- B型肝炎ワクチン接種は必要?生後2ヶ月から打てる予防接種 | MARCH(マーチ)

B型肝炎ワクチン接種は必要?生後2ヶ月から打てる予防接種

2016/01/26

予防接種を打つ赤ちゃん
近年乳幼児が受ける予防接種が大きく様変わりしています。パパやママが子どもだったころとは大きく変わってきましたよね。

また年齢が離れたきょうだいがいる家庭では「上の子と下の子で違う!」と戸惑うママも多いでしょう。

特に生まれてから半年くらいの期間は予防接種ラッシュなので、何種類もの予防接種を受けなければなりません。自治体からお知らせが来て無料で受けられる定期接種にばかり目が行きがちですが、任意接種も大切なのです。

B型肝炎ワクチンも重要な任意接種のひとつです。

B型肝炎ワクチンは日本人のウイルス性肝炎の中でも多い感染症を防ぐワクチンで、将来的に肝硬変や肝臓がんになるリスクも軽減してくれるんですよ。

「費用がかかるし、昔は聞いたことがないワクチンだったし、安全性も気になるし…」と悩むママはまだ少なくないようです。でもB型肝炎ワクチンは世界的にも推奨されているワクチンです。

接種のタイミングや回数、またワクチンの重要性や安全性について詳しく調べてみました。


任意接種でも早めに受けておきたい!B型肝炎ワクチンの予防接種

B型肝炎ワクチンはまだあまり知られていない予防接種です。でもとても重要な役割を果たし、今後はもっと認知度が高まっていくと考えられています。

2ヶ月のお誕生日から3回接種!B型肝炎ワクチンの予防接種

B型肝炎ワクチンは、任意接種です。

   

   

B型肝炎ワクチン 詳細説明
接種の種類
(定期/任意)
任意
ワクチンの種類 不活化ワクチン(接種後1週間(中6日)で他のワクチン接種可能)
同時接種について 同時接種可(ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン)
接種推奨年齢 生後すぐからスタート可能
接種回数 3回(ただし成長とともにワクチンの効果が薄れる可能性もあるため、追加接種が推奨されている。)
間隔の説明
  • 1回目…2ヶ月のお誕生日
  • 2回目…1回目から4週間後
  • 3回目…2回目から20~24週後
  • (追加接種)…10歳~15歳くらい

自治体からお知らせや問診票などが送られてくるのは定期接種です。B型肝炎ワクチンの場合は任意接種なので、事前にしっかりチェックしておく必要があります。

定期接種は予防接種法で定められている予防注射で、ほとんど無料で受けられます。一方任意接種は自己負担になります。しかし「受けなくてもよい」というわけではありません。

特にB型肝炎ワクチンは、将来的なリスクから子どもを守るために必要な予防接種です。

その重要性からWHO(世界保健機関)も全世界の子どもたちにB型肝炎ワクチンの接種を推奨しています。

B型肝炎ワクチンの接種スタートと、スケジュール管理方法

B型肝炎ワクチンは、生後すぐから接種できる予防接種です。接種回数は全部で3回です。生後1年までの間に3回の接種が終了するよう、忘れずに受けましょう。

ワクチンの効果は10年から20年ほどといわれています。0歳で3回接種を受けた子も、成長とともにワクチンの効果が薄れてしまう可能性があります。

10歳から15歳くらいで、0歳児接種とは別に追加接種をすることがおすすめです。

赤ちゃんは生まれて半年くらいの間、予防接種ラッシュがやってきます。そのため、B型肝炎ワクチンも上手にスケジュールに組み込んでいくことが大切です。

そこで小児科などで推奨しているのは、B型肝炎ワクチンと他のワクチンの同時接種です。予防接種は何種類かのワクチンを同時接種することが可能で、効果や副作用なども単独接種の場合と変わりません。

予防接種には次の接種まで1~4週間の間隔をあけなければならないものがあります。また赤ちゃんが体調を崩せば受けられなくなってしまいます。さらにロタウイルスのように接種可能な期間が短いものもあります。

そのため生後2ヶ月のお誕生日をスタートに、同時接種で上手に予防接種スケジュールをこなしましょう。2ヶ月のお誕生日にスタートできる予防接種は現在B型肝炎ワクチンをふくめ4つあります。

同時接種を活用したおすすめの予防接種スケジュールです。1回目は2ヶ月のお誕生日に、2回目は3ヶ月のお誕生日に受けましょう。

接種時期 この時期に接種しておきたいワクチン(同時接種)
生後
2ヶ月
B型肝炎1回目・ヒブ1回目・小児用肺炎球菌1回目・ロタ1回目
生後
3ヶ月
B型肝炎2回目・ヒブ2回目・小児用肺炎球菌2回目・ロタ2回目
四種混合1回目
生後
7~8ヶ月
B型肝炎3回目(2回目から20週~24週後)

B型肝炎ワクチンの3回目は、2回目の接種から20週~24週後に受けます。この時期は同時接種する定期接種がないので、忘れないようにあらかじめカレンダーにチェックを入れておくとよいでしょう。

ママがB型肝炎のキャリアだった場合…産後すぐに治療が必要です

B型肝炎は母子感染でママから赤ちゃんに感染する可能性のある病気です。

日本では妊婦検診でママがB型肝炎のキャリアかどうかを確認するので、もしママがキャリアだった場合は必ず出産する病院に申告しましょう。

B型肝炎ワクチンは生後すぐに受けることができますが、母子感染の可能性がない(ママがキャリアではなかった)場合は2ヶ月のお誕生日を待って接種すれば大丈夫です。

しかしママがキャリアだった場合は、すぐに接種を受ける必要があります。放置した場合100%近い赤ちゃんがB型肝炎に感染するといわれているからです。適切な処置を行えば赤ちゃんのキャリア化を95~97%防ぐことができるそうです。

 妊婦検診でHBe抗原陽性のHBVキャリアであることがわかった場合でも、分娩直後に適切なHBVの母子感染予防措置を行えば、生まれた子供の95%~97%について、キャリア化を阻止することができます。

※HBe抗原陽性のHBV=B型肝炎

ママがキャリアだった場合は、生後すぐにガンマグロブリンという血液製剤の一種を投与し、さらにB型肝炎ワクチンを接種します。

赤ちゃんのB型肝炎キャリア化を防ぐために、ママは必ず妊娠中の血液検査を受けましょう。またキャリアだった場合は赤ちゃんへの治療をすぐにスタートできるよう、医師と二人三脚で出産の準備を行いましょう。

生後すぐにB型肝炎の治療がスタートした場合、その後の予防接種スケジュールも変動します。主治医に相談し、赤ちゃんにとって最も良い予防接種スケジュールを組んでもらいましょう。

妊婦さんへのB型肝炎ワクチン接種の安全性は確立していないため、基本的に受けることはできません。

しかしB型肝炎のキャリアであるママから赤ちゃんへの授乳は、赤ちゃんに適切な治療が行われていればOKです。しかし、その場合、乳首に傷があって出血している場合などは授乳ができなくなります。

主治医に相談しながら授乳を進めていきましょう。

 母親がHBVキャリアであっても、生まれた子供に対してHBVの母子感染予防が適切に行われている限り、特に授乳を制限する必要はありません。(中略)
ただし、この場合でも、母親の乳首に明らかな傷があったり、出血している場合には、感染を防御できる量を上回るHBVが口腔の粘膜を介して子供の血液中に入り、感染する恐れがありますので、傷などが治るまでの間の授乳は控えて下さい。

受ける前に、自治体で必ず確認を!B型肝炎ワクチンの助成制度

B型肝炎ワクチンは現在任意接種なので、基本的には全額自己負担になります。しかしB型肝炎の危険を考慮して、自治体によっては助成金が出る場合もあります。

東京都渋谷区では全額助成となっています。

https://www.city.shibuya.tokyo.jp/fukushi/health/yobo/kodomo_ninni.html#kanen

そのほかにも名古屋市や千葉県柏市など、助成がスタートした自治体はいろいろあります。また生活保護世帯や市民税非課税世帯では自己負担額免除制度がある自治体もあります。

接種助成がスタートしている自治体でも、1歳のお誕生日までに受けた接種のみ対象になるなどのルールがあります。接種前にかならずお住まいの自治体で確認しましょう。

またママがB型肝炎のキャリアだった場合は、予防接種が健康保険適応になります。その場合は主治医によく相談しましょう。

B型肝炎ワクチンの予防接種に持っていくものと体調チェック

B型肝炎ワクチンの予防接種を受けるときに持って行ったほうが良いものをチェックしておきましょう。

予防接種には母子手帳が必要不可欠です。忘れないようにしてくださいね。

  • 母子手帳
  • 健康保険証
  • 印鑑
  • 問診票(事前に貰っていた場合)
  • 費用…6000円~8000円程度(赤ちゃん1回あたり)
  • 助成に関する書類(助成がある自治体の場合)

B型肝炎ワクチンは自己負担なので接種に費用がかかります。病院によって金額は異なりますが、だいたい6000円から8000円前後が相場です。

助成がある自治体にお住まいの場合は、必要となる書類も持っていきましょう。

赤ちゃんを予防接種に連れていく前には、必ず体調のチェックを行いましょう。予防接種が受けられないのはこうした不調がある場合です。

  1. 37.5度以上の発熱がある
  2. 急性の重い疾患にかかっている

※ママがB型肝炎のキャリアだった場合など、赤ちゃんはガンマグロブリン投与が行われます。それ以外にも川崎病などでガンマグロブリン投与が行われる場合があります。

川崎病急性期にあたることもあるので、ガンマグロブリンを投与された場合は必ず医師に相談しましょう。

副作用・副反応の危険よりも、感染の危険度の方が高いB型肝炎

ママにとって赤ちゃんへの予防接種でもっとも気になるのが副作用や副反応ではないでしょうか。B型肝炎ワクチンの副作用・副反応は、予防接種を受けた人の10%程度に認められています。

症状は倦怠感や注射を打った場所の腫れや赤み、痛み、頭痛などです。どれも軽いもので、重篤な副作用はほとんど起こりません。こうした症状は自然と数日でおさまっていきます。

予防接種を受けるとごくまれですがアナフィラキシーショックなどの重篤な副作用・副反応が起きる場合もあります。そのため、接種を受けた後30分はクリニックで待機し、少しでも不安がある場合は医師に相談しましょう。

滅多に起こらないB型肝炎ワクチンの副作用・副反応の危険よりも、B型肝炎に感染しキャリアとなる危険のほうが大きいため、WHO(世界保健機関)や厚生労働省では積極的な接種を勧めています。

主治医の意見もよく聞いて、接種するかどうかを判断しましょう。

乳幼児期にB型肝炎に感染すると危険が高まるのは、早い段階で感染してキャリアになるとウイルスが一生体の中に残りやすくなってしまうからです。慢性化しやすくなり重症化するリスクも高まります。

成人がB型肝炎ウイルスに感染しても、多くは一過性感染の後に免疫を獲得します。それとは対照的に、乳幼児はB型肝炎ウイルスに感染すると生涯体内にウイルスが残る状態になりやすいとされています。

乳幼児期の感染が特に危険!がん化することもあるB型肝炎

B型肝炎の予防接種が赤ちゃんの頃から行われるようになったのは、B型肝炎がとても危険な病気だからです。ではどんな病気で、なぜ予防接種が勧められているのか見てみましょう。

B型肝炎ワクチンは、任意接種でもしっかり受けたい予防接種!

B型肝炎は感染性の肝炎のひとつです。毎年2万人近い感染者が出ているといわれています。肝炎を引き起こすウイルスにはA・B・C・D・E型などの型があります。

日本人のウイルス性肝炎の主な原因となっているのは、B型とC型と言われています。

ウイルス性の肝炎のなかでワクチンが開発され予防できるものはA型とB型です。なかでもB型肝炎はとても怖い肝炎で、日本人に多いことからワクチンによる予防が推奨されているのです。

B型肝炎に感染すると大人の場合は一過性感染と呼ばれる感染を起こします。急性肝炎を起こすことがあっても、ほとんどは慢性化することなく治ります。

ただしごくまれに劇症肝炎と呼ばれる重篤な肝炎を引き起こし、半数近くが死に至ります。

大人の感染も決して安全とは言えません。劇症肝炎を起こさなくても感染した人の10%は慢性化するといわれています。慢性B型肝炎になると治療が必要となり放置すれば悪化することもあります。

また赤ちゃんや幼児が感染すると、キャリアと呼ばれる無症状の持続感染者になってしまうことが多いのです。3歳未満で感染した場合、慢性化しやすくなると考えられています。

乳幼児で感染してキャリアになった場合は15年から30年ほど経ったころに免疫機能が発達し、それが引き金となって肝炎ウイルスに感染している肝臓が免疫細胞に攻撃されてしまいます。そこで肝炎が発症するのです。

そのため赤ちゃんのころのB型肝炎ワクチン予防接種がとても重要になってくるのです。早く接種することで免疫もつくられやすくなるといわれています。

また最近の研究で、3歳以上で感染した場合でもキャリア化しやすいB型肝炎ウイルスの存在がわかってきました。さらに完治したと見えても肝炎の遺伝子が肝臓の中に残り、体が弱ると肝炎を引き起こすこともわかってきたそうです。

母子感染・体液以外に経路不明な感染も!B型肝炎の感染経路

B型肝炎は母子感染とその他の水平感染で感染します。水平感染は、主に血液などの体液によって感染します。

感染経路
垂直感染 母子感染
水平感染 性的な接触・臓器移植・タトゥー・
医療現場の針刺し事故・輸血・臓器移植など

実はこれ以外にも「感染経路が不明な感染」も起きているそうです。乳幼児の感染の場合、母子感染以外の感染については感染経路がわからないことも多いそうです。

だからこそ肉眼で見えないウイルスをワクチンでしっかり防いであげたいですね。

昔は医療現場の安全が確立していなかったので、輸血や臓器移植などによる感染も起きていました。でも現在日本国内ではほとんど起こらなくなっています。

しかし今後成長していく子どもたちには、グローバルな未来が待っています。まだ医療が発達していない地域で仕事をする可能性もあるかもしれません。

子どもたちの未来を守ってあげるためにも予防接種でしっかり防ぎましょう。

将来、肝硬変・肝臓がんになることも…がんを防ぐワクチン

B型肝炎に乳幼児期に感染した場合多くは無症状のままキャリアとして成長します。

大人になって肝炎の症状が出る場合もあり、キャリアになった人のうち10%から20%が慢性肝炎になるといわれています。

しかし一部に肝炎が肝硬変に進行してしまう人もいます。さらに肝臓がんに進行する人もいます。肝硬変や肝臓がんは命にかかわる重篤な病気です。

B型肝炎をワクチン予防接種で防いだ場合、キャリア化することを防ぐためB型肝炎から肝硬変・肝臓がんへ進行することも防いでくれます。日本人のウイルス性肝炎のうち多くがB型肝炎とC型肝炎であることを考えると、これはとても大きな効果です。

残念ながらC型肝炎は今の医学ではワクチンで予防することはできません。B型肝炎はワクチン接種で予防できるため、将来の肝硬変・肝臓がん予防のためにもしっかり予防接種を受けましょう。

早めの接種でしっかり効果が出る!定期接種化前でも受けよう

現在、WHO(世界保健機関)ではすべての国の子どもたちに、出生後すぐにB型肝炎ワクチンを定期接種で受けさせるようにと指示しています。実際に先進国の多くで定期接種となっています。

日本では定期接種化が遅れていますが、早ければ平成28年中には定期接種化される可能性が出てきました。しかし定期接種化された場合も年齢や期間に制限が設けられることが十分考えられます。

「任意接種代がもったいないから、来年まで待とうかな」と思ってしまいがちですが、医療現場では定期接種化を待たずに出産後2ヶ月から接種をスタートするよう推奨しています。また助成が出る自治体もあります。

ママがB型肝炎のキャリアだったことが妊娠中の血液検査で判明した場合は、出産前からの準備で赤ちゃんを守ることができます。主治医とよく話し合って、ワクチン接種・ガンマグロブリン治療を受けましょう。

赤ちゃんは早めに予防接種を受けたほうが、しっかり免疫がつくといわれています。赤ちゃんを怖い肝炎や肝硬変・肝臓がんから守るために、2ヶ月のお誕生日からB型肝炎ワクチンの予防接種を始めましょう。

みんなのコメント
あなたの一言もどうぞ