄分や、鉄分の吸収を高めるビタミンなどを積極的に摂るようにしましょう。 血流を促すためにも、体を温めるごぼうや大根などの根菜類やしょうがなどの野菜も多めに摂るようにしましょう。

脂肪分や糖分の多い洋菓子や乳製品は取りすぎると乳腺が詰まりやすくなって、産後母乳が出にくくなるので控えたほうがよいですが、我慢ばかりは却ってストレスとなるので時には息抜きで食べても問題ありません。

体を温めて血流をよくする

母乳を作り出す血液の流れが滞ると、乳腺に血液が届きにくくなって母乳の出も悪くなってしまいます。そこで、スムーズな授乳を行うには妊娠前から血行を良くしておくことが大事です。

特に女性は手足が冷えやすく、血流が滞りがちになるので、まずは体を冷やさないようにゆっくり入浴したり、温かいお茶を飲んだり、お腹をしっかり覆うガードルなどの下着を身につけるようにしましょう。

ゆったりとした下着を身につける

妊娠中は、ホルモンの関係で乳腺が発達し、乳房も少しずつ大きくなります。産後の母乳の出をよくするためには、膨らみつつある乳房をブラジャーで締め付けず、乳首を押さえつけないようにすることが大切です。

妊娠中はワイヤーの入っていない、ゆったりとしたデザインでコットンなど通気性のよい素材を使ったマタニティブラジャーを身につけましょう。

夜寝ている時は、ホルモンの分泌が活発になり、乳腺が発達しやすいのでノーブラジャーで過ごすのもおすすめです。

ストレスを解消しよう

妊娠中は急な体の変化により思うように動けなかったり、体調がすぐれないなど気分が沈みがちになります。また、出産や育児に対する不安からマタニティブルーに陥る妊婦さんもいます。

ストレスはお腹の赤ちゃんの成長にも良いとはいえず、母乳の出を悪くする要因の一つともなります。 音楽を聴いたり、映画を見るなど自分の好きなことをしてストレスをため込めないようにしましょう。

また、体を動かすことはよい気分転換にもなるので、マタニティヨガやスイミングなど妊婦さんでもできる運動を始めてみましょう。教室へ通うことで他の妊婦さんとおしゃべりする機会も増え、ストレス解消にもつながります。

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