BCGワクチンの適正な接種時期を確認!赤ちゃんの結核予防

2016/02/15

BCG接種後の赤ちゃん
BCGは、1歳までの赤ちゃんが受ける予防接種のひとつです。定期接種で、自治体で集団接種を行っているところもあります。

BCGが予防するのは、かつて恐れられていた病気「結核」です。

結核は特効薬が開発されてから不治の病ではなくなりましたが、現在でも流行を繰り返しており、日本からなくなってしまった訳ではありません。

また赤ちゃんや小さな子どもは重症化することもある、依然として怖い病気でもあるのです。

「跡が残るはんこ注射はイヤだな…」と感じるママもいるかもしれませんね。でも、結核を防ぐためにとても有効な予防接種です。BCGの受け方や、結核の現状について調べてみました。


生後5ヶ月ころに1度の接種で免疫がつく!接種スケジュールを確認

BCGは、結核の感染を防ぐための予防接種です。生後5ヶ月~7ヶ月の間くらいに1度接種する必要があります。

集団接種の自治体もある!はんこ注射の生ワクチン・BCG

BCGは結核予防のための定期接種です。

   

   

BCGワクチン 詳細説明
接種の種類
(定期/任意)
定期
ワクチンの種類 生ワクチン(接種後は中27日、4週間後から他の接種が可能)
接種推奨年齢 生後5ヶ月~7ヶ月
接種回数 1回

※定期接種は、期間内に接種できなかった場合自己負担になります。長期の病気療養などでやむなく延期になった場合は、自治体に問い合わせてください。期間が延長される場合もあります。

結核は昔の病気というイメージがありますが、実は現代日本でもかなり感染者が出ており、年間2万人以上の人が結核に感染しています。

結核は医療の発展が遅れている国ではまだ流行している病気ですが、先進国では非常に少なくなっています。

日本は医学が進んでいるにも関わらず患者が多いため、赤ちゃんの頃にBCGを接種しています。

BCGは生ワクチンです。生ワクチンは、次に別の予防接種を受けるまで、接種後4週間(中27日)以上間隔をあける必要があります。また、パパママ世代に行われていたツベルクリン反応検査は、現在行われていません。

BCGは、俗に「はんこ注射」と呼ばれる、小さな針が複数ついた特殊な注射で接種します。はんこ注射の跡はしばらくすると赤くなっていき、まただんだん目立たなくなっていきます。

BCGは集団接種を行っている自治体もあります。赤ちゃんのための予防接種に関する書類が手元に届いたら、いつ、どこで集団接種を行うのか必ずチェックしましょう。

BCGは生後5ヶ月に1回接種を!生後3ヶ月まではひかえよう

BCGは、生後5ヶ月から7ヶ月くらいの間に接種することがおすすめで、1回接種すればOKです。

予防接種のスケジュール表を見ると出生後すぐに受けられるワクチンとなっていますが、月齢が低いと負担が大きくなると言われています。

また先天性免疫不全症という、生まれつき免疫が弱い病気を持つ赤ちゃんは、BCGを受けることができません。この病気は珍しいものではありますが、診断できるようになるのは生後3ヶ月以降くらいなので、それ以前の接種はひかえた方が良いそうです。

もしお住まいの地域でBCGが集団接種であれば、5ヶ月に入ったらなるべく早めに接種を受けましょう。

生後6ヶ月以降はママからもらった免疫も切れ始めるので、病気に感染する機会も増え、予防接種スケジュールがずれ込みやすくなります。

上手なスケジュールの立て方をマスター!他の接種とのタイミング

一般的に、赤ちゃんの予防接種は生後2ヶ月から受けるヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン、任意接種のロタウイルスワクチンからスタートします。これらは赤ちゃんが感染しやすく、感染すると重症化する怖い病気でもあります。

BCGは生ワクチンなので、1度接種すると次の予防接種まで1ヶ月近くあけなくてはなりません。また現在赤ちゃんや若い世代の結核感染が少ないこともあり、より感染するリスクが高い病気のワクチンが優先されます。

そこで、現在小児科で推奨されているスケジュールをご紹介します。

生後2ヶ月~5ヶ月の予防接種スケジュール

生後2ヶ月
小児用肺炎球菌1回目・ヒブ1回目・ロタ1回目・B型肝炎1回目
生後3ヶ月
小児用肺炎球菌2回目・ヒブ2回目・ロタ2回目・B型肝炎2回目・四種混合1回目
生後4ヶ月
小児用肺炎球菌3回目・ヒブ3回目・四種混合2回目・ロタ(5価)3回目
生後5ヶ月
四種混合3回目→1週間後【BCG接種】

予防接種は同時接種できるものもあります。小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチン・ロタウイルスワクチン・四種混合ワクチンなどは同時接種可能ですので、同時に受けてタイミングを逃さないようにします。

BCGを集団接種で受ける場合は、四種混合ワクチンは病院で個別に接種することが多いので、同時接種できません。

その場合は、接種後1週間の間隔をあければ次のワクチンが打てる不活化ワクチンである”四種混合ワクチンを優先”します。

BCGを先に受けてしまうと、四種混合ワクチンの3回目まで4週間あけなければならなくなるので注意しましょう。

BCGを集団接種ではなく、個別接種で受ける場合は四種混合ワクチンと同時接種も可能です。

地域で結核が流行していて赤ちゃんが感染するリスクが高かったり、家族に結核感染者がいる場合などは、生後3ヶ月からの接種を勧められることもあります。

その場合は小児科医とよく相談し、予防接種スケジュールを組み直してもらいましょう。

BCG接種を受けたあとに注意しておきたい副作用・副反応

パパママにとって、予防接種で気がかりなのは副作用・副反応ではないでしょうか。

BCGの場合、接種した部分が2~3週間後に腫れてきます。これは正常な反応なので心配ありません。少し膿む子もいます。

腕の腫れはしばらくすると自然に治ってきます。薬は使用せず、自然に腫れがひくのを待ちましょう。ごくまれですが、わきの下のリンパ節が腫れる子もいますので気になる場合は医師に相談しましょう。

また、接種を受けたところのぽつぽつが10日以内に真っ赤に腫れて膿んでくるようなら、「コッホ現象」と呼ばれるものです。これは副作用・副反応ではありません。

菌を発見した研究者の名前が由来となっており、特に5週~6週目あたりに症状がひどくなるようです。

コッホ現象は、BCGを接種する前にすでに赤ちゃんが結核に感染していたことを表す反応です。コッホ現象かなと思ったら、BCGを接種したかかかりつけ医を受診しましょう。

コッホ現象の他にも、一定の割合でリンパ節の腫れ、局所または全身の皮膚に症状が出るなど、比較的軽度の反応がみられるようです。

また稀に重症化する症例も報告されています。

骨炎
BCGワクチンに含まれる菌は、弱毒化されてはいるのですが生きている状態なので、稀に菌が骨に感染してしまうことがあります。発生しやすい場所としては、大腿、上腕の骨が挙げられます。。

骨炎が起こった部位は痛みや腫れを伴い、大腿の場合は歩行が困難になることもあるそうです。

全身性BCG感染症
骨塩と同様の理由で、血液中に菌が入り込むことがあります。こうなると摂取した箇所以外にも腫れなどの症状があらわれます。

免疫不全の患者が接種した場合に起こりやすく、命に関わることがあります。

はんこ注射の跡が気になる…成長とともに目立ちにくくなります

BCGの後に気になるのは、はんこ注射の跡が残ることですよね。特に女の子のママは「将来ノースリーブを着るとき可哀想…」と不安に思うのではないでしょうか。

パパママの中で、1976年以前に生まれた人は、腕にくっきりとしたはんこ注射の跡が残っている人も多いでしょう。これは、実はBCGではなく、現在は行われなくなった天然痘の「種痘」の跡です。

パパママの腕に残っているようなくっきりとしたはんこの跡は、BCGでは残りません。ぽつぽつとした針の跡がうっすら残る程度です。それも成長とともにだんだん薄くなり、目立たなくなってきます。

ケロイド体質の場合は多少跡が残りやすいようです。でも、赤ちゃんは腕が細くて短く、注射痕も赤いので目立ちやすいのですが、成長とともに赤みが消え、腕も長く太くなってくるため、どんどん目立ちにくくなります。

BCGは、法律で肩に近い部分の腕に打つことが決められています。そのため、「もっと目立ちにくい場所に打って」ということはできないのです。

大人になるにつれてうっすらと目立ちにくくなりますし、同世代の子どもは男の子も女の子もみんな同じ跡がありますので、あまり気にし過ぎないようにしましょう。

自分では見えにくいので、ママが気にしなければ意外と本人も気にしないかもしれません。

ケロイド体質で他の人よりもはっきりと跡が残っている場合や、どうしても気になる場合は、ある程度大きくなってから形成外科のケロイド外来などに相談するという道もありますので、接種時点で過敏に注意し過ぎないようにしましょう。

家庭ではよもぎローションが跡を薄くするには良いそうです。しかしこれも勝手に試すのはNGです。必ずBCGを接種してくれたかかりつけ医に相談し、BCG跡がしっかり乾いて安全なことを確認してかとしてくださいね。

予防接種には母子手帳をお忘れなく!事前のチェックポイント

予防接種を受ける際は、いろいろな持ち物が必要になります。特に忘れてはいけないのは母子手帳なので、赤ちゃんのころは常に持ち歩くようにしましょう。

  • 母子手帳
  • 健康保険証
  • 印鑑
  • 問診票(事前に貰っていた場合)

母子手帳はBCGに限らず、小学生になっても予防接種を受ける時は必ず必要になります。予防接種の記録がすべて記載されるので、子どもが大人になるまできちんと保管してください。

BCGは定期接種なので、費用はかかりません。四種混合ワクチンと同時接種する場合も四種混合ワクチンも定期接種なのでやはり費用はかかりません。

時期を逃してしまったなど任意接種になる場合は費用が発生します。

予防接種は、赤ちゃんが健康で元気があるときに接種します。発熱などの異変がある場合は接種できません。BCGを受けられないケースをピックアップしてみましょう。

  1. 37.5度以上の発熱がある
  2. 急性の重い疾患にかかっている
  3. 先天性免疫不全症が認められる
  4. 川崎病の発症後2ヶ月の急性期

※BCGは生ワクチンですが、ガンマグロブリンの影響を受けません。しかし急性期には受けることができません。ガンマグロブリン療法を受けた場合は、必ず問診票に記入し医師に伝えましょう。

赤ちゃんは重症化することもある!結核の症状や感染経路

結核は、不治の病として恐れられてきました。現在では治らない病気ではなくなりましたが、依然として多くの患者さんが発症しています。

国民病と呼ばれ、死因第一位だった結核の現状と、主な症状

結核は、結核菌という細菌に感染して発症する病気です。結核の歴史は古く、エジプトのミイラからも結核感染の跡が見つかったそうですよ。日本では主に戦前大流行し、国民病とも呼ばれました。

かつては日本人の死因の一位になっていたほど蔓延していた病気です。特効薬が開発され、不治の病ではなくなりました。

しかし世界ではいまでも20億人の感染者がいるとされ、死亡者も多い病気です。

日本でも撲滅されたわけではなく、今でも年間2万人を超える患者さんが出ています。年配の人が中心ですが、若い人でも感染します。私自身、学生時代身近な後輩が発症し驚いたことがありました。

結核菌を原因とするこの感染症は、主に肺に影響を及ぼします。菌が肺の中で増殖することにより、呼吸困難によって命を落とすこともあります。

感染した臓器の炎症が進むことで化膿したような状態になり、機能を果たさなくなってしまう可能性もある怖い病気なのです。

フランスのカルメットさんとゲランさんが研究していた細菌であることから、Bacille Calmette-Guerinの頭文字をとってBCGと名付けられました。Bacilleとは細菌のことです。

初めて新生児に投与されたのは1921年、日本にやってきたのは1924年と、長い歴史を持つワクチンです。

結核に感染しても、すぐに発症するとは限りません。発症すると最初は微熱、痰やだるさなどの風邪に良く似た症状が出ます。咳が長引き、長期間体調不良が続くようであれば、結核が疑われます。

悪化するにつれ、痰に血が混じることがあります。


パパママでも感染する可能性は大いにあります。また、年齢が低いと重症化しやすくなり、3歳~4歳以下の子どもは要注意です。特に1歳未満の赤ちゃんは重症化しやすく危険です。

重症化すると、小さな子どもは粟粒結核という重度の肺結核を発症したり、結核性髄膜炎を起こすこともあります。結核性髄膜炎は、脳を包む髄膜に結核菌がついて炎症を起こす病気で、死亡例もあり、重い脳障害を残すこともあります。

「結核は薬で治るんでしょう?」と軽く見てはいけない病気です。特に赤ちゃんは生後5ヶ月に入ったらできるだけ早めにBCGを受けましょう。

家族から赤ちゃんに感染させないことが重要!結核の感染経路

結核は飛沫感染で広がっていく病気です。結核に感染した人の咳やくしゃみに結核菌が含まれているので、それを吸い込むと感染します。肺に入ると肺結核になりますし、髄膜に及ぶと結核性髄膜炎を発症します。

身近な人からうつることが多いのですが、感染経路がわからないこともあります。最近は流行しているため、どこから感染するかわかりません。

若い時に結核や結核性肋膜炎をわずらったり、発症はしないものの結核菌の保菌者になっていた祖父母が、高齢で免疫力が落ちて発症することもよくあります。

祖父母が長く咳き込むことがあったら、他の病気の可能性も含めて病院で診察してもらいましょう。もし祖父母が結核だった場合、家族が感染する可能性はぐっと高まります。BCG接種前の赤ちゃんがいる場合は、すぐに主治医に相談してくださいね。

赤ちゃんを結核から守るもっとも良い予防法はBCG接種です。普段からパパママをはじめ、祖父母も体調に気を配り、おかしいなと思ったら受診するように心がけましょう。

結核は今でも流行しています!BCG接種で確実な予防が大切

結核はすでに過去の病気として忘れられかけています。しかし静かな流行は続き、厚生労働省も注意を呼びかけています。

高齢者だけでなく、若い人でも感染するリスクがあることを、常に心にとどめておきたいですね。

特に4歳以下の子どもや赤ちゃんは重症化しやすく、結核性髄膜炎や重い肺結核を発症すると命に関わることもあります。家族からうつすことがないように気をつけましょう。

BCG接種は、タイミングがポイントです。生後5ヶ月に入ったら、第一次予防接種ラッシュのフィナーレとして忘れずに接種しましょう。

生ワクチンなので、前後をよく考え、四種混合ワクチンなどのタイミングとあわせて接種してくださいね。

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