迫流産と切迫早産の違いは?治療と予防方法について知ろう

shutterstock_184827212

できれば縁を持ちたくはない切迫流産や切迫早産ですが、もしもわが身に直面したとき頭が真っ白になってしまうかもしれません。

自分や赤ちゃんはこの後どうなってしまうのだろうかと不安になることもあると思います。

結果がどうであれ、できるだけ冷静に起こっていることを把握することがママと赤ちゃんがすぐにできることです。

では切迫流産と切迫早産について、ゆっくりと知識をつけていきましょう。

切迫流産とは?

切迫流産とは、胎児が子宮内に残っていている状態で流産しかけていることを指します。

一般的な流産(稽留流産や化学流産など)は妊娠の継続が不可能ですが、切迫流産の場合は妊娠の継続が可能です。

妊娠12週までに起こる切迫流産には、有効な特効薬はあまりなく、経過観察をしながら週数を経て薬の投与が有効になってきます。

切迫流産の症状を知りましょう!

症状は出血と下腹部痛が主です。出血も腹痛も、妊娠中のトラブルとしては比較的よくあるトラブルと言えます。

しかし妊娠初期の赤ちゃんも母体もまだ不安定な状態の場合、子宮に何らかの異常が起きている可能性が少なくありません。

出血が少量だから大丈夫だろうと決めつけてしまうのは、万が一のことが起こったとき母体が非常に危険な状態になることがあります。

少しの出血でも、早めに病院を受診しましょう。

出血に伴う腹痛は、とても危険です。腹痛が重い場合は、すぐに産婦人科を受診してください。

切迫流産と診断された場合、絶対に胎児が助からないというわけではありません。先生のお話をしっかりと聞いて、少しでも心穏やかに過ごしましょう。

心因的なストレスはママにとっても赤ちゃんにとってもよくありません。

週数でわかる切迫流産

切迫流産は、妊娠初期から21週未満に起こる流産を指しています。特に起こりやすい週数は8週から10週とされています。

正式には、妊娠初期から21週6日までの間に子宮に胎児がいるけれど流産しかけている状態です。その中でも妊娠12週までの流産が一番多く、流産の全体の80%を占めています。

妊娠22週未満で妊娠が継続できないことを、すべて「流産」といいます。

切迫流産の原因は?

切迫流産の原因は、主には赤ちゃん側の染色体異常です。ママがどう頑張っても回避不可能な部分になります。

妊娠初期のママの仕事量や運動量が原因で流産に至るということは、考えにくいですが、胎児の染色体異常とは異なる原因もあります。

母体側に原因があるとした場合に考えられるのは、子宮の病気(子宮頚管無力症、子宮筋腫など)や、子宮内の炎症、ストレスや冷え、そして多胎児妊娠が挙げられます。

治療とママができる予防法

切迫流産の有効的な薬は、初期の段階ではありません。切迫流産の診断が出た場合、実施できる対策の代表が、安静になります。

ある程度の週数が経って止血剤や子宮収縮緩和剤が処方されることもありますが、根本的な治療としては安静が第一です。

仕事や家事を休んで、赤ちゃんと自分のためにも体を横にして安静を心がけましょう。

あまり劇的に有効と言われる予防法はありませんが、普段からママが取り組める予防法はいくつかあります。

まずはストレスをためないことです。ストレスは血管を収縮させて、血液の巡りを悪くします。それから長時間の立ち仕事や力仕事は避けてください。そして何より気を付けたいのはアルコールとたばこです。

妊娠期間中のたばこやアルコールは、ママにも赤ちゃんにもいい影響が全くありません。妊娠がわかったり妊娠を望んでいる時は、早めにやめましょう。

切迫早産とは?

切迫早産とは、妊娠22週0日から35週6日の間に赤ちゃんが生まれそうになってしまう状態を指しています。

子宮の収縮が始まったり子宮口が開いたり、場合によっては破水してしまうこともあります。

この時期に赤ちゃんが生まれてしまうと、赤ちゃんの内臓も体の発達も十分できていないため生まれて来るにあたって命のリスクが伴う場合があります。

ここで押さえておきたいのが、切迫早産と早産が別ものと言うことです。早産は22週0日から36週6日までの期間に赤ちゃんが生まれてしまうことを指しています。

切迫早産と診断された場合は、主治医の指示に従って治療を受けたり日常生活への配所を心がけましょう。

切迫早産の症状は?

切迫早産の症状はいくつかあります。普段と少しでも様子がおかしい、何かが違うと感じたらすぐに病院を受診しましょう。

背中や下腹部の痛み
まずは自宅で体を横にして安静にすごしましょう。赤ちゃんが大きくなってくると、背中に痛みが出る場合があります。安静にしていても全く治まらなかったり、痛みが強くなったり重くなっている場合は要注意です。すぐに病院を受診しましょう。子宮の収縮が起きている場合が考えられます。
おなかの張り
妊娠中は、多かれ少なかれおなかが張ることはあります。ここで押さえておきたいのは、おなかの張の規則性です。安静にしていれば治まる張りの時は、問題ありません。安静にしていても張りが治まらず、10分よりも短い間隔で張りがある場合は要注意です。
不正出血が起こる
出産前におりものに混ざった少量の出血が見られることを、「おしるし」と言います。しかし36週よりも早い段階での出血は、切迫早産の可能性もあります。少量の出血ならば問題ない場合もありますが、自己判断せず医師に相談しましょう。
破水してしまう
破水してしまった場合は、すぐに病院へ行きましょう。破水してしまった場合、羊水から細菌が入ってしまい感染症を起こす可能性があります。破水から一週間以内の出産になる場合が少なくなく、週数が少ない場合は即入院で絶対安静になります。

週数から知ることのできる切迫早産

前述しましたが、切迫早産は22週0日から36週6日までに起こります。

生まれてくる週数が早ければ早いほど、赤ちゃんに障がいが残ったり場合によっては命が危険な状態になることもあります。

一日でも長く、妊娠37週を目指して安静にして過ごし医師から処方された薬や点滴を受けておなかに赤ちゃんがいられるような処置をしてもらいましょう。

治療とママができる予防法

切迫早産の治療は安静が第一です。

症状によって、薬を処方してもらって自宅安静で様子を見る場合と、症状が治まらない場合は点滴治療や入院が必要な場合があります。

入院期間にもかなりばらつきがあり、長いときは数か月単位での入院になることもあります。

ママができる予防法としては、普段から無理のない妊娠生活を送ることです。バランスの取れた食事を心がけ、体を冷やさないように気を付けましょう。

一度早産をした場合は次の妊娠でも早産になる可能性が高くなるので、切迫早産や早産を経験したママは普段の例活で変化がないか少し気を付けておきましょう。

切迫流産と切迫早産の入院や処置について

切迫早産と診断された場合、必ず入院となるわけではありません。自宅安静や点滴治療で経過を観察することも十分考えられます。

しかし経過を観察して、もしくは初めての診察の結果によっては入院して経過を観察しながらの絶対安静になることもあります。

では切迫流産と切迫早産ではどのような処置を受けたり、入院・手術を受けるのか具体的に見ていきましょう。

切迫流産の場合
切迫流産と一口に言っても、段階があります。軽度から重度の段階や経緯、入院や行動制限の種類を把握しておきましょう。

切迫流産の診断と分類

切迫流産は、週数によって診断が変わってきます。

妊娠初期(初期から12週まで)の診断

妊娠初期は、流産を起こしやすい傾向があります。

特に初期に切迫流産と診断を受けても、あまり効果的な治療法はりません。赤ちゃんの染色体異常の場合は、流産となるケースがあります。

妊娠中期以降(13週から22週まで)の診断

妊娠初期の切迫流産の原因は、大半が赤ちゃんにありますが、それ以降の切迫流産は母体に原因がある場合がほとんどです。

仕事等で動きすぎたり無理をすることも原因に挙げられますが、なんらかの疾患(子宮筋腫や子宮奇形など)が原因のこともあります。

妊娠初期の切迫流産とは違い、薬での治療や点滴治療も可能です。しかし原則として安静にしていることが一番の治療になります。

入院について

切迫流産と診断された場合、まずは薬と安静で自宅治療を行うケースが多いです。しかし自宅安静では妊娠継続が危ない場合などは、入院することになります。

入院となると不安なことも多々ありますが、赤ちゃんのためにも入院してしっかりと治療を受けましょう。

行動制限の種類は症状によって異なります

切迫流産で入院した場合、場合によっては行動制限が伴う場合があります。今回はその種類を紹介していきます。どれも治療の基本は、絶対安静です。

ベッド上安静
ベッドの上からほとんど動くことができないような絶対安静状態です。体を起こしたりすることも制限がかかります。トイレは看護師さんに採ってもらうか尿道カテーテルが入る場合があります。複数の点滴を行うこともあります。
病室内安静
病院内の移動が可能です。しかし、必要以上にベッドから立ち歩くことは厳禁です。トイレや洗面は可能ですが、そのほかは絶対安静が原則となります。
病棟内安静
病院の外まで移動が可能です。トイレや洗面のほかに、シャワーが許可される場合が多いようです。しかしこれも原則として、安静状態を守らなければなりません。

切迫早産の場合

切迫早産ではどのような処置があるのでしょうか?入院や手術について少し紹介していきたいと思います。

切迫早産の診断

切迫流産は、妊娠期間が安定期に入ってはいますが胎児がまだ十分に成長発達していない状態で、何らかの原因で子宮口が開きかけてしまっている状態です。

切迫早産と診断が出た場合、入院に加えて場合によっては手術を行う場合もあります。

入院期間にはばらつきがあります

切迫早産の入院期間は、2~3か月になる事が多いです。長期入院なることも、少なくありません。

子宮収縮剤が有効で点滴での治療でも良好な結果が出た場合や、簡単な手術で済む場合は5~7日間の入院で退院可能なこともあります。

入院期間が長期化する場合があります

母子の状態にもよりますが正期産(妊娠37週目)まで入院するケースもあり、主治医と体調を見ながら退院を決めていくことになります。

手術はいくつかの種類あります

切迫早産の手術には、いくつか種類があります。

子宮頚管縫縮術
妊娠中に無自覚のうちに子宮口が開き始めてしまう、子宮頚管無力症という症状があります。最近は、エコーで子宮頚管無力症かどうかの発見が可能です。この手術は子宮頚管無力症に有効で、子宮口を縛る手術になります。手術後は安静支持がなければ、普通の生活を送ることが可能です。妊娠37週を迎えると医師が抜糸を行って、陣痛出産を待つケースがほとんどです。
シロッカー手術
子宮の内側にある、内子宮口を縛ります。妊娠初期から中期にかけての、早い段階で手術を行います。シロッカー手術の場合は、膣壁を切開して糸をかけて縛る手術になります。
マクドナルド手術
内子宮口よりも、少し下(外側)の子宮頚管内部を縛ります。シロッカー手術同様に、妊娠初期から中期にかけての手術になります。

マクドナルド手術はシロッカー手術のように切開はせず、4~5方向に縫合して巾着縛りのように子宮頚部を縛る手術になります。

保険の適応についてと高額医療制度についてのお話

保険に加入した際、女性疾病特約の加入を勧められた経験はありと思います。保険加入時には「今は使うことがないだろう」「使うときはまだ先になる」と思い、加入しない方もいらっしゃると思います。

しかしこの女性疾病特約には、切迫流産や切迫早産などの項目が含まれていることがあります。

妊娠した際には、女性疾病特約保険に加入しているか、項目に切迫流産や切迫早産が含まれているか確認しておきましょう。

また入院が長期化したり手術を受けた場合、高額医療制度の対象になることも考えられます。

女性疾病特約ってどんな内容?

女性疾病特約とは、女性特有の病気やトラブル(乳房や子宮、甲状腺機能等)に特化した内容の保険になります。

普段加入している保険につけ加えて加入しておくと、保険に該当する疾患等での入院や手術になったときに普段加入している保険に加えて給付金を受け取ることが可能です。

女性疾病特約の内容としては、女性特有の悪性新生物(乳がんや子宮がん等)や子宮筋腫などの良性新生物、そのほかの疾病(ここに切迫流産や切迫早産が組み込まれる可能性があります)に対応しています。

保険加入には別途料金がかかります

女性疾病特約に加入すると、加入済の保険とは別途保険料が発生します。そのため必ず加入すべきというものではありません。

まずは基本的な保険内容を充実させて、上乗せして加入することをお勧めします。

高額医療費制度について知っておきましょう!

先ほども触れましたが、長期の入院や手術を受けた場合、ある一定額を超えると高額医療制度が適応されます。

高額医療制度は、月収によって自己負担額が変わります。

<標準月額が83万円を超える場合>

  • 25万2600円を超えると対象になります。
  • 自己負担額上限の計算方式→252,600円+(医療費-842,000円)×1%

<基準月額が53万~79万円の場合>

  • 16万7400円を超えると対象になります。
  • 自己負担額上限の計算方式→167,400円+(医療費-588,000円)×1%

<基準月額が28万~50万円の場合>

  • 8万100円を超えると対象になります。
  • 自己負担額上限の計算方式→80,100円+(医療費-267,000円)×1%

<基準月額が26万円以下の場合>

  • 5万7600円を超えると対象になります。

<住民税非課税の場合>

  • 3万5400円を超えると対象になります。

気を付けておかなければならないポイントは、高額医療制度には差額ベッド費と食事代、保険外の負担金額は対象になりません。

手続きには、事後手続きと事前手続きに2パターンがあります。どちらを利用するかはケースバイケースになることがほとんどだと思います。

対象になった場合は資料等をよく読んで、必要なものをそろえて記入漏れのないよう気を付けましょう。

まずは気持ちを落ち着けて、先生と話し合って今後のことを決めましょう

切迫流産や切迫早産と告げられると、赤ちゃんは大丈夫なのだろうかととても心配になります。

まずはパニックにならずに落ち着きましょう。心因的なストレスは、ママにも赤ちゃんにもいい影響はありません。

しっかり主治医の先生のお話を聞いて、処置を受け、薬などを使いながら安静に過ごしてください。

入院となっても焦らずどっしりと構えておきましょう。赤ちゃんの生きる力と先生からの治療を受けて、前を向いて治療に取り組んでください。

shutterstock_201740495

赤ちゃんを待ち望む女性にとって、流産はとても辛い経験です。ただ妊娠すると誰でも起こる可能性があるため、流産にはどのような種類あるか、どのような症状が出るのかなど流産について知っておくことも必要ではないでしょうか。 そこで、流産の種類やそれに伴う症状を説明していくの...

続きを読む
shutterstock_209316238

初めての妊娠を経験することは、女性にとって本当に嬉しいことです。 戸惑ったり不安に思ったりすることもありますが、そんな心配もお腹の中の赤ちゃんと一緒に乗り越えていこうと思わせてくれます。 だからこそ、お腹の中から赤ちゃんが居なくなってしまうのは、...

続きを読む
少しの知識で

妊娠後、一番不安に思うのは、「無事に出産出来るかどうか」という事ではないでしょうか。自分も赤ちゃんも何の問題もなく出産を果たせるかどうか、家族共々とても不安になると思います。 そこで、赤ちゃんが健康に育ち、予定通り順調に出産する為にも、妊娠後に気を付けなければ...

続きを読む