足が痛い痛いと泣く子供・・・考えられる13の病気と見分け方

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2017/01/23

足を痛がって大泣きする子供への対応に困ったことはありませんか?日中は元気に遊んでいたのに、夕方や夜になると泣き出すほど足を痛がることも。

病院へ連れて行くべきなのか悩んだり、重症な病気を患っているのではないかと不安になることも多いと思います。

ここでは、捻挫などをしたわけでもないのに、子供が足を痛いと訴える際に考えられる原因や病名、その際の見分け方について調べてみました。

疾患を見逃さないために・・・疑われる病名を知ろう

子どもが脚を痛がっているとき、まずはどの部位を痛がっているのかを確認しましょう。痛がる部位によって、考えられる疾患名がかわってきます。

また、子どもの年齢によって、なりやすい疾患も代わってきます。ここでは、「痛みが発生しやすい部位」と「年齢別」に分けて、疑われる疾患を一覧にしました。

まずは疑われる病名を知り、その病名の症状などについて詳しく調べることをおすすめします。

どこを痛がっているのか?部位別の病名一覧表

「脚が痛い」と泣くお子さん、実際に痛がっている部分はどのあたりですか?「脚」と言っても、股関節などの付け根部分から、つま先まで部位は沢山あります。

痛む場所別に考えられる病名をまとめてみました。もちろん、この分類が100%当てはまるわけではありません。

痛む部位 考えられる病名
股関節 大腿骨頭すべり症、ペルテス病、骨肉腫
太もも 骨肉腫、むずむず脚症候群、成長痛
ひざ 大腿骨頭すべり症、ペルテス病、小児白血病、骨肉腫、アレルギー性紫斑病、反張ひざ、成長痛
すね・ふくらはぎ 骨肉腫、アレルギー性紫斑病、むずむず脚症候群、シンスプリント、成長痛
足首 成長痛、アレルギー性紫斑病
足の甲 第1ケーラー病、フライバーグ病
足の裏 フライバーグ病、むずむず脚症候群
かかと 大腿骨頭すべり症、アレルギー性紫斑症、踵骨骨端症

どの疾患も、症状の出方は個人により様々なので、いろいろな視点からお子様の症状をよくみてあげるようにしてくださいね。

その病気になりやすい年齢ですか?各疾患の好発症年齢一覧表

また、子どもの年齢によっても、なりやすい病気がどうか変わってきます。それぞれの疾患には、なりやすい年齢(好発症年齢)があるためです。

たとえば、子どもが股関節に痛みを訴える場合、「大腿骨頭すべり症」「ペルテス病」「骨肉腫」が疑われます。

しかし、その子の年齢が4歳だった場合、一番疑わしいのは「ペルテス病」になります。

なぜなら、ペルテス病に発症しやすい年齢が4~7歳なのに対し、他の2つの病気は10代でよく発症する病気だからです。

脚の痛みを発症する13の病名の、発症しやすい年齢(好発症年齢)を一覧にしてみました。

疾患名 好発症年齢・性別
大腿骨頭すべり症 10~14歳 男児
ペルテス病 4~7歳に多い(2~12歳に発症)
小児白血病 3~5歳
骨肉腫 10代~20代
オスグッド・シュラッター病 10~15歳
アレルギー性紫斑病 3~10歳男児
反張ひざ 2~12歳
第1ケーラー病 5~7歳くらいの男の子
フライバーグ病 思春期(12~18歳)の女の子
踵骨骨端症(シーバー(セーバー)病 8~12歳
シンスプリント(すね) 年齢による発症例の差はない
むずむず症候群 年齢による発症例の差はない
成長痛 3歳~小学校低学年

では次の章より、13の疾患を部位別に分けて、詳しく説明していきましょう。

小児の股関節に異常がおこる2種類の病気

子供の股関節に異常が現れる病気で、足の痛みを訴える疾患には「大腿骨頭すべり症」と「ペルテス病(骨端症)」があります。

どちらもきちんと治療を受けないと、成人になってからも痛みや歩き方に障害が残ることがあります。

症状だけでは特定できない病気ですが、あてはまるものが多い場合はしっかりと検査を受けることが重要です。

また、痛みを感じない股関節の病気には「先天性股関節脱臼」があります。生後まもない赤ちゃんが発症し、3~4ヶ月検診の股関節検査で発見できる疾患です。

ここでは、子どもが痛みを感じる股関節疾患である「大腿骨頭すべり症」と「ペルテス病」について詳しく取り上げていきましょう。

1.【大腿骨頭すべり症】10代男児に多い股関節の病気

10代の男の子に多くみられ、股関節・おしり・膝・かかとなどに痛みを訴える病気です。SCFE(Slipped capital femoral epiphysis)ともいわれます。

原因が解明されていない小児の骨の異常で、ホルモン異常による発症の可能性が高いと考えられています。

発症部位と発症しやすい年齢
人間の下半身は、骨盤で太ももの骨である大腿骨とつながっています。大腿骨の先端部分で骨盤とつながっている部分が大腿骨頭です。

子供の大腿骨頭の近くには、骨端線があります。骨端線とは軟骨のような組織でできており、少しずつ伸びながら骨に代わっていく部分です。

骨端線は手足などにある長い骨の両端にあり、骨を長く成長させる働きをします。つまり、骨端線があることにより、骨が大きくなり身長が伸びるというわけです。

大腿骨骨頭すべり症は、この大腿骨頭にある骨端が後ろにすべる疾患です。日本での発生率は0.003%ですが、最近では肥満の子供が増えていることから増えてきている病気です。

我が国における発生率は約0.003%で最近は肥満の子供が増えていることもあって増加傾向にあります。

また、10~14歳の思春期の男児に多くみられ、太っていたり身体の大きい子がなりやすい傾向があります。またスポーツが好きで身体を良く動かす子でも発症することがあります。

2つのタイプ
大腿骨頭すべり症には、不安定型と安定型の2つのタイプがあります。

  • 不安定型(急性)・・・急激な痛みで歩けなくなる、関節の動きに異常が出る
  • 安定型(慢性)・・・経過がゆっくりで進行が遅い。痛みを感じないことも

どちらの場合も、放置すると変形型股関節症になってしまい、成人してからも股関節の痛みや動かしづらいなどの障害が残る場合があります。

主な症状
  • 股関節の痛み、ひざ・かかと・おしりの痛みの場合もあり
  • 歩き方の異常(足を引きづる、足を外側に回しながら歩く)
  • 足の曲げ伸ばしがうまくできない(仰向けになって膝を曲げたときに、膝が外側へ開く)
  • 股関節を内側にひねると痛みを訴える
診断
X線診断、MRI、超音波による画像診断、小児整形外科の専門施設での治療が必要です。

2.【ペルテス病】5歳前後の男児に多い股関節の骨端症

大腿骨頭すべり症によく似た症状を示すのがペルテス病です。股関節ではなく、ひざの痛みを訴えることも多いので発見しにくい場合もあります。

某大学病院で膝関節痛を訴えて来院した男児に対して、膝に関する検査を徹底的に行なっても原因がわからず、結局ペルテス病であったというケースがありました。

この疾患が疑われる場合は、歩き方、股関節の動かし方に異常がないか注意が必要です。

部位と原因・特徴
骨盤と大腿骨のつなぎ目にあたる、大腿骨頭部分の疾患です。骨の成長に必要な骨端部分への血流が滞ってしまう「骨端症」です。

骨端症は発生部位により、「ペルテス病(股関節)」「オスグット・シュラッター病(膝の下)」「ブロート病(膝関節)」「ケーラー病・フライバーグ病(足の甲)」「シーバー病(かかと)」などに分けられます。

骨端症になると、何らかの原因で骨端部分に血流が途絶えて栄養が行き渡らなくなり、骨頭部分が壊死状態になってしまいます。

なぜ血流が滞ってしまうのかは、まだ解明されていません。発見が遅れると治療が長引いたり、状態によっては変形性股関節症になってしまう場合もあります。

発症しやすい年齢と症状
2~12歳の発育期の子供にみられますが、特に多いのは4~7歳です。女の子よりも男の子の方が多く発症します。

症状の現れ方は、大腿骨頭すべり症に似ています。股関節やひざの痛みを訴え、歩き方に異常がみられるようになります。

ひざから下を内側にねじると痛みを感じたり、左右の足を比べると痛い方の足だけ股関節の動きが狭かったりします。

症状だけではペルテス病を診断することはできません。異常を感じたら、なるべく早く病院を受診しましょう。治療が遅れると骨頭部分がつぶれて後遺症が残りやすくなります。

診断と治療
X線、超音波、MRIなどの画像診断を行い、骨頭の変化をみつけます。特に、X線検査では前方からだけでなく側面からも撮影することで患部が発見できることがあります。

ペルテス病かもしれないといわれたら、できるだけ早く専門の先生に診てもらいましょう。治療は「経過観察」「装具療法」「手術療法」などがとられます。

子どもの「ひざ」に痛みを感じやすい・・・5つの病気

子どもが膝の痛みを訴えるときに気をつけたい病気には、次の5つが挙げられます。

  • 小児白血病
  • 骨肉腫
  • オスグットシュラッター病
  • アレルギー性紫斑病
  • 反張ひざ

さらに、股関節の病気の場合でも「ひざが痛い」と言う場合があるので、ひざだけでなく足全体の動きや歩き方に異常がないかをよく確認しましょう。

3.【小児白血病】関節痛以外の症状がないか注意して

白血病で足の痛みが起こるというのは初耳の方もいらっしゃるかもしれません。骨折のような痛みではなく、手足や腰の骨に、骨の中から発生するような痛みを感じることがあります。

白血病の種類と特徴
私達の身体に流れる血液は、骨の中にある「骨髄」という部分で作られます。血液が作られる過程で、骨髄内でがん細胞が増えてしまうのが白血病です。

白血病は「血液のがん」であり、15歳以下の子供が発症すると「小児白血病」といわれます。小児白血病はこどもがかかる「小児がん」の中で、もっとも多いがんです。

白血病には「骨髄性」と「リンパ性」の2つのタイプがあり、さらにそれぞれを「急性」と「慢性」に分けることができます。

子供がかかりやすいのは急性の白血病で、急性リンパ性白血病が約70%ともっとも多く、ついで急性骨髄性白血病が約25%を占めています。

急性の小児白血病は大人の白血病よりも回復率が高く、治療を受ければ高い確率で長期生存が可能な病気といえます。

化学療法の進歩や造血幹細胞移植の導入により、リンパ性白血病で80%以上、急性骨髄性白血病でも70%以上の長期生存率が得られています。

疑われる症状がある場合は、早めに検査を行い、治療を受けるようにしましょう。

症状・年齢
小児白血病はどの年齢でも発症しますが、「急性リンパ性白血病」では、特に3~5歳、女児より男児に多くみられます。

白血病の症状は様々で、動悸や息切れなどの貧血症状、発熱や頭痛、鼻血や内出血(あざ)が増えるなどがあります。

そして、白血病が進むと、ひじやひざなどの関節や骨に痛みを訴えることがあります。腫れや赤みは見つからず、いったん痛みがおさまっても何度も繰りかえす場合も。

骨に痛みを感じるほどになる場合は、病気が進行していることが考えられます。他の症状とも合わせ、おかしいなと思ったらすぐに小児科を受診しましょう。

診断・治療
まずは、問診・視診・触診で症状を尋ねられます。「足が痛い」だけで受診すると、成長痛と診断されてしまう場合もあります。気になった症状をしっかりと伝えて、検査をしてもらいましょう。

白血病かどうかは、血液検査や尿検査で診断されます。また、骨髄液を採取して、異常がないかを調べる場合もあります。

白血病と診断された場合には、抗がん剤による化学療法や造血幹細胞の移植が行われます。脱毛や吐き気など強い副作用が現れることがあるため、治療中の子供へのケアも大切です。

4.【骨肉腫】10~20代に多く発症!筋肉痛と間違いやすい病気

日本では年間に200-300人ほどの人が発症するという骨肉腫。骨にがんが発生する病気です。発症する患者数が多くないため、正確な判断までに時間がかかる場合があります。

まれな疾患であるために専門施設でも正確な診断までに時間がかかることがありますが、骨に発生する肉腫は正確な診断のうえで、はじめて正しい治療を行うことができます。(中略)骨に腫瘍ができている疑いがある場合には、決して専門医の受診をためらわないでください。

骨肉腫が疑われた場合には、希少がんを扱うような専門的な病院への早期受診をしましょう。

骨に腫瘍ができたからといって、すべてが骨肉腫であるわけではありません。生命に影響を及ぼさない良性の骨腫瘍の場合もありますので、きちんとした検査が必要です。

骨肉腫の特徴・原因・部位
骨肉腫は骨に「肉腫」という悪性腫瘍が発生するがんですが、なぜ肉腫ができるのかについては解明されていません。

骨に発生するがんには、他の部位から転移した場合と、骨から発生したものがあり、骨から発生したものを骨肉腫と呼びます。

発生部位は膝周辺が一番多く、ついで股関節、肩関節、顎の順で多くみられます。

年齢・症状
10~20代に多く発症しますが、5歳くらいの子供の発症例もあります。女性よりも男性にやや多く発生する傾向です。

ひざや肩のまわりに発生することが多く、初期の段階では腫れていても無痛だったり、運動後に痛むだけだったりするため、筋肉痛やねんざなどと間違われやすいです。

進行するにつれ、徐々に腫れと痛みが強くなり、熱を持つように。寝ていても痛みが続くようになったり、骨がもろくなって病的骨折を起こすこともあります。

痛みと腫れ以外の症状が出にくい病気なので、発見が遅くなりやすく、注意が必要な病気です。患部の痛みが1ヶ月も続く、痛みが強くなるようなら受診しましょう。

診断・治療
骨肉腫の診断には、血液検査、レントゲン、CT、MRIなどの画像診断や、腫瘍組織を採取した生体検査を行い、どんな病気なのかを確認します。

骨肉腫の治療は、抗がん剤による化学療法と腫瘍の切除手術による治療ですすめられます。手術では患肢温存術といって、できるだけ手足を残す方法がとられることが多いです。

5.【オスグッド・シュラッター病】ひざの下の骨が飛び出る病気

膝のまわりで起きる骨端症には、「オスグッド・シュラッター病」があります。「オスグッド」といわれ、スポーツをしている子におきやすいことで有名です。

骨端症は、しばしば「成長痛」として扱われることもありますが、明らかに骨の異常がみられる疾患なので、ここでは成長痛とは区別してご紹介します。

オスグットは成長期に多い症状なので「成長痛」と診断される場合もありますが、成長期の子が全て発症するわけではなく、99%がスポーツをしている子に発症します。

それでは、オスグッドがどんな疾患なのかをくわしくみていきましょう。

特徴・原因
太ももの筋肉の腱とつながる頸骨(ひざから下に伸びる骨)の骨端部分が、腱によって引っ張られて飛び出る病気です。

飛び跳ねたり、ボールを蹴る運動を頻繁に行う児童がよくなる疾患で、腱と骨の連結部分に負荷がかかりすぎることが原因といわれています。

骨がどんどん大きくなる成長期に、まだ固まっていない骨の部分が強く引っ張られると、炎症を起こしたり、剥離してしまうのです。

膝の骨端症には、もう一つ「ラッセン病」という種類もあります。ラッセン病は膝のお皿の下の軟骨が損傷して痛む病気です。

オスグッドとは発症年齢・原因などはほとんど同じですが、「膝の中」なのか「膝の下」なのかという、発症部位が異なります。

部位・症状・年齢
オスグッドは小学校高学年~中学生(11~15歳くらい)のスポーツをしている子におきやすい病気です。

同じ動作を繰り返すことで発症することが多いため、バスケットやサッカー、陸上などのチームに所属して練習をしている子がなりやすいです。

発症すると、ひざの下のすねの骨が飛び出てしまいます。触らなくてもわかるほど、ひざの下が盛り上がり、ボコっとしたコブができます。動かしたり押すと痛みを感じます。

治療
痛みがあるうちは、運動量を控えたり、運動方法を変えるのがよいでしょう。冷やしたり、ストレッチをするのがよいと言われています。

一般的には成長にともない症状が消失していきます。しかし、治療方法をあやまると悪化させてしまったり長引いてしまうこともあるので、専門家による判断を受けるのが大切です。

6.【アレルギー性紫斑病】膝やおなかの痛みと内出血による紫斑が特徴的

紫斑症には、「アレルギー性紫斑病」「血小板減少性紫斑病」「単純性紫斑病」「老人性紫斑病」などの種類がありますが、小児がかかりやすいのはアレルギー性紫斑病です。

アレルギー性紫斑病は、「アナフィラクトイド紫斑病」「血管性紫斑病」「IgA血管炎」「症候性血管性紫斑病」「シェーンライン・ヘノッホ紫斑病」などと呼ばれることもあります。

特徴・原因
何らかの原因で免疫システムに異常がおこり、血管が出血しやすい状態となって内出血が多くできます。この内出血は皮膚の上から見ると紫色に見えるため「紫斑」とよばれます。

紫斑の大きさは様々で、小さな点がポツポツとできる程度のものから、数え切れないほど沢山の紫斑ができる場合もあります。

紫斑病の発症前には、風邪・溶連菌・ブドウ球菌・水痘・麻疹・風疹・マイコプラズマなどの感染症を患っていることが多いです。

紫斑病のはっきりとした原因は解明されていませんが、これらの感染症や薬、食べ物などをきっかけとして免疫反応が起こっていると考えられています。

現在のところはっきりした原因は不明ですが、体を守る免疫システムの一つのIgAという種類の抗体と関連のある疾患と考えられています。

病気を治そうと頑張ったため、身体を守るはずの免疫システムに異常が出てしまうのです。

部位・症状・年齢
紫斑病は、3~10歳くらいの男児に発症することが多いです。1年中みられる病気ですが、特に夏には発症が少なくなる傾向があります。

足の痛みを訴える場合のほとんどは、膝から下の部分を痛がります。ひどくなると、自分で立って歩けないほどです。靴下や靴が脱ぎにくくなるほど浮腫む場合もあります。

紫斑は足関節を中心に左右対称に現れます。顔や腕に出る場合もあります。紫斑は指で押しても消えないのが、発疹との大きな違いです。

また、約半数の人が腹痛を起こし、嘔吐をともなうことがあります。また、血便や便潜血がおきることも。

さらに、紫斑病にかかった人の約半数が腎炎を発症し、慢性腎炎になってしまうことがあります。腎臓に症状が出てくると、おしっこの量が減ったり、むくみなどが現れます。

治療
痛みがあるうちは安静にする必要があり、症状によっては入院での治療となります。まずは最初に発症した感染症の治療をおこない、関節痛などにはステロイドが使われます。

腎炎が慢性化して「紫斑性腎炎」となってしまわなければ、予後は良好で、紫斑もあとが残らずにきれいに消えます。

7.【反張ひざ・浮き指】足の親指が反りすぎる場合は要注意

反張ひざとは、足を伸ばして立ったときに、ひざが反った状態になってしまうことです。通常とは反対の角度に曲がっているように見えます。

軽傷であれば気づかずに大人になる場合もありますが、放置すると骨の変形が進んでしまいO脚やガニ股になっていきます。

原因
反張ひざは、「浮き指」になっているとなりやすいです。浮き指とは、親指を甲の方へ曲げたときに90度以上曲がる場合をいいます。

指が反りすぎてしまうことで、かかとに重心がかかるため、後ろに倒れないようにするために膝を強く反らせてバランスをとります。

浮き指があると、体の重心がかかとへ片寄ってしまいます。かかとへの片寄りは左右差を伴うため足裏が不安定になってしまいます。この足裏の不安定を補うためにひざ・腰・首などに歪み(ズレ)が起こり、(中略)原因のはっきりしない痛みや体の不調・病気が起こってくるのです。

同じく、ヒールの高い靴をよく履く場合も、足指を反らせた状態でバランスをとるために、ふくらはぎの筋肉を硬直させてひざの裏を伸ばすことが多くなります。

特にクラッシックバレエのダンサーは、美しい立ち姿を見せるために、常に膝に力を入れて伸ばし続けています。バレエダンサーには反張ひざで痛みを抱える人が多いのです。

部位・症状・年齢・治療
反張ひざで痛みを訴える子どもは、2~12歳に多く、浮き指を併発していることがよくあります。痛みで夜中に泣き出してしまうことも。

痛みの部位は、ひざや腰に現れ、ふくらはぎや膝裏が疲れやすいという症状もみうけられます。

ひざの関節を正しい形に戻すことが主な治療となり、サポーターや装具をつけて矯正します。

下腿と足の病気・・・膝から下に現れる病気3つ

では続いて、子どものひざから下に痛みが起こりやすい3つの疾患をみてみましょう。ふくらはぎ、すね、足首のことを「下腿」、足首より先は「足」と呼びます。

  • ケーラー病・フライバーグ病・・・足の甲の骨端症
  • 踵骨骨端症(シーバー(セーバー)病)・・・かかとの骨端症
  • シンスプリント・・・すねの痛み

8.【ケーラー病】9.【フライバーグ病】足の甲・足指の付け根の骨端症

足の甲で起こる骨端症には、「第1ケーラー病」と「フライバーグ病(第2ケーラー病)」があります。足の甲の骨の血流障害により、骨が正常に育たなくなる病気です。

第1ケーラー病は舟状骨、フライバーグ病(第2ケーラー病)は第2中足骨に起きる骨端症です。
8.第1ケーラー病
足の甲の中央あたり、土踏まずのすぐ上あたりにある「舟状骨」という骨におきる骨端症です。5~7歳の男の子にみられることが多いです。

こどもの骨は、まだ未熟で軟骨成分が多く、特にこの時期は舟状骨への血流が行き届かなくなりやすいといわれています。

第1ケーラー病の診断はレントゲン撮影で行われます。通常丸みを帯びた形をしている舟状骨が、平らな形で写るのが特徴です。

第1ケーラー病は血流が乏しいとされる時期に、何らかの刺激が加わって、骨の形状がきれいな丸みを帯びた形にならずに、扁平な形になってレントゲン写真に写ります。

痛みを強く感じる場合には、体重をかけることを避け、足の底のアーチ部分を支えるようなインソールを入れて治療します。

骨の形に異常がなくなるまでは、激しい運動や長距離のウォーキングを避けた方がよいでしょう。定期的にレントゲン撮影をして経過観察をする必要があります。

服薬や手術などをしなくても、1~2年のうちに通常の舟状骨の形に戻るので、この病名を告げられても心配しすぎずに、長い目で付き合っていくことが大切です。

9.フライバーグ病(第2ケーラー病)
フライバーグ病は、足の人差し指や中指の付け根あたりで起きる骨端症です。足指の付け根の裏側や足の甲に痛みを感じる場合に疑われる病気です。

人差し指の骨で起きた場合は第2中足骨、中指の骨で起きた場合は第3中足骨の骨端症になります。12~18歳の女の子に起こりやすい病気ですが、大人でも発症します。

私たちは歩くときに、足指の付け根を反らせて地面を蹴り出しています。このときの反らせ方がキツくなればなるほど、人差し指や中指の付け根を圧迫することになります。

たとえばハイヒールで長時間歩くと、人差し指や中指の付け根が痛くなることはありませんか?これは足指を反らせたまま歩くことで、この部分に大きな負担をかけているからなのです。

何らかの原因で中足骨の骨頭部分の血流が悪くなり、そこへスポーツなどで負荷をかけ続けると、中足骨の骨頭部分がつぶれてしまいます。

特に、足指の付け根に負担をかけるような運動や、かかとの高い靴や幅の狭い靴で歩き続けたりするとフライバーグ病になりやすくなります。

診断はレントゲンやMRIで骨頭部分の損傷度合いを確認し、怪我のレベルに応じて治療をおこないます。発見が遅れるほど損傷はひどくなり、手術が必要になってくるので早期発見が大切です。

ステージが進行するにつれて、骨頭軟骨の損傷程度が拡大していきます。(中略)Freiberg病の治療は、StageⅠ~Ⅱは保存療法が選択され、StageⅢ~Ⅴは観血療法が選択されると言われています。

病状が軽い場合は、足底板を使って患部のクッション材にします。できるだけ安静にして損傷部分への負担を減らしながら、骨が正常に成長するまで待ちます。

10.【踵骨骨端症】別名「シーバー病」・・・かかとの骨端症

かかとの骨でおこる骨端症を「踵骨骨端症」といい、「シーバー病」や「セーバー病」と呼ばれています。

8~12歳頃の小学生によく見られる病気です。特に、サッカーなどのスポーツをよくする子どもが多く発症します。
特徴・原因
かかと部分には7~8歳頃に骨端核ができはじめ、足を成長させる働きをします。この時期に沢山の負荷をかけることで骨端部分が損傷してしまいます。

かかとの骨は、上につながる「アキレス腱」と足の裏につながる「足底筋膜」とつながって引っ張られています。

子どものかかとの骨は柔らかい軟骨成分でできています。走ったり飛んだりを繰り返すと、二つの方向からの負担が重なり、かかとの骨が剥がれて踵骨骨端症になってしまうのです。

また、土踏まずがない扁平足の人は、かかとへの負担が大きくなるため、発症しやすくなります。踵骨骨端症を発症した人の8割に扁平足がみられています。

また、土踏まずが無いような足(偏平足:へんぺいそく)の場合もかかとに負担がかかりやすくなる傾向があり、踵骨骨端症の約80%の人に、この偏平足があるといわれています。

部位・症状・年齢
小学校2~5年生くらいの男の子がよく発症します。かかとが腫れ、運動の後や起床時に痛みを感じます。

病状が悪化すると、かかとを着けて歩くことができなくなり、つま先立ちで歩く(尖足歩行)ようになります。

治療
痛みを和らげるために、一時的に運動を休止して様子を見ます。痛みがあるうちは、部活動や体育はお休みすることになります。

アキレス腱やふくらはぎ、足の裏の筋肉や腱を緩め、かかとをひっぱる力を押さえてあげると、痛みが和らぎます。

痛みが続くようであれば、かかとの部分にヒールパッドというクッション材を入れて、衝撃を吸収させるようにします。

かかとへの衝撃が大きいコンクリートの上を走ると、患部を悪化させてしまう恐れがあるので控えましょう。

11.【シンスプリント】骨をひっぱる筋肉の硬直によるスネの痛み

シンスプリントは、ふくらはぎの下の方で発症する疾患です。ランニングなどのスポーツをやっている人に多く、子どもだからなりやすいわけではなく、大人でも発症します。

特徴・原因
すねやふくらはぎには「ヒラメ筋」などの多くの筋肉が集まっていて、「頸骨」と呼ばれる骨とくっついています。

ジャンプやランニングを繰り替えすと、ヒラメ筋が緊張して固くなり、頸骨を引っ張ります。この緊張が続くことで頸骨への負担が大きくなり、炎症を起こすのがシンスプリントです。

シンスプリントの痛みの原因は固くなった筋肉が骨をひっぱるためなのです。痛みを我慢して練習を続けると、疲労骨折を起こしてしまいます。
部位・症状・年齢
スポーツをはじめたばかりの初心者に多くみられます。特に気をつけたいのが、中学1年生や高校1年生で、新しく部活動を始めたときです。

慣れない環境でまわりについて行こうと必死になり、ストレッチを十分に行わずに過度の「量・時間・内容」の運動をこなすとシンスプリントになりやすいです。

過度の運動量、運動時間、運動内容、(中略)などが発生の誘因となります。このうち、新入部員などにみられる急激な運動量増加が一番悪い影響を及ぼします。

また、扁平足やO脚の場合も、ふくらはぎの骨に負担がかかりやすいので、発症しやすくなります。

症状は、すねの内側やふくらはぎに痛みを感じます。走ったり、ジャンプしたり、すねの内側を押さえると痛みます。

最初のうちは痛みが軽く、運動ができてしまうくらいなので要注意です。症状は徐々に悪化し、ひどくなると歩けないほどの痛みに襲われるようになります。

治療
シンスプリントや疲労骨折はレントゲンでは発見できない症状ですが、痛みを感じる部位や状況などから判断して治療を行います。

治療には、スポーツを中止して安静にすることが大切です。一時的に痛みが引いたからといって、すぐに運動を始めると再発してしまいます。

シンスプリントを起こしてしまったら、治療に専念してしっかりと患部を休ませることが大切です。また、予防のためには運動前後のストレッチをしっかりと行いましょう。

痛みの場所が特定できない・・・むずむず脚症候群・成長痛

子どもは身体の不快感を上手に言葉で表せないものです。大人だったら「かゆい」「しびれる」という表現をする場合でも、子どもは「痛い」と言ってしまうこともあります。

また、痛みの場所がそのときによって違う場合もあります。ママの勘から「なんとなくここまで説明してきた疾患とは違うな」と思う場合、さらに考えられるのは次の2つです。

  • むずむず脚症候群
  • 成長痛
この2つの場合は、骨や筋肉に異常はみられません。また、内科的疾患もみうけられません。神経的なもの、精神的なものが原因となって起こる症状なのです。

12.【むずむず脚症候群】足の不快感を「痛い」と訴えているのかも

むずむず足症候群は睡眠障害に分類されています。夕方~夜になると、脚の中の方がムズムズしてじっとしていられなくなる障害です。

「レストレスレッグス」とも呼ばれ、神経疾患・睡眠障害に分類されています。子どもでも発症することがあり、不快感を上手に言い表せられずに「痛い」と表現することもあります。

特徴・原因
原因は特定できていない病気ですが、何らかの理由で脳内が鉄分不足になり、神経伝達がうまくいかなくなって起こる現象です。

ただし、子どもの場合は、体内の鉄分量が正常でもおきることもあります。この場合は遺伝による発症の可能性があります。

多くは発症原因のわからない特発性(一次性)むずむず脚症候群で、遺伝や鉄の欠乏、脳のドパミンの機能障害などが関係していると考えられています。

両親のうちどちらかがむずむず症を発症している場合は、子どもも発症することが多く、身体全体の鉄分が十分でも、脳まで運ばれる鉄分が不足していることがあるのです。

部位・症状
むずむず脚症候群は、主に「ふくらはぎ」」「太もも」「足の裏」に症状が出ます。脚の表面ではなく、中の方に違和感を感じるのが大きな特徴です。

子どもが発症すると、「足がかゆい、チクチクする」というような足の不快感を訴えます。また、足がむずむずするために、じっとしていられないことも。

日中はおさまっていても、夕方~夜に症状が強くなりやすいです。眠る前に感じてしまうとなかなか眠れずに睡眠不足になってしまうことがあります。

診断・治療
むずむず脚症候群が疑われる場合は、神経内科や睡眠専門のクリニック、精神科にかかるようにしましょう。

レントゲンに異常はみられないために、しっかりとお子さんの日頃の状況を伝えないと正しい診断が得られない場合があります。

たとえば、かゆみの発生する皮膚疾患や、落ち着きがなくてじっとしていられないADHD(注意欠陥多動性障害)と間違われることがあります。

脚を動かす運動を取り入れたり、鉄分の多い食事を心がけることで改善する場合も多いですが、それでも対処できない場合は投薬での治療となります。

13.【成長痛】遊び疲れや不安定な精神状態から起こる脚の痛み

成長痛は医学的に定義されていません。身体が大きく成長する時期によく起こる痛みであることから、いろいろな解釈で使われる病名です。

骨や筋肉に異常が見つからず、痛みの場所も日によって違う、夜中に痛くて泣いていたのに翌朝になれば治っている・・・、このような足の痛みを「成長痛」と呼びます。

我が家の5歳の息子も、昼間に沢山遊び回った日の夜に、涙を浮かべて足の痛みを訴えることがあります。翌日にはケロっとしており、典型的な成長痛の痛みのようです。

原因
成長痛は、以前は骨が成長することで起きる痛みだと言われていましたが、今は「昼間の遊び疲れ」「ストレス」「親にかまって欲しい気持ち」から起こると考えられています。

子どもは公園や広場などで活発に遊び回ります。しかし、骨や筋肉がまだ未熟なので、その運動量についていけずに、夜になると疲れが痛みとなって現れるのです。

また、家庭環境の変化によるストレスや、親の愛情を感じたい場合にも痛みを訴えることが多いです。たとえば「兄弟が生まれた」「ママが働き出した」などがきっかけとなります。

症状・特徴
成長痛の特徴は、夕方~夜、眠る前にかけておこる脚の痛みです。3~8歳(小学校低学年)で発症しやすく、幼稚園・保育園に通う年齢の子どもが多いです。

昼間は元気に遊んでいたのに、夜になると「脚が痛い」と泣いたり不機嫌になったりします。痛みは30分~1時間くらいでおさまり、翌朝には何事もなかったように元気にしています。

就学前の子供で「夜間に膝周囲を痛がって泣く。しかし朝になるとけろっとしていてふつうに走ったりできる」というのが一般的です。レントゲンを撮っても異常なく、診察上も特に異常を認めません。

痛みの部位は特定できず、ひざ、ふくらはぎ、足首、太ももなどで、左右もそのときによって代わります。

対処
成長痛の場合は、家庭でのケアが大切になります。痛みを訴えた場合は、ママの愛情をたっぷりと注いであげましょう。

間違っても、仮病扱いすることだけはやめてくださいね。本人は本当に痛みを感じているはずです。

「手当て」というように、ママが痛みの部分に手をかざしてあげるだけでも、子どもはラクになります。
    〔成長痛のケア方法〕

  • やさしくさすってあげる、マッサージやストレッチをする
  • お風呂であったまる、ホットタオルで足を温める
  • 靴下やレッグウォーマーをはかせる
  • 湿布や冷えピタなどで冷やす

ママが看てあげることで安心し、子どもも落ち着くことができます。どうしても手が離せないときには「靴下をはいてごらん」と声かけをして、後からゆっくりとスキンシップをとりましょう。

ただし、痛みが強くなる、昼間も痛がる、歩き方や脚の動かし方に異常が見られる場合は、成長痛ではなく疾患を抱えているかもしれません。病医院を受診して、検査をしてもらいましょう。

症状をよく確認してから病院へ・・・子どもの脚の痛みの対処

子供が足を痛いと訴えてきたときには、慌てずに状況をよく確認しましょう。「足が痛い」だけで救急にかかっても、重大な疾患を見逃してしまう場合があります。

患部をよく観察したり、日頃の過ごし方にいつもと違った様子はなかったかどうかなどを思い出してみることが大切です。

子どもが足を痛がった時のチェックポイント
  • 腫れや熱感など、痛む場所に異常はないか
  • 痛みがおさまるまでの時間や痛みを感じ始めてからの日数はどれくらいか
  • 脚をひきずるなどの歩き方に異常はないか
  • どのようにすると痛いのか、膝の曲げ伸ばしや捻りができるかどうか
  • 発熱や頭痛、嘔吐、貧血、内出血、腹痛などの症状はないか、元気があるかを確認

これらを確認し、すぐに痛みがおさまって翌日もケロっとしているようであれば、まずは成長痛と考えて様子をみてみましょう。

しかし、痛みが続き、他の症状も出るようであれば、整形外科へかかりましょう。レントゲンや触診もありますが、問診も大切になってきます。

たとえば「ひざを痛がる」という内容だけでは見逃してしまう病気もあります。お子様の症状を正確に伝えらえるように、診察前に準備をしておきましょう。

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