羊水過少症が起こる原因や症状、治療法。母体や胎児への影響について

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2017/07/19

羊水過少症かもしれない妊婦さん

お腹の中で赤ちゃんを守ってくれる羊水ですが、目安となる量があります。

その目安の量に比べて明らかに羊水の量が少ないことがあります。この羊水の量が少ない状態を「羊水過少症」といいます。

羊水過少症にはさまざまなトラブルやリスクがあります。どのようなものがあるのか、またどうして羊水過少症が起こるのかという原因や対処法について紹介していきます。

羊水過少症の判断基準とは

妊娠が進むと羊水の容量量はどんどん増え、ピークは大よそ妊娠30週目~35週目くらいにやってきて、約800mlになります。

その後は少しずつ減り始めて出産時は約500ml、普段コンビニなどで飲むペットボトル1本分の容量くらいになります。

羊水過少症と診断されるのは、この羊水の容量が100ml未満の場合です。ですが、羊水の容量を正確に計測することはできません。そこで、おおよその容量を計算します。

妊婦健診で行う経腹超音波の検査で、羊水ポケットが2cm以下で、羊水インデックス(AFI)が5㎝以下の場合、羊水過少症という診断になります。

羊水過少症が起こる原因とはどのようなものがあるのか

羊水過少症が起こる原因は様々なものがあります。赤ちゃんに原因がある場合や、お母さんの病気が原因になる場合があります。

では気になる原因を紹介していきましょう。

羊膜が破れ前期破水が起こっている

羊水過少症の原因の約半分は前期破水が起こっている場合です。

赤ちゃんが包まれている羊膜に穴が開いてしまい、羊水が羊膜から流れ出してしまう事で羊水の量が減ってしまうことがあります。

通常出産間近で陣痛が始まり、子宮口が全開大になってから赤ちゃんを包んでいる羊膜が破れ破水が起こりますが、前期破水はこの出産の準備が整っていない状態で起こる破水です。

前期破水は全分娩の約5~10%にみられる症状でになっています。決して珍しい現象ではないということになります。

赤ちゃんの腎臓機能に問題がある

羊水は赤ちゃんのおしっこが含まれています。

赤ちゃんは羊膜の中の羊水をのみ、飲み込んだ羊水を消化し、腎臓に送っておしっこを作っています。

赤ちゃんが大きくなれば飲み込む羊水の量も増え、それに伴いおしっことして排出される量も増えます。

ですが、腎臓や泌尿器系の機能どに問題があると、飲んだ量に比べておしっことして排出する量が減るため、羊水の量が減ってしまいます。

羊水を飲む量よりもおしっことして排出される量の方が少ないため、羊水過少症が起こってしまいます。

赤ちゃんの身体機能に問題がある

腎臓や泌尿器系の機能に問題がない場合でも、染色体異常などによって脳に障害を持っている場合には、おしっこの産生ができずに羊水の量が減る可能性がありあす。

実は妊娠中期以降の羊水過少症の原因の5~10%は胎児の染色体異常により身体機能に問題があるために起こっています。

お母さんの病気によって胎盤機能が低下している

糖尿病や高血圧や腎炎などの病気をお母さんが持っていると、胎盤の機能が低下する「胎盤機能不全」になることがあります。

胎盤の機能が低下すると、おなかの中の赤ちゃんに血液をしっかりと送ることが出来ず、酸素や栄養を十分に与えることが出来ません。

そのために胎児の発育がおくれ、身体の機能も成熟していかないために羊水を飲む、おしっこを出すということが出来ません。

薬による影響も考えられます

お母さんに病気がなくても、お母さんが飲んだり塗ったり貼ったりしたお薬の影響で胎盤機能不全が起こることもあります。

特に血液の抗凝結薬といって血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合には、胎盤機能不全が起こる可能性があるといわれています。

持病などによって血液の抗凝結薬を飲んでいるという場合は、妊娠が分かったらすぐに主治医に相談をしておきましょう。

胎盤機能不全が起こらないお薬に変えてもらったり、妊活中の場合もあらかじめ別の薬を処方してもらうようにしておきましょう。

多胎児の場合には「双胎間輸血症候群」の可能性も

多胎児の中でも、一つの胎盤を二人の赤ちゃんが共有する一絨毛膜双胎の状態の場合も起こりやすいです。

二人の赤ちゃんの間で行き交っている血液の量のバランスが崩れ、片方の赤ちゃんが羊水過少に、片方の赤ちゃんが羊水過多になる可能性もあります。

羊水過少になる赤ちゃんには流れる血液の量も少なくなってしまうため、発育が遅くなってしまったり、亡くなってしまう危険性もあります。

▼羊水過多症についてはコチラも参考にしてみて!

原因不明の場合もある

さまざまな検査を行っても、羊水過少症が起こる原因が分からないという場合もあります。このような場合も決して少なくはないんです。

羊水過少症が赤ちゃんにどのような影響を与えるのか

羊水の量が通常に比べて非常に少ない状態になる羊水過少症になると、おなかの中の赤ちゃんにはどのような影響があるのでしょうか?主な影響についてまとめてみました。

羊水のクッション機能が働かない

お腹の中で赤ちゃんをクッションのように外からの刺激から守る役割が、羊水が少なくなることでこのクッション機能が働かず、刺激が伝わりやすくなります。

子宮の強い筋力からも羊水は赤ちゃんを守っていますが、この機能も低下してしまいます。

すると手足などが変形してしまったり、関節に障害が出てしまったりする危険性もあります。

身体機能の発育が阻害される

羊水の中では赤ちゃんは自由に動き回り身体機能を鍛えてます。ですが、羊水が少ないことで自由に動き回ることが出来なくなるため、発育が阻害されてしまいます。

さらに飲める羊水が少ないことで、心肺機能の向上や消化器官の機能の向上といったことが阻害されてしまいます。

胎児と羊膜が癒着を起こす危険性も

お腹の中の赤ちゃんは、お母さんの子宮の中に、さらに羊膜という薄い膜につつまれ、羊膜の中に羊水があることで浮かんでいる状態で過ごしています。

ですが、羊水が少ないと羊膜に触れてしまう危険性があります。

羊膜に触れる時間が長いと赤ちゃんと羊膜がくっついてしまう「癒着」ということが起こってしまい、赤ちゃんの発育に悪影響が出てくる危険性があります。

常位胎盤早期剥離が起こりやすい

胎盤は通常出産のときに剥がれ落ちますが、胎盤早期剥離は出産の前にはがれてしまう病気です。

常位というのは正常な位置を表していて、通常であれば問題がないのに羊水過少によって胎盤が早期剥離を起こしてしまう症状です。

この常位胎盤早期剥離が起こると緊急の帝王切開が必要になったり、母体や胎児にリスクが及ぶ場合もあります。

微弱陣痛や遷延分娩で出産が長引く危険性もあります

正常な出産は陣痛の間隔が10分以内になった分娩開始から、初産婦の方は30時間以内、経産婦の方は15時間以内の出産となります。

ですが、羊水過少によって陣痛が弱い微弱陣痛となることで、正常な出産時間を超えてしまうことがあります。

これが遷延分娩です。遷延分娩によって分娩時間が長引くと、赤ちゃんにとっても大きな負担となるために帝王切開が必要になることがります。

羊水過少症の治療方法とは

羊水が少ない羊水過少症を治療していくことが出来るのでしょうか?

根本的な治療方法はありません

羊水過少症となってしまった場合、実は根本的な治療方法というものはありません。

対処療法として人工羊水を注入するという事を行うことがありますが、基本的にはこの方法も根本的な治療ということはできません。

妊娠初期や中期は自宅で安静が基本

妊娠初期や中期の段階で羊水過少症が見つかった場合には、基本としては自宅での安静となります。

出来るだけ臍帯からの血流が悪くならないようにするために、安静時は横向きの姿勢で休むことになります。

自宅安静時はできるだけ水分を沢山補給するという事も大切です。

自宅安静が基本となりますが、羊水の量が極端に少ないなど症状が重たい場合には、入院管理が必要になることもあります。

妊娠後期は入院管理の必要も

妊娠後期になると赤ちゃんも大きくなり、羊水過少症によって赤ちゃんの体が圧迫されてしまうリスクや内臓機能などの未発達などが深刻化する危険性があります。

人工羊水を支給に注入したりすることも出てきます。赤ちゃんの状態をしっかりと観察するために入院管理が必要になることも多くなってきます。

人工羊水の注入は、検査をスムーズに行うためにも行われることがあります。

早期に出産も検討するケースがあります

お腹の中の赤ちゃんの健康状態に問題があったり、へその緒への圧迫や赤ちゃんの体に対しての圧迫が強い場合には、正期産を迎える前に緊急帝王切開を行ったり、促進剤を利用して緊急分娩を行う事もあります。

羊水過少症は何かしらの症状がでるのか

羊水過少症は赤ちゃんに深刻な問題が起こっていたり、出産児にトラブルが起こってしまうこともある症状です。

自分自身で羊水過少症になっていないかを知ることはできるのでようか?

分かりやすいのは前期破水

羊水過少症の大半の理由は前期破水になります。妊娠すると通常に比べると失禁をしてしまうこともありますが、破水は無色無臭の液体が子宮から流れ出てきます。

なんとなくおかしいと感じた場合には、すぐにかかりつけの産婦人科の医師に相談をしてみてください。

羊水は尿とは異なる成分になっていますので、検査によってすぐにわかります。

もし破水していたときには羊水過少症になる可能性もありますので、先生の指示に従い行動をするようにしましょう。

通常に比べるとお腹が大きくならない

前期破水がなくても羊水過少症を疑うことが出来る症状があります。それは、通常に比べると妊娠が進んでいるのにお腹が大きくなりにくくなります。

妊娠中期に入ってもあまりお腹が大きくならないときには羊水過少症を疑うことになります。

また、妊娠中期になると胎動も感じ始めますが、胎動が弱かったり、お腹を触ったときに赤ちゃんの足や手の様子がなんとなく分かりやすいということもあります。

妊婦検診をしっかりと受けていれば、通常の妊婦健診で腹囲を測ったり羊水インデックスや羊水ポケットを測り羊水の量を調べますので、その結果によって羊水過少症が起こっていないかどうかを知ることが出来ます。

妊婦検診は必ず受けるようにすることで、羊水過少症を早めに察知することが可能です。

医師とよく相談をして不安を取り除きましょう

羊水過少症は深刻なトラブルやリスクが考えられる症状にはなりますが、かといって妊娠中のお母さんが何かを出来るわけではありません。

出来ることはできるだけお腹に衝撃がかからないようにすることと、安静にすることです。

羊水過少症でも出産を無事に迎えるお母さんたちも多いので、不安ばかりを感じることは避ける必要があります。

出来ることが少ないだけに悲しい気持ちになりやすい羊水過少症ですが、今は胎児がママにお休みの時間をくれていると思い、ゆったりとした気持ちで安静にして過ごすようにしましょう。

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